劇場型番組作りとサラリーマン記者の記事作り
政治の世界で劇場型と言われる選挙戦術が行なわれてきました。有名なのが「小泉劇場」と「小池劇場」。どちらもマスコミが名付け親ですが、所謂分りやすい対立構図を作り、国民や都民に「どちらを選ぶ」と問いかけ、見事に選ばれる側の主役の座を勝ち取り、大勝した例です。名付け親のマスコミが大いに煽ったことも、主役を際立たせる効果抜群でした。
そのマスコミ、代表的報道機関である地上波テレビにおいて、報道番組に限ってよく見ると、この手法を随所に使っているのに気がつきます。つまり多くの番組で「政権側」と「非政権側」、「マジョリティ」と「マイノリティ」のような対立軸を作り、権力側や多数側の「監視役」という大義の下で、非権力側やマイノリティの側に過度に寄り添った報道をする傾向が強いと言えます。
そうした姿勢は、健全な表現や言論の域内で行なわれていればいいのですが、どうもそうではない。思想や信条はこれを犯してはならない、とする憲法の精神を逸脱した、偏った見解を取り上げたりコメントする番組も多く見受けられます。
何故こういう偏向が目立つのか。それはやはりテレビが寡占状態で、正常な競争が行なわれていないことに、本質的な問題があると思います。それとネット世界のように双方向の意見交換がなく、制作者側からの一方通行の情報発信で、インターラクティブでないことも一因です。
この問題は以前にも取り上げましたので、これ以上言及しませんが、いずれにせよ様々な意見や見解が発信され、受け手の選択が出来るように改善される必要があります。
一方新聞については、有る専門家は、所謂ジャーナリストとして専門的な教育を受けた人が、記事を書いている訳ではないところに問題があると言っています。すなわちしっかりしたジャーナリストであれば、現場現物現状を自分の目で見、きちんと把握した上で、出来るだけ普遍的な価値観を以て、記事を組み立てます。しかし、日本の新聞はその新聞社に入社したサラリーマンですから、どうしても社の方針、上司の意見に左右されてしまう傾向があります。ですから朝日新聞の社説はいつも同じ論旨、他の新聞も殆どがそうなると言うことになります。
テレビも新聞も民間事業者ですから、当然利益が必要です。従って視聴者や読者が喜ぶ番組や記事が必要でしょう。しかしその前に、自分たちは国民に情報を提供する、所謂マスコミという立場をよくわきまえて、世論に大きく影響及ぼすことを念頭に、番組作りや記事の寄稿をする必要があります。現状のように「世論を左右」し「洗脳」するという目的ではなく。
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