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2020年7月 1日 (水)

中国、香港国家安全法の施行 米英の制裁に加われるか日本

20200630t231953z_1_lynxmpeg5t2bf_rtroptp  中国共産党の全人代が昨日可決した「香港国家安全維持法案」に関し、産経新聞の社説(主張)で、次のようにコメントしています。タイトルは『国家安全法の施行 対中制裁で香港市民守れ』(7/01)です。

 中国の全国人民代表大会常務委員会が6月30日、香港における民主化運動などを反政府活動とみなして取り締まる「香港国家安全維持法案」を全会一致で可決した。同法は即日施行された。

 香港に保障されたはずの「一国二制度」を形骸化させ、香港の人々から言論や集会、報道の自由を奪うものであり、到底容認できない。中国の習近平政権は最大限の非難に値する。

 これに先立ち、6月20日には、中央軍事委員会傘下の中国本土の治安部隊である武装警察部隊(武警)の香港派遣を容易にする法改正も行われた。

 自由と民主を知っている香港市民は、共産党独裁政権が支配する本土と同様の治安立法に脅(おび)えて暮らすことになる。場合によっては、流血の弾圧となった1989年の天安門事件が再現され得る、という点も極めて深刻だ。

 「国家安全維持公署」という中国治安当局の出先機関が置かれる。国家安全法違反容疑で民主活動家は拘束され、人権状況が劣悪な本土へ連れ去られかねない。

 香港市民だけの問題ではない。香港にいる外国人にもこの抑圧法の網がかかってくる点を忘れてはならない。

 香港は97年7月1日に英国から中国へ返還された。中国は84年に英国と結んだ国際条約である中英共同宣言で、返還から50年間は香港の高度な自治、すなわち一国二制度を変えないと約束した。

 返還23年にして条約を破り、国際約束を反故(ほご)にすることは許されない。中国は国際社会の声に耳を傾けず、内政問題だと言い張るが説得力は全くない。

 中国政府の強い影響下にある香港政府は、民主派団体が返還記念日の1日に計画していたデモの開催を禁止した。

 国際社会は、国家安全法に抗議の声をあげてきた香港市民と連帯しなければならない。国家安全法撤回を迫る必要がある。少なくともその運用を凍結させたい。

 菅義偉官房長官は会見で「国際社会の一国二制度の原則に対する信頼を損ねるものだ」と国家安全法制定を批判した。河野太郎防衛相は「習国家主席の国賓来日に重大な影響を及ぼす」と語った。

 批判は当然としても、それだけでは中国政府の翻意は期待できない。日本は米英両国などと協力して対中制裁に踏み切るべきだ。

 中国の事ですから、口先での非難には全く動じないでしょう。それに「内政干渉」という大義名分があります。ただ1984年の英国との間の共同宣言で「返還から50年間は一国二制度を維持する」との約束があり、この宣言には明確に違反しています。

 しかし韓国同様、二国間の国際条約の遵守など、この国のトップの頭にはないのかもしれません。それが民主国家ではない証左でしょう。社説の最後に述べている「日本は米英両国などと協力して対中制裁に踏み切るべきだ」という意見は、このブログでも何度も述べていますが、如何せんその力の背景も覚悟も日本にはないのは明らかなので、期待できません。

 加えて親中派議員のみならず、日本の経済界が、対中制裁にこぞって反対するでしょう。以下にJAPANForwardの記事『コロナ感染でますます中国にのめり込む日本企業』(6/30)を引用転載します。

まさに笛吹けど踊らず、である。中国・武漢発新型コロナウイルス恐慌を機に安倍晋三政権が産業界に「脱中国」を呼びかけても、主要日本企業は逆に対中投資を増やす情勢にある。

安倍政権は新型コロナウイルスの感染爆発で中国でのサプライチェーン(供給網)が寸断したことを受け、生産拠点が集中する中国などから日本への国内回帰や第三国への移転を促すことにした。4月の第1次補正予算で緊急経済対策の一環として総額2435億円を2020年度補正予算案に盛り込み、生産拠点を国内や第三国に整備する場合、建物や設備導入費用の一部を補助する。だが、主要企業には脱中国のムードはほとんど盛り上がってはいない。

Capitalinvestmentinchinabyjapanesecorpor グラフは日本企業の設備投資を中心とする対中直接投資の推移で、投資実行額から投資回収分を除いた「ネット投資」と、回収額を投資実行増額で割った比率を追っている。基準となる投資額は各年4月までの12カ月合計だ。投資回収額とは、現地子会社から本国の親会社への収益還元が主体である。日本企業の対世界全体の投資回収比率は7割前後だが、こと中国に関しては19年まで3割にも満たず、極端に低かった。

その傾向が昨年から加速し始め、単月ベースでは4月には14%に落ち込み、4月までの1年間でみても17%に過ぎない。他地域では投資実行額を増やしても、同時に回収分を増やすのでネットの投資はさほど増えないが、中国向けだけはネット投資が増加し続けている。コロナショックに伴い、安倍政権が「脱中国」企業支援を打ち出した4月でも、投資実行額は前月比で405億円、ネットで664億円それぞれ増えている。回収額を258億円減らした。

投資回収を手控えるのは、その分、現地への再投資を増やすことを意味する。いわば、どっぷりと世界の工場、中国にのめり込むのだ。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後もネットの対中投資を上積みするのは、日本企業の姿勢がより中国に協力的になっていることを示す。代表的な企業がトヨタ自動車で、この2月末、中国・天津に総額1300億円を投じ、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など環境対応車の生産工場を建設する方針を固めたという。

背景は、やはり主要企業の間の中国市場成長幻想が一向に弱まってはいないことが上げられる。習近平政権はEVや人工知能(AI)の普及に向け、外資の投資を催促している。

EVもAIも軍事に転用される先端技術を伴う。AIはさらに、コロナ感染者の追跡に生かされるとはおめでたい話だが、新疆ウイグルやチベットなどの少数民族抑圧など全体主義路線の主力武器である。

日本企業がそれをビジネスチャンスと見て、最新鋭技術を携えて対中投資するのは、米国を中心に西側世界で広がっている対中警戒と脱中国依存の流れに逆行しかねない。安倍政権は財界総本山、経団連に厳しく注文をつけるべきだ。(年6月20日付産経新聞【田村秀男のお金は知っている】の転載)

 日本は中国の経済覇権の世界戦略である、一帯一路には積極的に参加してはいませんが、この戦略でも窺がえる「中国市場の魅力」という、中国のぶら下げた「馬の鼻先の人参」に取りつかれて、日本企業も馬のように「市場の魅力」を追い求め続けているのでしょう。その先には共産主義独裁覇権国家の戦略にどっぷりつかり、資金と技術を吸い取られ続けているようです。

 しかしそうは分かっていても、目先の利益に拘らざるを得ない企業に、辞めろと言えない民主国家の足枷があります。ですからここは政治の出番です。日本回帰や進出先変更企業に、税や資金の特別優遇などの「禁じ手」と言われるものを使ってでも進めない限り、中国からの回避は難しいでしょう。しかし是非やって欲しいと思います。世界が中国の覇権の餌食にならないためにも。

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