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2019年8月26日 (月)

韓国に「本当の制裁」を行う覚悟はあるか

Takeshima  今回はGSOMIAから少し離れて、その決定前に寄稿されたコメントを紹介します。iRONNAに掲載された元海上保安官の一色正春氏のコラム『韓国に「本当の制裁」を行う覚悟はあるか』です。少し長いコラムですが以下に引用します。

 令和元年8月2日、わが国政府は韓国を輸出管理において優遇措置を受けることのできる優遇対象国(ホワイト国)から除外する閣議決定を行い、同月28日にその政令が施行されます。 

 これは同年7月4日に半導体の生産に必要なフッ化ポリイミド、レジスト、エッチングガス(フッ化水素)の3つの化学製品(以下、3品目)を原則3年間は個別に許可が要らない包括許可品目のリストから除外したことに続く韓国に対する輸出管理の見直し措置です。

 ただし、この2つの措置の大元は同じものであり、時期がずれるのは根拠が通達であるか政令であるかの違いで(政令は通達に比べると手続きに時間がかかる)、巷(ちまた)で言われている制裁措置が一歩進んだという性質のものではありません。

 これを受けて大半のマスコミは輸出規制という「禁輸」を連想させる単語を使って、さもわが国が韓国に対して輸出を行わないかのような報道を行い、それを受けて野党や現政権に批判的な方々は一様に今回の措置を非難しています。

 一方で現政権に好意的な人たちは「よくやった」「戦後、初めて韓国に対して明確に国家の意思を示した」と好意的にとらえているようです。しかし、これはそんなに単純な話なのでしょうか。

 詳細は後述することとして、まずは客観的な事実をまとめてみましょう。

・韓国がホワイト国に指定されたのは2004年(小泉内閣)

・日本がホワイト国に指定しているのは韓国を含む27カ国

・そのうちアジアでは韓国のみ

・EUは韓国をホワイト国に指定していない

・本来、輸出は契約ごとに個別の許可が必要である

・ホワイト国とは、これを簡略化し、一度許可を得れば3年間有効となる

・ホワイト国指定を継続するには厳格な輸出管理が行われているか否かを確認するための協議が必要

・西村康稔官房副長官は日本と韓国との間で「少なくとも3年以上の間、十分な意思疎通、意見交換が行われていない」と記者会見で述べた。

・3品目は大量破壊兵器等に転用される恐れがある

・韓国産業通商資源省は2015年から19年3月にかけて大量破壊兵器に転用可能な戦略物資の不正輸出を156件摘発したと発表

 これらのことを普通に読めば、韓国がわが国に対して行っている「不当な輸出規制」という批判は当たらないことが分かります。そもそもの原因は3年間、韓国がわが国からの協議に応じてこなかったことにあり、しかも2004年以前の状態に戻しただけで、他のアジア諸国と同様の待遇です。これで世界貿易機関(WTO)に提訴可能であれば、わが国は他のアジア諸国からも訴えられかねません。もっと言えば韓国は日本だけではなく、EUも訴えるのでしょうか。

 そもそも外交問題という難しい話以前に、「優遇」ということの性質上、するかしないかは、するほうが勝手に決めていいものではないでしょうか。人間関係に置き換えてみれば、異性に対して「自分を好きになれ」と言っているようなもので、よく臆面(おくめん)もなく言えるものだと思います。

 おまけに8月初旬、タイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議の場で、韓国の外相は、もともと日本から優遇措置を受けていないアジア諸国の代表に対して「日本が韓国に対して不当な経済報復措置を行っている」と訴えたようですが、それを言われた相手がどう思うのかということすら想像できないのでしょうか。

今回の件もそうですが、韓国はわが国との間に問題が起こる度に、自身を被害者、わが国を加害者と勝手に決めつけます。そもそも国と国との関係を単純に被害者と加害者に二分すること自体、良くないことなのですが、戦前はともかく戦後韓国がわが国に対して行ってきた以下のような行為を見ると、わが国が一方的な被害者であるとしか言いようがなく、このリストを見るだけで、なぜ2004年の時点で韓国をホワイト国に指定したのかという疑問がわいてきます。

