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2020年7月26日 (日)

米国務長官ポンぺオ氏、「習近平国家主席は破綻した全体主義思想の信奉者だ」

Img_4e0702809116ed20f21780e58576f6841162  米中貿易戦争が経済を超えてインテリジェンスの分野に広がる中、政治戦争の様相を帯びていました。第2の冷戦と言ってもいい、この2大国の争いは世界に大きな影響を及ぼすものと思われ、目が離せません。本日の「日曜報道THE PRIME」でも取り上げられていました。

 最近の両国の動きを、日本経済新聞の本社コメンテーター秋田浩之氏のコラム『米中、「政治戦争」が始まった 広がる共産党性悪論』(7/23)から引用します。このコラムの執筆時点ではヒューストンの中国総領事館の閉鎖が公表されていません。事態はさらに一歩進んでいるものと思われます。

米中関係の悪化が止まらない。あつれきは通商やハイテクにとどまらず、軍事の緊張を帯びるまでになっている。

ポンペオ米国務長官は7月13日、南シナ海のほぼ全域の権益を主張する中国の立場について、米国として初めて全面否定する声明を発表した。

さらに米国は今月、2度にわたって2隻の空母を南シナ海に送り、大がかりな演習にも踏み切った。中国軍も活動を広げており、海域はきな臭さを増している。

ただ、こうした目に見える対立より、もっと注意すべき本質的な変化が米中関係には起きている。米政府や議会で、中国の共産党性悪論ともいうべき対中観が急速に広がり始めていることだ。

この対中観をひと言でいえば、中国が人権や国際ルールに反するような言動を続けるのは、共産党の独裁体制に元凶があるというものだ。

何の変哲もないように響くが、極めて厳しい対中観である。中国に言動を改めさせるには対話や圧力では足りず、共産党体制そのものを変える必要があるという結論に行き着きかねないからだ。

5月12日付の本欄でそうした対中観が出ているが、まだ米政権・議会の主流にはなっていないと指摘した。ところが米外交専門家らの分析によると、最近、米政権・議会の中枢にも共産党性悪論が浸透しつつある。

その表れのひとつがこの1カ月、米閣僚らが相次いで行っている対中演説の中身だ。驚くほどあからさまに、共産党とその幹部への敵意をあらわにしている。

第1弾が、6月24日のオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)だ。「習近平(シー・ジンピン)党総書記は自分がスターリンの後継者だと思っている」と演説。数百万人の政敵を粛清したとされる旧ソ連の独裁者、スターリンと習氏を同列に並べた。

7月にはレイ米連邦捜査局(FBI)長官、バー司法長官らも演説し、共産党を手荒く批判した。趣旨は次のようなものだ。

中国共産党の目標は民主主義国の基盤を壊すことにある。そのために米国内でのスパイや脅迫、政治宣伝をやりたい放題であり、米国民に重大な脅威だ――。

閣僚だけではない。最近、筆者が参加した米政府当局者らによる電話ブリーフなどでも、共産党を悪しざまに批判する発言が聞かれるようになった。

両国のせめぎ合いはこれまで通商やハイテク、海洋の主導権争いが中心だった。これだけなら、何らかの妥協も無理ではない。

だが、共産党性悪論が米国の対中政策の前提になれば、もはや手打ちは難しい。人間関係でいえば、前者はカネや権益の争い、後者は相手の性質や人格を否定する戦いだからである。

米報道によると、米政府はいま、9千万人超のすべての中国共産党員とその家族による入国を禁じることも検討しているという。

米国の対中不信が深まったのはサイバーや海洋をめぐる中国の強硬な行動に原因があるが、決定的だったのはコロナ危機だ。米国では新型コロナウイルスによる死者が14万人を超えた。

