2020年7月10日 (金)

文政権、宗主国中国の施策にますます近づくのか

 国内では昨日東京で新型コロナウイルス新規感染者数が224人と、過去最高を記録したと大騒ぎになっています。全国でも300人を超え、いよいよ第2波の襲来を予告するものかもしれません。今日の新規感染者数の数字が注目されます。

 さて視点を一歩国外に向けますと、韓国は最近WTOへ日本を提訴など、多少の反日の動きはありますが、一時ほどではないようです。その理由はボルトン暴露本の影響や北朝鮮による挑発など、日本以外の事案が多くなっているからかもしれません。

 そこで本日は最近の韓国事情を産経新聞のコラム「加藤達也の虎穴に入らずんば」から引用して紹介します。タイトルは『韓国に“北朝鮮安全維持法”ができないことを願う』(7/07)です。

 文在寅政権が誕生した2017年、韓国では民主化運動を扱った映画が相次いでヒットした。

 「1987、ある闘いの真実(邦題)」は北朝鮮のスパイと疑われた学生運動家が取り調べ中に拷問死した1987年の事件に材を取った作品だ。一方「タクシー運転手 約束は海を越えて(同)」は80年5月の光州事件を取材した実在のドイツ人記者と、記者を現場の光州まで乗せて案内したタクシードライバーの体験に基づく。どちらもエンターテインメントとして、よくできた作品だったが、韓国での大ヒット、高評価の背景にはさらに別の要素もあったはずだ。

 当時を生きた韓国人にとって、「民主化」の歴史は「独裁」と闘った物語として記憶に刻まれている。

 2つの作品は韓国人の“誇らしい共通体験”をくすぐるツボにはまり、朴槿恵前大統領を権力の座から引きずりおろし、文政権を誕生させた“ロウソク革命”の主人公だと高揚した国民に深く刺さったのだろう。

× × ×

 2つの韓流「民主化」映画に触れたのは、中国に弾圧される香港の民主派が、デモで政権交代を引き起こした韓国の姿や、映画から勇気を得たという話を聞いたからだ。

 韓国メディアによれば、香港の政治団体「香港衆志(デモシスト)」の幹部だった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏らは先月、韓国の進歩系政党の国会議員と対談した際、「香港の人々も映画『1987』を見て勇気を得た」「(朴前大統領の弾劾を求めた)ロウソク集会の報道にも多く触れ、感動した」と話した。

 黄氏らの思いを聞いた後で、文政権の中国に対する姿勢を見ると、香港のご期待に沿えず、切なくなってくる。文政権はむしろ民主化に退行し、独善的な規制強化に向かってきた。

 例えば慰安婦問題や、日本統治時代の歴史的事象について政権が「よし」とする見解以外、異論をはさむことを罰則付きで禁じようとしている。

 さらに今月中の創設が予定されている「高位公職者犯罪捜査処」は国会議員や裁判官を含む高級公務員の犯罪を取り締まる専門機関だ。政権の利益に反する捜査を進める現在の検察幹部などは「職権乱用罪」が“乱用”されて真っ先にターゲットにされかねない。

× × ×

 ところで、中国が香港から表現の自由を奪うために導入した「香港国家安全維持法」の威力はすさまじい。施行翌日の1日には抗議デモの参加者ら約370人が逮捕され、市民の間に十分な萎縮効果を生んだ。

 これは処罰規定の適用が広範かつ曖昧で、香港に住んでいない外国人にも適用、起訴される恐れすらあるとみられる。スイス・ジュネーブの国連人権理事会では中国が法を施行した直後の先月30日、日本のほか英仏独など27カ国が高度な自治を保障した「一国二制度」を弱体化させると懸念する共同声明を出した。

20200706_wb_ns04_b83640a17b198ebd_9  だが韓国はこの声明に加わらなかった。韓国は日米欧と共有すべき価値観を捨て、中朝のような独裁的な権威主義チームに入ったと解すべきなのだろうか。

 民主主義の根幹である表現の自由を制限する一方で、権力の独占を図る法令や制度を持ちたがっているようにも見える文政権。実は香港民主派に冷たいだけではない。自由を求めて北から逃れてきた自国民が風船で北へビラを飛ばすことを禁じ捜査させるなど、脱北者にはもっと冷たい。

 北の利益を損なった自国民を北に引き渡すのではと不安視されるが、これは中国の利益を損なった香港人を香港で拘束して中国に送る仕組みと同じだ。古来、国造りの範を中国にならい、国家よりも「民族」を重視する文政権。近いうち、韓国に“北朝鮮安全維持法”が出現するのかな?

 まさに文政権の最近の施策は、中国の施策に近いものがあると言ってもいいのかもしれません。そして以前このブログでも指摘したように、文大統領の腹の中は「同胞北朝鮮、そして宗主国中国」への憧憬が溢れているように見えます。

 もちろん米韓同盟のもと、朝鮮戦争での戦争相手国である北朝鮮や中国と、停戦状態である現在、おいそれと手をつなぐことはできないでしょう。しかも北や中国は文政権を無視しているのが現状です。

 ただ想いが募れば焦がれる相手と結ばれると思っているのか、その思いを伝える手段として中朝の体制に近づいているとすれば、民主国家や自国民に対する最大の冒涜となります。このままそのリスクを抱えながら突っ走るのか、文政権の今後の動向は、引き続き注視していかねばならないでしょう。

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2020年7月 9日 (木)

球磨川氾濫の教訓 なにが川辺川ダムを中止に追い込んだのか

99cd0ed259b4e2ef9962c26290123397  昨日のこのブログで、「治水対策だけでは防げない最近の異常な豪雨」を取り上げました。しかし、治水対策の一つ「ダム」による洪水予防の効果は万人認めるところです。しかし球磨川の支流、川辺川のダム計画は中止になりました。このダムが完成していれば、今回のような甚大な被害にはならなかったという、可能性を指摘する人もいます。

 「ダムによらない治水」という目標を掲げた熊本県の施政がなぜ決定したのかは、2008年の熊本県知事選にさかのぼるようです。そのあたりの事情を中野区議会議員で元国交省研究官(工学博士)の加藤拓磨氏が「アゴラ言論プラットフォーム」に寄稿した記事を以下に引用掲載します。タイトルは『球磨川氾濫の教訓:なにが川辺川ダムを中止に追い込んだのか』(7/08)です。

九州地方で発生した記録的な大雨に伴う球磨川の氾濫や土砂災害により、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。

本災害は激甚災害にも指定される予定との報道もあり、非常に大きな被害である。

私は以前、国土交通省で河川防災に関する研究をした経験があり、過去に「緊急放流、八ッ場ダム…今こそ「治水」を語ろう」など治水に関する投稿をさせていただいた。

Hqdefault_20200709114401 苦渋の決断だった「川辺川ダム」中止

今回の被災地である球磨川流域の治水計画を語る上で、球磨川の最大支流である川辺川に建設予定であった川辺川ダムの存在を無視することはできない。

蒲島知事「『ダムなし治水』できず悔やまれる」との報道があった。

知事は「川辺川ダム計画に反対し、ダムによらない治水をすると言ってきたが、ダムを作っておくべきだったという思いは?」という問いに、

「私が2008年にダムを白紙撤回し民主党政権によって正式に決まった。その後、国、県、流域市町村でダムによらない治水を検討する場を設けてきたが、多額の資金が必要ということもあって12年間でできなかったことが非常に悔やまれる。そういう意味では球磨川の氾濫を実際に見て大変ショックを受けたが、今は復興を最大限の役割として考えていかないといけないなと。改めてダムによらない治水を極限まで検討する必要を確信した次第だ。」

と回答されている。

奇しくも先日の都知事選に立候補された小野たいすけ前熊本県副知事のTwitterで蒲島知事からのメッセージで川辺川ダムについて触れている。

「熊本県知事就任後の川辺川ダム建設計画・白紙撤回の際、当日の朝ギリギリまで答弁を一緒に考えたこと、また、財政再建のため月額100万円の給与カットをした際、小野君が自分より給与が安くなった私を見かねて食事を御馳走してくれたことは、二人にとって大切な思い出です。」

蒲島知事県政で2人の想い出として、メイントピックとして挙げられるほど、熊本県において川辺川ダムを中止したことが苦渋の決断だったことがうかがい知れる。

3_20200709114401  県全体で反対ムードが高まっていった中止の経緯

国土交通省 九州地方整備局に川辺川ダム建設事業の経緯が記載されている。

概略としては1963~1965年(昭和38~40年)において球磨川流域で3年連続の豪雨による大災害が発生し、昭和40年(1965年)に寺本熊本県知事は、瀬戸山建設大臣に対して川辺川に治水ダムを早急につくることを陳情した。

ちなみに昭和40年7月洪水は20~30年に一度発生する確率の洪水であった。

国は1996年に球磨川水系工事実施基本計画策定し、工事・補償について順調に進め、1996年には川辺川ダム本体工事着工に伴う協定書調印を行った。

バブル崩壊後に公共事業見直しが騒がれる中、長野県の田中康夫知事が誕生し、「脱ダム宣言」を表明し、公共事業、特にダム事業に対する反対運動が盛んとなった。

長良川河口堰においては全国な話題となり、第2次橋本内閣の建設大臣であった亀井静香が徳島県の細川内ダム計画を凍結したことから、各地でさらに活動が活発となった。

日本共産党、朝日新聞などの一部マスコミが積極的に関与し拡大していった。

川辺川ダムもその対象となり、「壮大な税金の無駄遣い」として反対運動を全国的に広め、ダム反対派は「川辺川ダムは無用の長物」として建設中止を強固に求めた。

その後、紆余曲折あり、県全体で反対のムードが強まり、2008年3月の熊本県知事選では争点ともなり、当選した蒲島熊本県知事は就任後、「川辺川ダムについて、有識者会議を設置して9月までに判断」と発言し、同年9月に「現行の川辺川ダム計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求するべき」と表明した。

ちなみに熊本県民新聞WEBという地元情報メディア(地元紙の熊本日日新聞とは別)に知事選の当時の様子が記されている。

『川辺川ダム建設反対は蒲島を除く4人。蒲島も「1年後に検討して結論を出す」としていたのが最近では「半年後」と変った。反対派の票がほしくなったのか。筆者の僻みかもしれないが、各メディアを通じ知る限りどの候補も”当選したい”一念からか、個人マニフェスト、討論会を見聞しても独自色が薄いという事である。』

このように、県全体として建設反対のムードが高まっていたことがわかる。そして、2009年1月から「ダムによらない治水を検討する場」を開始し、2009年9月に民主党政権が誕生し、前原国土交通大臣が川辺川ダム中止を表明した。今もなお、「ダムによらない治水を検討する場」でダムなしの総合治水を検討している。

「ダムによらない治水」はなぜ困難だったのか

では「ダムによらない治水を検討する場」では、川辺川ダムに変わる主にハード面における水害対策(引堤、河道掘削等、堤防嵩上げ、遊水地、ダム再開発、放水路、宅地のかさ上げ等、輪中堤)が示されている。

引堤は川幅を広げ、水の流下能力を向上させる方法だが、堤防を現行の場所よりも住宅地側に堤防を設置するために、川沿いの方々は移転を求められる可能性が高い方法である。

河道掘削は川底の土砂を掘り、流下能力を高める方法であるが、掘っても掘っても土砂が補給されるためにランニングコストが非常にかかる方法である。

堤防嵩上げは堤防の高さを上げることで流下能力を上げる方法だが、土を高く盛るためにはそれだけ幅が必要になるため、堤防沿いの住宅地においては移転が求められる可能性がある。