・終戦直後の日本人に対する乱暴狼藉

・竹島不法占拠と、それに伴う日本人拉致および虐殺

・その人質を使った卑怯な外交交渉

・歴史捏造(ねつぞう)に基づく日本民族に対する民族差別

・日本国内、しかも首都東京における主権侵害(金大中事件)

・度重なる内政干渉

・第三国における日本の評価を下げるためのプロパガンダ

・国家ぐるみの仏像窃盗

・わが国新聞記者に対する司法を用いた言論弾圧

・ウイーン条約無視の日本大使館前での嫌がらせ

・日韓基本条約を無視した差し押さえ

・自衛隊航空機に対する火器管制レーダー照射

・国家元首に対する侮辱発言

・軍艦旗に対する侮辱

・科学的根拠のない水産物禁輸

・いわゆる慰安婦合意の一方的な破棄

 このような事実があるにもかかわらず、われわれ日本国民は長らく公教育やマスコミ報道により、日本は韓国に対して一方的に酷いことばかりをしてきたという虚偽を繰り返し刷り込まれたため、それがさも真実であるかのように思い込むようになり、その結果として多くの日本人が韓国に対して漠然とした贖罪(しょくざい)意識を持つようになりました。

 韓国は日韓が対立する場合、この日本人が持つ贖罪意識を最大限利用して高圧的な態度で無理難題を要求し、それを日本が受け入れるというパターンが戦後一貫として繰り返されてきました。それだけではなく一時期は、少しでも韓国側の非を指摘すると「差別だ」とマスコミに袋叩きされるため公の場で韓国を悪く言うことはタブーのようになっていました。なにしろ「日本は併合時代良いこともした」と、韓国の悪口ではなく、日本の善行に少し触れただけで首が飛んだ大臣がいたほどです。

 ところが2002年の日韓ワールドカップにおける韓国の振る舞いを見て、若い人たちを中心に韓国に対する疑問や批判がネットを中心に語られるようになり、『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)など、正面から韓国を批判する動きが出始めました。それから約15年の今、わが国においては本件に関するパブリックコメントを見る限り、95%の人が日本の措置に賛成しており、ようやく多くの日本人が反日教育の呪縛から解き放たれつつあるという実感がわいてきました。

 しかし、一方の韓国では、相変わらず「日本=悪」という固定観念から抜け出せていない人が大多数のようで、彼らは今回の措置が自称徴用工問題の報復であると勝手に決めつけ、根拠もなく日本批判を繰り返し、挙げ句の果てには自分たちが不利益をかぶるような対抗措置を行い、これからも行おうとしています。

 わが国においても大多数の国民が今回の措置に賛意を表している一方で、マスコミ、自称知識人、野党の人たちなどは、今回の措置に反対し、現政権を批判しています。

 彼らは「日本が政治問題の報復を不当な経済制裁という形で行ったため韓国は傷つき、日本も返り血を浴びるだろう」と韓国政府の主張をそのまま繰り返していますが、その大半は事実誤認です。

 一例をあげるとマスコミは「ホワイト国除外で個別許可が1000品目以上に増え、韓国にダメージが…」などと、ことさら今回の措置で韓国が甚大な損害をかぶる被害者であるかのように報じ、日本が、さも過激な制裁を行うかのようなイメージ作りに躍起になっているようですが、それは事実に反します。

 確かに韓国は国として個別許可の対象から外れましたが、輸出業者が一定の条件を満たせば包括許可の対象になるため、まともな業者であれば、今回の措置の影響を受けることはほとんどありません。

 実際、8月8日にわが国の経済産業省が半導体などの原材料について、一部の企業に優遇措置解除後初めて輸出許可を出す方針であることを発表しており、正規の輸出手続きをとれば従来通りの貿易は可能なのです。しかるに、韓国およびそのシンパは、なぜ大騒ぎするのでしょうか。やましい取引をしたいのか、単なる無知なのか、とにかく現政権を叩きたいだけなのか。それとも戦後一貫して敵対してこなかった日本が反抗したことに耐えられないのか、いずれにしてもまともな国の反応とは言えません。

