2022年2月26日 (土)

人類の歴史は戦争の歴史、果たして日本の未来は

Img_a7c18df04b7a782de2e33100e9fb536a1347  プーチンロシアのウクライナ侵攻が始まりました。プーチン大統領の政治家転身時からの夢、「旧ソ連の勢力圏の復興」。習近平国家主席の「中国の夢」に極めて類似した、数世紀前の皇帝然とした夢です。

 カザフスタンやベラルーシなど、親ロシアの旧ソ連の共和国が並み居る中で、バルト3国とジョージア(旧グルジア)、そして8年前からこのウクライナがロシアから袂を分かちました。

 バルト3国は早々にNATOに加盟しましたが、グルジアはロシアの侵略を受け国の一部を親ロシア地域にされました。そして8年前ウクライナもクリミア半島をロシアに併合され、又東部2州は親ロシア地域として自治権を強奪されました。

 更に今回のウクライナ全土侵攻です。国連やNATO軍は機能しません。まさにプーチンの思い通りのシナリオに沿って、ウクライナの親ロシア政権樹立へ駒を進めようとしています。

 私は3年半前にこのブログを始めました。第1回目の投稿は『「戦争を語り継ぐ」を考える』でした。戦争の悲惨さを語り継ぐことが圧倒的に多い中で、なぜあの戦争に至ったのか、と言う視点が完全に抜け落ちていることを指摘しました。

 また『人類の歴史は戦争の歴史』と言うタイトルの投稿には、人はより多くのものを得たい、そのためにもより多くの支配地域を得たい、そして更には、より自身を強く権威づけたいと言う欲望が、必ず争いとなって、戦争を起こすことを、有史以来続けてきた、と記述しました。

 今回のプーチンロシアのウクライナ侵攻は、まさにこのソ連でのKGB時代に培った権威欲と、その権威に従わないウクライナへの報復、そしてウクライナ穀倉地帯の支配欲も重なって起こした侵略戦争でしょう。

 80年前に日本が起こした対米戦争とは根本的に異なるのが、この点です。かつて共産主義の世界拡散を企てるソ連への北からの脅威と、資源なき国家の充足を企てた日本による満州の属国化が引き金となって、ルーズベルトアメリカに日本の資源と経済封鎖を決定づけさせてしまい、やむなく起こした対米戦争。「窮鼠猫をかむ」の戦争です。結果は惨憺たる敗戦でした。

 ただし、かつて日本の占領軍総司令官だったマッカーサーに、アメリカ上院軍事・外交合同委員会で、「日本は自衛の戦争だった」、と言わしめたように、今回のロシアの対ウクライナ戦争とは次元が違います。またイラク戦争や、湾岸戦争ともその性格は全く異なります。

 こうした皇帝然とした人物による周辺国へ属国化を企てる戦争は、中国の台湾併合とその性格がよく似ています。民主国家陣営が有効な手立てを打ち出せないまま、プーチンの思い通りに事が進めば、習近平中国は大いに力を得て、台湾に向かうでしょう。極めて憂慮した事態になります。

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Images-7_20220226142301  話は変わりますが、私がこのブログを立ち上げた狙いは、一貫して「強い日本を取り戻したい」、そのためには何をしたらいいか、そして何から守ればいいか、ということでした。

 その第一は、今の日本の弱体化を強力に推し進めたGHQによる負の遺産、「自虐史観」と9条憲法からの解放です。大東亜戦争で戦った国や、戦場となって迷惑をかけた国への国家賠償はとっくの昔に済んでいます。いまや「自虐史観」は取っ払わなければなりません。9条も改正しなければなりません。

 ところがそれを阻むものが、日本に多くあります。まずは偏向メディア。各種市民団体。そして共産主義的思考にかぶれた政治家、作家、弁護士や大学教授。映画や音楽関係者。

 これら「自虐史観」から発生した「周辺国贔屓」の日本人が、日本の足を引っ張っているのです。更には在日朝鮮人や韓国人、中国人が「自虐史観」日本人と結託して日本叩きを続けています。

 一方日本の官僚、特に「外務省」の腰砕け外交が火に油を注いでいます。9条の元で手枷足枷をかけられた日本の自衛隊の、足下を見すかした中朝(南北)露4カ国からの、愚問難問に右往左往して、何もできていないのが実態です。竹島を取られ尖閣を脅かされ、拉致被害者を出し千島が他国の軍門に下っていても、です。

 こんな腰が引けた日本に誰がしたのでしょう。元はGHQですが、占領終了後は日本人です。「自虐史観」の洗脳は、上記疑似共産主義者の脳裏にこびりついて離れません。メディアが助長します。しかしそれを一掃するのは「政治」です。

 だが残念ながら、あの安倍元首相でさえ、偏向報道を繰り返す地上波の寡占状況を変えられなかったし、9条も変えられなかった。つまり国民の間に深く浸透した「自虐史観」の洗脳状態が、「日本は周辺諸国に悪いことをした」「日本は軍を持つと先祖帰りする」「安倍は又日本を軍国主義にしようとしている」と言った、洗脳された状態から抜け出せないのです。

 スパイ防止法もできないまま、外国スパイの温床になっていて、様々な情報を抜き取られていても、まさに「羮に懲りて膾を吹く」状態から逸脱できない層が、国民の中にはある一定の割合いて、陰に陽に普通の国になることを阻害しているのです。

 そうした中で国力をますます弱体化させる、他の要因が改善されず進行しています。「少子化」です。年間数回にわたって繰り返される通常国会において、どれだけ話題として取り上げられたでしょう。どの政党がどれだけの具体的改善案を提出したでしょうか。そうした中で、地方は疲弊し、税収は頭打ちとなり、農家や他の産業の後継者は不足し、空き家は増え、耕作放棄地は増加の一途を辿っています。少子化庁の新設のような小手先の手段では、この流れは止められないと思います。国家的プロジェクトに持ち上げなければ。

 前述の外務省のみならず、農水省、厚労省、総務省、内閣府に至るまで、前例踏襲で現場現実をしっかり把握しないまま、机上の実態にそぐわない行政を続けてきた結果が、少子化を食い止められず、農林水産業の疲弊を招き、企業の海外移転を放置し、デジタル後進国となり、失われた30年を作り出してきたのでしょう。

 少子化政策のみならず、原発を過度に抑制し、太陽光や風力に多くを頼る現実味のないカーボンニュートラル政策や、食糧不足が目前に迫ってきているのに、具体性のない食糧確保計画など、日本の未来に横たわる難問を、その一つ一つの状況をきっちり把握し、優先順位をつけ、最善の解決策に落とし込める国家プロジェクトを、官民一体となった日本人の総力でもって立ち上げなければ、失われた30年は40年となり50年となって、日本の明日の未来は明るくならないと思います。

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 今回(750回)でもってこのブログを一旦休止いたします。「人気プログラミング」のサイトでは90名の方にフォロワーになっていただきました。ご覧になっていただき感謝申し上げます。又再開できるときまで、お元気でお過ごしください。

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2022年2月24日 (木)

プーチン大統領のウクライナへの暴挙、ソ連共産党時代の「犯罪」の影が

P0bqh0bm  ロシアのプーチン大統領は、欧米各国が懸念を表明する中、ウクライナ東部の2州の独立承認と派兵という強硬手段に打って出ました。これに対しアメリカを始めイギリスやドイツ、EUが金融、経済制裁などの対抗処置を打ち出しています。

 なぜプーチン大統領は、敢えてこうした強硬な手段に訴えたのでしょうか。その背景は旧ソ連時代にあると、評論家の江崎道朗氏はzakzakに寄稿したコラムで述べています。タイトルは『旧ソ連時代の共産党による「犯罪」を正当化するプーチン氏 ロシアが再び中・東欧諸国を脅かし始めた今、日本も対峙すべき』(2/23)で、以下に引用して掲載します 

 ◇

ウクライナ危機に際して、「ロシアの立場も理解すべきだ」と語る政治家や識者がいる。

確かに、ロシアの言い分を正確に理解すべきだ。だが、ロシア側の言い分を正当化すべきではない。それは、旧ソ連、共産党一党独裁時代の人権弾圧、全体主義による「犯罪」を擁護することになるからだ。

第二次世界大戦後、ポーランド、チェコ、ハンガリーなどの中・東欧諸国はソ連の影響下に組みこまれ、バルト三国は併合された。これらの国々は50年近く共産党と秘密警察による人権弾圧と貧困に苦しめられてきた。

意外かもしれないが、そうした中・東欧の「悲劇」が広く知られるようになったのは、1991年にソ連邦が解体した後のことだ。日本でも戦後長らく、ソ連を始めとする共産主義体制は「労働者の楽園」であり、ソ連による人権弾圧の実態は隠蔽されてきた。

ソ連解体後、ソ連の影響下から脱し、自由を取り戻した中・東欧諸国は、ソ連時代の人権弾圧の記録をコツコツと集めるだけでなく、戦争博物館などを建設して、積極的にその記録を公開するようになった。

そこで、私は2017年から19年にかけて、バルト三国やチェコ、ハンガリー、オーストリア、ポーランドを訪れて、各国の戦争博物館を取材した。それらの博物館には、ソ連と各国の共産党によって、いかに占領・支配されたか、秘密警察によってどれほどの人が拷問され、殺されたのか、詳細に展示している。

旧ソ連時代の共産党一党独裁の全体主義がいかに危険であり、「自由と独立」を守るため全体主義の脅威に立ち向かわなければならない。中・東欧諸国は、このことを自国民に懸命に伝えようとしているわけだ。

それは、ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアの指導者たちが再び、中・東欧諸国を脅かすようになってきているからだ。プーチン氏らは、旧ソ連時代の「犯罪」を「正当化」し、ウクライナを含む旧ソ連邦諸国を、再び自らの影響下に置こうとしている。

この動きに反発した欧州議会は、例えば19年9月19日、「欧州の未来に向けた欧州の記憶の重要性に関する決議」を採択している。この決議では、いまなお「ロシアの政治的エリートたちが、歴史的事実をゆがめて共産主義者の犯罪を糊塗し、ソ連の全体主義的体制を称賛し続け」ていることを非難し、「ロシアが悲劇的な過去を受け入れるよう求め」ている。

日本固有の領土である北方領土を「不法占拠」され、シベリア抑留に代表される「人権侵害」を受けてきた日本もまた欧州議会と連携し、ソ連・共産党時代の「犯罪」を正当化するプーチンらと対峙(たいじ)すべきなのだ。

 ◇

 ソ連共産党時代の独裁政治下での、反共勢力に向けての弾圧は、中国のウイグル民族に向けての弾圧を凌ぐ、凄まじいものだった様です。もちろん大東亜戦争後シベリアに抑留された日本兵への弾圧も、目を覆うばかりのものだったと言われています。

 そんな過去の亡霊のようなソ連共産党の影を追うがごとき、プーチン政権の向かう先は、かつてのソ連支配地域への勢力奪回なのでしょう。折しも中国習近平政権の、「中国の夢」という過去の最大勢力圏の完全制圧と、符合しているように思えます。中国はそのためにチベット、モンゴル、ウイグルを完全制圧下に置き、更には台湾にも触手を伸ばそうとしています。

 あるテレビのコメンテーターが、こうした動きは19世紀から20世紀初頭の、完全な過去の動きのようだと指摘していましたが、北朝鮮も含め、中朝露の現在の指導者は1世紀も2世紀も前の亡霊のようなものかも知れません。

 日本は今のような腰砕けの外交から脱却しなければ、近隣のこれら3国の膨大なリスクに立ち向かうことはかなり難しいでしょう。そのためには早急に憲法を改正し、自衛隊の足枷を外し抑止力を十分に備えることが、喫緊の課題だと強く思います。未来の日本のために。

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2022年2月22日 (火)

日本企業は今こそ、最大のリスクをはらむ「中国事業」を見直そう

Swz3uoy7ro7d0rw1ev61ocgpk74qxm  北京冬季五輪が閉幕しました。様々な問題をはらんだ大会でしたが、習近平政権は大成功と囃し立てているでしょう。そうした中で、ロシアのウクライナ侵攻の動きが重なり、世界には一段と重苦しい空気が漂っています。

