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2020年7月22日 (水)

「GoToトラベル」スタート、感染症学者「東京除外は当然」

Ogp  本日様々な意見や批判が飛び交う中、GoToトラベルキャンペーンがスタートしました。

 当初の8月開始から本日7月22日開始に早めたことを皮切りに、「こんな感染拡大が続く中なぜ早めるのだ」、「感染拡大が地方に飛び火する、東京からの移動は止めろ」、などワイドショー番組のMCやコメンテーターの、侃々諤々の批判の連鎖が始まりました。

 それを受けて、政府が東京は除外すると決めたら、今度は「全国一律ではなかったのか」、「なぜ東京を除外するのか」、はたまた「東京以外も除外しろ、感染の多い県は他にもある」という意見も出てきました。

 そして次に「東京で参加を予定していた人のキャンセル料はどうする」という意見が出たのに対し、国交省が否定すると「国が除外したのだ、キャンセル料を払え」となり、一転キャンセル料を払うと発表したら、旅行業界から「手続きが大変、戸惑いがある」、キャンセルした人は「どうやってキャンセル料を回収するのかわからない」、と。テレビのコメンテーターはここぞとばかり、「国は全く一貫性がない、国民を混乱に貶めている」と息巻いています。

 確かに時期やそのやり方に対し一貫性に欠けます。しかしその原因は利害の対立する「キャンペーンを利用したい人」「する意思のない人」「旅行業界や観光地の業者」「交通機関」「医療現場の人」「一般の人」「感染者の多い都会地区の人」「少ない地方の人」そして「政権に親和性を感じている人」「政権に嫌悪感を抱いている人」それぞれが混然としているその中で、調整をしながら進めることに相当の難しさはあるでしょう。政府も大変です。

 今日の新聞のテレビの番組欄で、GoToキャンペーンの報道予定を見れば、ほとんどが「混乱の中」という接頭語がついています。確かに混乱させているのかもしれませんが、事態を冷静に受け止めている人も多くいるのではないでしょうか。なんだかマスコミが混乱を煽っている感じがしてしまいます。

 ところで東京が除外されたことに当然と受け止めている人がいます。感染症内科医の経験を持ち、現在神戸大学教授の岩田健太郎氏です。氏の読売新聞の「ヨミドクター」に投稿したコラム『「GoToトラベル」東京除外は当然 制限緩和は感染を抑え込んでこそ』(7/17)を以下に引用紹介します。 

観光業の賦活策

 GoToキャンペーンは、新型コロナウイルス感染症問題に対抗するための経済政策です。飲食、イベント、買い物など様々な喚起策が盛り込まれていますが、中でももっとも予算を割いているのが、国土交通省が担当する「GoTo トラベル」という和製英語がつけられたキャンペーンです。これはインバウンド(訪日外国人客)からの収入が激減した観光業の賦活策として、国内向けの旅行を励行しようというものです。

 さて、よくコロナ対策で「経済を回せ」という言い方をしますが、「経済を回す」にはいろいろな意味が含まれているように思います。

 「コロナ対策」と言うならば、感染流行のために収入を絶たれ、事業継続や生活に支障がある企業や人々を救済するものであるべきでしょう。

 ところが、政策というのは必ずしも額面通り、理念のままに遂行されるとは限りません。

 ときに、いま、樋口耕太郎氏の「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」(光文社新書)を読んでいますが、とても勉強になります。

 本書ではたくさんの問題を論じています。そのなかに、「援助」の問題があります。沖縄といえば「泡盛」ですが、沖縄県への経済援助の一環として、泡盛業界は酒税の優遇措置を受けており、41年間で約410億円もの税金を免除されていたといいます。それはいい。経営に苦しんでいる零細酒造所では、その援助は役に立つから。ところが、この措置で大手のメーカーも利益を受けていました。ある大手酒造所は役員4人に4年間で20億円近くの報酬を支払っていたそうです。この場合の「経済援助」とはいったいなんなのか。

「本当に困っている人」を救済できるか

 外国からの観光客が途絶えて、観光業が困っているのは理解します。が、昨年まで、巨大なインバウンド需要で大きな利益を得てきたのも、また観光業です。困っている企業や人々を助けるのは政府の重要な役割ですから、当然支援すべきでしょう。しかし、GoToが「本当に困っている人」の救済として機能するかは、メディアなどの監視が必要だとぼくは思います。

