パンデミック表明、求められるは冷静な対応
WHOのテドロス事務局長は昨日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の現状について「パンデミック(世界的大流行)といえる」と表明しました。いくつかの報道で「中国が収束に向かっているこのタイミングで表明したことは、中国への忖度の表れ。むしろ遅すぎる」と言う感想が聞かれましたが、私もそう思います。
実際中国で発症しアジアに集中していた感染が、イランやイタリアに飛び火し、今やフランス、スペイン、ドイツ、アメリカなど欧米主要各国が1000人を超える感染者を出し、すでに5大陸全部に感染が広がっています。今後医療レベルの低いインドやアフリカ各国での感染爆発が懸念され、遅きに失した感はありますが「パンデミック」の表明となったのでしょう。
経済への懸念から各国の株価は急落し、米国NYダウは昨夜2,300ドルの史上最大の下げ幅、今朝の日経平均も一時3年4か月ぶりの17,000円を割り込んでいます。こうした経済の先行き懸念はリーマンショックを思い出させます。ここ数か月、経済の落ち込みがどう推移するのか予断を許しません。
ただ感染症に詳しい医療関係者は、「この病気そのものはそんなに恐ろしいものではなく、基礎疾患のある、例えば循環器系や呼吸器系の疾患を抱えた高齢者は、重症化の恐れはあるものの、普段健康体であれば自然に回復する確率は高い。ワクチンや薬がなく、未知の部分が多いことが不安の材料になっているが、それが開発されれば収まっていく」と言っています。
そうは言っても連日のように感染者数が報道され、クラスター感染の状況、マスクやアルコール洗浄液が完全に店頭から消え入荷の予定がない、給食業者の困惑状況や、外食店の嘆きの声などの映像に加え、様々なイベントが中止され、街角から人が消えた様子などがテレビで映し出されれば、自然に不安は生じます。
悪いことに「街の声」と題して、インタビューで「○○に不安を感じますか?」とか「△△に不満を感じませんか?」などと質問されれば、オーム返しに「不安」や「不満」の声が飛び出すのは当たり前、それを映してはまた不安を煽っているのがマスコミです。こう言った報道に振り回されることなく、行政も市民も冷静な対応をするしかありません。
我々一般人はとにかく感染しないよう、無用な外出は控え手洗いを励行するのみです。しかし電車通勤を余儀なくされている方や医療関係者、介護士や保育士など、どうしても人と接する機会の多い仕事の人は、そうも言っていられないかもしれません。早く収束するのを祈るのみです。
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