 ところで中国は先頃、2021年のGDP速報値を年率プラス8.1%と発表しました。中国の数字の信憑性は低く、こんなに成長するはずがないとの指摘もありますが、何しろ14億人が暮らすこの国の購買力は「凄い」の一言です。

 ですから世界の多くの国が、中国とのビジネスの維持拡大を期待し、様々なリスクがあろうと、簡単に切れない理由がそこにあります。しかし昨今急速に、海洋進出や台湾併合狙いなどの覇権主義に傾き、ウィグルや香港に代表される、国内の人権侵害が加速する中で、本当にこの国とビジネスを続けることがいいのか、再考の時期にさしかかっています。

 作家の江上剛氏が時事ドットコムニュースに寄稿したコラムに、その詳細を見てみます。タイトルは『日本企業が今こそ中国事業を見直すべきこれだけの理由』(2/20)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

Img_ba58ab1c11ee4a61ea69d27e44950ad44670  1月14日付の日本経済新聞に「キリン、中国飲料の合弁解消へ」との記事が掲載されていた。キリンホールディングスが、中国の飲料大手との合弁事業を1000億円前後で、中国ファンドに売却するというものだ。(文 作家・江上 剛)

 記事によると、ビール大手は新興市場の取り込みを狙って、現地企業を相次ぎ買収したが、欧米大手などに押されて、事業の整理を迫られた結果らしい。今後は、海外戦略を見直し、高採算のクラフトビールなどに投資を振り向けるという。

 ◆夢を抱いていた頃

 私は、この記事をある種の感慨を持って読んだ。というのは、2006年に中国上海でキリンビールを取材したからだ。

 あの頃、日本企業は中国市場に夢を抱いていた。中国は、日本企業にとって、製造拠点から販売拠点に大きく様変わりしていた。

 10年には国内総生産(GDP)で日本を抜くことになるわけだから、まさに伸び盛りの市場だった。

 一方、日本は少子高齢化が進み、市場は縮小傾向にあった。

 ビールの消費量でいえば、中国は03年に3000万キロリットルを超え、世界一の消費大国になっていた。

 ◆掛け算の魔力

 中国は魔力に満ちた国である。だまされないぞと、いくら思っていても、見事にだまされてしまうのだ。

 興味深いエピソードがある。

 19世紀の半ば、英国の生地メーカーの経営者は、中国の人口の多さに魅了され、「中国人全員のシャツの裾を30センチほど長くさせられれば、ランカシャーの工場を1日24時間ぶっ通しで稼働させられるのに」と言った。

 中国の掛け算の魔力に魅せられたのだ。ところが、実際に中国市場に足を踏み入れると、それは全くの夢物語だったことに気付く。すぐに偽物が作られたり、安売りさせられたり、金の支払いが滞ったりと、散々な目にあって撤退することになるのだ。

 しかし、13億人に自社のビールを1本飲んでもらうだけで13億本も売れるという掛け算の魔力が、日本企業を引き付けてやまない。

 06年当時は上海でサントリービールが「三得利」ブランドでシェアを拡大していた。結局、15年に撤退することになるのだが、推定シェア60%だったというからすごいものだ。

 上海の街を歩けば、「三得利」の看板を至るところで見ることができた。日本のビール会社とは思えないほど、地元に定着していた。

 とにかく安い。当時の価格で1本3元(約50円)だった。撤退した理由は、低価格帯で勝負した結果、シェアの割にもうからなかったからだろう。

 ◆非常に難しい市場

 キリンビールも、中国の掛け算の魔力に魅入られた。1996年に中国に進出して10年が経過していたが、思うような成果を挙げられていなかった。

 個人的には、「麒麟」は中国の想像上の動物だから、名前が浸透しやすいと思ったのだが、そうやすやすとはいかなかったようだ。

 中国は広大で、地域によって人々の嗜好(しこう)も大きく違い、各種マーケティングデータを採っても、傾向をつかみにくかった。非常に難しい市場だったのだ。

 しかし、人口増の中国で勝たなければ、世界的なビール・飲料メーカーになれないと必死だった。

 当時、現地の経営トップが「中国市場はオリンピックと同じです。日本チャンピオンが必ずしも世界一にはならない」と言っていたのを思い出す。

 日本で圧倒的に強いブランドであるキリンビールでも、中国では大した存在ではなかったのだ。

 ◆あれから16年

 世界的ビールメーカーであるバドワイザーは、巨額の広告費を費やし、中国市場でシェアを獲得していた。

 また、オランダのハイネケンは、中国人の見栄を張りたい国民性にうまく食い込み、高級ビール市場で大きな地位を獲得していた。

 当時、中国人は人を集めて宴会をする時、ハイネケンビールの空き瓶を積み上げて数を競っていたのだ。

 キリンビールは、高級価格帯を狙うことにした。収益率が高いからだが、この価格帯には欧米メーカーの競合も多く、熾烈(しれつ)な戦いが予想された。自社ブランドの高級ビールを製造した。また、地元のトップブランドビール会社も買収した。

 当時の現地スタッフたちは、中国市場に投入する新ブランドのビールに自信たっぷりだった。彼らの成功を心から祈りながら、取材を終えた。

 あれから16年もたったのだ。撤退の記事を読み、彼らの戦いが終わったのを知った。勝利したのだろうか。敗れたのだろうか。記事の内容から推測すると、敗れたのだろう。

 中国の掛け算の魔力に魅入られ、足を取られ、抜けるに抜けられず…。私の取材から16年、中国進出から26年の戦いだった。

 今度は戦場をクラフトビールなどの新しい市場に移す。新たな戦いが始まるのだ。今度は、ぜひとも勝利してもらいたいと心から願っている。

 ◆本当に正しい選択?

 日本は少子高齢化で市場が縮小し、デフレが収まらず、魅力に乏しいと多くの経営者が語る。特に食品、衣料品などの消費財メーカーのトップが、そのように口にすることが多い。

 日本企業は、販売において、どれだけ中国に依存しているのか。週刊ポスト(21年5月)によると、TDKが53.0%、村田製作所が52.8%、日本ペイントが38.9%など、名だたる日本企業がかなりの割合で中国に依存している。ユニクロを展開するファーストリテイリングは19.0%だ。

 部品などのメーカーが多く、消費財メーカーはそれほど依存していないようだ。おそらく、中国人に日本ブランドは知られているだろうが、日常の食品や酒類などは、まだまだ中国メーカーのものを選択しているのだろう。

 こうなると、掛け算の魔力に魅入られて、これからもっと中国市場に生き残りをかける日本の消費財メーカーが増えてくるかもしれない。

 しかし、中国市場により肩入れすることが本当に企業の生き残り戦略として正しいのだろうか。

 ◆ますます特殊に

 今日、ファーストリテイリングでさえ中国市場では苦戦していると、今年1月14日付の日経新聞が伝えている。

 新型コロナウイルス禍の影響で、中国の都市でロックダウン(都市封鎖)が実施されたことが苦戦の原因だという。あくまで、コロナ禍という特殊事情であり、これが解消されれば、業績は回復すると見込まれているが…。

 中国は、掛け算の魔力で多くの企業を引き付けるが、習近平国家首席の呼び掛け一つで大きく変わる市場であることを、リスクとして承知しておかねばならない。

 例えば、沖縄県尖閣諸島問題で日中関係がギスギスした時は、日本大使館に多くの中国国民が押し寄せ、乱暴を働いた。その時も私は取材に行ったが、大使館員は中国の要人とも面談できない状態だった。

 新疆ウイグル自治区や香港の問題に口を出した途端、内政干渉だと中国高官が声高に非難し、外国企業を中国から排斥しようとする。中国国民も、それに同調して不買運動を行う。

 そのため日本企業は、ウイグルや香港の問題に口をつぐまざるを得ない。日本政府でさえ厳しいのだから、民間企業なら、なおさらだ。

 中国は、もともと特殊で魔力のある市場だったが、そこに習近平という皇帝のように振る舞う政治家が登場したことで、ますます特殊になってしまった。

 ◆「台湾有事」も念頭に

 「台湾有事」のことを考えておかねばならない。実際に中国が台湾に侵攻するかどうかは不確定であり、それを実行すれば、日米との関係が最悪になることは、習氏も分かっているだろう。だから、侵攻の可能性は少ないとはいえ、脅迫は強めるに違いない。

 習氏の中国は、自国の意見に逆らう国を認めない。台湾への脅迫が度を過ぎるようになった場合、日本政府も中国に対して今までのように曖昧な態度は取り続けられないだろう。

 そんなことをしていたら、日米同盟に亀裂が入るかもしれない。また、台湾擁護の日本国民の世論が沸騰し、中国に強硬な態度を示さざるを得なくなる。

 その場合、中国はどのような態度に出るだろうか。間違いなく日本の経済界、日本企業をより強く脅迫し、非難するに違いない。

 実際、日本の経済界は、政府に中国との関係を悪化させないでほしいと言っているようだ。

 ◆戦略の再考を

 中国は、今や特殊な国になった。どんな国も、中国の経済力、すなわちマネーの力にひれ伏すと思っている。その考えが、いかに間違っているか、全く気付いていない。

 日本なんか、札束で頬をたたけば、なんでも言うことを聞くと思っている節さえある。

 キリンビールの中国からの撤退の記事を読み、これは日本企業への警鐘であると思った。

 もし、販売面で中国依存度が高くなりつつある日本企業、あるいは日本市場を見限って中国依存度を高めようとしている企業は、いま一度、戦略の再考をすべきである。

 中国に依存し、彼らにひれ伏せばひれ伏すほど、日本市場や欧米市場、または他のアジア市場から排斥されるリスクが高まることになるだろう。

 ◆今年最大のリスク

 今年の最大のリスクは、コロナ禍ではなく、中国の存在であると言えるのではないか。自社がどの程度、中国に依存しているのか、仕入れと販売の両面で検証し、分散化を図ることに躊躇(ちゅうちょ)してはならない。

 中国との経済関係が全くなくなることを視野に入れても極端ではない。

 日本が中国に依存している以上に中国も日本に依存している。米国と関係が悪化すればするほど、日本に近づいて来るようになるだろう。日本との経済関係は、中国にとっても切っても切れないものだ。そんなデメリットなことをするはずがない。

 多くの日本人はそう考えているだろう。しかし、今や、今までの常識が通用しない特殊な大国になったことは事実だ。もう少し他国の意見にも耳を傾けるようになればいいのだが…。期待はできない。

 北京冬季五輪・パラリンピックがどんな形で終わるのか分からないが、大成功のラッパが吹き鳴らされることだけは想像に難くない。そうなれば、ますます他国の意見を聞かない、特殊な異形の大国と化する可能性が高い。日本企業は、それに対処せねばならない。

 ◇

 冒頭述べたように、北京五輪は幕を閉じました。来月パラリンピックが予定されていますが、それが閉幕した後の習近平政権は、秋の党大会に向かって、国民に対する受け狙いもかねて、台湾への威嚇行動と併合のロードマップを示していくでしょう。尖閣への威嚇行動も、ますます拡大していくことと思います。

 それに呼応するように、米中関係は更に悪化し、日米同盟の元日本の立ち位置の明確化を更に要求されるでしょう。そうなると今の岸田政権のような、曖昧な対中対応はできなくなるでしょう。

 もはや韓国は、経済の中国依存の所為で金縛りに遭いかけています。日本もそうならないとも限りません。中国に進出している企業は、できるだけ早い時期に中国から撤退し、日本に回帰するか他の国に拠点を振り返る必要があります。中国はもはや特殊な国、異常な国になっているのです。

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2022年2月19日 (土)

Netflix作品『新聞記者』に見る、東京新聞と望月衣塑子記者の正体

13_20220219104801  Netflixと映画製作会社のスターサンズが共同企画製作したNetflix作品『新聞記者』が1月13日から配信されています。2019年6月公開映画『新聞記者』を連続ドラマ化したものだと言うことです。

 しかしこのドラマ、東京新聞の望月衣塑子記者が、財務省の職員の自殺の遺書を入手したあたりのエピソードをストーリー仕立てしているようですが、フィクションと言っているもののあくまで実話を模写した展開で、問題なのはそこに悪質な改竄が加わっていることでしょう。