遊水地、ダム再開発、放水路、輪中堤は水を逃がす方法であるが、そのために水没させる土地が必要である。

宅地のかさ上げは住宅地が水没することを前提として、家を底上げする方法である。

どの方法も時間と金がとてつもなくかかる方法であり、ダム建設予定地よりも下流側での用地買収が必要となってくる。

ダムにより水の中に町が沈むことも避けたいところではあるが、現状からいって、「ダムによらない治水」を実施していくことは困難である。

科学に基づかない情報が広がった結果…

晴川雨読というサイトの記事「川辺ダムがあったら球磨川は氾濫しなかったか?」で、川辺川ダムがあった場合についての概算がなされているが、相当の治水効果が見込めそうである。

また、今回の災害を受け、早々に治水安全度を向上させるためにどうすべきであるか、当事者たちがよく理解されていると思う。

議員や環境活動家などが問題視し、マスコミが問題をあおったこの結果がこれである。

地元住民は命・資産を守ってほしいにもかかわらず、河川環境を守って欲しいと地元に住んでいない活動家が声を上げている構造がほとんどであった。どうやら最近、その活動家は放射能や気候変動に対して偏向な活動をされているとは聞いている。

放射能、豊洲の地下水、新型コロナなど、これまでマスコミが不安をあおる報道を続けてきたが直接・関節的に人命を奪うことにもなる。

SNSが発達した昨今、科学技術に基づいた正しい情報が周知され、感性ではなく理性で事業が進められることを切に祈る。

 長期に亘る自民党政権、バブル崩壊後の長期的なデフレ不況と閣僚の不祥事などが重なって、国民の反自民ムードが一気に高まり、神風が吹いた民主党政権への交代劇。その民主党が掲げた看板の一つが「コンクリートから人へ」でした。その流れの中で中止となった「川辺川ダム」。

 ここで言えることは加藤氏が指摘しているように、情緒に訴え科学を無視した、偏向活動をする輩が必ずいると言うことです。民主党政権への政権交代は、その極めて大きな流れの中で実現したことなのかもしれません。つまり国民の総意までも動かす恐ろしい流れが、あの時発生したのでしょう。

 福島原発の事故後の反原発の流れもその一つかもしれません。いくら原子力安全委員会が科学的な根拠で安全性を精査し、再稼働を結論付けても再稼働を反対し続け、原発そのものを廃止させようとするその流れです。

 必ずしも自民党政権が万全だとは言えません。結構綻びも見られます。しかし怖いのは、その綻びが利用され、また大きな流れを生むこともありうると言うことでしょう。国民は、科学技術に基づかず、情緒だけに訴え、或いはフェイクによって流れを起こそうとする反日活動家に騙されず、しっかり情報を捉える必要性を強く感じます。

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2020年7月 8日 (水)

治水対策だけでは防げない最近の異常な豪雨には、自助、共助が決定的に重要

20200704s00042000498000p_view  今年も梅雨時期の豪雨被害が相次いでいます。今朝は地上波各局で、長野、岐阜両県に大雨特別警報が発令され、最大級の警戒を呼び掛けている映像が長時間流れていました。昨夜は福岡、大分でも大雨洪水の被害が出ています。

そして何といっても50人以上の犠牲者を出した熊本県、球磨川流域の大洪水。今回10か所以上の決壊氾濫を起こしたこの「暴れ川」に関して、産経WESTは以下のように記述しています。タイトルは『「ダムによらない治水」進まなかった球磨川』(7/07)です。

 熊本県南部などを襲った豪雨。氾濫した球磨(くま)川は、「日本三大急流」として知られ、過去にも水害に見舞われたことから「暴れ川」の異名も持つ。流域の治水対策をめぐっては、昭和40年まで3年連続で起きた水害を機に治水ダム計画が進んだが、地元の反対を受けて中止された。その後、国や流域自治体、地元住民で治水対策を協議し続けてきたが、抜本策が打ち出せないまま今回、想定を上回る甚大な豪雨被害が起きた。

 球磨川は熊本県水上村の源流から人吉盆地、八代平野を経て八代海に注ぐ全長115キロの1級河川。流域の年間平均雨量は全国平均の約1・6倍の2800ミリで、本流と支流の合流点にあたる人吉市中心部や球磨村渡地区は、洪水の危険性が以前から指摘されていた。

 熊本大の大本照憲教授(河川工学)は、今回は本流と支流双方が同時に増水し、異常出水につながったと分析。「人吉市街地では急速に水が流れ込み、避難できないほどの流速だった可能性がある」とする。

 だが、流域での治水対策は進んではこなかった。国土交通省によると、球磨川流域では40年7月に大規模な水害が発生。翌41年、国は球磨川支流の川辺川に治水を目的としたダムの計画を発表した。

 しかし、地元の反対などで事業は進まず平成20年、蒲島郁夫知事が計画反対を表明。翌年、民主党政権が計画を中止した。その後、国や県、流域自治体が堤防かさ上げや川底の掘削などの治水策を協議してきたが、議論はまとまらず、ダム計画も廃止されていない。

 「ダムによらない治水を目指してきたが、費用が多額でできなかった。非常に悔やまれる」。蒲島知事は5日、報道陣の質問にこう述べた。国交省九州地方整備局は球磨川の国管理流域だけでも11カ所で氾濫、人吉市中神町で堤防1カ所が決壊しているのを確認している。

 大本教授は「ダム以外にも田畑など『安全弁』となる氾濫地帯をつくるなど、人的被害を最小化するため流域全体での治水対策を早急にとる必要があった」と指摘している。

 確かに球磨川の氾濫にはダムによって人吉市が位置する中流域の水嵩を1、2メートル下げる効果があると、識者が語っていて、もし川辺川にダムが建設されていれば、これほどの被害にはなっていなかったかもしれません。

 ただ最近になってたびたび発生する、異常な線状降水帯がもたらす豪雨は、簡単に一時間100ミリを超えてしまいます。このような異常な豪雨には、ダムや堤防などの治水では、もはや手に負えないレベルになっているのではないでしょうか。昨年発生した台風19、21号による豪雨が発生した後、週刊ポスト紙上に大前研一氏のコラムが掲載されていました。タイトルは『繰り返される大水害 今こそ「洪水プレイン」の整備を』(11/23)で以下に引用掲載します。

 21世紀は災害の世紀という言い方をする人もいるほど、台風や豪雨、地震や津波などの巨大災害、複合災害が続いている。想定外の事態が次々と発生したため被害が大きくなったというが、経営コンサルタントの大前研一氏は、歴史の教訓に学び、大水害に備えた「洪水プレイン」が必要だと訴える。この「洪水プレイン」とは一体何か。大前氏が解説する。

 * * *

 台風19号と21号に伴う豪雨で多数の川が決壊・氾濫し、甚大な被害が出た。国土交通省によると、台風19号では宮城、福島、長野、茨城など7県の71河川・140か所が決壊した。台風21号では千葉や福島など5県で27河川が氾濫したと報じられた。

 今回は百年に一度の集中豪雨だったから想定外の事態が多々起きて被害が拡大したという。だが、歴史の教訓に学んでいればかなりの被害は防げたはずであり、それができなかったのは“行政の怠慢”だと思う。

 具体的な対策としては、豪雨や高潮による浸水想定区域をシミュレーションした「ハザードマップ」に基づき、水害リスクが高い地域では安全な場所に住民を移住させるべきである。私は2011年に「3.11」(東日本大震災)が起きた時、8日後の3月19日に【1】津波で被災した地域を「津波プレイン(平原)」に指定して土地を買い上げ、人は住まわせない【2】住宅地は安全な高台に移す―という復興ビジョンを提案した。それと同じように、台風などによる水害リスクが高い地域は「洪水プレイン」に指定し、どうしてもそこに住みたいという人には自己責任で住んでもらうのだ。

 これはオーストラリアなどでは当たり前のコンセプトで、水害リスクが高いとわかっているエリアの土地は行政が売買を制限する。たとえば百年に一度、津波や洪水で大きな浸水被害が出ている土地の場合、そのことを売り手が売買契約書に明記し、買い手もそれを了承してサインしなければ契約は成立しないのだ。

 そんな危ない物件が売れるのかと思うかもしれないが、そういう土地は普通の土地より格段に安いから買い手がつくのである。そして「洪水プレイン」に土地を買った人は、たいがい高さ2mほどのマウンド(盛り土)を作り、その上に家を建てている。

 日本の場合、物件によっては「重要事項説明書」に水害の履歴などが小さく簡単に記載されているが、今後は行政が「洪水プレイン」の考え方を取り入れるとともに、不動産を売買する時はすべてのリスクを明確・詳細に開示することを義務付けるべきである。

 日本はゼネコンも歴史の教訓に学んでいない。今回の豪雨では川崎市・武蔵小杉のタワーマンションで地下の電気設備が浸水してエレベーターが動かなくなり、断水も発生した。しかし、1995年の「阪神・淡路大震災」で神戸のポートアイランドや六甲アイランドの高層マンションは液状化現象で地下の電気設備が全滅し、全く同じことが起きている。その教訓に学べば、電気設備や非常用電源は屋上などの高所に設置しておくのが当然ではないか。

 天災は自然が人間にもたらす試練である。だが、そこから学ぶことで被害を減らしてきたのが人間の歴史でもある。好例はオランダだ。国土の4分の1が海抜ゼロメートル以下のため、全長32kmの大堤防や浚渫した砂で海岸線を海面上昇と浸食から守る防波堤などを建設し、今ではその技術を世界中に輸出している。

 日本も台風19号の「10.12」と21号の「10.25」を歴史の教訓とし、それを克服する仕組みや新しい技術を生み出すとともに、不動産売買などで土地の履歴を明示して価格や建築基準に反映すべきである。それを怠れば、再び甚大な被害を出すことになるだろう。

 確かに大前氏の言うように、防災には行政の一層の役割の必要性は大きいかもしれません。しかし行政が様々な対策や提案をしても、業者や住民がそれに従わなければ意味がありません。特に長期に亘って住居を構えている、その土地に愛着を持っている人たちは、容易に他の場所への移動を拒むでしょう。

 もともと山の斜面の麓や川の近くに住んでいる人には、土砂災害や洪水被害のリスクは極めて高い。そんなところに住むなと言っても、そう簡単には引っ越しはできないでしょう。経済的にも大きな負担がかかります。そこで大事なことは大前氏も言うところの「自己責任」です。

 まずそういう地域では、地域住民の総意で一定の範囲に一か所は、大勢を収容できる頑丈な3階建て以上の高層の建物を作って、避難所にするべきでしょう。学校の体育館では低層で役に立たないところでは、高層にする必要があります。災害復旧の巨額の支出を思えば、あらかじめこういう建物を建てておくのは最低限必要ではないかと思います。そこへ警報が出た場合は避難する、それが一つの手段です。

 それが自治体予算の範囲でできないならば、それこそ自己責任でどう避難したらいいか、あらかじめ考えておいてそれを実行するしかありません。

 一般的に災害時においては、自助、共助、公助の順で防災に当たる、というのが原則です。高齢者施設の人たちや子供は別として、なんでも行政に頼るという考えは捨て去り、まず自分で自分を守る、又近所の人たちで共同で守るという精神が必要でしょう。

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2020年7月 7日 (火)

コロナ感染再拡大、東京都の新対策を海外はどう見ているのか

2_20200707112001  日本のメディアを今総なめしている感のある九州地方の豪雨による洪水。線状降水帯という、数年前からポピュラーになったこの現象がまたもや九州全域を襲っています。熊本県球磨川流域の大洪水は、その規模や速度とも想定外という人が多いようですが、近年想定外の災害が頻発し、もはや想定外ではなくなりつつあります。恐ろしいことです。

 その災害のおかげで、と言っては語弊がありますが、東京都の都知事選や新型コロナウイルスの感染拡大の情報は、少し陰に隠れてしまった感があります。特にコロナの感染は東京都で5日連続100人越え、全国でも200人前後の感染が続いています。クルーズ船の感染者を除く国内感染者は2万人を今日でも超えるでしょう。

 最近の状況を海外はどう見ているのでしょうか。東京大学大学院情報学環准教授の伊東乾氏がJBpressに寄稿したコラム『米英大学からバカ呼ばわりされた東京都「基準を設けない対策」は都知事選への政治利用か』(7/07)を以下に引用掲載します。あくまで海外から見た日本の情報ですので、その点はご了承ください。

 6月末日、東京都が新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、見直しを進めてきた新たなモニタリング項目を取りまとめたとの報道がありました

「感染状況や医療体制を専門家に分析してもらい、都が評価して注意喚起するかどうかを判断」するということで、7月1日から試験的に運用されているらしいのですが・・・。

 先に結論を記します。「くるくるぱぁ」の仕儀と断じざるを得ません。

 私が言っているのではない。米ハーバード大学やニューヨーク大学、英オックスフォード大学など世界の指導的専門研究機関12大学で構成する「グローバルAI倫理コンソーシアム」での議論です。

 このコンソーシアムで、東京都の話題を提供したところ、「意味がない。理解不能」と判断されました。

 なぜでしょうか?

