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2020年7月27日 (月)

韓国、独りよがりの政策で「核心支持層」にも見放される文在寅大統領

Img_8b84ab06cca4aab45a9cf606303951692394  一昨日は韓国の文政権の独裁化について取り上げましたが、軍も治安部隊も報道も完全掌握している中国のような、共産党一党独裁政権ではない限り、国民の不満が爆発すればひっくり返ってしまいます。文政権はその岐路に立たされ始めていると言っていいでしょう。

 そこで今回は韓国ジャーナリストの李正宣がJBpressに寄稿したコラム「核心支持層」にも見放される文在寅大統領 重点課題の雇用・住宅政策が惨憺たる結果、国民の怒りが頂点に』(7/23)を取り上げ、以下に引用掲載します。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が「曺国事態」以後の最低支持率を記録し、またも苦境に直面している。

 20日に発表された韓国の調査会社・リアルメーターの世論調査によると、文在寅大統領が「よくやっている」と答えた回答者は44.8%、「評価しない」は51.0%で、デッドクロス(支持率下落が続き、不支持率が支持率を逆転する現象)を記録した。朝鮮日報は、曺国事態の頂点だった昨年の10月の2週目の支持率(41.4%)以来の最低支持率で、否定評価(不支持率)は11月の1週目の51.7%以来の最高値だと説明した。

 ただ、今回の文大統領の支持率が急落している理由は、曺国事態のように単純ではない。文政権の核心支持層と思われている若年層と女性層らが、それぞれ異なる理由で文政権に背を向けているためだ。

空港の非正規職員の「正社員転換」が招いた大反発

 まず、20代の青年層が最も反発している事案はいわゆる「仁国公事態」と呼ばれる、仁川空港公社の正社員転換問題だ。

 文在寅大統領は大統領選挙で青年公約として「公共部門の非正規職(契約職やアルバイトとなど、正社員ではない雇用)ゼロ」を掲げていた。2017年5月に大統領に当選した直後は、仁川空港を訪問し、「公共部分で、非正規職雇用のゼロ時代を切り開く」と宣言した。

 そこから3年後の今年の5月、仁川空港公社が文大統領の約束通り、非正規雇用だった約1900人のセキュリティー要員を仁川空港公社の正社員へ転換するという方針を発表した。ところが、青年層から予想外の怒りが爆発した。

 仁川空港公社は韓国の「就活生が一番入りたがる公企業」に選ばれるほど高い人気を誇るだけに、入社のためには高学歴と高スペックが必要だ。2019年の入社競争率が150倍で、2、3年間も就職浪人をするケースも珍しくない。このように苦労して入ってきた正社員たちには、アルバイトで入ってきた青年たちが自分たちと同じ正社員へ転換されることに対して逆差別を感じていた。

 さらに、正社員が1400人の職場に、約1900人のセキュリティー要員が一気に正社員に転換され、新労組を設立すれば、優先交渉権は新労組が持って行かれる可能性が高い。セキュリティー要員を中心にした新労組が権利を独占するようになれば、既存の労組員は不利益を被るしかないというのが正社員が反発する最も大きな理由だ。仁川空港公社労組は既に監査院に「一方的で拙速な正社員転換」に対する監査を要請している状態だ。

 就職を希望する若者たちには、ただでさえ狭い就職口がさらに狭くなる可能性が高いと受け止め、「機会を奪われた」と憤っている。公企業の場合は人件費はあらかじめ決まった予算額で設定されるため、給料が高い正社員が一度に増えれば、新規採用がおそらく抑制されることになる。

 一方、仁川空港公社のほか、他地域の空港公社や他公企業の非正規職員らも、仁川空港公社だけが特別待遇を受けることに対し、不満を持っている。すでに、多くの公企業の非正規職は、正社員への転換を求める主張が提起されている。しかし、文在寅政権と与党は怒りしている若者らに向かって「フェイクニュースに振り回されている」「少し学歴がいいからといって、高い給料をもらうのは公正ではない」などと言い放ち、かえって彼らの怒りに油を注いでしまっている。

セクハラ被害者を「被害呼訴人」を呼び、疑惑封印に躍起の政権与党

 一方、多くの女性たちが文在寅政権に失望している理由は、朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長のセクハラ疑惑と、これに対する政権・与党の態度にある。

 有力な次期大統領候補と目されていた朴前市長は、元秘書からセクハラ告訴を受けた次の日、ソウルの山中で遺体で発見された。警察は自殺と推定し、朴前市長の死亡経緯に対する調査を進めている。しかしセクハラ疑惑に対しては、被告訴者の自殺で「公訴権なし」として捜査もせずに、事件に決着をつけようとしているのだ。

 そこで、元秘書が提起したセクハラ被害については、ソウル市が「民間と共同で独自調査を行う」と発表したのだが、それでも被害者側は「ソウル市は朴前市長のセクハラ事実を知っていながら黙認した」とし、ソウル市の独自調査を拒否している。

