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2020年5月 5日 (火)

オンライン診療の解禁、実は岩盤規制で遅れていた

Prm2003300003view_1  3月下旬にこのブログで『コロナを機に「薬をもらうためだけの病院通い」の無駄を省こう』というテーマを取り上げましたが、病院に何度も来てもらわないと病院の経営が苦しくなるという、つまり日本医師会の求める利権を厚労省とタッグを組んで守ろうとする規制の構図だと紹介しました。

 オンライン診療がなかなか解禁にならなかった理由も同じ構図のようです。読売新聞の本日の記事『[コロナ危機]経済政策<上>苦境が崩した「岩盤規制」』を引用してその内容を紹介します。

 長年、医療界がかたくなに守ろうとしてきた「岩盤規制」にも穴が開いた。家にいながら初診から医師の診察を受けられるオンライン診療の解禁である。4月20日に政府が決定した緊急経済対策は、全42ページの約1割をオンラインや電話での診療の記載に割いた。

 風邪や腹痛といった軽症の人が、初診からオンライン診療を活用すれば、通院に伴う感染リスクを減らせる。メリットは明らかで、当然の規制緩和と言える。

 しかし、実際は危機に直面している状況であっても、岩盤規制をうがつことは容易ではなかった。政府の規制改革推進会議を活用し、オンライン診療の普及を目指す経済産業省や財務省などの前に、日本医師会と、同会をおもんぱかる厚生労働省が立ちはだかった。

 財務省幹部は打ち明ける。「日本医師会の『査定』で立ち消えになった案件がある」。次世代通信規格5Gへの対応も視野に入れたオンライン診療体制の整備に取り組んだ医療機関に、1か所当たり最大825万円の補助金を出す支援構想のことだ。

 霞が関の経済官庁や経済界には、世界的に医療ビジネスが次の経済成長の源泉だと見なされている中、日本でもオンライン診療の普及を急ぐ必要があるとの声が根強い。

 一方、医師会はオンライン診療に「誤診や見逃しのリスクがある」として反対を続けているが、その裏には病院間の経営格差の拡大懸念があるともみられている。

 オンライン診療が広がれば、通院が可能かどうか「距離」に関係なく、評判の良い大病院などに診察希望が集中し、個人経営の病院の経営が苦しくなるかもしれない。こんな危惧を抱く医師会が、最先端の5G対応オンライン診療システムの普及を後押しする補助金政策を容認するわけがなかった。経済官庁幹部は「抵抗勢力は患者を奪われると懸念する開業医」と解説する。

 水面下の攻防が繰り広げられる中、方向性が固まったのは3月31日。安倍首相が経済財政諮問会議で、オンライン診療の意義を「患者の方々のみならず、医師や看護師の皆様を院内感染リスクから守るためにも重要だ」と強調したことで、厚労省は初診からのオンライン診療の解禁だけは受け入れた。安倍内閣としては、なんとか規制緩和の「ゼロ回答」は免れ、面目を保った格好だ。

 一方、オンライン診療を巡っては現状、推進派と反対派の一時的な手打ちに過ぎないとの見方がもっぱらだ。

 医師会の松本吉郎常任理事は、「非常事態の下での例外中の例外」と訴え、全面解禁でないとクギを刺す。確かにオンライン診療には、触診や聴診ができないといった制約がある。

 今回の解禁がどういった効果を上げ、課題を残したのか。感染収束後にオンライン診療の推進派も反対派も、その検証に取り組む必要がある。

 ◆オンライン診療=スマートフォンやパソコンなどの画像通話機能を使って、患者が病院に行かなくても、離れた場所で医師が行える診察。政府は4月に「感染が収束するまでの間」に限って、初診から認めることにした。これまでは、初診に加えて事前に3か月間、対面診療を毎月受ける必要があり、対象も糖尿病などの生活習慣病や慢性の病気に限定されていた。医療機関が受け取る診療報酬は、初診の場合、対面診療の4分の3程度。

 かかり付け医の多くが個人経営であり、ひと月1回の薬の処方のために病院通いを義務付けているのも、患者の状態を継続的に把握するためというのは建前であって、本音は診療報酬を多く得たいための手段だということを、前回申し上げましたが、このオンライン診療の解禁拒否の姿勢も全く同じ理由からでしょう。

 私の通うかかり付け医は、電話での薬の処方もしてくれません。法的に解禁されているにもかかわらずです。ましてやオンライン診療など到底不可能でしょう。そうであればそれが可能な病院にアクセスするのは当たり前で、こうした小規模の開業医は一気に経営が苦しくなるのもよくわかります。当然医師会としては反対するでしょう。

 今この新型コロナウィルスの感染で大変なのは指定病院であって、公的でかつ恐らくかなり大きな規模の病院でしょう。本当ならばそうした病院のことを重視した施策を医師会は積極的に取るべきなのでしょうが、ここは数の多い開業医の意見が通りやすいのかもしれません。

 患者のためではなく病院のために組織が動くのはある程度やむを得ないのかもしれません。しかしそれを患者のために施策を打ち出すのが厚労省のはずです。残念ながら日本の官庁の一般的な構図はその業界のために優先して働くことのようです。

 かつて世間を騒がせた加計学園問題も、その本質は日本獣医師会と文科省がタッグを組んで、獣医学部の新設を阻もうと岩盤規制を構築していましたが、それに風穴を開けるべく、国家戦略特区に指定された今治市に、新たに獣医学部を作るために加計学園が指定されたことにあります。つまり実態はこれも岩盤規制側とその風穴を開ける側の戦いの問題です。

 もちろん社会生活を安全で円滑にするために必要な規制も多くあります。しかし上記のような業界を守ることにその重点を置き、消費者や利用者を忘れ去った規制は崩していかないとなりません。

 昨日述べたマイナンバーや業者ナンバーと様々な情報を結び付けて、申請やその他の報告に時間と労力を大幅に削減するような、ITの活用制度も、何かの規制によって妨げられているのかもしれません。世界的には5Gの時代になって、数年先には6Gも考えられているのに未だに紙での申請や報告では、IT後進国になり下がってしまいます。改善が急がれますね。

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