 ダメの三段重ね、意味不明の重箱がおせち料理のように三重に重ねてあるから、一般読者の印象に残りやすいよう「くる」「くる」「ぱぁ」と記述してみました。

 具体的に見てみましょう。

どこの「部族長老会議」か?

 東京都は「新たな感染者数」や「感染経路が分からない人の数」や「その増加比率」「入院患者の数」など「感染状況と医療体制を示す7つの項目」を、前の週や緊急事態宣言が出されていた期間中の最大値と比較しながら「専門家に分析してもらう」という。

 これがまずダメの1段目。「くる」です。

「専門家の分析」の結果をもとにモニタリング会議を開いて「都が」現状を評価、状況が悪化したと判断した場合は、都民に不要不急の外出自粛の協力など注意喚起を行うというのが、ダメの2段目、雛飾りや五月人形でいえば二段飾りとでもいえそうです。

 手順だけの虚飾ですが、「くる」の2つ目。

 そして、最終的なダメの致命傷が、「新たなモニタリング項目に、都民に警戒を呼びかける基準となる数値は設けない」というものです。

 これはもう、誰が見てもシラフなら分かる「ぱぁ」の仕儀で「メン」「タン」「ピン」ではないですが、ダメがダメを損ねて終わりつつある「くるくるぱぁ」な状況でしょう。

 少なくとも2020年代のデータ駆動型、知識集約型グローバル社会の中ではあり得ない「部族長老会議」での対応となっている。

 よろしいでしょうか?

 世界各国では、時々刻々のコロナ関連データが正確にオンラインで集計され、人間の談合、適当な腹芸ではなく、地域内での最適化などシステムを駆使する対策が取られ、あるいは急ピッチで準備されています。

 ところが日本のシステムは、ファックス送信データを手打ちするとか、もうお話にもなっていないことが報じられたのを読者もご記憶と思います。

 どれくらい正しいのか分からない、また場合によっては数字に手心を加えられる、システマティックでないデータをもとにまず、専門家に分析評価「してもらう」・・・。

 これは要するに、行政としての責任を取らず、正体不明・責任所在も不明で着脱自在の「専門家会議」の相談、もっと露骨に書くなら「談合」でたたき台を作らせるわけですから、この時点で客観性がほとんどない。

 サイエンスの教育を受けた人なら、データとして信用できないと断じる必要がある「センテンス」が出てくる。いわば「部族会議1」ですね。

 この「センテンス」を、さらに別の「部族会議2」、いわば長老会議を誰が主催するのか。女酋長か何か分かりませんが、ともかくやはり「人間が相談して」よきに計らう、と言っている。

 さらにその際、判断の基準となる数値は設けないというのは、最初から、責任を人に押しつけた「センテンス」をもとに、好き勝手な匙加減で物事が決められてしまう。

 しかも、手続きだけは仰々しく、だから一度決まったものは容易に変えられないという、大学内にもかつて山ほどあり、急ピッチで解体改革が進められているような「陋習」、ダメ儀式の典型になっている。

 行政側がこのようにしたいのは、よく分かります。つまり、余剰の病床数とか、今後の推移によっては何がどうなるか分からない。ここは融通の利きやすいよう、あれこれ後々自らの首を絞めかねない指標は避けたい。

 さらに時節は都知事選の真っ最中、選挙人気も目に入れながら、下手に数値などは定めず、「柔軟」に対応していきましょう・・・ということでしょうか。

 しかし、このコロナの状況下での対策、持続化給付金一つとっても「柔軟な対応」に任せた結果がどうなっているかは、天下に周知のとおりです。

「柔軟」ではなく「放埓」と断じねばなりません。何が求められているのか?

 根拠に基づく政策、エビデンス・ベースト・ポリシーが2020年代のグローバル・スタンダードにほかならないのです。

「有力者」の声が大きいという、フィリピンかブラジルみたいなガバナンス不在は、本当に、世界に恥じるべき失態と国民一般が理解共有する必要がある。

 日本の痛いところです。

何を信用すればよいか?グローバルデータの「正気」に聞け!

 つまり、都が出してくるあれこれは根拠がない。数値の裏づけが欠如している。

「情報はあり余るほどあるけれど、私たち素人には、何を信用したらいいのか分かりません、どうしたらいいんですか?」という問いが常にあります。

 そこで「専門家を信用しなさい」というのですが、例えば福島第一原子力発電所の事故以降、どの程度妥当でしたか?

 今のコロナ対策はどうですか?

「人」や「権威ある先生」ではなく、データそのものを直視する、データ駆動科学(Data-Driven Science)の基本姿勢を強調したいと思います。

 2020年7月1日現在、全世界でどの程度コロナの被害は出ているのか?

 最新のデータによれば、全世界の総感染者数=1059万1079人、総死者数=51万4021人です。

 そこで、死者数を感染者数で割り算して恐ろしい名前ですが、致死率=0.04853…となる。

 1000万人が罹患して、50万人死ぬ、致死率約5%の病気であるという、グローバルデータを直視した「正気」の原点をまず押さえておきましょう。

「8割おじさん」といってもまだ若い人ですが、彼が42万人という犠牲者数に言及したことを「済んでみれば何でことはない」「大げさ」などと非難する文字列も目にしました。

 そういうのはサイエンスの1の1を知らない落書きで、全世界ではすでに非常に多くの人が亡くなっている。

 日本や東京都の人口や罹患率を念頭に置けば、7月1日時点で全世界の1000万患者数に対して50万人死亡という現実は、東京都の1400万都民に対して、42万人死亡するかもしれないというデータです。

 この予測は、およそ穏やかなものであったと言わねばなりません。何も大げさなことではない。

 今年1年、あるいは向う3年、今回パンデミックでの総死者数の推移をみて、杞憂であったと言えればまだしも、グローバルに見ればいまだ第1波がウナギのぼりの最中に、すでに済んだと勘違いするようなことがまず間違いです。

 7月頭時点での感染者数増大は、第1波の拡大を都市封鎖で押さえ込んでいたのが、規制が緩むと同時に必然として増えている「第1波ど真ん中」以外の何ものでもない。

 同様にマクロなデータを確認すると、興味深い事実が浮かび上がってきます。

「20人に1人は死ぬ」と考える

 幾つかデータを並べてみましょう。すべて2020年7月1日時点の数字です。

米国:

総感染者数=272万7853人、総死者数=13万0122人、致死率=0.0477…

ブラジル:

総感染者数=140万8485人、総死者数=5万9656人、致死率=0.0442…

ロシア:

総感染者数=64万7849人、総死者数=9320人、致死率=0.0143…

インド:

総感染者数=58万5792人、総死者数=1万7410人、致死率=0.0297…

英国:

総感染者数=31万2654人、総死者数=4万3730人、致死率=0.1398…

スペイン:

総感染者数=29万6351人、総死者数=2万8355人、致死率=0.0956…

ペルー:

総感染者数=28万5213人、総死者数=9677人、致死率=0.0339…

 これと、先ほどの全世界の数字、

総感染者数=1059万1079人、総死者数=51万4021人、致死率=0.0485…

 を比較してみると、米国やブラジルが平均程度、ロシアが低いのは本当の数字なのだろうか?

 インドの方が米国より致死率が低く出てしまっているのは、どういう統計によるものだろう?

 欧州の致死率は世界平均の2倍や3倍になっている・・・など 素朴な疑問が浮かび上がってきて当然でしょう。

 ここで必然的に問わねばならないのは、日本の数値になります。

日本:

総感染者数=1万8593人、総死者数=972人、致死率=0.0522…

 約5%の致死率というのは、全世界平均と大体同じ程度と分かります。

 さらに東京都を見てみると

東京都:

総感染者数=6225人、総死者数=325人、致死率=0.0522…

 計算間違いかと思い検算してみましたが、きれいに数字が合っていました。

 つまり、いま公表されているデータがどの程度信用できるかは別にして、日本で、あるいは東京で、新型コロナウイルスに罹患したら、5%の致死率、は世界平均に照らしても納得のいく数字です。

 記憶しやすいハンディな「黄金律」として整理するなら、この病気に罹ると20人に1人は死ぬと考えておくと、メディアなどで日常的に目にする数字を判断しやすい。

「本日、東京都で確認された感染者数は60人」

 という報道があれば、「3人亡くなるのだな」と理解するのが安全です。

「本日は50人を割って40人でホッとしている」などとアナウンサーが言ったとしても、「ああ、2人も亡くなるのだな。マスコミというのは原稿を棒読みにするだけで、何も考えておらず無責任だな」などと考えるのが、より慎重かつ賢明と思います。

 7月1日の感染者は日本全国で75人、東京都内だけで67人との報道。これは

世界標準で考えれば 3.6人

日本の値で考えれば 3.9人

 亡くなると報道していると解釈すべき数字です。つまり今日だけで、4人が新たに亡くなるのです。

 これをどの程度「大したことない」数字と思うか、それとも警戒すべき犠牲者数と考えるかは、読者一人ひとりにお任せすることにしますが、何にしろ東京都は何の数値基準も設けないと言っている。

 これを責任ある行政の態度と考えることができるか・・・。

 グローバルAI倫理コンソーシアム内の見解は、冒頭に記した通り、こんなものは箸にも棒にもかかりません。

「選挙前」などのミクロな政治状況で左右されるパンデミック対策ほど、愚かな話はなく、そんなものに左右される東京都民は(私もその一人にほかなりませんが)誠に不運、不幸と言うしかありません。

 このコラム、どうにもシニカルな物言いで、その点が鼻については来ますが、ただ「データを重視しろ」、というメッセージは伝わってきます。そのデータを明示しない東京都の新しいモニタリング項目や、警戒を呼び掛ける判断基準のあいまいさを、鋭く批判しています(「くるくるぱぁ」という表現は感心しませんが)。

 果たして伊藤氏の指摘の如く、東京都のこの新基準は『「選挙前」などのミクロな政治状況で左右されるパンデミック対策』だったのかどうか、再選後の小池知事の政策にかかっています。注視したいと思います。

 私見を言わせていただければ、この感染再拡大への対策としては、感染者を多く出している業種への集中自粛要請、つまりホストクラブ、キャバクラ、その他のナイトクラブやアルコールメインの居酒屋など、短期集中型の強制休業要請をするべきだと思いますね。