 元東京新聞の論説委員で現在ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、2週にわたって現代ビジネスに寄稿した記事からその概要を見てみます。タイトルは『Netflix「新聞記者」騒動で明らかになった、大手マスコミの「ご都合主義」 以前と何も変わっていない』(2/04)、と『Netflixのドラマ「新聞記者」、まだまだ「問題だらけ」だと言える理由 一体、何が起こっているのか?』(2/11)で、以下に引用します。

 ◇

(1)Netflix「新聞記者」騒動で明らかになった、大手マスコミの「ご都合主義」

ドラマ「新聞記者」制作の内側

動画配信サービスのNetflix(ネットフリックス)が配信中のドラマ「新聞記者」が炎上している。週刊文春が「森友遺族が悲嘆するドラマ『新聞記者』の悪質改ざん」と題した記事で、驚愕の内幕を暴露したのだ。以下、私が気になった点を書いてみる。

問題の記事は、2月3日号に掲載された。内容をご承知の読者も多いと思うので、簡単に紹介するが、森友事件で自死された財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんをモデルに、遺書を「東都新聞の女性記者が入手した」というストーリーを軸に描いたドラマである。

遺書入手をはじめ、ドラマは、多くの点が森友事件の出来事とは異なるのだが、制作者は「フィクション」と言っているので、ここでは措く。以下、週刊文春の記事を基に、いくつか挙げてみよう。「事実関係が違う」という指摘があれば、後で訂正しよう。

赤木さんはドラマ制作に全面協力したのか、と思いきや、実は、モデルと思われる東京新聞の望月衣塑子記者やプロデューサーの河村光庸氏に不信感を抱いて、協力を断っていた。結局、望月氏とはその後、音信不通状態になるが、河村氏らは制作を続け、完成後に突然、謝罪を申し出た、という。

だが、望月氏は謝罪の場に現れなかった、という。

記事によれば、赤木さんは「なぜ彼女はこの場に来ないのですか」と尋ねたが、河村氏は「望月さんには何度も同席するよう頼んだんですが、『会社の上層部に、もう一切かかわるなと止められている』と」返すのが精一杯だった、という。

これは、河村氏がそう思い込んだか、勝手にそういう話にしてしまった可能性もある。だが、もしも本当だったら、見逃せない。

東京新聞は自社PRのためにドラマ制作に協力し、記者が遺族から遺書を借りておきながら(その一部を返していないことを承知していたかどうか、はさておき)「一切かかわるな、と指示した」という話になってしまう。にわかに信じがたい話である。

そのうえ「望月記者が『報道のため』というから、(注・赤木さんが望月氏に)貸し出した写真や画像データ、遺書、音声データなどは一部しか返却されていない」という。東京新聞は、そんな事情を知らなかったのだろうか。

コメントを読んでも疑問が残る

東京新聞は、文春の取材に何と答えたか。

〈取材源にかかわることや取材内容など業務にかかわることはお答えしておりません。取材で得た情報等を報道目的以外で使用することはありません。ネットフリックスへの協力は、社屋を撮影場所として提供した範囲の協力であり、ドラマの内容には関与しておりません〉

文春によれば「今も東京新聞を訪ねると、ドラマをPRする特設コーナーが社屋に設けられ」ている、という。ドラマのPRを兼ねて、自社のPRにも利用しているとすれば「ドラマの内容に関与していない」というのは、少し苦しくないか。中身に注文を付けてはいないとしても、事前に「PRに役立つドラマ」くらいの認識はあっただろう。

「取材で得た情報等を報道目的以外で使用することはない」という言い分にも、首をかしげる。文春によれば、望月氏は、赤木さんに最初に接触したときから、河村氏の手紙を紹介し、ドラマ制作の話を持ちかけているからだ。東京新聞が事前に知らなかった可能性はあるが、結果的に疑問が残るコメントになっている。

そもそも、望月氏は、自分が考える正義のためには「報道記者の仕事を逸脱してもいい」と考えているフシもある。それは、望月氏自身が最近のインタビューで認めている。次のようだ。

〈良くも悪くも、私が踏み越えている部分はたくさんあります。今回の場合は『(注・入管法)改正案を通してはいけない』という一心でしたね。報道で世の中が変わる部分もあります。でも、すべての議員がニュースを熱心に読んでいるわけではない。報道以外の方法でも伝えていかなくてはいけないと思うんです〉(BUSINESS INSIDER 1月13日)

そう考えるのは、彼女の勝手である。ただ、そうだとすれば、ますます望月氏は「取材で得た情報を、そのままドラマに利用したのではないか」と見られてしまうのではないか。

このインタビューは「Netflixでドラマ化『新聞記者』望月衣塑子氏に聞く、社会の理不尽に立ち向かう原動力」というタイトルが付けられている。だが、中身はなぜか、肝心のドラマに何も触れていない。編集者がキャッチーなコピーにしただけなのだろうか。

5年前と比べて、何も変わっていない

私が望月氏だけでなく、東京新聞の姿勢が気にかかるのは、かつて私が関わった「ニュース女子」騒動の際、東京新聞は番組と何も関係ないのに、途中から出てきて「『ニュース女子』問題 深く反省」という「社告のような反省文」を掲載した経緯があるからだ。

この反省文では、当時の論説主幹が「他メディアで起きたことであっても責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します」などと書いていた。

私に言わせれば、番組とまったく関係ない東京新聞の論説主幹が「なぜ、責任と反省を深く感じるのか」(反省を感じる、という日本語もおかしい)という話である。それは左翼から批判を浴びて「左派新聞としての姿勢を疑われかねない」、もっと言えば「読者を失う」と心配したからだろう。

つまり、東京新聞は「ビジネス上の都合」で反省文を掲載した。

今回も、まさに「ビジネス上の判断」でドラマ制作に協力した、と私は思う。ところが「取材で得た情報等を報道目的以外で使うことはない」と説明し、都合が悪くなると「社屋を貸しただけ」と言っている。そして、記者は何も答えていない。

これこそ「ご都合主義」ではないか。「報道の倫理」や「新聞社、記者としての節度」はどこにいったのか。40年以上もそれなりに仕事をしてきた東京新聞OBとして、実に情けない気持ちである。繰り返すが、関係者に反論があれば、お寄せいただきたい。

(2)Netflixのドラマ「新聞記者」、まだまだ「問題だらけ」だと言える理由

プライドはどこへ消えたのか?

先週のコラムで、動画配信サービスのNetflix(ネットフリックス)が配信中のドラマ「新聞記者」の話題を取り上げた。その後、いくつかの事柄が分かったので、フォローアップしておこう。新聞とジャーナリズムにとっては、重要な問題と思うからだ。

まず、モデルになった東京新聞について、私は先週のコラムで「事前に『PRに役立つドラマ』くらいの認識はあっただろう」と書いた。どうやら、その通りだったようだ。

というのは、東京新聞の望月衣塑子記者が昨年10月に出版した著書「報道現場」(KADOKAWA)で、東京新聞が編集局を撮影場所として提供する経緯を明らかにしているからだ(著書は「虎ノ門ニュース」で、ご一緒した須田慎一郎さんに教えていただいた)。そこで、望月氏は東京新聞代表の言葉を、こう記していた。

〈…撮影は20年夏から始まることになった。新聞社のシーンの撮影は、映画と同様に東京新聞の編集局を使わせてほしいという依頼を受けたと聞いた。コロナ禍ではあったが、PCR検査を毎日おこなうなど、感染対策を徹底するということなどを条件に、最終的に東京新聞の菅沼堅吾代表も承諾してくれた。

「若い人にも共感をもって読まれる新聞とは何か。新聞業界やジャーナリズムというテーマにしっかりスポットを当ててくれている。せっかくの機会だから提供しないとな」

菅沼代表が後にOKした理由をそう教えてくれた。本当にうれしかった〉

東京新聞は、ドラマが新聞業界やジャーナリズムの宣伝になると考えて、社屋を撮影に提供していた。これを読んで、私は「やっぱりそうか」と思った。同時に、そうだとすると「新聞のプライドはどこに行ったのか」と、がっかりした。

「堕落」を象徴している

ドラマは、森友事件で自死された財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻、赤木雅子さんがモデルになった遺族の女性が、東京新聞と思われる東都新聞に夫の遺書を提供する、という設定だ。そして「東都新聞」は遺書を1面トップで大々的に報じた。

現実はどうだったかと言えば、遺書を入手したのは、元NHK記者の相澤冬樹氏であり、相澤氏の記事として、遺書の内容を報じたのは、2020年3月18日に発売された週刊文春だった。2月3日号の週刊文春によれば、望月氏が赤木さんに初めて接触したのも、この週刊文春の記事がきっかけだ。

東京新聞は同じマスコミ業界にいるのだから当然、遺書を報じたのは週刊文春で、記事を書いたのも望月氏ではなく、相澤氏と認識していたはずだ。

そうだとすると、東京新聞は「自社の特ダネではない」と知っていながら、あたかも自社の特ダネであるかのように描いたドラマが「新聞業界やジャーナリズムの宣伝になる」と思って協力した、という話になる。

いわば「特ダネを横取りした」形だ。いくらドラマとはいえ、これはちょっと恥ずかしくないか。「新聞業界やジャーナリズムなんて、こんなもの」と思われたら、他社だって迷惑だろう。「ウチは週刊誌の特ダネを横取りしてまで宣伝しよう、とは思わないぜ」という声が聞こえてきそうだ。

ドラマでは「週刊文春」と「週刊新潮」がモデルと思われる「週刊文潮」なる週刊誌の記者が登場し、赤木さんを待ち伏せ取材するシーンが描かれている。あたかも「下品で無礼な記者」といった扱いだ。いかにも、週刊誌を貶めるような描き方だった。

これも、私は「特ダネを報じた週刊誌に申しわけないじゃないか」と思う。新聞やジャーナリズムのプライドは、どこに行ったのか。こういう姿勢こそが「新聞の堕落」を象徴している。いや、そう言ったら他紙に失礼か。これは東京新聞の問題だ。

「真摯な対応」するのは当然

東京新聞は特ダネをとれなかっただけではない。

文春記事によれば、遺族である赤木さんと望月氏、プロデューサーなど制作陣との関係もこじれている。にもかかわらず「赤木さんが東都新聞に遺書を持ち込み、それを報じた」という筋書きは、赤木さんとすれば、気持ちを逆なでされたも同然だったのではないか。

ドラマとはいえ、結果的にであれ、新聞が遺族にそんな扱いをしていいのか。弱者に寄り添うどころか、弱者に鞭打つような仕打ちと思う。

関係悪化を、東京新聞が事前に知っていたかどうかは、分からない。

ただ、そうだとしても、自社の記者が最初から、ドラマの制作に関わっているのだから「そんな事情とは知りませんでした」では、通らないだろう。少なくとも、知った時点で「新聞社として真摯に対応する」のは当然、と思う。

望月氏は自分とドラマの関わりについて、先の著書でこう記している。

〈(注・ドラマのプロデューサーである)河村さんは一つに満足しないし、立ち止まらない方だ。(注・映画版「新聞記者」の)日本アカデミー賞の受賞からしばらくしてもらった電話にはまた驚かされた。新聞記者を主人公にしたドラマがネットフリックスで実現しそうで、しかも主演は米倉涼子さんだという。…米倉さんがどんな新聞記者を演じるのか。話を聞いた瞬間からワクワクしてきた。…あれよあれという間に話が進み…(以下、前出の引用部分に続く)〉

一方で、望月氏は2月8日、ツイッターにこう投稿した。

〈週刊誌報道について

取材でお借りした資料は全て返却しており、週刊誌にも会社からその旨、回答しています。遺書は元々お借りしていません。

1年半前の週刊誌報道後、本件は会社対応となり、取材は別の記者が担当しています。

ドラマの内容には関与していません〉

「一切かかわるな」という会社の指示は、本当だったようだ。これまた、首をかしげる対応である。ただ、遺書などについては、文春記事を基に「貸し出した写真や画像データ、遺書、音声データなどは一部しか返却されていない」と書いた先週のコラムを、修正しておきたい。

