「上から目線と権威主義」の朝日新聞
今回は久しぶりに識者のコラムを紹介します。上武大学ビジネス情報学部教授田中秀臣氏のiRONNAに投稿した『編集委員が見せた朝日の「上から目線」は1枚の写真でハッキリします』です。日頃からネットで朝日新聞デジタルでの同紙の記事を見ていますが、田中氏と同じ感想を強く持ちます。その記事の抜粋を以下に引用します。
朝日新聞の関係者たちによる発言や記事のひどさが目立つ。特に3月13日、朝日新聞の小滝ちひろ編集委員が、ツイッターの個人アカウントで「(略)戦争でもないのに超大国の大統領が恐れ慄(おのの)く。新型コロナはある意味で、痛快な存在かもしれない」と投稿した問題は最たるものといえる。
小滝氏は朝日のソーシャルメディア記者として、ツイッターから発信を続けていた。朝日のガイドラインによれば、「ソーシャルメディア記者は、ソーシャルメディア上の『朝日新聞社の顔』」である。
朝日新聞の顔である人物が非倫理的な発言をしたのは、どう考えても不謹慎というより、まずいと言わざるを得ない。しかも、社会的な批判を浴びて、説明や謝罪もなく、発言もろともアカウントを削除して「逃亡」した。
昨今の朝日新聞の新型コロナウイルス(COVID-19)問題についての報道に、不信と強い批判の思いを抱く人も多いだろう。「朝日新聞社の顔」であることが、ソーシャルメディア記者の性格であるならば、やはり組織を代表しての存在になってしまうのはやむを得ない。
言い換えれば、朝日新聞社が公認記者たちのリスク管理を十分にしていないのだ。組織としては、個人記者に社会からの批判を丸投げして逃げてしまっていると表現されても仕方がないだろう。
小滝氏の発言から感じるものは、自らの地位を他に優越したものとする目線の強さである。要するに、傲慢(ごうまん)な姿勢だ。
朝日の記事を読むと気づくのだが、この姿勢は会社の組織自体が傲慢な社員の態度を育てているともいえないか。最近、それを感じたのは1枚の写真にある。
東日本大震災で被災し、14日に9年ぶりの全線再開を果たしたJR常磐線を報じた写真で、映像報道部の公式ツイッターでも紹介されている。そのツイートには、「写真は、大野駅(大熊町)近くの #帰還困難区域 を通る列車です」とつづられ、帰還困難区域による立ち入り禁止を示した立て看板と、保護柵の横を電車が通過する画像が載せられていた。
全線復帰を祝う地元の人たちの目線よりも、なんだか薄っぺらい反政府の姿勢だけが感じられただけである。実にうすら寒い。「反政府」も「反権力」も、ひたすら上から目線なのだ。そこには人々への共感はない。
このあとコラムは同時に「権威主義的な側面」を併せ持つことに言及していて、「この上から目線的な姿勢は、権威をありがたがる心理と表裏一体かもしれない」と述べています。以前このブログで朝日新聞の創刊時の社訓
「勧善懲悪ノ趣旨ヲ以テ専ラ俗人婦女子ヲ教化ニ導ク」
すなわち意訳すれば、
「勧善懲悪を主なねらいとし、もっぱら、風流を解さない教養の低い者、女性や子どもを教化して導いていく」(意訳は木佐芳男氏)
を紹介しましたが、勧善懲悪の狙いはいいとしても、創刊時から知識の乏しい一般大衆を教育していくという「立派な上から目線の思想」があって、時代を経ても脈々と受け継がれてきたのでしょう。
ただ昨今の記者のサラリーマン化が進み、ジャーナリストとしての公正な見方はどこかへ吹き飛んで「勧善懲悪」も消え去り、単に「上から目線と権威主義」のみが残って、社の方針を拡散する道具になってしまったと言えるでしょう。廃刊に向かって突き進んで行ってほしいものです。
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