「日本謝罪しろ」が国際法的におかしい理由
今回は前回と同じ経営科学出版編集人の上島嘉郎氏の『「日本謝罪しろ」が国際法的におかしい理由』を取り上げます。「謝罪と反省」を言い続けた70余年、ここで一つの区切りをつけたいと思います。
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最近の徴用工問題をめぐる韓国の問題は目に余りますが、あれはすでに解決済みの問題である、ということはすでにあなたも知っていると思います。
では、日本の敵だった連合国側にいたソ連と中国に関しては賠償問題はどうやって解決していたか知っていますか?
ソ連とは、領土問題は棚上げにされながらも1956年に日ソ共同宣言を締結しました。この第6項には「ソヴィエト社会主義共和国は、日本国に対し一切の賠償請求権を放棄する」とあります。
また中国・北京政府とも1972年に「日中共同声明」を締結。その第5項にこうあります。「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」
つまり、ソ連も中国も日本への賠償請求権を放棄していたということです。では次のような場合は国際法上どうなるのでしょうか?これらの賠償請求権が放棄された時点で、「予見されなかった事案」や「その後に浮上した問題」が起きた場合です。
実はこの場合にも国際法上、日本は何の追求もされません。もし連合国の中の誰かが新たに請求しようとしたらの責任はその国の政府にあります。つまり、例えば中国人が日本に新たな戦時賠償を求めるとすれば、その請求先は日本ではなく「中国政府」だということです。
これは「日韓請求権協定」を結んでいる韓国の場合だってもちろん同じです。ですから、総理大臣が靖国参拝することにいちいち中国や韓国が口を挟む権利なんてありませんし、先の大戦について謝罪する必要もありません。ましてや慰安婦や徴用工問題をめぐって賠償金を支払うなんてもってのほかです。
しかし、実際の日本政府はこれまで散々謝罪を繰り返し、律儀に賠償金も支払い、また謝罪を要求される、これの繰り返しです。いい加減あなたもうんざりしていることでしょう。なぜ日本はこれまで謝罪を繰り返してきたのか?
それは「東京裁判で日本が不利になる証拠ばかりが一方的に採用されてきた」ということを、謝罪している政治家・官僚・外交官といった本人たちが知らないからです…
エリートといわれる彼らが知らないくらいですから、当然、日本国民の多くがまだまだ「日本はアジアに侵略していた」と思い込んでいます。「どんな証拠が採用され、却下されたのか?」真実を知る人が増えない限り、中国・韓国の宣伝に私たちの子供や孫世代までが苦しめられ続けられることになります…
本当はもっと堂々としていいはずなのに、自分の歴史に自信をもてない日本人は、相手に譲歩し続け、萎縮し、実際に世界でのプレゼンスを徐々に失っているのが今の日本です…
◇
そして譲歩し謝罪を続ける一つの要素、その「東京裁判」が戦勝国が敗戦国を徹底的一方的に悪者、つまり犯罪国家にした裁判であり、その証拠の一つに前回取り上げた「明治維新から見た東京裁判」を挙げているのです。
日本を一方的に貶めた東京裁判史観からの脱却、そしてGHQのWGIPによる自虐史観からの脱却が、自主憲法の制定と相まって、戦後の日本に取り残された最大の課題であるのは間違いありません。独立国にはあるまじき「譲歩と謝罪」のくびきから解放され、いわゆる普通の国になるためにも。
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