ドラマの設定に対する違和感

以上を指摘したうえで、肝心のドラマの設定についても、一言、述べておこう。

高橋洋一さんによれば「本来、ゴミが埋まっていると分かっていた土地を売却するなら、競争入札すべきだったのに、随意契約にしたのが、そもそもの間違い。ところが、マスコミは『安倍晋三首相(当時)が関わっている』と思い込んで、スキャンダルに仕立てた」のが、森友事件の真相という。

高橋さんの元には、この見立てを裏付けるように「官僚から、と思われる内部告発も寄せられている」という。そうだとすれば、ドラマの設定自体も真実とは、まったくかけ離れた話になる。そういうドラマを東京新聞は応援し、宣伝に使ったのである。

2017年2月10日公開コラムと先週のコラムで書いたように、私の「ニュース女子」騒動では、東京新聞は番組とまったく関係ないのに「他メディアで起きたことであっても、責任と反省を深く感じています」という奇妙な、社告のような反省文を掲載した。

今回の「事件」は、まさに東京新聞が社を挙げて関わっている。沈黙するのではなく、今回こそ、社告で見解を述べたらどうか。

 ◇

 長谷川氏の見解通り、東京新聞は完全に「堕落」していて、その堕落した新聞側から週刊誌を貶めるような描き方を、ドラマの中で描いている事に至っては、「堕落」の象徴とも言えるでしょう。

 さらに菅義偉氏が官房長官時代に、トンデモ質問を繰り返した望月衣塑子記者。火の粉が自分に降りかかると「会社から一切関わるな」と言われたと言うことを理由に、逃げの一手のような対応です。菅氏には執拗に食い下がり逃がさないぞ、と言う対応を取りながら、自身は都合良く逃げを打つ。まあそういう性格なのでしょう

 又新聞社側にとっては、余計なことを言われては困るという、思いも強かったのかも知れません。つまりドラマでもよくある隠蔽を維持するために、口を封印させる手です。いずれにしろこのドラマは、他社の特ダネを横取りし、事実をねじ曲げ、当時の安倍首相を、批判の矛先にしようとした映画の焼き直しです。最悪のドラマと言っていいでしょう。

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2022年2月17日 (木)

和田政宗氏:「プーさん」はどこへ消えた? 北京プロパガンダ五輪の闇

Images-6_20220217104001  北京五輪は終盤にさしかかり、日本の獲得メダル数も史上最高となる中、判定問題やドーピング問題など、平和の祭典とスポーツマン精神を揺るがす事例も多く発生しています。固い雪質の中での転倒やリンクの滑走溝跡にはまるアクシデントもあり、少なくとも習近平の望んだ順風満帆の大会ではないようです。

 こうした問題以外に、政治の影が色濃く出た部分もあります。自民党参議院議員の和田政宗氏が、月刊hanadaプラスに投稿した記事がそれを物語ります。タイトルは『「プーさん」はどこへ消えた? 北京プロパガンダ五輪の闇』(2/11)で、以下に引用します。

 ◇

ウイグル人弾圧について記者会見で問われたIOCのバッハ会長は、「IOCの立場は政治的に中立で政治問題にはコメントしない」と述べた。五輪憲章を無視する中国の行動について言及しないことが政治問題であることがわからないのか。中国の情報コントロールとプロパガンダ、やはり、このような異常なオリンピックは二度とあってはならない!

*********

中国による「くまのプーさん」隠し

五輪3連覇を目指していた男子フィギュアスケートの羽生結弦選手。ジャンプの転倒もあり4位の成績であったが、「一生懸命頑張りました。正直、これ以上ないぐらい頑張ったと思います。報われない努力だったかもしれないですけど、一生懸命頑張りました。」と競技後のインタビューで答えた。

悔しかったと思うが、どんな状況でも最善を尽くすというトップアスリートの気概が感じられる信念の演技だった。仙台で羽生選手の高校時代からずっと見続けてきた私も本当に悔しいが、心からエールを送りたい。

一方、中国による「くまのプーさん」隠しは、やはり実行された。これまでの大会では、羽生選手が滑り終わった後には、羽生選手が好きな「くまのプーさん」のぬいぐるみがファンによりスケートリンクに投げ込まれ、この光景は「プーさんシャワー」と呼ばれてきた。

これが北京五輪においてどうなるかが注目されていたが、結局フィギュアスケート会場へのぬいぐるみの持ち込みを禁止するという手段に打って出た。中国では、「くまのプーさん」が習近平国家主席に似ているとの投稿が相次ぎ、4年前からはネット上で検索ができなくなっているが、オリンピックでもプーさん隠しを徹底した。

なお、4日の開会式では、ぬいぐるみは持ち込み禁止になっておらず、恣意的に「プーさんシャワー」を阻止したとも言える。

ウイグル人弾圧と「中国台北」

こうした中国の情報コントロールとプロパガンダは、五輪開会式から徹底して行われた。開会氏における最終聖火ランナーには、ウイグル人女子選手が起用され、「民族融和」のプロパガンダが展開された。

一方でウイグルには多数の装甲車が展開されるとともに、五輪に出場しているウイグル人選手へのインタビューも規制されている。つまり、この北京冬季五輪はウイグル人への弾圧のもと行われている大会なのだが、それが徹底的に隠されている。

なお、ウイグル人弾圧について記者会見で問われたIOCのバッハ会長は、「IOCの立場は政治的に中立で政治問題にはコメントしない」と述べた。五輪憲章を無視する中国の行動について言及しないことが政治問題であることがわからないのか、とIOCには問いたい。

さらに、開会式においては、台湾に対する中国国内向けのプロパガンダも行われた。開会式のテレビ中継で、国営中国中央テレビ(CCTV)のアナウンサーは、台湾の代表団を「中国台北」と呼んだ。

会場のアナウンスでは従来通り「中華台北」であったが、あえて放送では、「中国台北」と呼び、台湾が中国の一部であるとの中国共産党政権の主張に基づく表現を行った。

さらに、CCTVは台湾選手団が入場した際に、会場の習近平国家主席を映した。台湾については、国際的プロパガンダはあきらめたものの、中国国内向けプロパガンダを行ったのである。

チベット弾圧とパンダのぬいぐるみ

表彰式ではメダリストにパンダのぬいぐるみが渡されているが、パンダの主要生息地は中国が弾圧を行っているチベットであり、そのことを知っている方々にとっては何とも形容し難いものであろう。

なお、中国は気付いているのだろうが、フィギュア会場はぬいぐるみ持ち込み禁止なのに、表彰式ではパンダのぬいぐるみが渡されるという矛盾が起きている。こうしたプロパガンダとともに、中国は情報統制を行い、情報監視や抜き取りをしているとみられる。

開会式の前日である今月3日に松野博一官房長官は記者会見で、北京冬季五輪に参加する選手や関係者のスマートフォンの情報が、中国が使用を求める専用アプリによって抜き取られる恐れがあるとして、スポーツ庁や内閣サイバーセキュリティセンターから日本オリンピック委員会(JOC)に注意喚起を要請したと明らかにした。

日本政府が公式に、スマホなどに対する中国の諜報活動が存在することを認めたことになる。政府は根拠のないことは言わないし、欧米各国とも情報交換をしている。北京冬季五輪開会直前まで、こうした呼びかけを政府は行わず、選手などの自主的な取り組みに任せる方針だったから、新しい根拠のある情報を掴んだか、情報がもたらされたと考えられる。

携帯電話のクレンジングという異常

北京冬季五輪では、新型コロナウイルスの感染対策として、選手や関係者に対しスマホの専用アプリで毎日の体温などを登録するよう求められている。しかし、このアプリについては、既に米国のオリンピック委員会が情報が抜き取られる恐れについて警戒を呼び掛けていた。

さらに、松野官房長官は9日の記者会見で、「オリンピックに参加する日本選手団に対し、帰国の機中でアプリの削除を徹底し、帰国後、選手本人の同意の上で専門家による検査を行い、検査結果に基づいたクレンジングをスポーツ庁がJOCと共同で実施する」と述べた。

徹底的に中国における情報監視や情報抜き取りの痕跡を調査するとともに、日本帰国後の継続的な情報抜き取りを阻止するためであると考えられる。

なお、日本パラリンピック委員会(JPC)は、来月行われる北京冬季パラリンピックに出場する日本選手団全員に、このアプリを入れるためのスマホを貸与することを決めた。

こうした異常な状況で開催されるオリンピックは、真に五輪憲章に則ったオリンピックとは言えないと私は繰り返し述べてきた。選手の活躍については心から声援を送るが、中国の国家としての北京冬季五輪運営については、大会が終わっても後味の悪さと疑問が残るであろう。

第一に守られるべき選手が、帰国後に携帯電話のクレンジングを受けなくてはならないオリンピックなど本来あってはならない。

 ◇

 ウィグル選手の開会式起用やスマホ情報の抜き取りについては、既にこのブログでも取り上げましたが、くまのプーさんやパンダのマスコット(ビンドゥンドゥン)に関しても、政治的な理由で禁止したり利用したりする様は、習近平とその政権のためだけの狙いであり、極めて個人的でかつ幼稚な施策のように受け止められます。

 いずれにしろこれらの件を含めて、まさに中国共産党と習近平個人のために、五輪を利用した政治ショーの様相がますます顕著になっています。判定問題やドーピング問題とは別の意味で、史上最悪の大会であると言っていいのではないでしょうか。

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2022年2月15日 (火)

自公連立、再検討の次期。公明党の母体創価学会に老化衰退の流れ

Photo_20220215124901  以前このブログで、日本共産党組織の衰退を述べました。公明党の母体である創価学会はどうなのでしょうか。最近になって、自民党との選挙協力についてさざ波が立ち始めています。創価学会の中で何かが起こっているのでしょうか。

 このあたりの状況について、宗教学者で作家の島田裕巳氏が、現代ビジネスに寄稿した記事に見てみましょう。タイトルは『「自公連立、迷走」その本当の読み方〜新宗教の時代の終焉と創価学会の弱体化 最盛期の選挙力は今や昔、もはや重荷』(2/12)で、以下に引用して掲載します。

次期参院選で公明は自民を推薦せず

連立を組んでいる自由民主党と公明党の関係がぎくしゃくし始めている。

一時、民主党が政権をとった時代にも、両党の協力関係は崩れなかった。連立がはじまったのは1999年のことだから、それからすでに23年の歳月が経過した。夫婦にたとえれば、もうすぐ銀婚式を迎えることになる。

連立を組むにあたっては、自民党側の都合が大きかった。1993年には非自民・非共産の細川護熙政権が誕生し、自民党は政権の座を追われた。それだけ党としての勢いを失っていたからで、政権を奪い返した後も、社会党やさきがけなどと連立を組まざるを得なかった。

その点で、自民党にとって公明党は格好のパートナーだった。なにしろ、公明党のバックには、創価学会という巨大教団が存在する。連立後の創価学会は、公明党議員の選挙活動を支えるだけではなく、自民党の議員も支援した。連立政権が発足した当所、創価学会員の票がなければ、多くの自民党議員は落選するだろうと指摘された。

公明党の側にも連立を組むことは大きなメリットだった。選挙の面でも、支援する自民党の議員が「比例は公明党へ」と呼びかけ、票の拡大をはかってくれたからである。

しかし、それ以上に与党になることのメリットは大きい。1人ではあるものの、政権ごとに公明党は必ず大臣を出すことができた。しかも、与党として自分たちの政策を実現させることができ、その点をアピールできた。自民党の独走を食い止められる点を誇示できることも大きかった。

にもかかわらず、今年の夏予定されている次の参議院選挙で、公明党は自民党との相互推薦をしない方針を打ち出した。しかも、創価学会の方は、最近、選挙の支援は「人物本位」で行うとあえて明言した。私は、「聖教新聞」にその記事が載ったのを見て、かなり驚いた。

揺らぐ選挙の足許

そこには、岸田政権になって、自民党と公明党のパイプが細くなったことが影響しているとも言われるが、見逃してはならないのは、公明党を支える創価学会で起こっている変化である。

