外交では「国益」優先で臨もう
子供の頃親からよく言われたことの中に、「人の迷惑になることをするな」、「恥となるようなことはいうな」、「悪いことをしたらきちんと謝りなさい」、「どうしてそんなことをしたか反省しなさい」、というようなものが有りました。これらは今でも日本人として大事なこととして、その文化・風土の中に溶け込んでいます。
日本は古事記、日本書紀に記されているように、神話の世界からはじまり、以来ずっと万世一系の天皇を中心とした統治機構を以て、歴史を刻んできています。基本は神道ですが仏教も深く取り入れ、和と慈悲を中心とし、その統治の中に組み入れています。もちろん藤原氏を初め「家」を元にした、結構ドロドロの後目争いも中にはありましたが、催事を中心にこの考え方を基本として、国の長としての役割を務めてきました。
一方鎌倉幕府に始まった征夷大将軍と言う武士の組織は、幕府とも言われますが、今でいう軍隊でしょう。元々蝦夷を撃つための役職でしたが、実質的な行政に関しては鎌倉時代以降、江戸時代まで朝廷に代わってこの幕府が担ってきています。この幕府は近世に向うにつれ戦う部分が薄れ、江戸幕府に至っては完全に行政のためだけの組織になっています。そしてお互い規律を重んじ、上下関係は俸禄と奉公の間柄になっています。そしてそこに武士道という1つの概念ができあがったと思われます。
明治維新後天皇を中心とする行政機構に戻るのですが、実際政治を動かしたのは、この元武士たちでした。明治天皇は五箇条の御誓文を示されましたが、それに加えこの武士道が相まって、日本の政治や風土の中に考え方として溶け込んだものと思われます。それが外交の基本にもなり、戦時に於いてさえも、規律を守り、相手を騙さず、傷ついた相手には慈悲を以て接する、そういう国家観を持つ国になったと言えましょう。
ところが白人国家と言われる欧米の当時の先進国は、後進国の南米やアジア、アフリカを次々に植民地とし、自前の宗教・文化を押しつけ、資源を略奪し、先住民を虐殺してきました。
同様に中国に於いても、満州事変後の日本人に対する裏切り、虐殺は枚挙に遑はありません。今もチベット、ウィグルで他民族虐待を重ねています。朝鮮人も終戦前後の日本人を始め、ベトナム人への蛮行を行なっています。
西洋に於いても中国に於いても、近世までは王や皇帝がトップに君臨し、代替わりや隣接国との戦争の度に、凄惨な殺戮を繰返して来た歴史があります。朝鮮も大なり小なり似たような歴史でしょう。こうした中国風にいうと易姓革命を繰返し、王や皇帝がその地位を保全するために、時には肉親まで手にかけるような歴史が、人を虐殺しても平気な神経の持ち主を産んだと思われます。そしてそれを見ていた周りの人間も、やがてその風土に染まっていった、と見ることが出来るでしょう。
そして日本では映像や紙面では、凄惨な死体を直に見せないようにしています。しかし日本以外ではそんなことはあまりなく、もろに見せているようです。これもこのような歴史的経緯からでしょうか。
こうした人間の感覚の根本的な違いが、戦前日本が第一次大戦以降大東亜戦争まで列国にいいように騙され続けて、結局歴史的な敗戦に繋がり、また戦後に於いても「反省」と「謝罪」を繰り返す大きな要素になっているのだと思います。
日本の和や慈悲や思いやり、そして謝罪や反省はいい文化だと思います。しかし外交に於いては負の部分が大きすぎます。こと外交に於いては世界標準の対応で臨まなければ、また騙され続けることになります。世界標準、それは「国益」最優先です。この姿勢、河野外務大臣に強く望む次第です。
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