中国共産党が報道や言論の自由を認めないから、新型ウイルスの発生を現場などが隠ぺいし、感染が世界に拡散した……。

米社会にはこんな感情が漂い、共産党への不信が沈殿している。自分の失策を覆うため、トランプ大統領が中国責任論を唱えていることも、反中感情に油を注ぐ。

では、米中が立ち止まり、融和に動く余地はないのか。6月17日、ポンペオ国務長官と中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員がハワイで会談した。この内幕を探ると、悲観的にならざるを得ない。

米側によると開催を求めたのは中国だった。トランプ大統領が重視する第1弾の米中貿易合意を「人質」にとれば香港や南シナ海、人権、台湾問題で米国の姿勢を軟化させられる。楊氏は当初、そう踏んでいた様子だったという。

これに対し、ポンペオ長官は一切、強硬な態度を崩さず、会談は決裂した。米政府はこれを受け、チベット族、ウイグル族への弾圧や香港の自治侵害に対し、矢継ぎ早に制裁を発動した。

これらの制裁は共産党の統治に切り込む措置であり、華為技術(ファーウェイ)など中国ハイテク企業を狙ったそれまでの制裁とは、次元が異なる。政治体制をめぐる戦いの始まりと言っていい。

米大統領選で民主党のバイデン氏が勝っても、この流れは変わるとは思えない。「対中強硬は完全に超党派の路線であり、民主党も強く支持している」(米政府当局者)。バイデン氏の外交・安保ブレーンらも最近、米シンクタンクのウェブ会議に相次いで登場し、同盟国と協力して対中圧力を強める構想を示した。

米国が共産党体制を敵視し、中国とぶつかったことは前もあった。中国が抗議デモを武力で鎮圧した1989年の天安門事件だ。

それでも中国が急成長を遂げるにつれ、米中は経済を磁力に近づき、10年足らずのうちに互いを戦略的パートナーと呼ぶほどまでの蜜月関係になった。

同じような修復のバネは、もう働かないだろう。約30年前とは異なり、中国は経済、軍事ともに米国の覇権を脅かす大国になったからだ。両巨象は長い対立のトンネルに足を踏み入れた。

 確かに今年になって、新型コロナウイルスの世界パンデミック化を機に、早期に収束を達成した中国が、発生源であることも認めず経済の主導権を握ろうとしたり、ウイグルや香港での民族や思想弾圧、南シナ海での軍事基地化の推進、そして尖閣諸島の威嚇航行と、立て続けに「共産党独裁政権」の覇権の牙を剥きだしています。

 「日曜報道 THE PRIME」では出演の櫻井よしこ氏、三宅邦彦氏、橋下徹氏が、それぞれの立場から日本のとるべき立ち位置について発言していましたが、現実を踏まえれば、経済のつながりが極めて強い中国との間で、アメリカのような外交姿勢を示すことは、出来ないし又すべきではない。ただ日米同盟が現実にあり、かつ民主国家の日本が、アメリカより中国に近づくことはあり得ない政策でしょう。

 つまり中国とは決定的な亀裂を生じさせない中で、静かに資本や人の移動を進めていき、出来るだけ早い段階で経済の中国依存からの脱却を図るべきです。

 同時に以前からこのブログで述べているように、民主国家同士、つまり米、英、印、豪、そして台湾やASEANとの協力関係を政治、経済両面で高めていき、中国に対する一定の外交圧力を高める戦略をとるべきでしょう。またそれぞれの国で中国との経済依存度を下げていき、それによって中国の経済的弱体化も進むかもしれません。

 ところでこの番組の中で橋本氏は、自民党の二階幹事長の対中姿勢を盛んに称賛していましたが、二階氏の考えの前提に「国益」があるのは分かりますが、果たして「共産主義の脅威」と言う現実を認識しているのかどうかよくわかりません。そういう意味では賛成できない部分があります。又三宅氏だったか櫻井氏だったか忘れましたが、中国に強く依存している日本の企業を抱える経団連が、中国との仲を保とうと先頭に立っている構図があるような話をされていましたが、なるほど彼らにとっては政治より経済ですか。余談ですが。

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