共産主義と皇帝
マルクスによって提唱された共産主義は、元来生産手段の社会的共有により、階級や搾取のない万人の平等を目ざす科学的な社会主義を意味しましたが、世界で最初に共産主義国家となったロシア(革命後ソビエト連邦となった)の革命指導者レーニンは、マルクスの理想とは異なる暴力により、1917年革命を成功させ共産主義体制を敷きました。
続く指導者となったスターリンはその体制を発展させ、完全な一党独裁体制を確立し、中央委員会書記長となり権限を集中、事実上の個人独裁体制を敷きました。産業の育成に力を注ごうと、弱点だった工業化の進展を進めた一方、農業においては集団化(コルホーズ)を、資産家排斥の運動とも重ねて無理に進めた結果、多くの餓死者を出しました。そしてその政策に異論を挟む人たちや政治的に意見が異なる人たちを、次々に粛清して行きました。餓死者を含めその数2千万人とも言われています。
一方中国でもコミンテルンの呼びかけの元、毛沢東が中国共産党を組織化し、蒋介石率いる国民党と随所で覇権争いを繰り広げ、日中戦争に疲弊した国民党を次第に追い詰め、1949年中華人民共和国を設立、共産党一党でかつ個人独裁体制を確立しました。毛沢東も様々な経済政策の失敗から、多くの餓死者を出し、また文化大革命に代表される、資産家排除と銘打った敵対勢力の一斉粛清を行なっています。これには紅衛兵と呼ばれる若者を洗脳し、彼らをその配下として利用し、大量の犠牲者を出しました。毛沢東がらみの餓死者、粛清者の総数は6千万人以上とも言われています。
このように実際の共産主義は、マルクスの理想とはかけ離れたものとなり、平等を目指すどころか、古代や中世の皇帝と同様の、個人独裁者を生み出しています。ただローマ皇帝でも、中国の皇帝でも、統治下においてこれほどの犠牲者を出してはいません。まさに恐怖と悪夢の施政といえるでしょう。
これ以外にも、ベトナムで100万人、カンボジアで200万人、北朝鮮で200万にと言われる死者を出し、世界で1億人近くが犠牲者となっています。これらの国でもホーチミン、ポルポト、金ファミリーという独裁者がその権力維持のために、殺戮を実施しています。さて日本の共産党はどうでしょうか。かなりソフト路線を敷いて、国民を騙しています。だがその根っこは同じ思想だと言うことだけは、頭に入れておく必要があります。
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