 これらだけの休業だけで経済が停滞することなどありません。いくら都民に夜の街に出歩かないようにと、小池知事が「優しく」問いかけても、「楽しみたいのさ、いいだろうよ」「家にいても暇だから、行きたいだけさ」「どうせ罰則もないのだろう、自由に飲み歩くよ」と言ってハシにもかけない「バカ者」は必ずいます。「店」を閉めなければ効果はありません、とはっきり言いたいと思います。

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2020年7月 6日 (月)

大統領揶揄の壁新聞配布に有罪判決 異論許さぬ文在寅政権の非民主体質

0001p1-2  「国のトップを皮肉った壁新聞を配布した青年に有罪判決を下した」。「クマのプーさん」を自分に似ていると揶揄されたとして、ネットから消し去った習近平の国、中国の話ではありません。これが一応民主国家の仲間とされている韓国の事なのです。

 産経新聞のコラム「久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ」から、以下の記事を引用掲載します。タイトルは『大統領揶揄の壁新聞配布に有罪判決 異論許さぬ文在寅政権の非民主体質』(7/04)です。

 韓国で6月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を揶揄する壁新聞を大学構内に貼った若者に有罪判決が言い渡されるという前代未聞の“事件”が起き、世論や法曹界を驚かせている。学生運動出身者が多く、民主化政権を標榜しているはずの文政権が、大学での「表現の自由」にまで手を伸ばした格好だ。北朝鮮に向け非難ビラを散布した脱北者団体への圧力も強まっている。韓国は民主主義国ではなかったのか-。

文大統領を“褒め殺し”

 判決を受けたのは25歳の青年で、保守派の学生グループ「新全国大学生代表者協議会」(新全大協)が2018年末から始めた文政権を風刺する壁新聞運動に参加していた。

 壁新聞は、主に“褒め殺し”で対象を揶揄しており、直接の非難表現は避けてきた。たとえば「王シリーズ」と呼ばれるものでは、文大統領を「雇用王」「経済王」「外交王」などと呼び、「最低賃金の引き上げで小商工人が滅びアルバイトは永遠に休みになった」などと皮肉った。言い回しや書体(フォント)を北朝鮮風にするなどの風刺が効いていて、ファンも多い。

 新全大協は大学だけでなく役所や裁判所など450カ所に壁新聞を貼る活動を展開し、ネットでも人気を博すようになったのだが、これをみた文政権が動き出した。警察当局が捜査に乗り出したのだ。

 青年は昨年11月、文大統領を中国の習近平国家主席の「忠犬」と揶揄する壁新聞の配布に関わった。習主席が架空の書簡の中で、『これから私の忠犬、ムン・ジェアン(ジェアンは〈災害〉の意味で文氏の名前をもじっている)が日米韓同盟を破棄し、米軍を撤退させ、完璧な中国の植民地になるよう準備を整えるはずだ』と述べた-というパロディーだった。

 青年は、中部・天安市にある壇国大学のキャンパスに8枚の壁新聞を貼った。これを受けて、地元警察から壁新聞の通報を要請されていた大学側の報告で捜査が開始され、監視カメラに映っていた車のナンバーから特定されて事件化。容疑は建造物侵入だった。

大学は処罰望まず

 警察は「大学の通報で出動した」と説明したが、裁判で大学側は「依頼があったので報告した。壁新聞で被害を受けたことはなく、男(青年)の処罰は望まない。表現の自由が保障されている国で、(壁新聞が)裁判まで行うほどの問題なのかわからない」と証言した。壇国大はキャンパスの出入りに制限は付けておらず、大学側は「無断侵入の事実はない」とした。

 しかし、青年には6月23日、大田地裁天安支部で、罰金50万ウォン(約4万5000円、求刑100万ウォン)の有罪判決が言い渡された。青年の弁護人は「現政権の実力者は学生運動をやり壁新聞を貼ったのではなかったのか」と憤った。

 韓国の壁新聞は1970~80年代の民主化運動で定着した。文政権には民主化世代の学生運動出身者で逮捕歴もある人物が少なからずいる。自分たちは当時、壁新聞を貼り「表現の自由」を叫んでいたが、いまは「われわれを批判することは許さない」としているのが今回の判決だ-というわけだ。

典型的な「ナロナムブル」

 文政権の誕生後に生まれた流行語に、「ナロナムブル(自分がやったらロマンスだけど、他人がやったら不倫)」がある。ナは〈自分〉、ロは〈ロマンス〉、ナムは〈他人〉、ブルは〈不倫〉を意味する。

 自分のことは棚に上げて他人の不品行をあげつらう自分勝手な態度を指す言葉で、過去の保守政権下で起きた高官の汚職などを非難してきたのに、自分たちに同様の不祥事が発覚しても反省の色を見せない文政権や与党関係者を揶揄する文脈でよく使われている。文政権による今回の壁新聞への過敏な反応は、典型的なナロナムブルといえる。

 実は、青年が加わっていた学生グループ「新全国大学代表者協議会」の名称も、痛烈な皮肉になっている。

 「新」を抜いたもともとの「全国大学生代表者協議会」(全大協)は、韓国の民主化時代を代表する活動家集団。文政権発足時の大統領秘書室長だった任鍾●(=析の下に日)(イム・ジョンソク)氏は全大協の元委員長で、北朝鮮の公式イデオロギーを奉じる主体(チュチェ)思想派の大物として知られた。女子大生を北朝鮮に送り、国家保安法違反の罪で収監された過去がある。

 「新全大協」は、大統領府(青瓦台)をはじめとする政権幹部に「全大協」出身者が多いことを踏まえて、左派の欺瞞をパロディー化しているのだ。政権側は腹に据えかねていたに違いない。

「誰よりも民主主義を弾圧」

 6月28日、新全大協は反撃に出た。青年への有罪判決を批判する壁新聞を出したのだ。今回は褒め殺しやパロディーではなく、正面からの全面批判である。

 「激しいのどの渇きだ、民主主義よ、万歳」と題して「民主を唱える者たちが政権を取って誰よりも民主主義を弾圧している」「人権を唱える者たちが政権を取ると誰よりも表現の自由を圧迫している」「独裁打倒を唱える者たちが、三権のすべてを掌握して独裁権力を行使している」

 そのうえで、「いまや、われわれの生命・財産を守る方法は市民たちが直接、抵抗することだけです。私たち青年や大学生たちが火付け役になります」と決意表明した。

 韓国ではこのところ、北朝鮮が挑発行動を起こす名目に利用した対北宣伝ビラの散布を行った脱北者団体への当局による家宅捜索が行われたほか、同団体の法人認可取り消しの手続きも進んでいる。同団体は「表現の自由を奪われた」として国連人権理事会への提訴の方針を明らかにしている。

 国内外に向けて「親北反日独裁化」を突き進む文政権。誰がどう見ても、北朝鮮への接近と中国への同胞化を目指している姿勢が丸見えです。ただ北朝鮮には袖にされ、中国には無視されているのは周知の通りです。何故なら未だに韓国は、文政権がどう思おうと米韓同盟(米韓相互防衛条約)の一方の国なのです。

 従って文政権の立ち位置は、完全に矛盾に満ちていると言っていいでしょう。個人の想いと国際関係の中の韓国の立場は全く別物です。日韓基本条約を蔑(ないがし)ろにし、日韓併合を不法と位置づけても、国際条約は消し去ることはできません。消し去るには両国の同意が必要です。

 同時に米韓同盟も消せません。もちろんアメリカが同意すれば可能ですが、しかし同意の裏にはアメリカによる大変なしっぺ返しが来るはずです。文大統領にはそこまでの腹はないでしょうし、野党になり下がっているとはいえ、保守派が黙っていません。もし米韓同盟破棄などと言いだせば、内戦状態になるでしょう。国民の多くも北朝鮮に同胞愛を感じていても、共産主義化は望まないと思います。

 つまり文政権のできるのは唯一「蝙蝠(こうもり)」になることです。国際関係では民主国側、しかし彼の思いは北朝鮮であり韓国内での独裁政権保持でしょう。それが司法の取り込み、検察の抱き込み、親日派の清算、保守派の弾圧という流れを作っているように思えます。

 しかし所詮「蝙蝠」です。国内はいいとしても海外からの信頼はどんどん薄れていくことでしょう。日本はすでに一部親韓派を除いて7割以上は嫌韓(1月20日付日本経済新聞調査)です。米国の信頼度も低いでしょう。北朝鮮、中国も上記の通りです。大統領退任後の院政も狙っているのかもしれませんが、せいぜい逮捕されないように願うような状況になるのが最もありうる姿だと思います。

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2020年7月 5日 (日)

魔の手は尖閣から沖縄へ、中国が仕掛けた「共同声明」の罠

Koutsu00_2 熊本県を襲った豪雨は日本三大急流の一つ球磨川に流れ込み、未曾有の災害を引き起こしています。今この災害が地上波テレビ、新聞ともトップニュースを飾っています。しかし目の前の災害とは別に、静かにしかし着実に進行している脅威があります。それが今回のこのブログが取り上げたテーマとなります。

 尖閣諸島周辺の中国公船による威嚇航行が80日連続で、12年9月の国有化以降最長となったと、今月2日産経新聞が報じました。中国の狙いは尖閣の領有化ですが、周辺海域の海底資源の狙いと共に、沖縄への橋頭堡を築く狙いもあるものと思われます。

 それに関連して、日本沖縄政策研究フォーラム理事長でジャーナリストの仲村覚氏が、iRONNAに投稿したコラム『魔の手は尖閣から沖縄へ、中国が仕掛けた「共同声明」の罠』(7/03)を以下に引用掲載します。

 尖閣諸島領海内で起きた中国公船による与那国町漁協所属の漁船の追尾事件は、中国の尖閣諸島への野心を露にし、多くの日本国民が危機を再認識することとなった。

 事件が起きた5月8日の3日後、中国外交部の定例記者会見が行われたが、趙立堅(ちょう・りつけん)副報道局長は「中国の領海で違法操業」している日本漁船を海警局の船が「法に基づいて追尾・監視」したと主張し、早速中国側の行動を正当化した。さらに中国メディアの報道によると、趙氏が「われわれは日本側に四つの原則的共通認識の精神を遵守し、釣魚島問題において新たなもめ事が起こることを避け、実際の行動で東中国海情勢の安定を守るよう要求する」と中国の立場を強調したという。

 趙氏は日本を強く批判する根拠として「四つの原則的共通認識の精神」を持ち出している。この「四つの原則的共通認識」とは1972年以来、日中間で合意した四つの政治文書を指す。つまり、72年の日中共同声明、78年の日中平和友好条約、98年の日中共同宣言、2008年の日中共同声明のことである。

 「双方は、日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を遵守し、日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した」。日本外務省のホームページにも、このように14年11月の日中関係改善に関する合意文書が記されている。

 つまり、趙氏は、これらの共通認識に従って「日本は尖閣諸島の主権を放棄せよ」と主張したわけだ。となると、この事実は、国交樹立までさかのぼって、日中間に大きなボタンの掛け違いが存在するということになる。

 12年8月14日の中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」に掲載された「釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)が日本のものではない四つの理由」という論文は、中国の尖閣領有主張のロジックを理解しやすい。その四つの理由とは次の通りだ。

・サンフランシスコ講和条約は不法条約である。

・釣魚列島は琉球列島ではなく中国に属している。

・琉球諸島は日本に属さない。琉球はかつて中国の藩属国だった。

・ポツダム宣言第8項には「『カイロ』宣言ノ条項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州、四国及吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」と定めている。

 実は、先の四つの基本文書とこの言い分には、一つだけ接点がある。1945年に米英中から無条件降伏を求められ、受諾したポツダム宣言だ。72年の日中共同声明の第3項には、「日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と書かれている。