そして彼らが今回のような異常な反応を示すのは相手が日本の場合だけであるということも理解しておかねばなりません。北朝鮮には朝鮮戦争で自国民を何百万人も殺され、拉致され、さらに国土の半分を不法占拠され、今も北朝鮮国内で同胞を迫害されているにも関わらず、日本に対する態度と比べると、何も言っていないのと同じです。

 わが国より多い拉致被害者や離散家族の問題に関しても無為無策で、これは政権が北寄りだからという訳ではなく、比較的反北の李明博政権の時でも同じで、哨戒艦が撃沈されても島に砲撃を受け、死者が出ても実のある対抗措置は何も行いませんでした。

 これは中共(中国共産党)に対しても同じで、韓国が米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の導入を決めた途端、輸入規制、韓流禁止令、韓国への団体旅行禁止、韓国企業への営業妨害など、THAADが他国を攻撃する兵器ではないにもかかわらず露骨な制裁措置を行いましたが、それに対する韓国の反発は一部の中共製品に対してダンピング税を適用するなど極僅かでした。 

 これは彼らが日本人を蔑視しているからなのですが、実は彼らだけの問題ではなくわれわれ日本人にも責任があります。今回のように日本のマスコミが争点を作り出し、それを受けた韓国のマスコミが大騒ぎして韓国国内で世論が盛り上がり、韓国政府がそれを後ろ盾にわが国政府に無理難題を要求して来たことが過去に何度もありましたが、今までわが国は事なかれ主義に徹し、ただ問題を鎮静化させようとへりくだって相手の要求を一方的に聞いてきました。

 しかし、そのようなわが国の姿勢が彼らを増長させ、いわゆる従軍慰安婦問題のように、かえって問題を複雑化させてきたのです。そもそも、いわゆる従軍慰安婦、自称徴用工、靖国神社に対する言いがかり等々、現在の日韓間の問題の大半は「MADE IN JAPAN」なのです。

 今回の件も日本メディアの「か弱い韓国に対する日本の非情な仕打ち」というような紋切り型の報道や、自称知識人の「日本悪玉論」に基づく解説が韓国メディアに取り上げられ、河野談話のように「日本人も、こう言っているではないか」と彼らが日本を批判する根拠になっています。

 それだけではなく、マスコミ、自称知識人、野党の人などがメディアで過剰に韓国を擁護することによって結果的に多くの日本人の反韓感情を煽(あお)り、本来の日韓友好の妨げになっています。

 一方で最近、国連人権理事会で日韓問題における韓国の非を明らかにした落星台(ナクソンデ)経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究員のような人が韓国にいるという、多くの日本人が好意的に受け取りそうなニュースや、その発言のために彼が韓国国内で暴行を受けたという、韓国国内では様々な意見があるが、表では発言し辛いという韓国の一面を知らせるニュースなどは一切報じません。

 その様を見ると、彼らは表向き韓国を擁護しているようですが、本人が自覚しているか否かは分かりませんが、実はどこかの国の意向に沿って日韓離反工作を行っているのではないかと疑りたくなります。われわれは韓国を叩く前に、こういった事実を認識し、日韓問題が悪化する根本的な原因を断ち切らなければなりません。

 逆に今回の措置をよくやったと手放しで褒める意見もあるようですが、私はこれに対しても懐疑的です。

 戦後初めて韓国に対して意思表示をしたのは確かですが、巷で言われているように報復措置であるとすれば、前述したとおり実害はなく、公式発表通り安全保障上の理由であるならば、この3年間にいくらでもホワイト国除外のタイミングはあり、遅きに失した感があります。むしろ、私は今回の措置は日本政府の自発的意思ではなく、米国に促されて行ったのではないかと疑っています。

 米国がイランや北朝鮮などが禁輸措置を受けているにもかかわらず、大量破壊兵器の製造に必要な3品目をどこからか入手しているという情報をつかんで探っていったところ、日本韓国ルートが怪しいという結論に達したというのが、私の推測です。

