閉会中審査への対応に思う、国会(野党)議員の責任放棄と勘違い
本日の読売新聞の記事を読んでいると、国会の「閉会中審査」の記事が目に留まりました。タイトルは「野党、追及姿勢緩めず…閉会中審査 委託費・河井夫妻に焦点」です。以下にその内容を引用掲載します。
新型コロナウイルス対策を主な議題とした衆院経済産業委員会の閉会中審査が24日、開かれた。野党はコロナ対策事業の業務委託問題に加え、国会閉会直後に逮捕された河井克行前法相と妻の案里参院議員の公職選挙法違反事件も取り上げるなど、閉会中も政権追及の手を緩めない構えだ。
「組織的な圧力があったのではないか」
立憲民主党の大串博志氏は、売り上げが減った中小企業向けの「家賃支援給付金」事業を巡り、電通社員が取引先に圧力をかけた問題をただした。梶山経済産業相は組織的な圧力は確認できなかったとしたが、大串氏は「経産省は電通をかばおうとしている」などと批判。中小企業に最大200万円を支給する「持続化給付金」の委託業務が電通に再委託されている点も問題視した。
大串氏は、河井夫妻の事件についても「税金を原資として違法な資金提供が選挙で行われたのではないか」と追及した。与党側が「コロナと関係ない質問だ」と反発し、審議が一時、止まる場面もあった。
河井夫妻の事件を巡っては、この日、衆院予算委員会の与野党筆頭理事による協議が行われた。野党側は「政治とカネ」をテーマに集中審議の開催を求めたが、与党側は拒否し、折り合わなかった。
17日に閉会した通常国会では、野党が大幅な会期延長を求めたが、与党側は応じなかった。その代わり衆参それぞれ週1回、コロナ対策に関する委員会を開くことで合意した。立民の安住淳国会対策委員長は24日、記者団に「国会を動かすことで様々な問題を解明できる。所管外でもきちんと答える真摯しんしな姿勢を持ってほしい」と政府に注文を付けた。
野党側はコロナ対応とは別に、地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備手続きの停止の経緯などについて聞くため、衆院安全保障委員会の開催を求めている。
以前からこのブログで指摘していますが、中学の「社会、公民」の教科書に記述されているように、国会の主要な目的は「法律の制定」と「予算の審議」にあって、法律の制定のために内閣や議員から「法案」が、内閣から「予算案」が提出され、審議の結果採決されることになります。その結果をもって政府が行政をつかさどるという仕組みです。
多くの議員はこの憲法に謳われた目的に沿って、真に国や国民にとって必要でかつ有用な法律を制定し、また国民生活を維持向上させるための最適な予算を組む使命があります。
しかし閉会中とはいえ、又コロナウイルス対策を主要議題とするとしていると言うからには、コロナ感染の第2波の予防対策や、そのための特措法の見直し、更には医療体制の立て直しと支援のための政策等の「法案審査」であり「予算割り当て審査」であるはずです。上記記事にあるような政府、与党追及に、その場を借りるような野党の姿勢は、国会議員としてはあるまじき、つまり国や国民から乖離した責任放棄の姿勢と映ります。
開会中もそうでしたし、閉会中の審議でも全く同じ。なぜこれまでに政策提言や代案提出という自己の責任を果たそうとせず、政府の施策や関係閣僚答弁、又与党議員のスキャンダル追及に現(うつつ)を抜かしつづけるのでしょう。それで国民に訴求力があるわけではなく、その結果支持率も上がらない。ひいては与党の責任感をそぎ政府の緊張感もそぎ落としていることになります。
以前も国会改革が必要だと申し上げてきました。もちろんその真意は議員資質向上にあります。はっきり言って政策提案能力もなければ、判断力や洞察力もなく、勘違い発言や無意味な質問をする議員が多すぎます。野党ばかりではありません。与党や閣僚の一部にも見られます。
国会改革の第一は、提出法案に直接関係ない質問者に対しては、答弁者が逆質問を許可されその主旨を問うことを許されること。そして法案の主旨に沿っていなければ明確にそれを言い渡せること。第二は明らかにスキャンダル追及やクイズ問題だと判断される質問には、議長が質問権を剥奪できること。審議拒否はいかなる場合も禁ぜられること。更には国会議員の資格審査も必要でしょう。そのための第三者機関の設立も必要です。国会改革は利害が直撃する国会議員にはできないと思うからです。
これらが実現できれば質問側(主に野党となりますが)は、質問に対し責任感が生まれ質が上がるでしょうし、そうなれば答弁側も質を上げねばなりません。また逆質問もできますので、質問側の真の意図も汲みやすくなります。
いずれにしても今のままでいいわけがありません。その結果として国の最重要課題である少子化や財政問題、安全保障の問題が、いつも置き去りにされているように感じます。国会改革、そのための議員資質の向上、待ったなしだと強く思います。
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