昨年10月31日には第49回衆議院議員選挙が行われたが、その1週間後には東京都の葛飾区で区議会議員選挙が行われた。

その選挙で、公明党は9人の候補者を立てた、これは、その前の2017年の選挙と同じ数である。2017年には9人全員が当選した。

ところが、今回の選挙では1人が落選した。他の政党なら、たとえ落選する候補者が出てもそれほどの大事ではないが、公明党は事情が違う。公明党はここのところ、つねに候補者全員を当選させる「完勝」をめざしてきた。その完勝が果たせなかったのである。

「聖教新聞」では、いつもなら完勝を伝える記事が大々的に掲載される。ところが、葛飾区議会選挙については、小さく8人が当選したことが伝えられただけだった。

公明党は、前回に比べて候補者全体で3300票減らした。しかも、8人目は下から2番目の当選で、次点とはわずか136票差だった。

次回の葛飾区議会議員選挙は2025年だが、そのときには、候補者を7人以下に絞らなければ、完勝は難しい。葛飾区は東京の下町で、創価学会の会員の多い地域である。この出来事は、公明党にとって相当にショックだったはずだ。他の地方選挙でも、公明党の集票能力は低下している。

政権も夢見た、創価学会の最盛期は60年代

公明党の前身は、創価学会の内部に組織された文化部だった。文化部の結成は1954年のことで、翌年には4月の統一地方選挙に候補者を立て、54人のうち52人を当選させた。

1956年には参議院議員選挙に6人の候補者を立て、3人を当選させた。その後は破竹の勢いで、61年には公明政治連盟を結成し、それは64年の公明党の結党に結びついた。67年にははじめて衆議院議員選挙に候補者を立て、32人のうち25人を当選させた。

創価学会の会員の数が大きく伸びるようになるのは1950年代半ばからのことで、60年代は全盛時代だった。それによって膨大な数の会員を抱えるようになる。公明党も大きく拡大し、将来において政権を奪取するという夢を抱くまでに至った。

その最盛期において創価学会の会員がどれほどの数に達したのか、正確なところは分からない。しかし、一度は会員になったことのある人間は1000万人に近いのではないだろうか。その結果、全国各地には規模の大きな創価学会の会館が建てられた。また、当時は密接な関係を持っていた日蓮正宗の総本山である大石寺にも、主に創価学会員の寄進によって巨大な建築物が建てられた。

当時は、強引に相手を説得して入会させる「折伏」という布教手段がとられ、場合によっては他宗教や他宗派の神棚や仏壇を焼き払う「謗法払い」まで実践された。折伏された経験を持つ人間も少なくないはずだ。

中核「婦人部」の著しい高齢化

折伏の中心になり、また選挙活動にもっとも精力を傾けたのが、「婦人部」の会員たちだった。「女子部」が未婚の女性たちの集まりであるのに対して、婦人部は既婚の女性たちの集まりである。彼女たちは、1960年に32歳の若さで第3代の会長に就任した池田大作氏を熱烈に支持してきた。

ところが、昨年5月、婦人部は「女性部」と名を改め、11月には女子部も女性部に合流した。「聖教新聞」が伝えるところでは、会員たちはこの変化を歓迎しているとされるが、なぜ組織の改変が行われたのか、その理由は一切説明されていない。

現在では、生涯にわたって未婚だという女性も増え、既婚と未婚で組織を分けることに意味がなくなったと見ることもできる。

しかし、もっとも大きいのは組織の弱体化が進んでいるということだろう。婦人部と女性部で別々に会合を開いても、多くの会員が集まらない。ならば、組織を統合した方がいい。そうした判断が働いたものと思われる。

婦人部の会員の中心は、1960年代を中心とした組織の拡大期に入会した女性たちである。彼女たちは、40年代の生まれと考えられる。すでに多くの会員たちは後期高齢者になっている。つまり、婦人部の高齢化が著しく進んでいたわけである。

組織の中でさえ進む「創価学会離れ」

創価学会をはじめとする新宗教において、一番の難題は、いかにして信仰を次の世代に伝えるかである。創価学会以外の新宗教はほぼそれに失敗した。その結果、近年会員の大幅な減少という事態に直面している。関西では創価学会のライバルともなったPL教団などは、第3代教祖が2020年12月に亡くなってから、次の教祖が決まっていない。

創価学会は、次の世代に信仰を伝えることにかなり成功はしたものの、信仰に対する熱意はどうしても親の世代よりは劣る。下の世代は、会員や「聖教新聞」の購読者を増やす活動にも、そして選挙活動にもさほど熱心ではない。

しかも、創価学会の会員自体、ここのところ減少しつつある。亡くなった婦人部の元会員も少なくない。

最近では、正月の箱根駅伝で創価大学の活躍が目立つようになった。今やシード校の常連になりつつある。しかし、2022年の10人の選手のなかには、系列校である創価学園の出身者はわずか1人(関西創価)である。補欠を含めても、16人のうち2人である。

「聖教新聞」で、その活躍は伝えられても、個々の選手が取り上げられ、その信仰にふれられることはない。選手の多くが駅伝のために創価大学に入学したのだとすれば、創価大学においてさえ「創価学会離れ」が進んでいることになる。

衰退は時代的な必然

間違いなく言えることは、今後、創価学会の会員が増えることはあり得ないということである。ということは、これから公明党が票を伸ばす余地がなくなってきたことを意味する。共産党も退潮が著しいが、ときには浮動票を集める可能性を持っている。公明党にはそれがない。

しかも、公明党の議員も創価学会の幹部も高齢化が進んでいる。山口那津男代表は今年70歳で、地方議会を見ても、公明党の若い議員は少ない。創価学会では、池田大作氏が94歳で、原田稔会長もすでに80歳だ。

創価学会にとって、会員数の減少、あるいは会員の高齢化は、その経済を脅かす危険性を秘めている。会費を徴収しない創価学会では、「聖教新聞」の購読料がその代わりになっている。そして、毎年12月には「財務」という形で献金が呼びかけられる。

「聖教新聞」は公称550万部だが、今それだけ出ているとは思えない。財務についても、以前に比べて相当に減少していることだろう。

収入の減少が続けば、これからの創価学会は、全国にある会館の維持費の捻出に苦労することになるだろう。戦前には新宗教でもっとも多くの信者を抱えていた天理教では、現在、教会本部の周囲に建設された親里館の維持費の捻出に困るようになり、本部の会議でそれが議題として取り上げられるようになった。

創価学会にとって、選挙活動が重荷になってきている。遠山清彦元議員の事件が起こったのも、それぞれの議員が選挙資金を自前で集めなければならない状況が生まれたからではないだろうか。

創価学会が大きく躍進し、公明党が議員数を伸ばしたのは、戦後の高度経済成長が背景になっていた。労働力の地方から都市部への大規模な移動が起こり、大都市に出てきたばかりで生活に不安を抱えていた人間を、創価学会は折伏し、それで会員を増やしたからだ。

高度経済成長はすっかり過去のものとなった。創価学会や公明党が衰退するのも、それは時代的な必然なのではないだろうか。

 ◇

 公明党は自民党と連立を組んでいますが、安全保障や外交政策、国家観や憲法観が大きく異なっています。自民党が政権から追い出された過去の時期に、集票の手助けとなりまた政権維持に役立った過去があるとは言え、今では公明党と連立を組む必然的な要素が、かなり薄らいできていると思えます。

 これから自民党は、公明党と袂を分かち、単独で安定した政権を維持できるように、国民に支持される政策の立案と共に、スキャンダルの一層に励む事が、何よりも肝要となるでしょう。

 あるいは他の、より政策を共有できる政党との連立を視野に置くことも、一つの選択肢でしょう。何れにしても憲法を速やかに改正し、「普通」の「主権国家」になるために、党の生命をかけてこの日本をリードしていかなければ、日本の未来は見えて来ません。公明党はその使命を負える党ではないことは、間違いないでしょう。

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2022年2月13日 (日)

中国五輪:アスリートの「私生活」を丸裸にする「ヤバすぎる現実」

11_20220213110501  日本人の活躍が続く北京五輪。昨日は男子スピードスケート500で、森重航選手が3大会ぶりのメダル(銅)を獲得しました。しかし森重選手のスタート時には、どう動いたのかも分からないフライイングの判定。新浜立也選手が登場した最終組の滑走時も、同組滑走のデュブルイユ選手が不明のフライイング。

 結果的には、中国の高亭宇選手が金メダルを獲得したレースでしたが、最終2組が立て続けに意味不明のフライイング判定。これでは、既に滑走済みの中国選手に、金メダルを確定させるために仕組んだのではないかとの疑惑も、当然浮上するでしょう。ネットではそうした声が多く出ているようです。

 前回のブログでも取り上げましたが、こうした数多くの疑惑の判定が続く北京五輪、疑惑判定以外にも、選手にとって大きな問題をはらんでいるようです。週刊現代が取り上げた記事から見てみます。タイトルは『中国「監視社会」の闇…五輪アスリートの「私生活」が丸裸にする「ヤバすぎる現実」』(2/09)で、以下に引用して掲載します。

2月4日に開幕した北京オリンピック。アスリート達が活躍する一方で、選手や関係者に使用を義務付けた「My2022」が、実はスパイウェアであることを前編記事『北京オリンピック開会のウラで…メディアが報じない「中国・監視社会」のヤバすぎる現実』でお伝えした。

中国のこうした技術は、すべて新疆ウイグル自治区で実験され、実用化されたとジャーナリストのジェフリー・ケイン氏は述べる。現政府に対してネガティブな思想を一掃する中国の、監視社会の現実を引き続きお伝えする。

********

デジタルの牢獄

こうした一部過激派を弾圧するため、中国政府は新疆ウイグル自治区に住む全住民を監視下に置くことを目的に、ITを駆使して「完璧な警察国家」を作り上げたのだ。

「ウイグルの人たちはスマホに『浄網衛士』というアプリをインストールすることを義務付けられているとされます。

これはスマホにある写真やメッセージ、通話履歴などをすべてスキャンして、不都合な内容があれば、当局に通報するシステムと言われています。当局にとって都合の悪い言葉を検閲する機能も搭載されているようです。

これらは今大会でインストールが義務付けられた『My2022』と似ている部分があると感じました」(科学ジャーナリストの倉澤治雄氏)

ウイグルでは通信情報のほか、町のいたるところに設置された監視カメラの画像が個人情報と紐付けられ、AIを用いて、将来の犯罪発生を予測することまで現実に行われるという。

犯罪予防局が、殺人を犯すと予想された人物を事前に逮捕する社会を描いた映画『マイノリティ・リポート』の世界だ。

「ウイグルでは、当局が収集したデータに基づいて、その人がどういう犯罪を行う可能性があるのかを予測します。DNAやバイオメトリクス(生体情報)、成育歴、普段の行動、思想傾向、資産状況などからその人のノーマルな状況を割り出し、そのパターンから逸脱すると、収容所に送り込むかどうかをAIが判断するのです。

たとえば、爆発物の原料としても使用できる化学肥料を普段は5kg買う人が、突如として15kg買ったとしたら、警察が自宅を訪ねてくることもあったといいます」(ジャーナリストのジェフリー・ケイン氏)

強制収容所では、「再教育」という名目で、劣悪な環境に閉じ込められ、中国共産党と習近平国家主席を礼賛するよう「洗脳」されるという指摘もなされている。

81194_1413_af6f37dce6c978d9e33dac7615951 【左表】恐ろしすぎる中国の監視システム

元中国籍の芥川賞作家、楊逸氏はこう嘆く。

「欧米が北京五輪を外交ボイコットするのも当然でしょう。そもそも、ウイグルなどで人権問題があり、しかもそれが国際的にある程度周知されている国でオリンピックを行うこと自体が理解できません」

中国政府はウイグルで実現した「デジタル化された牢獄」を、今や全土に広げようとしている。

倉澤氏が言う。

「中国ではコロナ対策として『健康コード』というスマホアプリが導入されました。これは利用者の感染リスクを3段階に分けて表示するものですが、このアプリがなくては公共交通機関も使えず、買い物もできません。

しかも、これまで使われていたカード式身分証明書をアプリ化した『CTID(CyberTechnologyID)』とも連携しており、ワクチンパスポートの機能も果たしているため、これがなくては生活ができません」