 そして、そのポツダム宣言第8項には先述の一節がある。さらにこの論文では、「戦後の日本の版図に琉球諸島は全く含まれておらず、釣魚列島に至っては論外であることがここにはっきりと示されている。これが戦後の取り決めなのだ。日本はこれに服さなければならない」とまで言い放っているのである。

 日中共同声明の締結時、日本側は、中国が提示した「復交三原則」の「日華平和条約は不法・無効であり破棄されるべきである」という文言を許すわけにはいかなかった。そこで腹案として、「ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」という文言の追加を提案し、両国が合意したと栗山尚一(たかかず)元駐米大使が証言している。

 ただそれは、あくまで台湾の中国返還を婉曲(えんきょく)に認めるためであり、尖閣も沖縄も関係なかった。しかし、中国は今になって、カイロ宣言に明記された「台湾及び澎湖島のような日本国が清国人から盗取したすべての地域」の定義を尖閣も含まれていると拡大解釈して、「四つの基本文書の精神を遵守せよ」と日本を批判し始めたということが分かる。しかも、その定義についても、いずれ沖縄も含まれると言い立ててくることは確実だ。

 中国による尖閣の領海侵入侵犯が、日本から見れば、日中友好の精神に反していると感じるのは当然だ。ところが、中国側は尖閣侵入こそ、日中共同声明で日本と約束したと認識しているのである。

 もう一つ、中国と付き合う上で大きな懸念事項がある。国務院報道弁公室が2012年9月25日に発表した「釣魚島は中国固有の領土」と題する白書に明らかにされている。

 1951年8月15日、サンフランシスコ講和会議の開催前に、中国政府が「対日講和条約の準備、起草および調印に中華人民共和国の参加がなければ、その内容と結果のいかんにかかわらず、中央人民政府はこれをすべて不法であり、それゆえ無効であるとみなす」という声明を発表した。そして1カ月後の9月18日にも再び声明を出し、サンフランシスコ講和条約が不法かつ無効であり、断じて承認できないと強調した。

 そして、71年に日米国会が採択した沖縄返還協定に対し、中国外交部は「釣魚島などの島嶼(とうしょ)は昔から中国領土の不可分の一部である」との厳正な声明を発表した。

 つまり、サンフランシスコ講和条約と沖縄返還協定は認めないばかりか、カイロ、ポツダム両宣言を根拠として、中国に都合のよいように戦後秩序をひっくり返そうとしている。中国の尖閣領有主張が、単なる尖閣の領土、領海の問題ではなく、沖縄の主権を含めた、東アジアの国際秩序を脅かすことは明らかだ。

 結局、中国の言う「日中友好」とはこういうことなのだろう。まずは日本を油断させ、世論戦や政治工作で日本を骨抜きにする。

 そうしておいて、尖閣諸島で衝突が起きた瞬間に、日本国内と日米関係に隙ができたチャンスを見て、何らかの制裁カードとともに「四つの政治文書の精神を守れ」と日本に迫る。さらには、尖閣諸島だけでなく、「そもそも琉球の主権は日本には無い、放棄せよ」などと言い始めるのである。

 そうなる前に、日本政府は、日中共同声明に対する中国側の解釈の豹変ぶりに注目して、中国側にその真意をただす必要がある。そのために、すぐにできることが二つある。

 まず、四つの政治文書について「日中共通認識確認会議」の開催を提案することだ。そして、双方の言い分を公にし、米国をはじめ多くの国を味方につけた上で、中国側の言い分が国際社会では通用しないことを知らしめるのである。

 さらに、日本政府は、中国の仕掛ける罠を明確に把握した上で、外交防衛戦略を練り直して反撃する必要がある。2013年、内閣官房に設置された領土・主権対策企画調整室による情報発信は、沖縄の歴史戦に関して不十分だ。

 国連のクマラスワミ報告や委員会の勧告に翻弄(ほんろう)されている慰安婦問題のことを思い出してほしい。沖縄の人々を先住民族として公式に認めるべきだという国連人種差別撤廃委や自由権規約委の勧告が独り歩きして取り返しがつかなくなる前に、力強く情報発信しなければならない。尖閣と同等かそれ以上に沖縄の歴史戦に力を入れなければ、優位は築けない。

 中長期な課題にも目を向ける必要がある。日本にはスパイ防止法がないため、中国に対する毅然とした外交防衛体制を整えようと思っても潰されてしまう。そこで提案したいのが、全省庁で、あらゆる領域に対する「国防計画」の策定だ。

 政府が策定する防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画はあくまで安全保障政策の指針や計画であって、経済や世論戦、歴史戦の分野にまで広げることは不可能だ。そこで、自衛隊以外の省庁も参加することで、横断的に計画策定を進めなければならない。

 具体的な例でいえば、経済産業省は経済領域での他国(中国)の侵略を想定した計画となる。重要技術の流出や中国製ハイテク機器の導入によりスパイ活動のインフラを構築されるリスクなどを回避する政策立案が必要だ。

 また、文部科学省は教育、歴史などに対する侵略行為を想定する。地方自治体でも、その特色に応じて経済や歴史戦における侵略を想定し、特に北海道や沖縄などが急務だろう。

 精神的に自立し、国家百年の計を考えることができるリーダーを日本で輩出するためには、国民全員が国防を考えるスキームをつくることが重要である。まずは、公務員が自分の管轄領域で「国防」を担うところから始めることだ。

 すぐに着手することは困難かもしれない。それでも、戦わずして中国の「属国」にならないために、現政権にはぜひとも実現に向けて動いてほしいと願わざるをえない。

 仲村覚氏のこのコラムの内容に深く同意をするとともに、「公務員が自分の管轄領域で「国防」を担うところから始めることだ」という提言は重要な意味を持つと思います。もちろんその前に政治家が、日中間の様々な課題に正確な認識を持ち、日本側の主張の整理をしておくことは言うまでもないでしょう。

 とかく「安全保障」や「国際関係」に関して、極めて無知で鈍感と言ってもいい、多くの日本国民を目覚めさせるには、官僚自らが「国益」優先の観点で十分研究学習することが重要でしょう。

 むろん親中派の人たちは必ずいますから、彼らにはなぜ中国と親しくしようとしているのか、その本質を問いただすことが必要です。その中には尤もだという意見もあるでしょうから、それはそれで貴重な意見となります。

 いずれにしても、この「安全保障」や「国際関係」に関しての本質的な議論が、日本においては政治家、官僚、知識人から一般国民に至るまで、少ないように思います(観念論や感情論は結構多いのですが)。憲法前文に謳うような「お花畑」志向の殻を破ることが、今こそ必要だと思います。

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2020年7月 4日 (土)

コロナの感染再拡大、早急に「感染源」にメスを入れるべき

1_20200705102401  昨日から続く熊本、鹿児島両県での集中豪雨は、熊本県の球磨川を氾濫させ、2階まで浸水する家屋まで出す、大洪水を引き起こしています。今朝はこのニュースに隠れてしまった感じも強い、首都圏を中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大を、zakzakの記事から以下に引用します。タイトルは『東京で2日連続100人超感染…夜の街に“戒厳令”発令を 村中璃子氏「強制休業など具体策を」 児玉栄一氏「増加が止められないレベルに」』(7/03)です。

 東京都で2日連続で100人を超える新型コロナウイルス感染が報告された。やはり若年層と「夜の街」関連が多く、新宿・歌舞伎町に加えて池袋でもクラスター(感染者集団)が発生、埼玉県など周辺自治体の懸念も強まっている。現状では重症者は比較的少ないが、高齢者にも感染が広がれば死者が激増する恐れもあるとして、専門家は「夜の街の強制休業」など一刻も早い封じ込めを主張する。

 小池百合子知事は2日、臨時の記者会見を開き、「都内は『感染拡大要警戒』の段階にある」と呼び掛けた。都内で3桁に上るのは緊急事態宣言発令中の5月2日以来で、今月1日の67人を大幅に上回り、悪化傾向が鮮明になった。

 ネット上では、政府の専門家会議で人との接触の8割減を提唱し、「8割おじさん」と呼ばれた北海道大学教授の西浦博氏の予測が的中したと話題になった。西浦氏の研究チームは6月上旬、都内で流行前のような生活を続けた場合、7月中に感染者数が1日100人以上になるとシミュレーションしていた。

 「4~5月の流行期の100人前後の数字と同列に論じるべきではない」と語るのは、独ベルンハルトノホト熱帯医学研究所に勤務する医師の村中璃子氏。

 「流行期は医師が必要と判断した人にPCR検査を実施していたが、現在は医療態勢に余裕があるなかでクラスターが発生しそうな夜の街を対象に集団検査を行っている。数字が増えたといっても、都全体の感染状況を反映したとはいえない」と指摘する。

 たしかに2日の新規感染者107人に重症者はいなかった。ただ、安心は禁物だ。

 村中氏は「『夜の街』にはウイルスが存在しており、そこから広まる可能性は確かだ」と話す。

 107人のうち、「夜の街」関連は29人で約3割に及んでいる。新宿地区では16人、池袋地区でも2人が確認された。

 このところ感染増が目立つのが池袋だ。67人の感染が確認された1日も夜の繁華街に関連する27人中、池袋での感染者が11人で、接客を伴う飲食店の従業員8人と客3人だった。同店舗では都外在住者も含めて感染が報告されていた。

 池袋駅は4社8路線が乗り入れるターミナル駅で、埼玉県から東京への玄関口になっている。

 埼玉県でも6月15~28日の感染者88人のうち、45人が都内で感染した可能性が高いとされる。大野元裕知事は2日の会見で、「大変強い危機感がある」と述べ、都内の繁華街への外出自粛を改めて県民に呼び掛けた。

 小池氏は、都民に「夜の繁華街へ出掛けるのは控えていただきたい」と求めたが、休業要請などの措置には否定的な姿勢を示し「感染予防策と経済社会活動の両立を進めていく」と述べた。これで封じ込めは可能なのか。

 現状ではホストを含む20~30代の若年層感染者が多いが、前出の村中氏は「いずれは高齢の客や同居家族の高齢者、介護施設や病院など重症化しやすい人のコミュニティーに感染が到達する。感染者の数字を強調するだけでなく、夜の街を強制的に休業させて発生元を止める、介護施設や病院の防護体制を今のうちに強化するなど、具体的な政策に反映させるべきではないか」と提言した。

 東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、「さらなる増加が止められないレベルに来ており、『夜の街』関連の営業停止や都道府県をまたぐ移動の自粛、再度の緊急事態宣言を出せるような態勢をとるべきだ」と話す。

 現在、都知事選の選挙期間中で、5日には投開票を迎えるが、「仮に投開票日翌日の6日に最善の策を講じたとしても、潜伏期を考えると7月第2週まで増え続けてもおかしくない。感染者1人に10人の濃厚接触者がいれば、1000人に感染する可能性がある計算になるので、手を打たなければ増え続けるだろう」と児玉氏。そしてこう続けた。

 「感染者数からみると、すでに高齢者コミュニティーにも入り込んでいる可能性もある。その場合、死者数も増えることがありうる。感染者数が3ケタになったことを一つの指標にすべきで、病床数などの状況を見ながらの対応では手遅れになる」

 もう10日以上前から、所謂「夜の街」関連の感染者数が多くなってきたのに対し、小池知事を始め行政は警告を続けていました。しかもホストクラブや、キャバクラ、メイド喫茶というような、明らかに感染しやすい環境の業種での感染です。自主的に集団検診での数字の上乗せもあったと思いますが、横浜や埼玉での感染も同様ですから、ピンポイントで自粛要請できたはずでしょう。

