総論賛成、各論反対
今朝のテレビ番組で、東京港区での保育施設の建設に関する、住民説明会の様子が報道されていました。場所は高級住宅街の一角で、児童公園の中に建設する計画ですが、住民の強い反対の意見が音声で流されていました。説明会は6回目で80人が参加したようです。
住民の意見の大半は「反対」で、内容は「初めからきちんと説明がなされていない」というそもそも論から、「住宅街のここに造る必要があるのか」「公園の樹木が伐採されるのは反対」「子供の遊び場がなくなる」というものから、「公園のトイレが使用できなくなる、高齢者は15分に一回はトイレを使用する」とか「朝の日差しで目が覚める、朝日が入らなくなる」などの極めて個人的なものまで、様々でした。
一方、ごく一部賛成者の意見もあり、「子育て中の人には子育て施設は重要」「子育てへの支援を皆でしていくべきだ」と言っていますが、その間もそれを揶揄する声や反論も聞こえてきました。総じて反対者の声は大きく、感情的な様子でした。
番組のMCは必要になったから造るという、後追いの施策ではなく、初めから街作りの中で計画的に造るべきだと、模範的な意見を述べていましたが、結果論でしょう。
この例と同様に、焼却場やゴミ処理施設、近年では幼稚園や保育園など、公共な建物としては必須であるけれども、近くに建てられるのは嫌だ、即ち「総論賛成、各論反対」の一つの例として、日本の各所で持ち上がっている問題になっています。
「総論賛成、各論反対」の例は他にもいくらでもあります。国の予算を全体的に抑制するのには賛成だが、自分の省庁だけは嫌だとか、交通渋滞緩和のためにバイパス道路を造るのには賛成だが、自宅の前を通すのには反対だとか、卑近な例だとイベントの開催には賛成だが役員になるのは嫌だとか、いろいろありますね。
この問題の根底には、行政側の公共施設の建設義務と個人の自由、権利の保護という、相反する立場の対立から生じます。古い例では成田空港建設に対する地域住民の反対があり、政治も絡んで来て、長期にわたり対立が続く場合もあります。もっと政治的には沖縄の米軍辺野古移設基地の建設と反対派の対立があります。反対派が周辺住民かどうかは分りませんが。
ところでまた、この保育施設のように、サービスを受ける側の人が少数派の場合、合意はより難しくなります。成田空港の場合も地域住民の多くは、利用しない人だったのかも知れません。この二つの例では総論とは市や国の意見となり、利用者も含めての総論にはなりにくいのかも知れません。
いずれにしろ、このような公的な施設が、周辺住民の所謂「迷惑施設」となるような場合は、国土の狭い日本では、今後も地域の問題として残るでしょう。一つ一つ状況が異なりますから、そこでの行政の手腕が問われます。
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