国会 その使命を忘れず実のある審議を
秋の臨時国会が開催されて、法案の実質審議に入っていますが、相変わらず質問側、特に野党議員の質問は、本当にこの法案をよく練り上げて、国や国民の為に資する為にしているのだ、という考えがあるのかどうか疑わしいものも多くあります。
元官僚の高橋洋一教授によれば、国会審議を円滑に行うために、質問者が事前に質問の趣旨を通告している。質問通告は、政府答弁の準備をさせるためであり、国会慣習で国会法などに規定はない。現在は、与野党間ルールで、2日前の昼に通告することになっている。しかし、このルールは有名無実であり、ひどい場合、前日の深夜に通告がくることもある、と言うことのようです。
まあ大臣といえども、派閥均衡のためやその他の理由で、当選回数からそろそろ大臣に、とその知見や資質ではなく任命された人もいるでしょうから、官僚に作って貰った答弁書を丸抱えに答える人も、居てもおかしくありませんね。そこで澱んだり読み間違えたりする。あるいは答弁書にない突然のクイズのような質問を出されて、あたふたする閣僚も居たりします。
野党側の狙いは、このようにまともに答弁できない閣僚を追い込み、首相の任命責任に持って行くことにあります。桜田大臣がそのターゲットになりました。任命責任追求のもう一つの手段は大臣のスキャンダルの追及、これも今国会で片山大臣がその餌食になっています。こちらの方は、その質問自体が法案とは関係無しに行なわれるのですから、よりたちが悪い。それこそ以前述べたように、国会改革案に上っている「特別調査会」のような場で実施すべきでしょう。
スキャンダル問題は別として、予算関連法案以外の法案は、議員立法しても構わないし、またすべきだと思います。そうすれば立案者は質問への準備として、その法案関連の知識や経緯など詳細に研究し、また答弁に関しても、質問者に分りやすくするため、具体的にせざるを得ません。
いま審議中の「入国管理法改正案」は、外国人労働者の受け入れ拡大を目的としたもので、昨今の労働者不足を補うものとして、政府から出されたものです。しかしこの改正案は厳密に言えば、自民党からでも、立憲民主党からでも出しても構わないと思います。ただこれほど国全体に影響を及ぼす法案は、議員立法は難しいかも知れませんが。
この法案、今日15日付の産経新聞の「主張」でも、「外国人材の拡大 法案の土台から築き直せ」、と手厳しいし、そもそも与党自民党の中でも反対意見が多いと聞きます。日本人労働者への影響や、今までの外国人への対応が甘いところがあり、犯罪者や不明者だの多くの問題を抱えているため、更に増えることに対する懸念は大きいのでしょう。そのためにも細部にわたる検討が必要です。
今回受け入れ人数の上限が政府から出されました。これに対する野党や朝日新聞などの見解は、「根拠が不明瞭」の大合唱です。と言うことは野党や朝日はこの数字はおかしいと思っているのですね。それでは彼らの主張する数字を出せばいいのではないでしょうか。それこそ厚労省に資料請求して、彼ら自身の数字の根拠を作り、それを反論として提案すればいいと思います。
国会論戦を見ていると、いつもこのパターンで、質問者に代案なし、ただ反対だけ。逆質問もされない。ですから言いたい放題、言って終わり。これでは法案がよい方向に練り上げられるなんてあり得ないと思います。企業であればとっくに倒産ですね。何度も言いますが、国会は国の会議で議論の場、クイズ番組ではないことを議員一人ひとりが自覚してほしいものです。
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