 しかし緊急事態宣言の解除後、再度自粛要請に躊躇している間に、ここまで拡大してしまいました。これからも「夜の街」警戒通知だけでそのまま推移したら、児玉氏の言う通り、1000人レベルの感染者に至るのも絵空事ではない感じもします。

 100人の感染と言っても、東京の人口の10万人に1人です。どんなに警告しても、全く意に介しない「バカ者」はその程度は軽くいるはずです。またその警告が届いていない可能性もあります。であれば上記の業種やアルコールをふるまう業種は、感染防止対策の状況を監査し、不備な店は休業させなければ、この「バカ者」たちは必ず感染源となるでしょう。

 それができないのが日本です。もちろん平時にそんなことをすれば中国などと同じになりますが、所謂「緊急事態」でもなかなかできない、そういう憲法を持つ国です(本当は持たされたと言いたいのですが)。

 殺人やテロなどとは違い、感染してもごく周辺の人にしか迷惑が至らないこの手の問題は、どうしても軽く見る1%かそこらの「性悪」な人間が日本にもいることを、認識しなくてはなりません。そうでないからスパイ防止法でさえ立法できない国となっているのでしょう。

 つまり「性善説」に立脚した「憲法」、それはアメリカという「表」は「自由」を第一に考える国によって作られた憲法です。しかしそのアメリカも「裏」では「唯我独尊」の国であり、このコロナの感染に対し個人や法人レベルでの「自由」と「唯我独尊」で世界一の感染者数を出しているのでしょう(話が少し脱線しました)。

 いずれにしろ日本国憲法は「性善説」に立脚しているため、テロやスパイや凶悪犯罪、また他国からの様々な侵略行為(武力、拉致、経済、金融、領土浸食等)に極めて甘く、このコロナ感染防止に対する自粛要請などの、「私権制限」にも及び腰なのです。

 しかしそのことは「被害者」という立場に立って考えてみた場合、不都合な真実なのです。加害者に甘ければ被害者の被る被害は避けられません。「バカ者」の私権を一時制限する、もちろんそれ以外の人にも多少の不自由は課せられるかもしれませんが、その制限により、この感染症の拡大は食い止められ、他の人に被害を及ぼす危険性がなくなるのです。日本人はもう一度その所をよく考えてみる必要があると思います。

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2020年7月 3日 (金)

詭弁に満ちた日本の防衛力議論を封じ、世界が羨む日本の技術を磨け

8_20200702113801  6月15日、河野防衛大臣が発表したイージスアショアの導入断念は各方面に波紋を呼びました。それを受けて元陸上自衛隊西部方面総監用田和仁氏はJBpressに以下の論文を寄稿しています。タイトルは『イージス・アショアより世界が羨む日本の技術を磨け ミサイルをミサイルで撃ち落とす時代は既に終わっている』(6/22)です。10日ほど前に寄稿された記事ですが、今の日本の防衛体制への警鐘として、本質をついていると思われますので引用転載します。長い文章なので、お忙しい方は最後段の「結言」から読んでいただければと思います。

ミサイル防衛から電磁バリアへ

 6月15日の夕刻、防衛大臣は首相の決断として事実上、イージスアショアの導入を断念することを発表した。

 手続き上、政治家へは説明がなかったとして、歴代防衛大臣などからは非難の声が上がっている。

 しかし、イージスアショアの配備はそもそも、日本の3段構えと称するミサイル防衛の実態を議論することなく浮上した計画であった。

 実際には必要な弾数もなく、北朝鮮のような変化球にも対応できず、敵の飽和攻撃に無力な「張り子のトラ」であることを理解する力もなかった。

 今回の配備断念は、自己満足に陥っていた日本の現実を吐露しているに過ぎない。

 筆者は、現防衛大臣と信条は異にするが、今回の決断は、費用対効果を見極めて腹を決めたのならば英断であり吉であったと考える。

 しかし、中国・北朝鮮に対して白旗を揚げたり、財務省と結託して防衛費を新型コロナウイルス感染症対策のために削減しようとしているのならば、大凶である。

 今回の決断で本当に非難されるべきは、防衛の必要性よりも反日の外国勢力、日本防衛など関係ないという反対派の思惑で国が断念したという構図だ。

 今後の日本の防衛にとって悪しき前例となるだろう。特に、中国の超限戦が日本で活発になるだろう。

詭弁の日本の防衛力議論

 日本の防衛力構築の考え方は脅威の実態を論じることなく、実に詭弁に満ちている。

(1)問題の根源は、日本が米国と中国を両天秤にかけ、自ら向かうべき「敵」を曖昧にし、本当に中国の脅威に対抗するためにはどんな戦力を構築すればいいのかが誰にも分からなくなっていることだ。

 北朝鮮は前哨戦であり、本命は中国である。

 あたかも北朝鮮を脅威の本命と論ずるのは防衛費を無駄な投資として最小化したい財務省の思惑とも一致する。

(2)米国は、2010年から従来のミサイルによるミサイル防衛は、北朝鮮やイランなどのならず者国家などに対し防御するもので、中ロのように多数のミサイルで攻撃する国々には無力であると明言していた。

 2015年に日本安全保障戦略研究所(SSRI)のメンバーである筆者を含む陸海空の将官OBは、米国において国防省の外局的役割を果たしている戦略予算評価センター(CSBA)で日米の作戦・戦略を議論するため訪米した。

 CSBAは、対艦・対地・防空ミサイルを装備化した米陸軍・海兵隊の第1列島線への展開やINF条約からの離脱などを国防省へ提言し、次々と実現させている米国における屈指の有力研究所である。

 その時のCSBA側が論点の一つとして問題提起されたのがミサイル防衛であった。

「現在(2015年)の課題は、中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルに対する抗堪力をいかに高めていくかである」

「中国は弾道ミサイルの多弾頭化を推進すると共に、攻撃を仕掛ける際には飽和攻撃(一度に多数のミサイルを発射し対応の暇を与えない)を行うだろう」

「これに対し従来のミサイル防衛の考え方では対応できない。このためレーザや電磁波、超電磁砲(レールガン)などの実用化・装備化を急ぐ必要がある」

 CSBA側が、対処するにはミサイル以外の手段しかなく、それが当時は実現が困難だろうと考えていたレーザや電磁波などであったことから、頭が真っ白になったことを鮮明に記憶している。

 それを踏まえ、筆者らは、日本に帰って繰り返し警告を発してきた。

 しかし、政治家は全く無反応だった。日本のミサイル防衛の舵切りを遅らせているのは、日本独自で考えるのをやめ、米国に防衛のすべてを依存してきたことである。

(3)幻想の3段階ミサイル防衛

①イージスアショアがミサイル迎撃の第1段、第2段がイージス艦、そして最後の第3段の迎撃が空自の「PAC3」と陸自の中距離「SAM」などの中距離ミサイルである。

 移動型としてサードミサイルも話題にのぼったが、費用対効果上イージスアショアの代替にはならず、燃料などに問題点が指摘されている。

 このうち、第3段階に中距離ミサイルを配備することは、後述する電磁バリアを構築しても最後の手段として必要だ。

 一方、第3段の迎撃を考えるにあたって、PAC3などが敵ミサイルを迎撃できても必ず彼我の破片と燃料が降りかかってくることを無視してはいけない。

 ブースターどころではない。しかし、政治家もマスコミも何も言わない。

②第1段のイージスアショアであるが、地上設備が2基で約4500億円と言われる。

 また、維持費や実験場の設備も日本が作るならば、2基以上の予算がさらに必要である。

 その弾は30億~40億円といわれ、もし中国の保有するミサイル2000発以上が日本に向けられると、敵の2倍の弾が必要で最大4000発以上、その価格はミサイルだけで6兆円を超えてしまう。

 これに北朝鮮対処を考えれば全体で7兆~8兆円は超えてしまう。今の年間防衛費の1.5倍である。

 それも中国・北朝鮮のミサイルがきれいな弾道を描いて飛んでくれればという前提であり、北朝鮮のミサイルのように不規則な弾道であったりすると当たらないし、飽和攻撃にも対処は困難だ。

 さらに、米国装備品を購入することが日米同盟を強固にする証だと考えている政治家が多いなか、それが日本防衛のための全体の防衛力を削ぐことにならないのか検討したのだろうか。

「中国」を主敵と考えるならそれに勝つため、自ずと予算は決まる。

 しかし、財政主導という暗黙の了解があるから、防衛省は必要額を要求することは無駄とあきらめてしまう。お金の節約が国民の命よりも大切だということだ。

 米国の公刊情報では、日本はイージス艦用迎撃ミサイルを30数発しか購入していないようだ。

 その他のミサイルなどの弾薬もショウウインドウに並べるだけの数しかない。これでは日本防衛の作戦・戦略を作っても意味がない。

 イージスアショアは地上設置型であるがゆえのメリットもあるが、海上・航空・地上からも容易に攻撃されるだろう。

 特に地上からのハイブリッド攻撃は厄介だ。

 一方で陸自の防護対象は拡大しているにもかかわらず、陸自は予算の削減、減額の矢面に立たされている。

 陸自にとってはこれで海空自や米軍と情報を共有し、米軍の巨大な指揮・情報・通信網と連結(ネットワーク化)できなかったことは実に痛いが、今後の第1列島線での日米共同作戦において連結することができるだろう。

 総じて、防衛大臣が費用対効果に問題があると指摘したのは正しい。

 能力にも疑問があり、米国の高額装備品の購入圧力で陸海空の実質的な防衛費は激減しているからだ。

 装備品の整備などができないどころか、災害派遣すらいけなくなるだろう。

Img_2bb1c5e779740f332e506cbd4a09596c7164 ③第2段のイージス艦によるミサイル防衛は本当に正しいのか。

〇限られた弾数の中、電子的な偽変、陽動に耐え、いろいろな軌道で飽和攻撃してくる敵ミサイルに対する迎撃の効果は極めて低いだろう。

〇根本的な問題は、中国や北朝鮮有事の場合、イージス艦などは敵潜水艦の脅威に晒されると共に、機雷などが撒かれ、対艦ミサイルが多数飛来する東シナ海、日本海で果たして行動ができるのかという点だ。

 既に中国艦艇、航空機の数は海空自をしのぎ、さらにその差は拡大しているのに、日本側が海空優勢を取れると考えるのはあまりにも楽観的過ぎるのではないか。

 米国は、海洋圧迫戦略(Maritime Pressure Strategy、MPS)で米陸海空・海兵隊が一体となって徹底的に中国の船を沈め、中国本土の軍事基地・施設などを攻撃する構想を進めており、陸空自はすでに本構想に適合しつつある。

 本構想のもと、米海軍が多数のミサイル艦艇を分散した態勢から中国艦艇を攻撃する(Distributed Maritime Operation、DMO)時には、海自イージス艦も領域防衛の一環として対弾道ミサイルを対艦ミサイルに積み替えて太平洋側から米海・空軍の攻撃に参加すべきかの選択を迫られるだろう。

 幸いなことに空自が導入する「F-18」用の長距離対艦ミサイルはイージス艦から発射できる。

 陸自にイージスアショアを導入させ、海自艦の負担を軽減するのは、海自の作戦が主で陸自がその肩代わりをするという考えではなく、その本質は、海自艦を潜水艦を含む米海空軍の対艦・対潜水艦攻撃に積極的に参画させたいということではないのか。

