「盗人猛々しい」報道には、「覚悟」をもって言い返せ
「盗人猛々しい」とは、かつて韓国の文大統領が日本による韓国ホワイト国外しの際、発言したといわれたことで有名ですが、昨日11日に中国報道官がまさにこの「盗人猛々しい」と思われる発言をしました。産経新聞の記事から引用します。タイトルは『尖閣追跡で中国報道官「騒ぎ起こすな」 日本に責任転嫁』です。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に侵入した中国海警局の船が日本漁船を追尾した問題で、中国外務省の趙立堅報道官は11日、海上保安庁の巡視船が現場で漁船の安全を確保したことについて「違法な妨害を行った」と非難し、「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)の問題において新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と述べて責任を日本側に転嫁した。
趙氏は、外交ルートを通じて日本側に「厳正な申し入れ」を行ったことを明らかにした上で「中日両国は力を集中して(新型コロナウイルスの)感染症と戦うべきだ」と発言した。
趙氏は「中国の領海で違法操業」している日本漁船を発見した中国海警局の船が「法に基づいて追尾・監視」したと主張。「釣魚島の海域を巡航することは中国側の固有の権利だ」と強調した。
尖閣諸島は紛れもなく日本の領土です。しかし中国でも中国の3つの「革新的利益」の中の「国家主権と領土保全」の一つに挙げられています。これは2009年に語られた内容で、それより以前は「日中平和友好条約交渉」の際鄧小平が持ち出した「棚上げ論」でした。念のため以下にその時の鄧小平の記者会見での発言をWIKIPEDIAから引用記載します。
鄧小平: 尖閣列島をわれわれは釣魚島と呼ぶ。呼び方からして違う。確かにこの問題については双方に食い違いがある。国交正常化のさい、双方はこれに触れないと約束した。今回、平和友好条約交渉のさいも同じくこの問題にふれないことで一致した。中国人の知恵からして、こういう方法しか考えられない。というのは、この問題に触れると、はっきりいえなくなる。確かに、一部の人はこういう問題を借りて中日関係に水をさしたがっている。だから両国交渉のさいは、この問題を避ける方がいいと思う。こういう問題は一時タナ上げしても構わないと思う。十年タナ上げしても構わない。われわれの世代の人間は知恵が足りない。われわれのこの話し合いはまとまらないが、次の世代はわれわれよりもっと知恵があろう。その時はみんなが受け入れられるいい解決方法を見いだせるだろう。
この時点でもあとで記述するように、尖閣諸島は日本の明確な領土であったにもかかわらず、鄧小平の口車に乗せられて、棚上げに同意してしまったのです。日韓条約でもこの日中条約でも、日本の過去に起こした戦争の「自虐史観」により、強い態度で出られなかったのは仕方がないかもしれません。ただその後がいけません。相変わらず「自虐」を引きずり、腰砕けだったことで、革新的利益に組み込まれ、現在尖閣周辺に連日のように公船での威嚇を続けられているのです。その上上記の「盗人猛々しい」態度に出られてしまっています。
ここで日本の外務省による基本見解を以下に見てみます。
尖閣諸島が日本固有の領土であることは,歴史的にも国際法上も疑いのないところであり,現にわが国はこれを有効に支配しています。したがって,尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在していません。
第二次世界大戦後,日本の領土を法的に確定した1952年4月発効のサンフランシスコ平和条約において,尖閣諸島は,同条約第2条に基づきわが国が放棄した領土のうちには含まれず,第3条に基づき南西諸島の一部としてアメリカ合衆国の施政下に置かれ,1972年5月発効の琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(沖縄返還協定)によりわが国に施政権が返還された地域の中に含まれています。以上の事実は,わが国の領土としての尖閣諸島の地位を何よりも明瞭に示すものです。
尖閣諸島は,歴史的にも一貫してわが国の領土たる南西諸島の一部を構成しています。元々尖閣諸島は1885年以降政府が沖縄県当局を通ずる等の方法により再三にわたり現地調査を行ない,単にこれが無人島であるのみならず,清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重に確認の上,1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行なって正式にわが国の領土に編入することとしたものです。
また,尖閣諸島は,1895年5月発効の下関条約第2条に基づきわが国が清国より割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれていません。中国が尖閣諸島を台湾の一部と考えていなかったことは,サンフランシスコ平和条約第3条に基づき米国の施政下に置かれた地域に同諸島が含まれている事実に対し,従来なんら異議を唱えなかったことからも明らかであり,中華民国(台湾)は1952年8月発効の日華平和条約でサンフランシスコ平和条約を追認しています。
中国政府及び台湾当局が尖閣諸島に関する独自の主張を始めたのは,1968年秋に行われた国連機関による調査の結果,東シナ海に石油埋蔵の可能性があるとの指摘を受けて尖閣諸島に注目が集まった1970年代以降からです。従来中華人民共和国政府及び台湾当局がいわゆる歴史的,地理的ないし地質的根拠等として挙げている諸点は,いずれも尖閣諸島に対する中国の領有権の主張を裏付けるに足る国際法上有効な論拠とはいえません。
「尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在していません」と述べているのに、中国の革新的利益の領土に含まれているのはなぜでしょう。そして上記中国の報道官の発言に見る「釣魚島」や「中国の領海」と言わせているのはなぜでしょう。
これは「竹島」を同じ日本固有の領土と言い、外務省ホームページにそのことを謳っていながら、韓国に「独島」と呼ばれ、逆に実効支配されているのと同じようなものです。どちらも日本の「覚悟」なき「腰砕け外交」の結末がそうさせているのでしょう。その理由は言うまでもなくあの憲法にあるのでしょうがここでは述べません。
言いたいのはただ一つ、少なくとも「言われたら言い返せ」です。日本の固有の領土でしょう。そう信じて疑わないのであれば「覚悟」をもって言い返すべきではないでしょうか。しかも言われた以上に。
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