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2019年6月23日 (日)

適切か?神奈川逃亡犯の保釈の判断

B9b9c966cf65e786031baa4a922665ab  窃盗罪などで実刑が確定し、横浜地検が収容しようとして逃走していた、神奈川県愛川町の小林誠受刑者が本日、横須賀市内で身柄を確保されました。朝日新聞デジタルの記事から引用します。

 実刑判決の確定後、刑務所に収容される前に無職小林誠容疑者(43)が逃走した事件で、小林容疑者が神奈川県横須賀市森崎のアパートで見つかり、横浜地検は23日午前6時38分、公務執行妨害の疑いで緊急逮捕した。県警が全国に指名手配して行方を追っていた。

 この逃走事件、様々な不手際が指摘されています。主なものは3つ。「収監の不手際」「保釈の判断」「発表の遅延」。以下にFNNPRIMEの記事から引用します。

【ミスその1】収監の不手際
 19日午後1時過ぎ神奈川県愛川町で横浜地検の職員5人と警察官2人が小林容疑者を収監するため自宅を訪れた。すると小林容疑者は「お前らだましたな。準備するから出て行け!」と叫び、突如警察官らに向け刃物を振り回したという。その後、刃物を持ったまま自宅近くに止めてあった黒い車で逃走した。
フジテレビ社会部 平松秀敏デスク:
 地検の職員と警察官合わせて7人も行ったにも関わらず、刃物を振り回されたからといって結局収監できなかった…再三の出頭要請にも応じてもらえず、しかも家庭訪問までして延々と収監できなかった。

【ミスその2】保釈の判断
 小林容疑者は傷害・窃盗・覚醒剤取締法違反などの罪で、2019年2月に懲役3年8か月の実刑判決が確定していたが、その時小林容疑者は保釈中だった。保釈中の小林容疑者に出頭を促すために、横浜地検は複数回自宅を訪れたが接触はできなかったという。
フジテレビ社会部 平松秀敏デスク:
 これは裁判所の判断ミスではないかということは指摘されて当然だと思います。3年8カ月という重い罪が確定している。これは保釈を認めるべきではなかったのではないか。

 FNNの取材に対し最高裁と横浜地裁は、それぞれ小林容疑者の保釈の判断について個別の事件のことには答えられないとしている。

【ミスその3】発表はなぜ遅れたのか?
 小林容疑者が自宅から車で逃走したのが19日午後1時過ぎ。ところが発生から4時間近く経った午後5時前、ようやく横浜地検が小林容疑者の逃走を発表する。緊急配備が敷かれたのは午後5時半ごろで、その直後に相模原南署の近くの国道を走っているところを警察が発見し追跡したものの車はそのまま逃走してしまった。
フジテレビ社会部 平松秀敏デスク:
 緊急配備は迅速に行われるべき、4時間半以上たっているのであれば、これは緊急とは言わない。はっきり言って“不手際中の不手際”と言ってもいいかも知れないです。

 横浜地検は「このような事案を起こしてしまい大変申し訳なく思っています。発表が遅くなって申し訳ありません」としている。

 この記事で指摘されているように、検察の対応に明らかな不手際があり、それが周辺住民に迷惑や恐怖を与え、余計な捜査員の動員を必要とさせた罪は重いと思います。しかし一方、容疑者に保釈を与えたことについても、大いに疑問が残ります。産経新聞デジタルの記事から引用してみます。

 刑事訴訟法は被告らから保釈請求があった場合、証拠隠滅の恐れがある場合などを除き保釈を認めなければならないと規定。「権利保釈」と呼ばれるが、小林容疑者は常習として長期3年以上の懲役または禁錮に当たる罪を犯しており、例外として保釈は認められない。ただ、健康状態や裁判準備など被告の不利益の程度を考慮して裁判官の裁量で保釈を認めることができ、今回は、この「裁量保釈」で認められていた。

E059ead61e480953c4577b41e4904cce  数多くの犯歴などを理由に検察側は保釈に反対していた。それだけに、ある検察幹部は「被告に逃げられた全責任は検察にある」としつつも「何度も実刑判決を受け、逃走や再犯の恐れが極めて高い被告の保釈を許可した裁判所の判断には疑問がある」と話す。

 一方、元東京高裁部総括判事門野博弁護士は「保釈にあたって裁判官は諸々の要素を考えて判断している。再犯防止は保釈を認めない要件に入っておらず、一般的な治安維持の観点で保釈制度を考えるのは良くない」との見方を示す。

 元検事高井康行弁護士は「保釈保証金を納付させ、逃亡するなどした場合に没収することで逃亡を防ぐとの考えだが、最近は逃走したり、再犯に及んだりするケースが増えており、従来の考え方が通用しなくなっている」と指摘する。

714ad1bd3d3f0ffbe2a16e4761c436f9  この引用文から窺えることは、裁判所としては被告の権利擁護に傾いた判断をしていて、検察とは真逆の考え方が目立ちます。裁判所が「裁量保釈」という判断までして保釈をするのは、被告の人権保護に立脚しているからでしょう。以前このブログでも取り上げましたが、裁判所と検察とは司法と行政という明確な対立関係にあり、考え方が違うのはその通りでしょう。

 しかしどう見てもこの保釈については釈然としません。確かに検察の逃走を許した不手際は大いに責められますが、保釈していなかったらこのような住民に大きな迷惑を掛けるような事案は発生しなかった、と言えます。裁判所も被告人の人権だけでなく、被告人の罪状履歴をよく見て、保釈で起こりうる危険性や、それによる被害者のこともよく考えて判断して欲しいと思いますね。

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