CTIDは顔認証システムとも連動しているとされ、当局がその気になれば、街角の監視カメラに映った顔と身分証明書を照合し、その人物がどこにいるかを瞬時に特定できるという。

「また、中国では'20年7月から中国版のGPS『北斗』を稼働させました。中国国内で生産されたスマホだけでなく、アップル社製のiPhoneにも搭載されています。つまり、中国国内のほぼすべてのスマホの位置情報を割り出せるのです。

加えて監視カメラの情報と照合したら、スマホの持ち主がどこにいるのか、正確にわかってしまうでしょう」(倉澤氏)

監視カメラに顔が映らないようにしたり、背を向けたりしても意味がない。倉澤氏が続ける。

「歩き方や姿勢、荷物を持つ時の癖などから個人を認証する『歩容認証』という技術もあります。その他にも、血液や毛髪のDNA検査も行い、情報を蓄積しています。

もちろん、技術自体は日本や米国でも研究・開発されているものです。要は使い方の問題です。中国政府が国民の監視に使うとしたら、明らかにやりすぎでしょう。

中国では選挙を経ずに、共産党の一党独裁体制が続いています。このため、体制を脅かしかねない人々の動きに過度に敏感になっており、自国民の監視をせざるを得ない状況なのかもしれません」

監視カメラやAIで要注意人物がピックアップされると、IT技術者がさらに調べを重ねる。中国アジアITライターの山谷剛史氏が話す。

「自動的に要注意人物を抽出した後は、人力でその人のSNSなどを洗い出し、場合によってはハッキングすることで、その人物をマークするべきか否かを判断します。

こういったマンパワーを要する作業に従事するのは、『インターネットコンテンツ審査員』と呼ばれる、中国各地の若者たちです。地方のネット企業検閲部署によって公募され、技術的に鍛えられた彼らは、近年、存在感を増しています」

「丸裸」にされる選手たち

仮に彼らの精鋭が日本人アスリートを標的にしたら、北京での行動はすべて丸裸にされるだろう。

今回も選手村では、恒例となっているコンドームの配布が行われる。ただし、ホテルや選手村の内部はすべて監視カメラで録画され、音声情報も抜き取られている可能性がある。

最悪の場合、誰と誰がどこで性行為を行ったかなど、プライバシーの最上位にあたる情報までが、中国当局に筒抜けになるおそれがある。

スマホを使って、自国の家族や恋人と交わした個人的な会話にもすべて、中国当局のIT技術者たちが聞き耳を立てていることも考えられる。

中国は北京五輪に、国家の威信を懸けているのだ。そのためには、あらゆる行為が正当化される。スポーツマンシップを信じたいところだが、中国当局は少なくともスポーツマンではない。

それでもアスリートたちは必死に戦い、結果を残してくれるだろう。その代償として、選手が残す膨大な「個人情報」がどう使われるかは、中国当局次第なのである。

 ◇

 日本の当局が五輪終了後に、選手のスマホのデータを消去するように勧告したようですが、選手村や五輪会場の中でデータをハッキングされていたら、意味がないでしょう。

 中国は西側諸国から、様々な製品の製造技術を教わったり盗んだりして、一大製造大国となりました。そしてその製造で稼いだ金を、軍備やITに集中的に投資し、今や世界に冠たる軍事並びに監視国家となり、共産党の継続のために全国民を管理しています。

 そして、さらにあらゆる機会を利用し、外国の個人情報も得ようとしているようです。五輪はその格好の場となっているのでしょう。疑惑判定もさることながら、この選手監視の方もあり得ないことで、まさに五輪を開催する国としては完全欠格だったと言えるでしょう。

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2022年2月10日 (木)

福島香織氏:北京五輪にどうしても感じてしまうグロテスクさの正体

Img_4425e2ffc152d77e0019ec113736d6ad9210  今開幕中の北京冬期五輪、開会式のウイグル選手の聖火点灯への参加や、競技中も、ジャンプ団体の高梨沙羅選手を始め5人の失格など、おかしな出来事や思わぬ出来事が続いています。競技での異常な出来事は何も日本選手だけではありません。

 そのあたりの詳細を、ジャーナリストの福島香織氏が、JBpressに寄稿したコラムに見てみましょう。タイトルは『北京五輪にどうしても感じてしまうグロテスクさの正体 開会式も競技も、北京五輪はどこが「おかしい」のか』(2/10)で、以下に引用します。

 ◇

 私はもともと北京冬季五輪は専制国家のプロパガンダに過ぎないと思っており、外交的ボイコットを支持している。だが、日本選手はじめ世界各国のアスリートたちが4年の研鑽の成果を競い合う貴重な機会であり、楽しみにしているファンも多くいるであろうから、あまり大声で五輪開催自体をこき下ろすのは野暮だと思っていた。

 しかし、あの「イマジン」の音楽に合わせて「未来に向かって、一緒に」と一直線に並んで歩く一糸乱れぬ行進、聖火台点灯役にウイグル人女子選手をあえて抜擢した開幕式の演出、さらに高梨沙羅選手ら5人のノルディックスキー・ジャンプ団体競技での「スーツ規定違反」、スピードスケートやスノーボードでの異様な「判定」による有力選手の失格、女子テニスプレイヤー彭帥(ほうすい)の突然の引退発表の不可解・・・などを見て、やはり言わずにはおられない。この五輪は、絶対におかしい。この北京冬季五輪に抱く違和感の正体について紐解いていきたい。

ウイグル人迫害を隠す残酷な演出

 開会式は一見、洗練されて美しかった。総合プロデューサーは2008年の北京夏季五輪と同じく著名映画監督の張芸謀。開幕式カウントダウンは二十四節気の雨水から数えて立春でスタート、春が来た、という演出で、LEDライトでタンポポが芽生えて伸びて綿毛を散らし、黄河の流れが氷になって、溶けて空に蒸発していき氷の五輪マークが登場するなど、自然や時の移ろいを東洋的な概念で表現していた。パフォーマーは延べ3000人(2008年北京五輪では1万2000人)、プロのダンサー役者を雇わず、5歳から70歳までの一般人を動員した。

 花火演出は2008年北京五輪と同じく、ニューヨーク在住の国際的アーティスト、蔡国強の火薬を使わない花火アート。この花火演出もたった3回、トータル3分未満の短いもので、全体的には習近平の「倹約精神」が反映されている。また、本来中国が好きな赤や黄色ではなく、緑や白の色彩を多用し、エコでクリーンなイメージを前面に押し出した。おそらく東京夏季五輪の開幕式よりは洗練されていた、という印象をもった人も多く、さすが張芸謀と言いたいところだ。

 だが同時に、非常に政治的な演出でもあった。国旗掲揚の時、中国国内に暮らす56の民族衣装を着た人たちが五星紅旗をリレー式に渡していく。このときの朝鮮族の衣装がチマ・チョゴリで、これが韓国人視聴者たちの反感を買った。「韓国の服飾文化を中国のものだと誤解させる」と。

 また聖火点灯のクライマックス、点火する重要な役割はクロスカントリースキー女子のジニゲル・イラムジャン選手とノルディックスキー複合男子の趙嘉文選手。あえてウイグル人女子選手を起用したことは、明らかにウイグル人ジェノサイドを批判し外交ボイコットを決定した欧米諸国へのメッセージだ。1936年ベルリン・オリンピックで、ヒトラーがドイツ選手団にユダヤ系のフェンシング選手ヘレン・メイヤーを加え、ユダヤ人が迫害されていないように見せたのと同じやり方ともいえる。

 ヘレン・メイヤーと違うところは、イラムジャン選手はメダルが期待されるスター選手ではなく、メイヤーのように表彰台に乗って愛国パフォーマンスを行う機会はなかったことだ。

 ちなみに2008年北京五輪で聖火リレー走者を務めたウイグル人、カマルトゥルク・ヤルクンは、米メディア「ラジオ・フリー・アジア」に、この演出を見てコメントするように求められたそうだが「心が傷つくから見ない」と答えている。彼は著名文学者で教育家であるヤルクン・ロジの息子だ。ヤルクン・ロジはウイグル語教科書編纂に関わったことで獄中にあり、カマルトゥルク・ヤルクン自身はボストンに亡命している。五輪開催期間もなお投獄されたり強制収容所に入れられたりして、その安否さえわからないウイグル人が多くいることを考えれば、なんとも残酷な演出だ。

 腹立たしいことには、このウイグル人選手による聖火点灯演出のとき、米国で中継していたNBCはじめ多くの海外メディアは、中国のウイグル人ジェノサイド問題について触れていたが、日本のNHKはイラムジャン選手がウイグル人であることすら言及しなかった。

専制国家の平和に通じる「イマジン」の世界

 さらに、ぞっとしたのがジョン・レノンの「イマジン」に合わせて多様な人種の人たちがまっすぐ一列になって歩む姿だ。

 イマジンは東京夏季五輪でも流され、いかにも平和とスポーツの祭典にふさわしいテーマソングのイメージがある。だが、考えてみれば「天国も地獄もなく、国も宗教もなく、飢えることなく平和に暮らせる一つの世界」というのは、まさに専制国家が監視とコントロールで作り出す平和の形ではないか(実際にイマジンに対しては発表当時から共産主義的だという批判がある)。恐怖政治によって異論や反論を封じられ、異なる思想を持ち、考え議論することを禁じられ、権力者に絶対歯向かわない社会ならば、平和が約束される。だが、それは家畜の安寧だ。

 中国は、普通のイスラム教の信仰心を持っているウイグル人らを過激宗教として弾圧し、普通の選挙や言論の自由を求める香港人を国家安全の脅威として逮捕し、新型コロナ感染者や濃厚接触者を社会から徹底的に排除し、隔離施設に押し込め、その存在をなかったことにして、五輪を予定通り開催した。その排除された人々の暮しがどれほど破壊されようと、命が危機にさらされようと、彼らは「少数派」であり、多数派の幸せのために少数派が犠牲になるのが民主だと主張する中国からすれば、「中国の民主こそが対立、分断、争いのない世界を実現できる」というわけだ。

 このロジックは、北京冬季五輪開幕式のために訪中したロシアのプーチン大統領と習近平国家主席が会談して発表した共同声明でも顕著だ。中露は共同声明で次のように述べている。

「民主が全人類の共同の価値であり、少数国家(欧米など)だけの専売特許ではなく、民主を促進し保障することは国際社会の共同事業である、との認識を一致させた」

「各国人民が国情に合った民主主義の実践モデルと方式を選択する権利がある。1つの国家が民主かどうかは、当事国の人民が評価し判断するものである」

「民主や人権を守ることを、他国に圧力を加える道具にすべきではない」

「双方(中露)は、いかなる国家の民主価値の乱用にも反対し、民主・人権擁護を口実にした主権国家の内政干渉、世界を分裂対立させようとする挑発に反対する」

 ウイグル人、香港人らを弾圧している中国と、ウクライナ国境に武力侵攻せんと軍を展開してみせているロシアがともに、我々の民主(専制)こそが真の民主、分断や争いばかりの欧米の民主には欠陥があるので今後の国際社会の統治モデルは中露統治モデルでいくべきだ、と言わんばかりの姿勢を打ち出したのだ。そして「一起向未来(ともに未来へ)」と呼び掛ける。

疑惑だらけの競技

 この中国の「我こそが正義」「我こそがルール」という姿勢は、五輪の競技の中にも表れている気がする。

 ノルディックスキー・ジャンプ団体女子で高梨沙羅選手やノルウェーのシリエ・オプセト選手ら4カ国の有力選手5人が「スーツの規定違反」で失格になった。スーツの規定違反でこれほど大量の失格者が出るのは珍しく、オプセト選手によれば、測り方がこれまでのやり方と異なったらしい。北京冬季五輪のための特別ルールが適用されたということか。

 また、スピードスケート・ショートトラック男子1000メートル準決勝での判定失格を受けて韓国選手団はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴するとしている。韓国のエース黄大憲選手が1組で1位、李俊瑞が2組の2位でそれぞれゴールするも、レーン変更時に反則があったとして失格になり、中国選手が決勝に進んだ。決勝でも、ハンガリーのシャオリンサンドル・リュウ選手が僅差で1位でゴールしたにもかかわらず判定に持ち込まれリュウ選手が失格。任子威、李文龍の中国両選手が金、銀に繰り上がった。