 その状況証拠として下記の事例を挙げることができます。

・この3年間、日本から韓国への3品目の輸出量が急増し、同様に韓国の不正輸出も急増している。

・韓国は北朝鮮に対して瀬取り(洋上で物資を移し替える行為)を行い、国連制裁に違反した疑いが濃厚である

・韓国大統領の日ごろの言動から、北朝鮮に対して強いシンパシーを抱いていることは明白

・韓国は国際法を守らない

 しかし、これだけでは具体的措置に踏み切るだけの根拠には成り得ません。おそらく決定的な証拠をつかんだのだと思いますが、それはわが国ではなく米国でしょう。

 何しろわが国は海外で情報収集こそ行っていますが、対外諜報機関と呼べるような代物はなく、この手の情報は米国頼みだからです。

 にもかかわらず、米国高官が今になって日韓がもめることは望ましくないというような趣旨の発言をしているのはフェイクニュースかもしれませんが、本当であればわが国は米国という仏様の手のひらの上で遊ばされている孫悟空(そんごくう)のようなものです。

 情けない話ですが、わが国は独自の軍隊も諜報機関もなく、自衛隊の主力装備品のほとんどは米国製、対外情報も米国頼みなのですから、口でいくら対米自立を叫んでみてもむなしいだけで、このままの体制が続く限り米国の意向に逆らう外交などできるはずもありません。

 わが国は、羅針盤もエンジンもないまま大海に乗り出した船のようなもので、米国という船に曳航(えいこう)されているため自分で行きたい方向を決めることができません。

 今、何の備えもなしにいきなり曳航ロープを外せば漂流するだけでなく、大波が来れば転覆してしまいかねません。わが国が、自分の行きたい方向に進もうと思えば、まずは軍隊というエンジンと情報機関という羅針盤を備えなければなりません。

 特に今回の措置で韓国が完全に敵に回り、在韓米軍が撤退するような事態になれば、味方の軍隊が60万人減り(本当に味方であったかどうかは疑わしいですが)敵方の軍隊が60万人増えるだけではなく、わが国の防衛ラインが対馬海峡になるという事実を重く受け止めなければなりません。

 ただでさえ中共(中国共産党)がシナ海を侵略し続けながら類を見ないスピードで軍拡を続け、北朝鮮までが核兵器やミサイルを増強する中で、頼みの綱の米軍が徐々に撤退し、日米安保の見直しまで言及しているにもかかわらず、わが国は国権の最高機関において憲法改正論議をわずか2~3分しか行えないという有様です。わが国が直接攻撃されなくとも朝鮮半島において有事が発生した場合、大量の難民がわが国に流れ込んできますが、それすら現行法では十分に対処できないというのに、もどかしいかぎりです。

 現時点で今回の措置を日米どちらが主導で行ったのかはわかりませんが、いずれにしても、この日清日露戦争前夜とも重なる事態において、韓国との輸出問題で一矢報いたと溜飲を下げている場合ではないのです。これ以上、韓国の敵対行動が止まらないようであれば、冷静に本当の制裁を科して韓国にとどめを刺す一方で、わが国に迫りくる侵略の魔の手に備えるための防衛力を一刻も早く整備することが急務です。本当の敵は韓国ではないのですから。

 このコラムの内容に大いに賛同します。一つはそもそも日韓の歴史を大きく捻じ曲げ、真実とは思い難い「被害者韓国、加害者日本」という定説を作り上げたのは、半分以上日本の自称知識人とそれに乗ったマスコミであること。そしてもう一つはそれを大いに利用しユスリタカリを繰り返す韓国に対し、腰を据えた反論はまったくせず、常に甘い対応で半ば言いなりになっていた外交姿勢にあります。

 ホワイト国除外の決定がアメリカに促された結果かどうかは分かりませんが、最後に一色氏の言う防衛力の整備を早急にしていく必要があるという点は、まさに同感です。氏の今後の活躍にエールを送りたいと思います。

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