日本の良さを失わないための教育を
私が中東のある国に滞在中、日本の良さを紹介する映像が人気を呼びました。10年ほど前のことです。
その映像に映し出された日本は、「財布をなくしても拾った人が交番に届けてくれて、持ち主に返る」「街にゴミは殆どなく、道路も汚れていない」「電車やバスに乗るときも、買い物でレジに並ぶときも、順番はきちんと守る」等々、その国では正反対の事実に対し、啓発するための教材のような位置づけで、取り上げられていました。
また日本に好意を持つ外国人から、「日本は犯罪が少なく、安全だ」「交通マナーが良く、信号や停止線を良く守る」「店舗やレストラン、ホテルなどの接客対応が凄くいい」「交通機関の発着時間がきちんと守られている」など、日本のいいところの褒め言葉が続きます。
しかし昨今増加傾向にある様々な出来事が、このような伝統的な日本の良さを、潰して言っている感じがしてなりません。
その一つが、多発する「相手は誰でも良かった」という、殺傷事件。加えて親子殺人のような親族殺人事件。子供や女性を狙った、通り魔的暴行事件。また実の子や義理の子に対する幼児虐待事件。これら、日々の生活の安全、安心を揺るがす事件です。
またモンスターペアレント、モンスターカスタマー、モンスターペイシャントと言われる、いわゆる顧客等の立場を利用した唯我独尊の言い掛かりや暴言、これも良く聞くようになりました。
それに最近報道を賑わしている、あおり運転、また高齢者の暴走事件。交通マナーの崩壊が部分々々で起きつつあります。
観光地でのゴミの持ち帰りについても、それを無視する人が増え、富士山などあちらこちらでゴミの問題が発生しています。
更にSNSを利用した、マナー違反行為のアップロード。コンビニやレストランの従業員が、その店の信用を傷つけています。
日本全体としては、まだまだその良さは辛うじて維持されていますが、そこここにほころびが出始めていると言っていいでしょう。原因は様々でしょうが、戦後教育の欠陥部分、情報過多の影響、生活の豊かさの悪影響、核家族化、政治や行政の怠慢、それらが長い間積み重なって、日本の美点の毀損に繋がっているのでしょう。
私も外国に滞在したり、旅行したりして、日本の良さを体感してきました。そう言う意味では、日本人が海外に足を向けるのは、いいことだと感じています。願わくば、その際ただ観光だけでなく、その国の生活慣習に触れて、日本の良さを実感できればいいと思います。もちろん同時に、その国に日本にはない良いところも発見し、日本に持ち帰っていただければもっといいでしょう。
私も、薬を必ず医師の処方箋がないと買えないと言うように、医療制度面で日本は患者には不自由な制度となっているとか、身の回りの土地や建物に対し、国民が皆無防備になりすぎていて、外国人の居留地化しているとか、幾つかの日本の改善すべきところがあることも、体感しています。
いずれにしろ、その国の慣習は、長い間に積み重ねられた国民の生活習慣や、ものの考え方の発現したものでしょう。そしてその元の多くは教育環境にあると思います。もちろん学校教育のみならず、家庭や社会での教育も重要です。海外を見るのも、本を読むのも自己啓発という教育でしょう。
韓国の反日は教育の結果です。中国もそれに近い。日本は戦後自虐を教え込み、反日人をかなり生みました。このように教育は思想信条の形成や生活習慣にも影響を及ぼします。
日本の良さを失わず持続していくためには、日本の伝統とも言うべきその要素を取り出し、その要素を意識して次の世代に残せるよう、教育環境を整えていくことも肝要だと思いますね。
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