 スピードスケート女子1500メートルでは高木菜那選手が、本来高木選手にコースを譲るべき中国人選手とぶつかって失速し8位に甘んじる結果になった。

 スノーボード女子パラレル大回転では、2014年ソチ五輪銀メダルの竹内智香選手も進路妨害と判定されて途中棄権となり、決勝トーナメント1回戦敗退となった。

 もちろんトップアスリートがぎりぎりの頂点を競いあうのだから判定は難しかろう。だがそれでも、選手やファンがここまで今回の五輪に不信感を募らせるのは、中国そのものへの信用の問題であると言ってよい。

「彭帥事件」の真相は闇の中に

 五輪直前、アスリートたちが中国に不信感を抱く大きな事件があった。女子テニストッププレイヤーの彭帥選手が、元政治局常務委員の張高麗から性虐待を受けていたと告発した事件だ。その後彼女はしばらく「失踪」し、再び現れた時には事件そのものを否定していた。IOCのバッハ会長は2月5日に彭帥と面会したが、それは彭帥の身の自由と安全を確認することにはなっていない。

 さらにこのタイミングでフランスのスポーツ紙「レキップ(L'Equipe)」の単独インタビューを受け、事件を改めて否定するとともに、現役選手引退を電撃発表した。これで今後、彭帥は遠征試合などで海外に出ることはなくなり、また海外メディアの前に登場する機会もなくなるだろう。事件の真相は完全に闇に葬られる流れだ。

 この引退発表をフランスメディアに報じさせたのは、海外メディアが報じなければ国際社会は納得しないと中国当局自身がわかっているからだ。レキップは特ダネと引き換えに中国のプロパガンダの片棒を担いだことになるのだが、カメラマンは彭帥の傍らの鏡に、注意深く彭帥を監視するかのような中国人男性の姿を映り込ませることで、なんとなくインタビューの背後にある当局の気配を伝えている。

北京五輪のグロテスクさの正体

 新型コロナ禍の最中に行われた2021年の東京夏季五輪も、本来の平和とスポーツの祭典といった意義は失われ、一部の利権と不正の巣窟であったことが明るみになっていた。開幕直前まで様々なトラブルが噴出し、スポーツ興行としての経済利益はなく、意義があるとすれば、開催国の政治宣伝と自己満足ぐらいだが、日本の場合、むしろ日本の衰退を印象付けた五輪だった。ただし、東京五輪は“しょぼかった”かもしれないが、北京冬季五輪のようなグロテスクさを感じることはなかっただろう。

 このグロテスクさの正体は、専制統治が世界の平和と安定を導くのだというロジックを臆面もなく打ち出していることなのだが、より不気味なのは、世界が分断や争いに苦しみ、コロナ対策などで個人の利益と公共の利益がぶつかりあう状況に直面すると、ふと、専制統治の方が世界は安定するのかも、と思ってしまいかねない危うさを私たち自身が抱えていることだ。実際、日本の財界人から「専制の方が経済発展するのではないか」「幸せな監視国家というものがあるのではないか」という意見をよく聞く。

 だから、私は、この北京冬季五輪についての問題意識を繰り返し発信することにした。私たちは言論や思想や信仰の自由と引き換えに発展や平和を求めていいのか。家畜の安寧の未来に一緒に向かいたいと本気で思っているのか。私は答えを持っているが、読者の方々はどうだろう。

 ◇

 私は東京五輪はあのコロナ禍の緊急事態宣言下でよくやったと思い、“しょぼかった”とは思いませんが、それはさておき、福島氏の指摘する中国の政治ショーを前面に出した演出とともに、傲慢さをむき出しにした競技判定には、完全に同意します。

 ウィグル選手の起用に代表される政治的意図は、素人目に見てもあからさまで、むしろ見せれば見せるほど、化けの皮が剥がれていくように思います。だが洗脳が行き届いている中国国民にはその意図が見えず、共産党への賛美を増幅させているのだろうと残念に思います。

 いずれにしろ習近平による習近平のための北京五輪。台湾統一を愛国心高揚のために国民にちらつかせながら、秋の党大会で3期目へと政権継続させるための、ロードマップの第一歩として、無事に終わらせることが、習近平の願いであり、「平和の祭典」という意義など何処にも感じていないことが、この五輪を見ていてよく分かりますね。

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2022年2月 8日 (火)

ヒットラー発言の菅元総理、かつて「イラ菅」又の名を「暴走老人」

Images-5_20220207203401  ヒトラー発言で物議を醸している立憲民主党の最高顧問、菅直人元首相。彼は市民運動家として活動後、政界に進出したわけですが、政界進出前の逸話が有吉佐和子氏から語られています。

 作家でジャーナリストの青沼洋一郎氏が、JBpressに寄港した記事に、その状況が記載されています。タイトルは『「暴走老人」菅直人の危険性を48年前に見抜いていた有吉佐和子 「この若者にはどうしても嫌われたい」と言わしめた傍若無人ぶり』(2/7)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

 立憲民主党の菅直人元首相の言動が物議を醸している。

 まずは、日本維新の会に関する「ヒトラー」発言だ。1月21日に自身のツイッターにこう書き込んでいる。

〈橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし、「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす〉

 これに維新は猛反発。菅氏は立憲民主党の最高顧問であることから、1月26日に維新の藤田文武幹事長が、同党の泉健太代表あてに撤回と謝罪を求める抗議文を提出。しかし、泉代表が「菅氏の個人的発言」とつっぱねると、こんどは維新の馬場伸幸共同代表が、2月1日に衆院議員会館で隣の菅氏の事務所にメディアを引き連れて乗り込んで、抗議文を手渡している。その模様はネット上でも公開されているが、ここまでくるともはや抗議を利用した互いの宣伝活動だ。

「新たな暴走老人」の声も

 菅氏の言動は、政府、自民党も反発している。

 欧州連合(EU)欧州委員会が、二酸化炭素を出さない原発を地球温暖化対策に資する“グリーン”な投資先として認定する方針を示したことに、首相経験者として小泉純一郎、細川護煕、鳩山由紀夫、村山富市の4氏と連名で、方針撤回を求める原発反対の書簡を1月29日までに送っていた。

 この中に、東京電力福島第1原発事故で「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」との記載があったことに、岸田文雄首相は2月2日の衆院予算委員会で「誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念される。適切でない」と発言。名を連ねた元首相5人に宛て、山口壯環境大臣が注意を求める書簡を送ったことを明らかにした。自民党の高市早苗政調会長も同日の会見で、強く抗議している。

 こうした菅氏の言動に立憲民主党内から「新たな暴走老人」と呼ぶ声があることを伝えるメディアまで出てきた。

48年前に有吉佐和子が見抜いた人間性

 しかし、菅氏の「暴走」については、いまにはじまったことではない。いまから48年前に、当時の菅直人青年の「暴走」ぶりを指摘し、命を奪われる危険性すら懸念していた著名な作家がいる。

“才女”とも称された有吉佐和子だ。彼女が著して話題となった『複合汚染』の中に、若かりし日の菅直人の描写がある。

『複合汚染』は、1974年10月14日から8カ月半にわたって、「朝日新聞」朝刊の小説欄に連載され、単行本化されるとベストセラーとなった。

 小説というよりはノンフィクションで、もともとは米国の生物学者レイチェル・カーソンが1960年代に、農薬汚染など現代に通じる環境問題をはじめて指摘して世界中に衝撃を与えた『沈黙の春』が基調となっている。

 当時の日本でも、農薬や化学肥料による土壌汚染にはじまり、食品添加物を交えた食品汚染、化学洗剤による河川、海洋汚染の実態、さらには自動車排気ガスによる大気汚染などが、相乗的に絡み合い、環境を破壊し、健康被害をもたらす実情を、総合的に描いたものだった。

 この作品の冒頭は、1974年夏の参院選に立候補する市川房枝の選挙活動の裏話からはじまる。著者は市川の選挙応援演説のため、数寄屋橋を訪れたところで、石原慎太郎とすれ違う。――そう、この2月1日に亡くなった作家で元東京都知事の石原慎太郎だ。そこで著者は石原に当時、噂されていた都知事選の出馬の意向について話を向けるのだが、煙に巻かれて終わる。実際に、石原は翌年の都知事選に立候補するのだが、現職の美濃部亮吉に敗れている。都知事になるのはそれから25年後のことだ。

「殺す気か」

 そして、石原慎太郎と別れ、数寄屋橋で市川房枝と合流したところで、青年グループのリーダーが演説をしている。それが菅直人だった。以下に本文を引用する。

【市川房枝を無理矢理ひっぱり出した青年グループというのは当時マスコミに喧伝されていた。数寄屋橋の袂に仮設した演壇の上で、彼らのリーダーが演説している。

「僕らがですね、再三再四、市川さんの出馬を要望しても、市川さんは紀平悌子という後つぎもできたことであるし、自分も歳だからといって頑として辞退し続けたんです。ところが今年の正月に僕たち市民運動の会で餅つきをしたんです。市川さんも杵を振り上げてペッタンコペッタンコと餅つきをしたんです。それで僕たちは先生があんまり上手に餅をついたんで驚いて、こんなに元気なら引退することはないじゃないかって考えたんです。そして僕たちは市川房枝を勝手に推薦する会というのを作りました。ハンコは僕たちで勝手に作って届けようって相談していました」】

 これが1974年の菅直人青年だった。一言一句が克明に記録されていて、いまの菅氏にも通じる口調の特徴がよく捉えられている。

 

 ところが、著者はこの演説を聞いている最中に、支持者のひとりから、こう打ち明けられる。

【「いま喋ってる男の子は菅さんっていうんだけど、市川房枝がどうしても駄目だったら有吉佐和子を勝手に立候補させようって言ってたのよ」】

 それを聞いた有吉は、作中でこう語る。

【私は背筋がぞうっとした。それが本当なら危ないところだった。それまで私は新聞で青年グループの存在を知り、親愛の情を寄せていたが、これは気をつけなくてはいけない。彼らに好かれたら私の作家生命が危なくなる。(中略)私は彼らから嫌われる存在にならなければいけない。そう思い決めた。】

 時代を代表するベストセラー作家による貴重な菅直人評だった。

 また、当時81歳だった市川房枝を担ぎ、九州、沖縄、名古屋、大阪、東京、そして長野・・・と、日替わりで日本各地を遊説して回らせる青年グループのスケジューリングを知って、

【殺す気かという言葉が喉まで出て来たのを私は呑み下した。青年グループ。彼らは若さにまかせて、市川房枝の年齢を忘れ、候補者の健康保持を忘れて、暴走している。】

 そう酷評している。はっきり「暴走」と書いている。だが、「暴走」していたのは、若さだけが理由だったのだろうか。

【この若者にはどうしても嫌われたいのだ、私は。】

 再三に亘って、有吉佐和子からそう毛嫌いされていた青年は、それから30余年が経ち、日本の首相になった。

暴走による候補者担ぎ出しを「政治活動の原点」と胸張る元首相

 その首相在任中に東日本大震災の発生と、福島第1原子力発電所の事故を招く「複合被災」の対応に迫られた。その発生直後の混乱の最中に、官邸を離れて制御不能になった原発に向かったことは、現場の首相対応に労力を割かれて事故処理への支障となったこととあわせて、のちに批判の的となっている。

 菅氏が首相の座について最初に行った2020年6月11日の所信表明演説の冒頭で、自らの政治家としての出所をこう語っている。

「私の政治活動は、今を遡ること三十年余り、参議院議員選挙に立候補した市川房枝先生の応援から始まりました。市民運動を母体とした選挙活動で、私は事務局長を務めました。ボランティアの青年が、ジープで全国を横断するキャラバンを組むなど、まさに草の根の選挙を展開しました」

 その時にはすでに、自己満足が優先して他者の事情や健康、さらには自身の置かれた立場や責任に思いが至らない稚拙な青年の姿に、「殺す気か」と心の中で叫ぶ慧眼の大人が、すぐ脇に立っていた。そのことを、当人が知らないとしたら、これほど不幸なことはない。

 

