« 中国でファッションショー中止 | トップページ | 支那事変への2大国の画策 »

2018年11月24日 (土)

第2次大戦で最も利益を得たのは?

 先日の日ロ首脳会談で、北方領土返還交渉に踏み込んだとの報道がなされました。ロシアに騙されているとか、いや一歩前進とか、2島先行 返還だとか4島一括変換だとか 政治家や識者、マスコミはいろいろ騒いでいます。そもそもこの北方領土、先の大戦で戦勝がほぼ見えてきた連合国の米英ソが行ったヤルタ会談で、戦後ソ連に南樺太とともに割譲する密約がその発端にはなっています。


Thr2xto2fn  日本はこのほか、満州での利権や朝鮮、台湾などの統治権も同時に失いましたが、この第二次世界大戦、全体を概観すると、スターリンのソ連が最も利益を享受した構図が見えてきます。

 まず連合国側についたこと、イギリスがドイツと死闘を繰り広げる前半は、独ソ不可侵条約を経てポーランドに侵攻、ドイツのソ連侵攻の時はすでに締結済みの、日ソ中立条約で日本の直接侵攻を止めるとともに、当時中華民国の総統蒋介石を操り、中国共産党との共闘で日中戦争を継続させ、東の脅威を抑えつつ、ドイツ戦に集中、これを撃破しました。

 アメリカのルーズベルトは支那への利権を狙い、日本に強力な経済制裁圧力をかけ、一方で蒋介石を裏で支援しましたが、これも日本を支那に釘付けし、ソ連への対応を躊躇させるのに一役買っています。

 そして日米戦が始まり、日本の敗戦が決定的になると、ポツダム宣言受諾の間際に、日ソ中立条約を破棄して参戦、樺太、千島、満州に侵攻し、一部占領、実効支配をするとともに、中国、北朝鮮の共産化にも大きく貢献しました。これはルーズベルトの後を継いだアメリカのトルーマンにとって、全くの誤算であったと思います。

 さらには欧州では英米との合意を覆して、ポーランドに共産党の傀儡政権を発足させ、東ドイツを始め東ヨーロッパを次々に共産化していき、バルト三国を自国領とし、ベラルーシ、ウクライナ等を含む、大帝国を築きあげたのです。

 まさにスターリンソ連はこの第2次世界大戦を利用して、世界の領土の約3分の1を占めるようになる、大共産主義国家群の設立に成功しました。


Soviet_union_flag_map_by_ltangemond

 そして日本としてはソ連から受けた蛮行、
①日米戦争停戦の仲介役の依頼への回答先延ばし
②日ソ中立条約の破棄
③終戦間際の日本への宣戦布告
④満州、南樺太、千島への侵攻と占領
⑤それら地域への日本民間人の陵辱と虐殺
⑥満州の日本兵のシベリア抑留と強制労働、赤化洗脳
⑦5万人を超える上記結果の犠牲者

 これらは日本人として忘れてはならない史実です。

 なおその後の共産主義国家ソ連の崩壊とともに、今は日本と同様、日露戦争当時のロシアの領土に戻ったわけです。ある意味共産主義がもたらした繁栄と没落の象徴的な歴史でしょう。

 結論として言えることは、いくら安倍首相とプーチン大統領の間の信頼関係を構築しても、あのスターリンを出した国ですから、中国同様警戒心は解けませんね。領土交渉はそれこそ騙されないように、くれぐれも注意して進める必要があります。武力で取られた領土は、武力で取り返すしか方法はないと言い切る人もいますので、常識的にはロシアは簡単に手放すはずはありませんから。


(この記事 イイネ! と思われたら、下記バナーの応援クリックをお願いします。)


保守ランキング

(お手数ですがこちらもポチッとクリックをお願いします)

にほんブログ村 政治ブログ 保守へ
にほんブログ村

« 中国でファッションショー中止 | トップページ | 支那事変への2大国の画策 »

歴史」カテゴリの記事

2023年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト
無料ブログはココログ