 すなわち、海自艦は、日米一体の中国艦隊撃滅作戦を重視すべきではないのか。

 そうならば、イージスアショアを固定型のレーダ施設と分離した対艦弾道ミサイルを搭載した安価な護衛艦、または無人艦を東シナ海、日本海に配置する案は有力である。

 その議論が政治の場でも必要であり、わが国の作戦構想を政府や海自から明確に発信しなければ日本の防衛は完結しない。

 時代遅れの空虚な海空優先論を捨て、陸海空自が一体となった統合作戦こそ本来の姿であろう。

 これらを勘案すると、日本のミサイル防衛体制のうち、第1・2段のミサイル防衛は十分に機能しないし、所望の効果を期待できないだろう。

日本独自のミサイル防衛の構築

 日本には参考となる防衛システム上の前例はない。

 イスラエルはアイアンドームという3段階の防衛網があるが、圧倒的に対処するミサイルなどの質量が違う。

 自ら知恵を絞って日本流のミサイル防衛体制を構築しなければ、誰も助けてはくれない。

 米軍も第1列島線へ「展開」はするが、駐屯はしない。すなわち、米軍にとって日本は米国を守る戦場である。

 第1・2段のイージスに代わるミサイル防衛の壁は、防衛計画の大綱にあるサイバー、宇宙、電磁波領域の非物理的打撃機能にほかならない。

 サイバーの壁、宇宙の壁、電磁波の壁(電磁バリア)である。そして日本にはこの選択しかない。腹をくくるべきだ。

 日米共同で考えるとサイバーと宇宙は米国主導で敵地まで攻撃することができる。

 一方、電磁波領域は日本が主導できる。

 現実に、中国などのミサイルやドローン、無人機などを使った飽和攻撃には、ミサイルなどの物理的打撃でもはや対処できないことを理解する必要がある。

 そのゲームチェンジャーとしての技術の核心は日本が握っている。そして、その技術を世界が狙っている。

 残念ながら知らないのは日本人だけだ。それは世界に類を見ない電源であり、兵器にも必須ならば、日本の電力革命による経済の繁栄にも欠かすことができないものである。

 米国などが2015年から5年を目途に完成させるとしていたゲームチェンジャーとしての兵器が、まだ完成しないのはこの特性を持つ電源がないからだ。

 これ以上、情報を開示することはできないが、外国に取られていなければ必ず2~3年のうちに目にするだろう。

 この電源を使えば、まず

①電波妨害兵器(EW、電波を妨害し電子機器の使用を狂わせる、それ以外にも潜在する強力な能力を保持)

②電磁砲兵器(HPMW、電磁波で電子機器を破壊する、全ての兵器が対象)

 さらに5年後以降に

③レーザ兵器(大気中でパワーが減衰するので実用化が遅れている)

④レールガン(弾丸を電磁波で高速で飛ばす、困難な実用化)などが次々と実用化できる。

 米陸軍はまだサイバーの段階で止まっているが、いずれ陸自と同じように上記兵器の車載化で損害を避けつつ戦える体制ができるだろう。

 そして、空自の宇宙作戦隊は、固定型のEWで陸自の車載型EW兵器と共に衛星やAWACSなどを妨害することができる。

 さらに中国・北朝鮮のミサイルを発射段階から捉え、妨害することができるだろう。

 これが第1段階であり、サイバー攻撃と一体化して防御的にも攻撃的にも運用することができる。

 そして早急に、ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイル、航空機、艦船などを電気的に破壊できるHPMW兵器の開発を推進しなければならない。

 HPMWはさらにミサイルに装着し、対艦攻撃や弾道弾の破壊に使うことが必須である。

 HPMWは光速で、ある程度の幅を持って飛ぶので敵の捕捉は極めて容易であろう。これが第2段階である。

 そして、レーザ兵器などへと繋いでいくことが期待される。

 EWそしてHPMWの装備化こそ日本の命運を握る事業であることから、惜しみなく予算を投入すべきであろう。

 第3段の壁は、最後に国民を守る手段として、従来のPAC3や中距離SAMなどの物理的破壊兵器が必要である。もちろんシェルターは必須である。

敵基地攻撃

 敵基地攻撃については、その方策には賛成できない。

①中国に対しての敵基地攻撃は、米軍ですら破るのが困難になったという中国の深い防空網を突破して、地下や移動型の発射体から打ち出されるミサイルをピンポイントで捕捉し攻撃することになり、日本の実力ではできない。

 北朝鮮でも同じで、米軍のように宇宙まで広がった情報・指揮・通信網そして大空軍力無くして実行は不可能である。

②敵基地を攻撃するなら日本は「低出力核爆弾」を装備化すべきである。

 これを潜水艦から発射して上空で破裂させ、EMP効果によって広域に電子機器を破壊すべきだ。

 これは人の殺傷を目的としない核兵器の使用であり、今後日本でも真剣に検討すべき課題である。

結言

 今回のイージスアショアの件は、日本をどう守るかの教義(ドクトリン)もなく、ただ米国の高額装備品を買い続けることに対する警鐘だと考えるべきだろう。

 さらに、既に海空戦力で中国に劣勢になっており、その差は広がるばかりで、「対称戦力」として海空優勢を追求するならば防衛予算は莫大な支出を必要とし、国家財政は破綻するだろう。

 ここは一度立ち止まって財政主導ではなく、国家安全保障会議(NSC)と統合幕僚監部が主導して根幹となる日本防衛作戦・戦略をはっきりと描くことが必須である。

 この際、

①ミサイル防衛のみの見直しではなく、日本防衛全体を明確にする。

②米国の作戦・戦略と完璧に整合させることが必要、この際、米国は海洋圧迫戦略(Maritime Pressure Strategy)で明確な対中作戦を描いているので整合は容易であろう。

③船には船を、飛行機には飛行機をという「対称戦力」の考えを捨て、「非対称戦力」での勝利を追求すべきだ。

 その中核は「サイバー・電磁波領域での勝利」と「艦艇・潜水艦を沈めよ(水中の作戦と長距離対艦ミサイルでの撃破)」「無人機・無人艦(水上、水中)」である。

④サイバー・電磁領域などの戦いでは専守防衛は通用しない。

 非核3原則の核を持ち込ませずなどの非現実的な防衛政策は直ちに廃止すべきだ。

 専門家による記述で難解な部分が多いのですが、この文章から読み解くと日本の防衛の脆弱性、戦略の乏しさ、その要因である政治家の無関心さが際立ってきます。その結果でしょうがマスコミや国民全体に蔓延する、国土防衛に対する無関心が、現状を作り上げていると言うことでしょう。

 日本最大の敵国として中国を上げていますが、私も異論はありません。そしてその中国に今や戦力としては完全に離されている。アメリカに防衛を頼っても、攻撃されれば日本がその直接の楯になることは間違いありません。ですからその攻撃に耐えられる防衛力は必然になります。

 もちろん直接の対決は双方とも望まないでしょうから、局地での小競り合いやサイバー戦になるでしょうが、それとてまずかなわないでしょう。中国は日夜戦力の増強、新兵器の開発に励んでいますが、日本は大学での軍事研究も容易にできない9条の壁があります。

 ですから、用田氏の言うようにサイバー・電磁波領域の研究に集中し、物理攻撃に備えるしかありません。中国もアメリカの後ろ盾のある日本に対し、本格的な戦闘は望まないでしょうから、その間にこの領域の研究を進めるとともに、核開発の研究も同時に進め、抑止力を高めておく必要があると思います。

 その前に必要なのは政治家が状況をよく認識し、共産国家の属国となるか、国家主権を守るかの選択を提示し、眠れる国民をマスコミとともに目覚めさせることでしょう。憲法の改正は言うまでもありませんが。

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2020年7月 2日 (木)

韓国に蔓延する「妄想」と「日本敵視」の理由

74a98692238904766aede7d1fc4135c9  アメリカの元大統領補佐官ボルトン氏の回顧録、米朝会談の裏側をこのブログでも紹介しましたが、韓国ではその内容さえ日本批判に利用しているようです。FNNプライムオンラインが伝える『安倍首相が朝鮮戦争を望んでいる?韓国に蔓延する「妄想」と「日本敵視」の理由』(FNNソウル支局長 渡邊康弘氏6/30)が、その点を取り上げています。朝鮮戦争への日本のかかわりに関する記述もありますので、以下に引用転載します。

1950年6月25日、北朝鮮の朝鮮人民軍は突如38度線を越えて南下を開始し、朝鮮戦争が始まった。アメリカを中心とした国連軍が参戦すると、人民義勇軍という名の中国軍も参戦し、朝鮮半島は東西冷戦の代理戦争の場となった。およそ3年間に及ぶ戦闘で半島全土は荒廃し、300万人以上が死亡したとされる。

開戦からちょうど70年が経過した2020年6月25日、北朝鮮による南北連絡事務所爆破の衝撃が冷めやらぬ中で、韓国の文在寅大統領は記念式典で演説した。文大統領は「世界史で最も悲しい戦争を終わらせるための努力に、北朝鮮も大胆に乗り出してくれることを願います」などと北朝鮮側に南北融和のための努力を呼びかけたが、北朝鮮の強硬姿勢には直接言及せず、「平和を通じて南北共存の道を探し出す」と述べるに留めた。

これらの演説内容は日本でも報じられたが、実は日本のメディアではほとんど取り上げられていない「異質な」一節が含まれていた。

「戦争特需を受けた国々」

文大統領は朝鮮戦争で産業施設の80%が破壊されたこと、戦後も南北の対立で国力を消耗してきたことを紹介した後、「私たち民族が戦争の痛みを経験する間、かえって戦争特需を享受した国々もありました」と述べた。南北の話が突然「戦争特需を受けた国々」の話になった。やや唐突な印象を受ける。そして「国々」という複数形を用いているが、戦争特需を受けた国というのは、日本を指しているのは明白だろう。

なぜこのような文言が入ったのか、真意は分からないが、最近の与党有力者や韓国メディアの報道を丁寧に見ていくと、透けて見える事がある。きっかけはアメリカのボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の「暴露本」と北朝鮮の強硬姿勢だ。

ボルトン氏の著書では、2度にわたる米朝首脳会談の交渉過程が記されている。ボルトン氏は米朝交渉自体が「韓国の創造物」とした上で、韓国主導の米朝非核化交渉をスペインの情熱的なダンスや歌である「ファンダンゴ」に例えたナンセンスだとし、「北朝鮮やアメリカに関する真剣な戦略よりも、南北統一に重きが置かれていた」と断じて文政権の南北融和路線を否定している。結果的に現在、米朝交渉は膠着状態で北朝鮮の非核化は全く進んでいない。

また奇しくも本の出版と同じタイミングで北朝鮮は金与正(キム・ヨジョン)第一副部長が談話で文大統領をこれ見よがしに非難した上、南北連絡事務所を爆破するなど衝撃的な強硬措置に踏み切った。

こうした流れを見た韓国国民はどう感じるだろう。南北融和を最重要課題としていた文政権の対北朝鮮政策は失敗に終わったと感じる人が多いのではないか。それでは政権の求心力が落ちてしまう。政権批判が高まりかねない局面を迎えたわけだが、韓国には批判をかわす絶好の弾よけがある。日本だ。

韓国メディアによると、文大統領を支える与党・共に民主党のキム・テニョン院内代表はボルトン氏の本について「政治的目的を持った意図的な歪曲」と批判した。その上で、著書の中で安倍首相や谷内正太郎前国家安全保障局長が、北朝鮮の非核化に向けて繰り返し慎重な対応をトランプ政権に求めた事などを受けて「ネオコンのボルトンの悪巧みと日本の妨害で、分断70年を中断して朝鮮半島統一の歴史的転換となる千載一遇の機会が消えたという嘆かわしい真実が残念だ」と発言した。

