またも高齢者の暴走事故発生
昨夜また高齢者の運転する自動車重大事故が発生しました。NHK NEWS WEBからその記事を引用します。
4日夜、福岡市早良区で80代の男性が運転する車が猛スピードで逆走して交差点に突っ込み、男性と同乗していた妻の2人が死亡、7人がけがをした事故で、死亡した男性が先月、運転免許の返納について知人に相談していたことがわかりました。警察は詳しい状況や事故の原因を調べています。
4日夜7時すぎ、福岡市早良区で乗用車が反対車線を猛スピードで逆走したうえ、複数の車と衝突しながら交差点に突っ込み、乗用車を運転していた早良区の小島吉正さん(81)と同乗していた妻の節子(76)さんの2人が死亡し、歩道にいた男性1人を含む男女7人がけがをしました。
ここ最近高齢者ドライバーの運転ミスによる死傷事故が目立ちます。朝日新聞DIGITALによると次の通り発生しています。
・17年5月 大分市で76歳女性の軽乗用車が病院の待合室に突っ込み、17人が重軽傷。女性はブレーキを踏もうとして、誤ってアクセルを踏んだとされる。
・18年1月 前橋市で85歳男性の乗用車が、登校中だった自転車の女子高校生2人をはね、1人が死亡。
・ 5月 神奈川県茅ケ崎市で90歳女性の乗用車が歩道に突っ込み、横断歩道を渡っていた4人が死傷。女性は、赤信号にもかかわらず、左折した。
・19年4月 東京・池袋で87歳男性の乗用車が暴走し、自転車の母子2人が死亡、10人が負傷。交差点を走り抜け、通行人やごみ収集車に衝突したとみられる。捜査関係者によると、法定の時速50キロの2倍近い90キロ台後半まで加速していたという。
・ 6月 大阪市此花(このはな)区で、80歳男性の乗用車が幼児を含む男女4人をはねる。大阪府警の調べでは、男性はスーパーの駐車場で後進して突っ込んだという。
今回の事故は、特に今年4月の池袋の暴走事故と似たケースで、いずれも交差点に猛スピードで突っ込み、大惨事となっています。池袋の事故では、運転手は怪我ですみ、被害者2人が死亡しましたが、今回の事故は運転手と同乗者が死亡、幸い被害者は全員命に異常はありませんでした。
前にもこのブログで取り上げましたが、自動車は運転を間違えると、恐ろしい凶器となります。被害を受けた人は銃やナイフの代わりに、車という凶器で死傷させられることになります。
それなのに、過失運転と言うことになれば、7年以下の懲役にしかなりません。ただ危険運転致死傷と認定されれば、20年以下の懲役と一挙に罪は重くなりますが、しかし滅多に適用されません。法による危険運転致死傷罪の規定は次の通りです。
・アルコール又は薬物の影響により、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為(アルコール又は薬物の影響により、正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で自動車を運転する行為であって、結果としてアルコール又は薬物の影響により、正常な運転が困難な状態に陥ったもの……第3条)
・その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
・その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
・人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
・赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
・通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
・自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転する行為であって、結果としてその病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥ったもの(適用対象となる病気は後述)
この規定によれば、上記のような大事故に繋がる運転をした場合、すべて危険運転に相当すると思われますが、なぜか適用は少なく、殆どが過失運転と認定されるようです。しかし前述のように被害者にとっては、銃や凶器で死傷させられた場合と何ら変わりがありません。これでは被害を受けた方、特に家族が事故死した人にとっては、まさに殺人の被害者と全く同じ状況です。
こうした危険運転が生じないように、運転手側、自動車メーカー側、道路行政側、そして起こしてしまった事故の処罰、それぞれの改善のアプローチが必要ですが、まずは運転手側の改善が第一です。
自動車をいくら安全に設計し、自動化を進めても限界があるでしょう。コストの問題もありますし、安全に懲りすぎてセンサーだらけにし、いつでもどこでも止まってしまうような車などにしたら、渋滞は発生するし車の利便性はなくなってしまいます。
それに自動運転に頼ってしまい、運転技術が低下する恐れもあります。
また道路行政に関しても、改善の余地はあっても、すべて安全設計の道路に造り替えるなどとしたら、そのコストはとてつもなく膨大になり、現実的ではないでしょう。
処罰に関しては、法の条文に則って危険運転の適用を拡大すべきだと思います。それによる抑止効果はある程度期待できるでしょう。ただこれで劇的に減るとも思えません。
やはり運転手側、特に免許行政からの改善が一番です。事故に関しては高齢者だけでなく、若年者もかなり多く、また30代から50代に掛けても一定の割合で起こしています。ですから年齢を区切ることなく、毎年技能検定を行なうべきです。
費用や検定員の問題もあるでしょうが、毎年多額の自動車税を取り立てているのでそれで賄うか、必要なら運転者から徴収すれば良いでしょう。
そして特に80歳を超えたら、更新ではなくて免許は一旦返納し、続けて運転を希望する人は取得申請を必要とし、認知機能検査に加えて必要かつ十分な技能検定を行なって、一定の技能に満たない場合は申請却下とすべきだと思います。
猟銃等の銃や刀剣の保持には許可が必要です。自動車も一種の凶器ですからこのように運転の許可を厳しくしていく必要があるのではないでしょうか。
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