 さらに、被害者の告訴事実がリアルタイムで朴前市長に伝えられていた点についても、疑惑を提起している。告訴を受け付けた警察が、大統領府側に朴前市長の告訴事実を報告したのだが、この過程で情報が朴前代表側に流れたと韓国メディアは分析している。結局、情報流出の出所は警察か、大統領府かに絞られている。

 このような状況で与党は、ひたすら朴前市長への追悼ムードづくりに励み、セクハラ被害者の元秘書のことを「被害呼訴人(被害を訴える人)」などの表現で呼び、セクハラ疑惑の存在自体を否定しようとしている。さらに政権支持者たちは、朴前市長の元秘書に向かって、度を越えた侮辱的な発言を連発しており、その先頭に立っているのは、現職検事、放送人、有名歴史学者などのオピニオンリーダーたちという信じがたい状況になっている。

 与党が先頭に立って被害者を侮辱する状況の中、#MeToo運動を積極的に支持してきた文大統領は沈黙を貫いている。

 過去に野党が関与したセクハラ疑惑には、時効が終了した事件であるにもかかわらず、文大統領が直接乗り出して捜査を指示したのに、与党関係者に持ち上がった疑惑についてはこの対応。あまりに対照的と言わざるを得ない。「ファミニスト」を自認した文政権が、実は野党のセクハラだけを問題視する「マッチョ集団」だったという事実に、韓国女性たちは憤っているのだ。

ことごとく失敗した住宅政策、国民の怒りも当然

 そしてもう一つ。30代と40代を最も激怒させているのが、文政府の無能で独りよがりな不動産対策だ。文在寅政権は政権初期から「ソウルの住宅価格を安定させる」と公言したが、その直後からソウルをはじめ、全国の住宅価格は文字通り急騰した。「経済正義実践市民連合」という進歩派市民団体によると、文在寅政権の3年間、ソウルの住宅価格は50%以上も上昇したという。

 文在寅政権は、ソウルの住宅価格上昇の原因は富裕層による投機にあると見なし、住宅需要を抑制するため、懲罰的と言わざるを得ない“税金爆弾”を国民に向けて投下した。

 保有税、譲渡税、取得税、売買税など、不動産に関連するあらゆる税率を大幅に引き上げ、多住宅者のみならず単一住宅保有者にも適用すると公表したのだ。さらにソウル全域と首都圏を規制地域に指定して銀行からの融資制限を強化し、これを遡及適用することも決めた。このため、住宅購入のためにすでに頭金を支払い、銀行からの貸し出しで残りの契約金を支払おうとしていた人の中には、銀行から融資が受けられなくなり、頭金を棒に振るという被害に遭うケースが続出している。

 しかし、このような対策をとっても住宅価格の上昇は止まらなかった。あがったのは住宅価格だけではない。それともに賃貸相場も55週連続で上がるなど、全国民が“不動産地獄”の渦中に突き落とされてしまっているのだ。最近は急騰する住宅賃貸価格を安定させるため、与党が「地方自治体の首長らが家賃などの賃貸価格を決める」という法案を発議した。与党の院内代表は、ソウルの住宅価格安定のため、行政首都を世宗市(セジョンシ)へ移転することを主張し、与党内で議論が始まっている。

 いずれも実現性や効果に疑問符を付けざるを得ないが、そもそもは現実を把握していない当局の強圧的な対処がむしろ住宅価格を引き上げてきた。そのしわ寄せを食った、マイホームを買う年頃の30代~40代を中心に怒りが爆発しているのだ。

 コロナ感染拡散の心配から街頭でのデモに参加することができなくなった彼らは、「租税抵抗国民運動」「もう我慢できない、税金爆弾」「文在寅に騙された」「文在寅降りろ」などの言葉を検索語キーワードランキング1位に上げるチャレンジを始めた。街頭の代わりにサイバー空間で文政権に抵抗しているのだ。

 じわじわと煮え立っている韓国国民の怒りは、まもなく臨界点に達するものと見られる。

 経済音痴と言われてきた文大統領。最低賃金の異様なかさ上げに始まって、非正規職員の正社員への強引な転換や、住宅価格抑制のために、経済原則を無視したなりふり構わぬ対策は、経済音痴だけではなく、まさに「独裁体質」のなせる業のような気がします。

 国民の不満はまず経済に現れます。日本でも安倍政権が経済を優先させるのも、その点を考慮してのことでしょう。民主国家は民意が離れれば政権は危うくなります。そこにポピュリズムの怖さが潜んではいるのですが。

 いずれにしろ、文政権がどこまで独裁を続けられるか、「反日」の特効薬が「経済の凋落による民意の離脱」という病を治せるか。その病がひどくなりすぎて、「反日」の特効薬を放棄せざるを得なくなるのを期待しますが。

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