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2020年4月 3日 (金)

医療現場の崩壊は死者数の急増に直結する、対応待ったなし

2020032900170368roupeiro00024view   新型コロナウィルスの感染者が連日のように過去最多を更新する中、東京都をはじめ多くの感染者を出している自治体で治療に当たっている指定病院の医療現場の状況が、かなりひっ迫してきています。ノーベル賞受賞者である京都大学山中伸弥教授も警鐘を鳴らしています。本日の産経新聞の社説(主張)は「医療崩壊の危機 感染症指定病院を潰すな」というタイトルで、以下のように述べています。

 新型コロナウイルスに感染して重症化した人を救うには専門の医師らスタッフ、医療設備が整った感染症指定病院で治療するのが望ましい。

 指定病院の感染症病床には現在、感染しているが重症化には至っていない人も入院させている。このため、感染者が急増している東京都などでは指定病院の受け入れ能力が限界寸前になっている。

 指定病院が重症患者の命を救うことが難しくなりかねない深刻な状況で、一日も早い対応が求められる。

 政府の専門家会議の1日の提言は、爆発的患者急増(オーバーシュート)が起きる前に医療現場が機能不全に陥りかねないと警鐘を鳴らした。

 提言は東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の5都府県を名指しして、特に医療提供体制が切迫し、抜本的な対策が「今日、明日にでも」必要だと訴えた。

 指定病院が新たに重症患者を受け入れられない事態は絶対に避けたい。新型ウイルスに感染した人を重症、中等症、軽症に振り分けて、中等症の患者を入院させる、指定病院以外の医療機関や、軽症の人が宿泊する臨時医療施設を早急に用意せねばならない。

 日本で感染が広がりだした当初から、指定病院とその他の役割分担の必要性が指摘されてきたのにいまだに実現せず、指定病院に押し付けているのはどういうことなのか。

 指定病院は新型ウイルスとの戦いの最後の砦(とりで)であり、医師や看護師らスタッフは全力で務めを果たし疲弊している。疲労によるミスから院内感染が指定病院で発生しても、都道府県レベルで医療体制が崩れてしまう。

 指定病院とその他の医療機関、施設の役割分担を整えるべき務めを負う安倍晋三首相や加藤勝信厚生労働相、小池百合子東京都知事、各都道府県、医師会の動きが遅すぎる。

 指定病院以外の医療機関には重症ではない患者であっても受け入れへの躊躇(ちゅうちょ)があると聞く。スタッフが厳密な感染管理に慣れていない、医療機器やマスクが足りないなど理由はあろう。政府は自治体任せにせず、患者を受け入れる医療機関へ資金や医療物資を優先的に回すべきだ。軽症者が待機する臨時医療施設も急ぎ用意しないと大変なことになる。

 指定病院以外の医療機関には重症ではない患者であっても受け入れへの躊躇(ちゅうちょ)があると聞く。」 これは現実の病院関係者の本音でしょう。こうした中で昨日厚労省は「軽症者は入院不要、ベッド不足地域で医師が判断」という趣旨で、次のように都道府県に通知を出したことを、本日午後の読売新聞オンラインが報じました。

Photo_20200403160001  新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備え、厚生労働省は、軽症者や無症状の感染者が自宅や宿泊施設などで療養する時の指針を都道府県に通知した。入院ベッド不足が懸念される地域では、重症者を確実に受け入れるため、軽症者らは入院せず自宅などで療養する体制に切り替える。

 通知は2日付。入院が必要かどうかの判断は、専門外来などで患者を診断した医師が、症状を踏まえて行う。具体的な療養場所は、医師の連絡を受けた保健所などが決める。

 入院不要となった時は、都道府県が用意する宿泊施設や自宅などで療養する。自宅療養の場合は、外出しないことを前提とする。宿泊施設は、自治体の研修施設や、公的な施設、ホテルなどを確保する。費用は公費負担とする。

 療養中は、保健師らが健康状態を把握、症状が悪化した場合は、医療機関に入院する。

 高齢者や、基礎疾患がある人、免疫抑制剤を使っている人、妊婦はこれまで通り、入院となる。こうした人と同居する軽症者らも、受け入れ可能な病床数の状況に応じて入院や、宿泊施設で療養する。

 自宅などでの療養は原則、感染の有無を調べるPCR検査で2回連続で陰性が出た時に終了する。ただ、重症者の増加で検査が滞る可能性がある時は、14日たった時に終える。

 従来は、感染症法に基づき、感染者は原則入院だったが、感染者が増えて、病床不足のおそれがある地域が出始めていた。政府の専門家会議は3月19日の提言で、重症者を診療できる人員と病床を確保すべきだと指摘。政府は、同月28日の基本的対処方針で、入院が必要ない軽症者らは自宅などで療養することとした。

 政府は来週に決める緊急経済対策で、新型コロナウイルスに関する新たな交付金制度の創設を盛り込む方針だ。都道府県が軽症者用に宿泊施設を用意する場合、この交付金の使用を認める方向だ。

これを受けて東京都の小池都知事は会見で次のように述べています。NHK NEWS WEBから引用します。

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、重症の患者を優先して治療する必要があるとして、厚生労働省が軽症や症状がみられない人に宿泊施設や自宅で療養してもらうためのガイドラインを示したことに関連して、東京都の小池知事は「特に自宅で療養することが難しい人も多いと思いますので、療養所の確保を迅速に進めていきたい。まさにその作業をたったいま行っている。皆様に安心して頂けるような態勢をしっかりと組んでいきたい」と述べました。

 漸く一歩前進したように思いますが、しかし欧米での感染者数が数十万人になっている現状からは、検査数はそれよりはるかに多いはずです。一方、日本ではいかにも検査数が少なく、まだ発症していない隠れ感染者は公表数値の数倍、数十倍は居るものと思われます。そうした人も含めて今後検査が簡素化された場合、感染者は一気に増えるのではないでしょうか。

 そうした場合、いくら代用施設を確保してもベッドや隔離部屋だけではなく、それに必要な医師や看護師、保険士や食事等身の回りの世話をする人など、圧倒的な人手不足状態に陥ります。こうした人的資源の不足の方が「緊急事態」になるのではないでしょうか。諸外国の医療崩壊は医療設備だけではなくこのマンパワー不足が大きな要因です。そうならないためには感染爆発をぜひとも食い止めねばなりません。

 瀬戸際やギリギリという言葉が政府のトップから連日のように出ていますが、もはや瀬戸際から押し出され始めた状況のような気もします。緊急事態宣言の発令は補償とセットだということで躊躇しているのではないでしょうか。医療現場の崩壊は死者数の急増に直結します。政府や自治体トップの素早いそして思い切った対応が待たれます。

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