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2020年4月 8日 (水)

緊急事態宣言、本当の緊急事態になったら効果があるのか

20200407oyt1i500471  昨日7都府県を対象に、新型コロナウイルス感染拡大抑止のための緊急事態宣言が出されました。累計感染者の数からいえば、愛知県もその対象になるはずですが、クラスターの発生状況の把握がかなりできていて、経路不明の感染者の割合が低く、また新たな感染者数の推移から、それほど急増していない、というのがその理由のようです。ただ大村知事は不要とは言っていますが、河村名古屋市長は必要と考えていたようです。この二人の意見の相違を見ると、あの「あいちトリエンナーレ」の時を思い出します。

 それはさておき、この緊急事態宣言の発令後、TBSによる各都府県での「行動変容を考えているか」というアンケートでは、「5都府県が変容すると答えた人が多かったが、埼玉、千葉では半分以下だった」、という結果を報道していました。多い都府県でも5~6割の人で、これを見ると宣言が出たからと言って、特に変わらないとみている人が半数近くいることになります。

 それはそのはずで、各都府県とも外出自粛要請はすでに出ていて、緊急事態宣言が出ても個人の行動には特に影響がないからでしょう。つまり生活に必要な物資は引き続き買えるし、公共交通機関も普通に動く。要は人が密集する場所の施設に、知事が閉店や閉館の強い要請が行われ行けなくなることが、唯一個人レベルでは変わるだけです。それもすでに行っていない人には関係ないことです。

 もちろんこの宣言の第一の目的は新たな感染者を抑え、医療崩壊を防ぐことにあります。医療物資の供給や医療場所の提供など、知事にその命令権を与えたことが唯一強制の部分です。法の下での権限が知事に与えられたとはいえ、一般の人にはあくまで自粛の要請であり、罰則もありません。つまり日本特有の「性善説」に基づく法制度です。「性悪」な人間は当然無視するでしょう。

 日本は今のところ欧米のように感染爆発が起こっていません。大方の日本人は要請に素直に従うという国民性もあるのでしょう。イランのようなイスラム教のもとの礼拝の習慣や、イタリアのような頬接触のあいさつの習慣もありません。こうした生活習慣の違いも感染爆発に至らなかった要因だと思います。

 イタリアはそれ以外に中国と密接な関係があることも理由の一つと言われています。つまり多数の中国人が往来していて、まず最初に感染が拡大したのだと思われています。そして陸続きで往来の自由な周辺諸国、つまりスペイン、フランス、ドイツに一気に広がり、今や欧州全体に広がりました。

 アメリカが少し遅れたのは陸続きではないせいかもしれません。しかし感染が拡大し始めると、生活習慣や医療保険制度の理由もあり、貧困者を中心に今では世界一の感染国となってしまっています。

 日本は2月初期のクルーズ船での船内感染により、この疫病の知見が一気に衆目に知れ渡ったのと、中国に対する入国拒否は遅れたものの、島国で諸外国との陸続きでないことが幸いして、ここまで持ちこたえたのだと思います。

 話を元に戻して、改正特措法による緊急事態宣言は、私権の制限に対する配慮から、いかにも緩い内容になっています。本当に感染爆発が起こり、医療崩壊が現実になっても、今のままでは恐らくなすすべがないでしょう。つまり7割から8割の人の往来を止めれば、感染数は減少に向かうと言っていますが、感染爆発が起こりロックダウンした欧米では、人の往来をシャットアウトしても、ピークアウトにはおよそ1か月は要しているのです。

 そうなったら日本は特措法をもってしても、外出禁止やロックダウンはできません。要請と自粛で持ちこたえられない場合はどうすればいいのでしょうか。その時がまさに緊急事態ではないのでしょうか。私はそのような予期せぬ事態に備えるのが法の役目だと思います。私権制限はダメだダメだと言っていても、感染爆発してバタバタと人が死ぬようになったら、そんなことは言っていられないでしょう。

 ZAKZAKの記事に『都市封鎖も出来ず…憲法の限界あらわ 安倍首相「緊急事態条項」明記に前向き 国家の危機に備え』(4/8)と言うのがあります。以下に抜粋して引用します。

Hqdefault-1_20200408143301  新型コロナウイルスの感染拡大阻止のため、安倍晋三首相が7日に発令した「緊急事態宣言」をめぐっては、強制力に欠けて都市封鎖(ロックダウン)もできない日本の法体制の限界があらわになった。安倍首相は同日の衆院議院運営委員会で、日本国憲法を改正して、国家の危機に備えた「緊急事態条項」を明記することに前向きな見解を示した。

 「緊急時に安全を守るため、国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えるべきかを憲法にどう位置付けるかは極めて重く、大切な課題だ」

 安倍首相は、議運委でこう語った。(-中略-)

 「緊急事態条項」は自民党の改憲4項目の1つである。大規模災害時などに、尊い人命を救うため、内閣に権限を集中させ、国民の権利の一部制限を容認する内容となっている。

 世界各国の憲法には「国家緊急事態条項」や「非常事態条項」が入っている。ところが、終戦後の占領時に、GHQ(連合国軍総司令部)の作成した英語の草案をもとにつくられた日本国憲法には、これがない。

 評論家の八幡和郎氏は「今の国家的な危機下では『緊急事態条項』はどうしても必要だ。これができないというのはおかしな話だ。政府も、国会も憲法への明記から逃げるべきではない。こうした状況で、左派野党が『政府が無原則にやれるのを防ぎたい』というなら、それこそ、こうした条項を明記するのが望ましい」と語っている。

 私もこの記事に賛同します。幸い戦後75年、日本は東日本大震災を除けば、その他大地震や気候変動による災害も多くありましたが、一応平和で大過なく過ごしてきました。しかし今回の疫病、首都東京を巻き込み全国に広がる厄災となりつつあります。これを戦争に例える人もいますが、まぎれもなく緊急事態の一つだと思います。

 今や「憲法は権力の暴走を縛るもの」という古典的な解釈から、「憲法は国民の安全と財産を守るもの」という解釈が一般的です。そのために、重大な災害時のような緊急事態に対応する条項がないということは、欠陥憲法だと言わざるを得ません。9条の改正を含めて、憲法改正の必要性を改めて感じるものです。

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