 「暴走老人」はかつて石原慎太郎氏でしたが、元祖は菅氏だったようです。一方この菅元総理、もともと「イラ菅」と言われ、人に当たることも多かったようです。立場や状況をわきまえぬ言動は、福島原発事故直後の現場の混乱など無視して、視察を無理強いするなど、多くの事例があります。

 「イラ菅」に関する特集記事も組まれました。政治評論家の小林吉弥氏がexiteニュースに寄稿したコラムがそれです。タイトルは『歴代総理の胆力「菅直人」 「イラ菅」の異名が付いた理由』(2020/8/31)で、以下に引用します。

 ◇

 菅直人という元総理大臣の一端を物語る、こんなエピソードがある。

 昭和56(1981)年秋の臨時国会。時の衆院の行政特別委員会で、社会運動家として鳴らした市川房枝女史とともに立ち上げた少数野党「社民連」の1年生代議士だった菅が、質問に立った。

 国家予算の歳出項目に、国が都道府県にどれだけの補助金を出したかを示す「補助事業費」というのがある。国による、公共投資の目安となるものである。その配分上位は、東京、北海道、大阪、愛知といった大都市。当時14支庁が集まり、北海道開発庁まで置いていた北海道が、順位ともども大方ベスト5の常連であった。

 ところが、昭和57年度に“異変”が起きたのだった。日本海側の一雪国であるハズの新潟が、一気に愛知の次の5位に躍進、その後は愛知を抜いて4位、ついには東京、北海道に次いで3位まで躍進するのである。新潟が5位に入ったのは、田中角栄の蔵相時、4位が自民党幹事長、3位が幹事長、通産相時、そして総理大臣のときだったのである。

 ここでは、田中が実力者の階段を駆け上り、予算獲得に腕力を示したことが分かるのだが、菅が行政特別委員会の質問で、これにクレームをつけたということだった。

「田中角栄氏の出身地である新潟県は、他県と比べて補助金が断然多い。これは、どう見てもおかしいのではないか」

 ところが、この委員会所属議員には田中派議員が多くおり、菅に猛烈なヤジを浴びせたのである。

「新潟は広いんだ。もっと勉強して来いッ」

「雪をどうする! それが政治というものだ」

 このあとの質問はズタズタ、菅はくちびるを噛むようにして質問席をあとにしたものである。

 あえて、若き日の菅のこうした例を引いたのは、菅という政治家のリーダーシップの根幹を見るためである。

 すなわち、市民運動上がりらしく国民の不満が奈辺にあるかの直感力はなかなかだが、一方で大局観に欠け、独断専行に走るきらいがあるということだった。また、権力欲もなかなかのものがあるようであった。

 さらには、前任総理の鳩山由紀夫は東大工学部卒だったが、こちら菅は東工大応用物理学科卒でともに「理系脳」、すなわち物事の進め方は「情より知」が先行するタイプで、菅の場合はこれに自分の意に沿わぬ相手にはすぐイラつき、情け容赦なく怒鳴りつけるというヘキが加わり、「イラ菅」の異名が付いていた。ために、人の集まりが悪く、民主党内の求心力は脆弱で、政権運営はことごとく躓いたのだった。結果、前任の鳩山同様、一年で退陣を余儀なくされた。しかも、政策的な実績はほぼゼロと言ってよかったのである。

 その政権を振り返ってみると、政権に就いて早や1カ月後の7月には参院選が待っていたが、財務省からの消費税10%の増税案を口にしたことで、参院選は敗北した。しかし、その直後となる9月の代表選は対抗馬に強力候補が出ずで、からくも「再選」を果たすことはできたのだった。

 しかし、その後も、政権運営は迷走の連続だった。折から、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉が政局の焦点に浮上してきたが先送り、鳩山前総理が口火を切った沖縄の普天間飛行場移設の代替案を、自ら模索せずであった。

 一方で、政権基盤の強化を模索して、自民・公明両党との「大連立構想」を打診したが、時の自民党総裁・谷垣禎一から「1党独裁に通じる巨大政党の誕生は好ましくない」と一蹴されている。

 そのほかにも、安易に日本の国債格下げ問題に言及して大恥をかき、引き上げるべき法人税を「引き下げる」と答えたり、TPP交渉を「IPP」交渉と読み違うなど、経済・財政の弱点も見せつけた。

 ◇

 前の元総理鳩山由紀夫氏から続く菅総理の民主党2年間は、まさに悪夢の時代だったと言えるでしょう。続く野田元総理はこの二人の失政の尻拭いと共に、タイミング悪く尖閣の国有化を進め、中国胡錦濤主席を激高させた問題も残ります。

 欧州委員会への書簡送付問題で、物議を醸した5人の元首相の中で、唯一現職の国会議員である菅氏は、「暴走老人」ならぬ「悪夢時代の老人」と言うことを自覚して、職を辞することをお勧めしたいですね。

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2022年2月 5日 (土)

これが決議文??「対中非難決議文」なのに「中国」の名前がない!

Images-4_20220204155201  北京五輪が多くの問題を孕みながら開幕しました。アスリートにとっては4年に一度の夢の舞台。それが4年間の努力の結果を発揮する場として提供されるにしては、ゼロコロナを目指す当局の対応に、余りにも管理過剰で息が詰まる会場のようです。

 まさに習政権の国威発揚の場として化してしまった感のある、習近平による習近平のための北京五輪。その北京五輪の開幕の前に、何とかして間に合わせようと、骨抜きになってしまった、2月1日決議の「対中非難決議」。その決定の過程をイトモス研究所所長の小倉健一氏が、現代ビジネスに寄稿しています。タイトルは『「対中非難決議文」なのに「中国」の名前がない! だから岸田は習近平に舐められる』(1/26)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

先送りばかりで保守層も離反

岸田文雄政権の「目玉」が、また1つ後退しようとしている。首相は1月17日の施政方針演説で新型コロナウイルス対策と看板政策の「新しい資本主義」に多くの時間を割いたが、またしても昨年9月の自民党総裁選で掲げた令和版「所得倍増計画」や金融所得課税の強化といった目玉公約を“封印”した。夏の参院選までは「安全運転」に終始するというが、相次ぐ後退には自民党の支持基盤である保守層からも「日和過ぎている」との失望感も広がっている。

「一体どこを向いて、誰の声に『聞く力』を発揮しているのか分からない。自民党が保守政党としての矜持を示さなければならないのに、憲法改正も安定的な皇位継承の議論も先送りばかり。このままでは保守層が離反しかねない」

閣僚経験者の一人がこう憤るのは、岸田首相が掲げた目玉公約がことごとく先送りされ、保守層の票が夏の参院選で日本維新の会などに流れるとみているためだ。「所得倍増計画や金融所得課税などは『これから頑張って取り組みます』と言っていれば良いかもしれないが、『アレ』だけはそうはいかない」と語気を強める。

もはや先送りが許されない「アレ」とは、中国による香港や新疆ウイグル自治区での人権侵害行為を非難する国会での「対中非難決議」を指す。自民党の高市早苗政調会長ら保守系議員が中心となり、昨年の通常国会で採決を求めたものの、連立政権を組む公明党が慎重姿勢を崩さず見送られた決議案だ。

高市氏は、決議に前向きな野党の動向も踏まえ、昨年末の臨時国会でも採択するよう自民党の茂木敏充幹事長に「直談判」までしたが、「今はそのタイミングではない」と了承されず決議案提出は叶わなかった。

玉虫色の修正

茂木氏が難色を示した背景には、2月の北京冬季五輪に政府高官らを派遣しない「外交的ボイコット」を表明する前に波風を立てることは避けたかったとの見方が強い。岸田政権は12月24日に「外交的ボイコット」を表明したが、高市氏は同27日のインターネット番組で「遅きに失した」と批判。茂木氏の対応についても「内閣の顔を立てようとの配慮もあったのかもしれないが、悔しくてたまらない」と無念さを爆発させている。

事の経緯を見れば、政府の「外交的ボイコット」決定後はもはや障害はないはずである。高市氏は1月11日のBSフジ番組で「去年はタイミングが悪いということでダメだった。通常国会の頭に決議ができるよう頑張りたい」と強い決意を示し、茂木氏も「各党が合意して採択に繋がればと考えている」と容認する構えを見せる。

だが、1月17日にスタートした通常国会の冒頭で新たな動きは見られていない。それはなぜか。自民党を担当する全国紙政治部記者が解説する。

「決議案の中身が骨抜きになりそうだからです。対中非難決議というからには、中国政府を非難し、深刻な人権状況について国際社会が納得するような説明責任を求める内容になるはずですが、岸田政権の中国への配慮から『玉虫色』になる修正が行われる可能性が出ています」

自民党関係者によると、その決議案は「中国」を名指しせず、人権問題についても「中国以外の人権状況」も盛り込む文言へと修正される方向だという。公明党の北側一雄副代表は1月13日の記者会見で「自民党と野党を含めて、文言について詰めの協議がなされていくものだと理解している」と述べ、全会派が一致できる内容の決議案にしなければならないとの考えを強調している。

習近平の高笑い

8_20220204155601 高市氏やウイグル問題に取り組んできた古屋圭司政調会長代行らは1月14日、岸田首相と東京都内の日本料理店で会食し、早期採択を重ねて要請した。ただ、首相は通常国会冒頭での採択は容認しない考えは譲らなかったという。その時期について、ある政府関係者は「2月の北京冬季五輪の前にはなんとか、という感じになるのではないか」と語る。

正確には、対中非難決議の採択は首相の「公約」とまでは言えない。だが、岸田氏は昨年9月の自民党総裁選で掲げた「外交・安保における3つの覚悟」の中で、こう掲げている。「権威主義的体制が拡大する中で、台湾海峡の安定・香港の民主主義・ウイグルの人権問題などに毅然と対応。日米同盟を基軸に民主主義、法の支配、人権等の普遍的価値を守り抜き、国際秩序の安定に貢献していく」。

ちなみに、昨年秋に勝利した衆院選での自民党公約は「ウイグル、チベット、モンゴル民族、香港など、人権等を巡る諸問題について、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めます」である。

岸田政権は人権侵害救済法(日本版マグニツキー法)の必要性を唱えてきた中谷元衆院議員が首相補佐官に起用されたものの、その具体的進展はいまだ見えない。一方で、日中友好議員連盟会長を務め「親中派の代表格」(自民党中堅)ともいわれた林芳正氏を外相に起用するなど、対中外交の芯のなさが指摘されてきた。

それだけに対中姿勢が如実にあらわれる非難決議案の修正の動きには、自民党内でも「何を怯えているのかわからないが、それをみた習近平は高笑いでしょう。岸田氏の『毅然と対応する』『主張すべきは主張する』というのはポーズだけだったのかと言われかねない」(中堅議員)との不満が渦巻く。

首相は施政方針演説の最後で、幕末を生きた勝海舟の「行蔵は我に存す」「己を改革す」という言葉を引用した。責任は自らが背負う覚悟を示したものだが、発してきた言葉と公約の重みを踏まえて自らを律するべきは首相自身のように映る。

 ◇

 かくして北京五輪開幕の直前、2月1日に決議文は採択されましたが、小倉氏の記事にある通り、「中国」の名指しは避けた文になりました。また盛り込む予定だった「人権侵害」や「非難」の文言も公明党の要請を受けて削除され、「人権状況」という当たり障りのない文言に切り替えられました。

 これでは非難決議とは名ばかりであり、習政権に精一杯顔を立てたと言うことなのでしょうか。中国は予想通り激しく反発したようですが、穿った見方をすれば日中間での出来レースだったのかも知れません。

 民放でこの件に関し、弁護士のコメンテーターが、中国だけではなく、日本での人権問題にも目を向けるべきだと言っていましたが、日本の人権問題と、ウィグルやチベット、モンゴル、香港等での人権問題とは次元が違います。中国ではジェノサイドが日常的になされていて、民主活動家への拘束や拷問も伝えられています。それと日本の人権を同等扱いするのでしょうか。

 日本の左翼や人権活動家も、日本の政府や国家権力ばかり対象に批判していないで、是非ウィグルやチベットに出向いて、実態をつぶさに観察したらどうでしょうか。

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