中国の“軍事的脅威”に抑止力強化を!『日本は何もしていない』ように見える
尖閣周辺に中国船 75日連続、最長を更新
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で27日、中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは75日連続。平成24年9月の尖閣諸島国有化以降で、最長の連続日数を更新した。第11管区海上保安本部(那覇)によると、領海に近づかないよう巡視船が警告した。
先月には中国海警局の船が日本漁船を追尾しているのを、海上保安庁の巡視船が現場で漁船の安全を確保したことについて、中国外務省の報道官が「違法な妨害を行った」と非難するという、逆切れとも思しき対応を示していました。
このように中国は日本固有の領土尖閣諸島を自国の領土と強弁し、周辺の威嚇航行を続けています。それに対する日本政府の反応は「遺憾砲」のみで、いかにも弱腰に映って見えてしまいます。この件に関し、zakzakは昨夕のコラムで以下のように記述しています。タイトルは『中国の“軍事的脅威”に抑止力強化を! 中国攻勢に政治家もメディアも無関心… 識者「他国から見ると『日本は何もしていない』ように見える」』です。
中国の軍事的脅威が高まっている。沖縄県・尖閣諸島周辺には中国海警局の公船が74日(26日時点)も連続侵入し、鹿児島県・奄美大島近くの接続水域では中国軍とみられる潜水艦の潜行が確認された。中国発の新型コロナウイルスで世界に甚大な犠牲が出ているなかでも、覇権拡大を狙う行動が確認されているのだ。核と弾道ミサイルで恫喝(どうかつ)する北朝鮮だけでなく、わが国は軍事力と経済力を備えた中国も十分警戒すべきだ。国民の生命と財産を守り抜く、抑止力の強化が注目される。
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「わが国の防衛に空白を生むことはあってはならず、安全保障戦略のありようについて徹底的に議論する」
菅義偉官房長官は24日午前の記者会見でこう語った。国家安全保障会議(NSC)が同日夕、首相官邸で開催され、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画の停止を踏まえた、安保政策の抜本的見直しに関する議論に着手することを見据えたものだ。
イージス・アショアは対北朝鮮のイメージが強いが、その高性能レーダーは中国やロシアの動向を察知する期待が持たれていた。特に、中国の軍事的脅威は看過できない。
尖閣諸島周辺で26日、中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁が確認した。これで74日連続で、最長記録を更新している。
中国軍の動きも警戒されている。
防衛省によると、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、全国の小中高校の一斉休校が始まった3月以降だけでも、南西諸島などで、中国軍の空母や駆逐艦、哨戒機などの特異な動きは頻繁に確認されている。
特に、米海軍の原子力空母「ニミッツ」「カール・ビンソン」「ロナルド・レーガン」「セオドア・ルーズベルト」に、新型コロナウイルスの感染者が判明して、抑止力低下が懸念されていた4月、中国海軍の空母「遼寧」を中心とする艦隊が、沖縄本島と宮古島の間を初めて往復した。
朝鮮戦争(1950~53年)は25日で勃発から70年となった。開戦の経緯を振り返れば、ディーン・アチソン米国務長官(当時)が防衛線に朝鮮半島を含まなかった(アチソンライン)ことなどから、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席が「米国に韓国防衛の意思はない」と誤解し、奇襲攻撃の決断につながったという見方もある。
領土・領海を守るには、日本の主権を守り抜く強固な意思の表明と、現実的な抑止力の強化・整備は不可欠なのだ。
評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「中国はコロナ禍でも、どんどん実績を重ねている。尖閣周辺に連日侵入しているのは中国海警局の公船だが、中国海軍の艦船を改造したものだ。武装公船は脅威であり、『今のままで大丈夫』などという認識はあり得ない」と解説する。
河野太郎防衛相は23日の記者会見で、奄美大島近くの接続水域内を潜行した冒頭の潜水艦について、「総合的に勘案して中国のものと推定している」と名指しし、中国に事実上警告したが、まだまだ弱い。
軍事ジャーナリストの井上和彦氏は「これだけ中国が攻勢を仕掛けてきているのに、他国から見ると『日本は何もしていない』ように見える。もっと領土・領海を守る具体的行動をすべきだ。一部の政治家やメディアの無関心ぶりにも驚かされる。日本固有の領土が危機にさらされているのに、黙っているつもりなのか。結果的に中国を利することになる。政治家やメディアは国益を考えて行動すべきだ」と指摘している。
「政治家やメディアは国益を考えて行動すべきだ」と井上氏は指摘していますが、なぜか日本という国は「国益」よりも「忖度」を優先するようです。もちろんその背景には「憲法9条」という大きな足かせがあるからでしょう。軍事力や防衛力という言葉は、子供のころからあまり話題にしないように育てられたからでしょう。国民的な議論はほとんどなされません。
よくこのことは家庭の防犯に例えられます。かつての日本では玄関に鍵をかけることはあまりしませんでした。近所付き合いがよく行われ、周りに不審者がほとんどいなかったからでしょう。これは今の憲法の前文によく似ています。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」
ところが都市化が進み、近隣の住民との関係が薄れ、又空き巣や強盗などの被害が多くなると、当然カギは必須となり、場合によってはセキュリティー会社に防犯設備を設置依頼する家も出てきました。
国でもそうです。「平和を愛する諸国民」はいるでしょうが、その諸国民を統括・統治する国の政府は、「平和」は建前で本音は「国益」という、当たり前の現実に従って行動します。そのためには資源獲得や権益拡大のため、軍事力を背景としてお互いつばぜり合いをすることになります。そこで一方的な攻撃にさらされないよう、国家間に力のバランス、均衡が保たれた状態にするため、それぞれの国で軍事力を保ちます。しかしそのバランスが崩れると、抗争が生じさせるもととなるのです。
今日中間では明らかにバランス上は中国の方に傾いています。中国は共産党独裁国家の強みを生かし軍事力を年々拡大させ、核や攻撃ミサイルも保有します。そして。一方の日本は9条に縛られ、井上氏の「政治家やメディアは国益を考えて行動すべきだ」、という指摘には報復を恐れすぐに対応できないのです。
答えは二つ、①日本は9条を破棄し軍事的な足枷をなくす。②日米同盟に豪印を加えた軍事同盟を構築する。それしかないように思います。もちろんそれに反対する人は多くいます(中国と仲良くやっていけばいいと本気で思っている人たち)。経済のつながりも大きい。ことはすんなりいかないでしょう。しかし報復恐れの「忖度」抜きで「国益」に沿って対応するには、その覚悟が必要でしょう。そうでなければ残念ながら近い将来尖閣はあけ渡すことになるでしょう。しかもそれで終わる保証もありません。沖縄も・・・北海道も・・・
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