「歪曲」と言いながら、なぜ日本政府の動きを伝える部分を「真実」と判断したのか根拠は定かでは無いが、文政権の南北融和が実現する機会が失われたのは、日本のせいだとしている。日本にとって北朝鮮の核・ミサイル問題は日本人の生命・安全に直結する問題だ。北朝鮮が核兵器を保有したまま南北融和が進み、事実上の核保有国として存在し続けるのは日本にとって悪夢だ。従って日本が、非核化に向けてアメリカに強く働きかけるのは当然のことだ。

一方、韓国側からすれば自国の政策を顧みるよりも、日本批判を際立たせたい理由があるのだろう。

メディアも同様だ。韓国の大手ニュース専門チャンネルYTNのキャスター、ビョン・サンウク氏は朝鮮戦争開戦70年記念日の前日、こう視聴者に呼びかけた。

「朝鮮戦争での最大の受益者は他でもない日本でした」

「安倍(首相)は自身の続投のため、日本の北東アジア地域の覇権のために朝鮮半島の終戦宣言を妨げていると、ジョン・ボルトンの回顧録に出ています。」

「安倍(首相)と日本は、もしかしたら今でも朝鮮半島での『天佑神助(注)』戦争が再び炸裂するのを、待ち焦がれているかも知れません。」

もし再び朝鮮戦争が起きれば、在日米軍基地だけでなく日本の国土に北朝鮮のミサイルが飛んでくる可能性は高い。北朝鮮の核ミサイル開発の進展を踏まえれば、弾頭も通常弾頭ではないかもしれない。「日本や安倍首相は朝鮮戦争勃発を待ち焦がれている」という見立ては、常識的に考えて「妄想」だ。ただ、ボルトン暴露本での日本批判と、朝鮮戦争70年が韓国では「日本は受益国」という視点で見事に繋がっている。こうした韓国の与党やメディアの言説が、もしくは同じ文脈の意図が、文大統領の演説に唐突に「受益国」が登場した背景にあるのかもしれない。

朝鮮戦争で日本を批判するのはもう止めるべき

朝鮮戦争で日本が特需を迎え、戦後復興のきっかけになったのは周知の事実だ。しかし韓国側が言うように、日本は朝鮮戦争で利益を得るだけだったのか?事実は違う。

防衛省の防衛研究所の資料によると、釜山近くまで攻め込まれていた国連軍が反転攻勢するきっかけとなった仁川上陸作戦の作戦計画立案のために、旧日本軍人が協力したという。朝鮮戦争が起きる5年前まで朝鮮半島は日本の一部だったため、当時の日本人は朝鮮半島の地理や海洋の状況について非常に詳しかったのだ。また切り立った崖を登っての仁川上陸を可能にしたアルミ梯子など軍需物資の製造にも全面的に協力していた。

数千人ともされる日本人が米軍の輸送、橋頭堡の建設などに従事し、機雷除去のための掃海部隊も命がけで戦地に派遣された。日本を統治する占領軍の調達業務を担っていた調達庁がまとめた「占領軍調達史」には、56人の日本人が朝鮮戦争に関連して死亡したという記録もあるという。兵站としての日本が協力しなければ、国連軍は北朝鮮と中国の軍を押し返す事は出来なかっただろう。そして朝鮮国連軍の後方司令部は、現在も横田基地内に存続している。

そういう意味で、文大統領が演説で、特にフォローするわけでも無く、文脈上若干の皮肉も感じる中で「かえって戦争特需を享受した国々もありました」と発言したのは、非常に残念だ。日本の貢献を称えて欲しいとは全く思わないが、日本批判の道具として朝鮮戦争を使うのは控えた方が良いのでは無いか。56人の日本人が死亡した事を軽視する振る舞いは、日本人の韓国観を一層悪化させることになるだろう。

(注)韓国では、朝鮮戦争勃発の報を聞いた吉田茂首相(当時)が、「天佑神助(思いがけない偶然で助けられるという意味)」と喜んだと、日本を批判する文脈で報じられている。

 国内をまとめるため、というより自身の政権を維持するため、日本を悪者にし続ける韓国政権。左右問わず歴代政権が用いたこの「反日」という打ち出の小槌を、文政権はひときわ大きく振り回しています(小判などは出てきませんが)。

 ボルトン回顧録で南北融和優先を暴露され、立場を失ったその印象を国民に見せたくないため、必死に朝鮮戦争まで持ち出して、日本政府を叩こうとする姿勢は、自分を非難された子供が、必死に友達を悪く言って言い逃れをしているように映ります。尤も日本は韓国にとってもはや友人ではありませんが。

 もはや韓国は国の体をなしていません。日本も大人の対応を続けるのもいいですが、相手を見て対応を変えた方がいいでしょう。一度「ガツン」と叩くのもありかと思いますね。金融制裁でも経済制裁でも本気になって。

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2020年7月 1日 (水)

中国、香港国家安全法の施行 米英の制裁に加われるか日本

20200630t231953z_1_lynxmpeg5t2bf_rtroptp  中国共産党の全人代が昨日可決した「香港国家安全維持法案」に関し、産経新聞の社説(主張)で、次のようにコメントしています。タイトルは『国家安全法の施行 対中制裁で香港市民守れ』(7/01)です。

 中国の全国人民代表大会常務委員会が6月30日、香港における民主化運動などを反政府活動とみなして取り締まる「香港国家安全維持法案」を全会一致で可決した。同法は即日施行された。

 香港に保障されたはずの「一国二制度」を形骸化させ、香港の人々から言論や集会、報道の自由を奪うものであり、到底容認できない。中国の習近平政権は最大限の非難に値する。

 これに先立ち、6月20日には、中央軍事委員会傘下の中国本土の治安部隊である武装警察部隊(武警)の香港派遣を容易にする法改正も行われた。

 自由と民主を知っている香港市民は、共産党独裁政権が支配する本土と同様の治安立法に脅(おび)えて暮らすことになる。場合によっては、流血の弾圧となった1989年の天安門事件が再現され得る、という点も極めて深刻だ。

 「国家安全維持公署」という中国治安当局の出先機関が置かれる。国家安全法違反容疑で民主活動家は拘束され、人権状況が劣悪な本土へ連れ去られかねない。

 香港市民だけの問題ではない。香港にいる外国人にもこの抑圧法の網がかかってくる点を忘れてはならない。

 香港は97年7月1日に英国から中国へ返還された。中国は84年に英国と結んだ国際条約である中英共同宣言で、返還から50年間は香港の高度な自治、すなわち一国二制度を変えないと約束した。

 返還23年にして条約を破り、国際約束を反故(ほご)にすることは許されない。中国は国際社会の声に耳を傾けず、内政問題だと言い張るが説得力は全くない。

 中国政府の強い影響下にある香港政府は、民主派団体が返還記念日の1日に計画していたデモの開催を禁止した。

 国際社会は、国家安全法に抗議の声をあげてきた香港市民と連帯しなければならない。国家安全法撤回を迫る必要がある。少なくともその運用を凍結させたい。

 菅義偉官房長官は会見で「国際社会の一国二制度の原則に対する信頼を損ねるものだ」と国家安全法制定を批判した。河野太郎防衛相は「習国家主席の国賓来日に重大な影響を及ぼす」と語った。

 批判は当然としても、それだけでは中国政府の翻意は期待できない。日本は米英両国などと協力して対中制裁に踏み切るべきだ。

 中国の事ですから、口先での非難には全く動じないでしょう。それに「内政干渉」という大義名分があります。ただ1984年の英国との間の共同宣言で「返還から50年間は一国二制度を維持する」との約束があり、この宣言には明確に違反しています。

 しかし韓国同様、二国間の国際条約の遵守など、この国のトップの頭にはないのかもしれません。それが民主国家ではない証左でしょう。社説の最後に述べている「日本は米英両国などと協力して対中制裁に踏み切るべきだ」という意見は、このブログでも何度も述べていますが、如何せんその力の背景も覚悟も日本にはないのは明らかなので、期待できません。

 加えて親中派議員のみならず、日本の経済界が、対中制裁にこぞって反対するでしょう。以下にJAPANForwardの記事『コロナ感染でますます中国にのめり込む日本企業』(6/30)を引用転載します。

まさに笛吹けど踊らず、である。中国・武漢発新型コロナウイルス恐慌を機に安倍晋三政権が産業界に「脱中国」を呼びかけても、主要日本企業は逆に対中投資を増やす情勢にある。

安倍政権は新型コロナウイルスの感染爆発で中国でのサプライチェーン(供給網)が寸断したことを受け、生産拠点が集中する中国などから日本への国内回帰や第三国への移転を促すことにした。4月の第1次補正予算で緊急経済対策の一環として総額2435億円を2020年度補正予算案に盛り込み、生産拠点を国内や第三国に整備する場合、建物や設備導入費用の一部を補助する。だが、主要企業には脱中国のムードはほとんど盛り上がってはいない。

Capitalinvestmentinchinabyjapanesecorpor グラフは日本企業の設備投資を中心とする対中直接投資の推移で、投資実行額から投資回収分を除いた「ネット投資」と、回収額を投資実行増額で割った比率を追っている。基準となる投資額は各年4月までの12カ月合計だ。投資回収額とは、現地子会社から本国の親会社への収益還元が主体である。日本企業の対世界全体の投資回収比率は7割前後だが、こと中国に関しては19年まで3割にも満たず、極端に低かった。

その傾向が昨年から加速し始め、単月ベースでは4月には14%に落ち込み、4月までの1年間でみても17%に過ぎない。他地域では投資実行額を増やしても、同時に回収分を増やすのでネットの投資はさほど増えないが、中国向けだけはネット投資が増加し続けている。コロナショックに伴い、安倍政権が「脱中国」企業支援を打ち出した4月でも、投資実行額は前月比で405億円、ネットで664億円それぞれ増えている。回収額を258億円減らした。

投資回収を手控えるのは、その分、現地への再投資を増やすことを意味する。いわば、どっぷりと世界の工場、中国にのめり込むのだ。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後もネットの対中投資を上積みするのは、日本企業の姿勢がより中国に協力的になっていることを示す。代表的な企業がトヨタ自動車で、この2月末、中国・天津に総額1300億円を投じ、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など環境対応車の生産工場を建設する方針を固めたという。

背景は、やはり主要企業の間の中国市場成長幻想が一向に弱まってはいないことが上げられる。習近平政権はEVや人工知能(AI)の普及に向け、外資の投資を催促している。

EVもAIも軍事に転用される先端技術を伴う。AIはさらに、コロナ感染者の追跡に生かされるとはおめでたい話だが、新疆ウイグルやチベットなどの少数民族抑圧など全体主義路線の主力武器である。

日本企業がそれをビジネスチャンスと見て、最新鋭技術を携えて対中投資するのは、米国を中心に西側世界で広がっている対中警戒と脱中国依存の流れに逆行しかねない。安倍政権は財界総本山、経団連に厳しく注文をつけるべきだ。(年6月20日付産経新聞【田村秀男のお金は知っている】の転載)

 日本は中国の経済覇権の世界戦略である、一帯一路には積極的に参加してはいませんが、この戦略でも窺がえる「中国市場の魅力」という、中国のぶら下げた「馬の鼻先の人参」に取りつかれて、日本企業も馬のように「市場の魅力」を追い求め続けているのでしょう。その先には共産主義独裁覇権国家の戦略にどっぷりつかり、資金と技術を吸い取られ続けているようです。

 しかしそうは分かっていても、目先の利益に拘らざるを得ない企業に、辞めろと言えない民主国家の足枷があります。ですからここは政治の出番です。日本回帰や進出先変更企業に、税や資金の特別優遇などの「禁じ手」と言われるものを使ってでも進めない限り、中国からの回避は難しいでしょう。しかし是非やって欲しいと思います。世界が中国の覇権の餌食にならないためにも。

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