戦後の「反省」すべきは、別のところにある
昨日8月15日は俗にいう「終戦記念日」です。政府は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」としています。新聞等各メディアはそろって取り上げていますが、例年より少しトーンダウンした感じもします。ただそれでも新天皇のお言葉の中にもある「深い反省」「戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に思い」という文言は、74年経っても消え去らないようです。
朝日新聞は安倍首相の式辞に「反省」の文字はなかった、と、社説で述べていますが、その対象は誰なのか、明確にしていません。ただ朝日の今までの論調ではその反省の最大の向け先は、近隣アジア諸国、とりわけ中国、南北朝鮮であることは明確でしょう。
さらに社説では「国民の代表者である政治家が、負の歴史から逃げず、真摯に受け止める態度を表明し続けてこそ、謝罪が不要な関係を結べるのではないか」と述べています。
サンフランシスコ講和条約、日韓基本条約、日中平和友好条約、それぞれの締結時に、その時のトップが謝罪し、その後も中国、韓国には謝罪を繰り返してきているのに、いまだに謝罪しろというのは、まさに韓国の言い方と瓜二つです。そこまで反日親韓にこだわるこの新聞の意図は何でしょうか。
読売新聞は、過去の問題に続いて、「戦後積み残された懸案の解決は、今なお道半ばにある。」と、「徴用工問題」や「北方領土問題」を取り上げていますが、朝日新聞は「沖縄の過剰な基地負担」を取り上げ、自衛隊基地を含めれば沖縄一県集中ではない現状を隠し、沖縄左翼トップに肩入れしています。
そういった中で産経新聞の正論では杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏の「国家の基本問題から逃げ回るな」というコラムを掲載しています。以下に抜粋して引用します。
機が熟するには時間がかかる。経済大国・軽武装を正当化するために「吉田ドクトリン」などとの人を迷わせる遁辞をつくり出して逃げ回ってきただけの話ではないか。戦後75年を一言で表現すれば米国の庇護の下でアジア大陸、半島の感情を傷つけまいとひたすら神経を使ってきた日本の外交・防衛政策だった。政府関係者が訳知り顔に「戦後日本がやってきたことを見てほしい」などと威張っているのを見聞きするたびに、とんでもない思い上がりか偽善だと不愉快な気がする。
「吉田ドクトリン」と共存しているのが、外務省高官が公言したことのある「ハンディキャップ国家」論だ。日本にはどうしてもできない軍事上の分野があるので、そのハンディキャップはおカネその他のサービスで御勘弁願いたいとの思考だ。いずれも日本国憲法に根差している。しかし、アジア大陸と朝鮮半島にとって都合のいい日本の「戦後レジーム」に対して、米 国から強い拒否反応が示された。日米同盟の片務性に異を唱えたのはトランプ大統領だが、これを単に大統領だけの発言と解釈してはいけない。時代は大きく曲がろうとしている。(-中略-)
日本は第三の黒船に匹敵する局面をいま迎えようとしているのではないか。米国はペルシャ湾危機に際し自ら主導して関係各国に自国タンカーを守るための有志連合構想を提案している。今後どうなるかは不明だが、仮に構想に積極的な韓国がホルムズ海峡に海軍艦船を派遣したとする。韓国憲法第5条は「大韓民国は国際の平和に努力し、侵略戦争を否認する。国軍は国家の安全保障と国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命とし、その政治的中立性は遵守される」と明記している。が、日本の自衛隊に国軍の地位は与えられていないうえ、自衛隊の存在を盛ったに過ぎない憲法改正案の審議に応じようともしない野党議員が大手を振って歩いている。
日米安保条約の片務性の欠陥を衝いたトランプ発言は、日本の戦後を支えてきた柱をたたきつぶす効果があった。かつて占領基本法として米国が日本に強制した日本国憲法は、いまやトランプ政権の対アジア戦略にとっての障害と化している。
憲法を土台にした発想の「吉田ドクトリン」や「ハンディキャップ論」は虚言になってしまった。自民党の改憲案は「普通の国」へのほんの一歩で、韓国など普通の国家並みの国軍を所有するところに新しい時代の目標は設定されて当然だろう。
日本再生のための、アイデンティティーを示す即位礼正殿の儀、大嘗祭、平和の祭典のオリンピック、一人前の国家の覚悟を手にする改憲。道筋は整っている。
そうです。過去の大戦に対する「反省」や「謝罪」は必要ですが、戦後GHQによって課せられた「WGIP」とその産物としての「日本国憲法」を、講和条約時の首相だった吉田茂が、国防の対米依存と経済中心主義の「吉田ドクトリン」で以て、主権回復後最の重要課題であった憲法改正の芽を摘み、加えてその影響下において外務省の「ハンディキャップ論」として、謝罪外交、弱腰外交を生み、今の東アジア情勢の形を作ってしまいました。
つまり共産主義覇権国家中国の誕生と、先軍政治の金ファミリーのならず者国家北朝鮮、歴史捏造の反日タカリ国家の韓国を生み出したといっても過言ではないでしょう。弱さと柔さは相手を増長させます。その罠に落ち込んでしまった戦後の日本、そのことを認識して新たな対応をとることが必要ではないでしょうか。最も重要な「反省」すべき点として。
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