 そもそもインバウンド需要が激減しているのは、新型コロナウイルス感染症パンデミックのためです。パンデミックがなぜ需要を激減させるかといえば、それは旅行そのものが感染拡大のリスクだからです。繰り返します。人の移動、すなわち旅行は感染拡大のリスクなのです。

 海外からの人の流入が感染拡大のリスクだからこそ、インバウンドを大量に呼び込めないのです。当然、同じ理屈は国内旅行にだって適用されます。さもなければダブルスタンダードです。

リスクがない地域間の旅行励行は「あり」

 もちろん、感染者が全く出ていない、ほとんど出ていない地域内・地域間での旅行は感染リスクにはなりません。病原体と感染者がいなければ、感染症は流行しませんから、絶対に。

 ですので、そういう地域であれば、経済活性化のための観光推進、旅行の励行は「あり」だとぼくは思います。地域差を無視して、全国一律で同じ方法を取るのは効率がよくありません。4月の「緊急事態宣言」がそうであったように。

流行度合いで変わる「正しい」対応法

 新型コロナウイルス感染症に「これが正しい」という対応法はありません。なぜかというと、流行の度合いによって「正しい」対応法の意味が変わってくるからです。感染者がいない地域であれば、人の移動も経済活動も、外食も演劇鑑賞も感染リスクにはなりません。感染者が非常に多くなると、こうした活動は全てリスクになってしまいます。

 よって、新型コロナウイルス感染症対策では「微調整」が重要です。過度な活動制限は経済その他のリスクが大きい。かといって、活動のレベルが大きすぎると感染が広がってしまう。どちらの極端にも振れないように、「適切な」レベルを模索するのです。感染が広がれば、少し締め、感染が収まれば少し緩めます。この連載でも、以前に述べたとおりです。

感染拡大中に緩めるのは悪手

 日本のGoToは「感染が広がっているときに」施行しようとしていました。だから問題だったのです。感染が広がっているときに緩めるのは、悪手以外の何物でもないからです。

 たくさんの異論反論が噴出し、7月16日にGoToは東京を対象外にすると報じられました。適切な判断だったと思います。この流行の広がりは千葉、埼玉、神奈川も一体となっているので東京だけでいいのか、という疑問は残りますが、少なくとも感染者が増えている東京内外の行き来を励行するなど、とうていありえない選択です。

 本稿執筆時点の7月17日、ぼくが住んでいる兵庫県でも隣の大阪府でも感染者は増え続けています。流行の波の増減を「第1波」と文字通りとるならば、これこそは第2波だとぼくは考えます(医学的な定義はありませんが)。

 感染が増えれば締める。これが定石です。他にアクロバティックな決定打(有効なワクチンなど)があれば別ですが、そうでなければ定石に従うのが賢明な対応策です。なぜならば、旅行により感染地域が拡大してしまえば、さらなる行動制限が要請されてしまうからです。

感染対策と経済対策は必ずしも矛盾しない

 感染対策と経済対策は、必ずしも矛盾しません。健全な感染対策は、賢明な経済対策の前提だからです。感染症を抑え込めば、「緩める」ことができます。これこそが「経済を回す」、急がば回れの最短ルートです。

 感染対策で感染を抑え込むまでの間、困窮する旅行・観光業界の企業や人々を救済することは当然必要でしょう。その経済対策はもちろん、前述の事例のような「どさくさ紛れの焼け太り」を生まない形での、対策であるべきです。

 岩田氏の言う通り感染拡大中に人の行き来を緩めるのは「悪手」と言うのには賛同します。東京除外も賛同します。そして感染者の少ない地域の中での移動は積極的に進める「微調整」が重要なのでしょう。どなたかが言う「プチトラベル」です。

  つまり全国一律はまずいのでしょうね。ところがそうすると除外されたところから必ず批判が出てくる。最も重要なのは岩田氏も言うところの「本当に困っている人」を救うことでしょう。本当にこの疫病の中の政策運営は難しい。 ですからマスコミや知識人、野党も含めて、批判ばかりしていないで政府に適切な「提案」をして、日本全体で経済を守りこの疫病を克服していく必要があると思いますね。ただしその「提案」には責任をもって、と一言付け加えたいと思います。

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