ハロインの夜の喧噪
今年も渋谷でのハロイン祭りは、大勢の人で賑わいました。ただ映像を見る限り若者が主体のようです。まあ高齢者は、あのようなごった返した喧噪の街の中に、行く気にはなれないでしょう。そして相も変わらぬトラブルが。
軽トラの荷台に乗って飛び跳ねた後、横転させた者たちがいました。明星大学・藤井靖准教授はこの様子を「腐ったリンゴ理論」に例えられると言います。以下に引用します。
段ボールに入ったリンゴの中に腐ったものがあると、周りのリンゴもどんどん腐っていくということがある。集団の中にそういう逸脱した行動を取る人が1人でもいると集団全体がそうなってしまう。例えば、大学の授業で300人くらいいても1人、私語をするだけでだんだん波及する。
なるほどいい例えだと思いますね。ですから普段はポイ捨てなどで街を汚さないことで、外国人から褒められる機会の多い日本人が、この集団の中では人がやるから自分も、と、ゴミをまき散らす行動に出たりもするわけです。それを回避するのは、と言う質問に、同教授は次のように答えています。
なかなか、個人のレベルで止めるというのは難しい。ごみ捨てとか暴動とか物を壊したりとかそういう状況を見た時に止めようとすると、止めようとしたことがさらに騒ぎを大きくすることにつながるので、自分で止めようとせずに些細なものでも警察や行政に通報することを心掛けた方がいい。
しかし現実にはこの喧噪の中ではそうも行きませんし、通報したところで警察や行政も、即座に対応の手段もないかも知れません。実際祭りの客や周辺の商店から、トラブルや落とし物等、通報が多すぎて対応できていない状況だったようです。
周りの商店は人は多くても売り上げは伸びず、逆にトラブルに巻き込まれる恐れもあり、早くから店じまいをするところも多くなっています。31日にはセンター街で火事もあり、消防車の出動まで加わりました。また窃盗や公務執行妨害などで7人が逮捕されています。
なぜ渋谷に集結するのでしょう。ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は次のようにその理由を述べています。
1990年代の渋谷は、チーマーとかコギャルとか若者・女子高生の街というイメージだったものが、2002年の日韓ワールドカップあたりから皆で観戦して勝ってワーッと騒いだりと雰囲気が変わってきた。皆が繰り出す場所になって、今は外国人が来てハロウィンで人が集まる。5月にはLGBTのパレードも行われるなど、何かを主張する場所、集まる場所に変わってきた。渋谷がメディアになっている。
渋谷がメディアになっていると言っても、周辺の商店の人たちからは、迷惑だという声が上がっています。渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長は、2年後の2020年東京五輪・パラリンピックを念頭に「怖い街というレッテルが貼られてしまう。来年は禁止にしてほしい」と訴えています。今後集団が「腐ったリンゴ」から「新鮮なリンゴ」に変わるのか。どうも期待できないような感じがします。
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