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2019年4月29日 (月)

「筋が通らない議員」には政権を任せられない

20190420003916  「筋が通っている。」よく使われる言葉です。「論理的」、とも近い言葉です。「首尾一貫している、道理にかなっている」、とも言われます。特定の立場や考え方に偏らず、「客観的に物事を見る様」とも通じます。

 国民全体のことを考えれば、国会議員はこのような考え方、言動に徹することが理想ですが、地域代表、または利益代表の側面があって、なかなか理想通りには行きません。ただし首相を筆頭に閣僚たる人たちは、この理想を追い求める必要があります。

 私は仕事で社員教育部門にいて、特に企業戦略論理思考の講師を務める機会がありました。そこでは事業経営やその遂行に於いて、企業の理念をトップに、しっかりした状況把握のもと、関連情報を集め、そこから有効な戦略を立案し、計画を立て実行することの重要さを説いています。

20181129115632  そのステップとしては、市場やライバルの情報を収集、分析し、課題を抽出し、優先順位を付けた上で、課題解決と資源配分を戦略的にかつ論理的に、策定していきます。

 つまり、情報収集能力論理的ステップ展開力がキーとなり、論理的ステップの中では、状況把握、課題設定、問題解決の三大能力とそれを可能にする客観的分析能力、因果関係解析力、効果と実現性の把握能力などの論理思考能力が問われます。

 政治の世界の必要能力は、企業と同様、国の理念とも言うべき国家体制のもと、経済運営や安全保障、福祉政策や教育政策など、すべてこう言った情報収集と論理的ステップによる政策決定過程が重要になると思います。

 もちろんこれらの能力は閣僚にも必要だと思いますが、昨今の閣僚にどれだけこなす能力があるか、よく分りません。もっとも閣僚は官僚のトップですから、彼らに政策提言や補佐する各官庁の職員、少なくともキャリア官僚やその上層部には、最低限筋道の通った政策立案能力があって然るべきです。

 そして閣僚には、官僚から提出された政策の取捨選択や評価のために、論理的思考力の中の優先順位付け能力と、政策効果の客観的把握能力は最低限必要でしょう。もっともこの二つの能力はその他の能力の複合したものですから、人間関係保持能力しか持たない議員は閣僚にしてはいけません。桜田義孝前五輪担当相はその典型例です。

Plt17050111200006p3  ところで野党議員、例えば立憲民主党の代表、枝野幸男氏は昨年「憲法は『国のかたちを表わすもの』と主張する安倍首相に対して、憲法は『国家権力をしばるものだ』と批判し、このような憲法観を持った安倍首相の下では憲法改正などできない」と述べています。

 憲法に対する基本的考え方が違うのは当然だと思いますし、その点での枝野氏の発言は問題ではありません。しかし「このような憲法観を持った安倍首相の下では憲法改正などできない」と言うのは、全く筋が通りません。なぜなら憲法を改正するのは国民ですし、枝野氏ではありません。もちろん国会議員でもありません。国会で発議できるだけです。

 論理的に考えるならば、国民の選んだ国会議員が衆参とも議員全体の3分の2を占めているのですから、発議すべきでしょう。公明党のもたもたした態度はありますが、少なくとも枝野代表が「憲法改正できない」というのは筋が通っていないどころか、憲法違反とも取られかねない暴言です。彼の言う「まっとうな政治」とはかけ離れています。

D5c3wmuuyaeb1ij  元自由党党首で国民民主党に移った小沢一郎氏は、昨日自身のツイッターで「米国で大統領のご機嫌とりに必死な安倍総理。ゴルフで蜜月ぶりをアピール。もちろん沖縄の苦悩や県民投票の結果など話題にされていない。異常な爆音に文句もいえず、兵器は品質に関係なく言い値で爆買い。貿易交渉合意は参院選後に、と懇願。地球儀俯瞰外交。誇大妄想。明らかに国民をバカにしている。」と述べています。

 かなり主観的な物言いで筋が通っているとは言いがたいのですが、百歩譲って「地球儀俯瞰外交」までは、何とか許容の範囲としましょう。しかし最後の「誇大妄想。明らかに国民をバカにしている。」は全く根拠が分りません。つまり客観性のかけらもなく筋が通らないのです。ただの罵詈雑言です。

 また立憲民主党の辻元清美国対委員長は24日の記者会見で、自民党の萩生田幹事長代行の「消費税引き上げ延期、国民に信を問う必要」の発言を受けて「5月の連休が終わったあと、一挙に反転攻勢にいく。萩生田氏の発言で、流動化していた豆乳に『にがり』が入り、野党が結束し、固まったような状況だ。『野党結束、豆腐作戦』として、健康で栄養のある豆腐のような国会議論を行い、議員立法などを提出していく」と述べています。

 豆腐やにがりの比喩発言はいいのですが、単なる政局対応のみで、何を国民に政策として訴えていくか、さっぱり見えません。このときに限らずいつもそうです。国民への政策提言という最大の課題を放っておいて、政府批判と政局対応のみ、つまり国会議員としての筋道を全く無視し続けているのです。

 こうした野党議員、それも党首クラスの人たちの、非論理、他責の文化は一朝一夕には治りません。旧社会党以来一貫して続いてきた、日本の伝統的野党文化です。したがって与党にも様々な失策はあっても、とても野党に政権は任せられないのです。

 野党も日本の将来を見据えて、きちんと状況把握をし、国と国民の為の本当の良き政策を立案し、実行する体制を敷けば、自ずと議席は増え、政権も近くなるでしょう。だが今のような政権批判だけを繰り返し、一部現行の国家体制を否定する、イデオロギー満載の野党議員が存在する中では、まだまだ遠い先だと思われます。

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