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2020年7月17日 (金)

コロナの感染再拡大の中、GoToキャンペーンを強行する理由

5f11146a2700000b0ce66ebf  新型コロナウイルスの感染再拡大が止まりません。本日の東京都の新規感染者数は293人と、昨日の286人に引き続き過去最高を記録しました。全国の新規感染者数は本日分はまだ出ていませんが、昨日の時点で622人と過去最高だった4月11日の720人に迫っています。

 このような中、物議をかもしている「GoToキャンペーン」は、感染が突出している東京都を除き、今月22日から実施することに決まりました。様々な批判もある中実施に踏み切ったその背景を、百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏がDIAMONDonlineに寄稿しているので引用記載します。タイトルは『それでも「Go Toキャンペーン」をやるべき3つの理由』(7/17)です。

なぜこんな時期に!?

異論続出の「Go Toキャンペーン」

 7月22日から前倒しで政府の「Go To Travelキャンペーン」が始まることに、各方面から懸念の声が上がっています。この「Go Toキャンペーン」とは、異例とも言うべき1.7兆円もの予算を使って旅行需要を拡大しようという国の政策です。

 私たち国民にとっては、関心事が2つあります。1つは、旅行会社や旅行予約サイトを使ってキャンペーン期間内に旅行予約をすると、半額相当のお金が政府からもらえるという点です。上限は1人1泊あたり最大で2万円なので、かなり豪華な旅行でも実質半額で楽しめます。このキャンペーンの話を耳にしただけで、夏休みには旅行に行きたくなるわけです。

 もう1つの関心事は、この夏にキャンペーンが行われると、首都圏をはじめコロナが再び増加しているエリアから、コロナが収束している都道府県にコロナウイルスが持ち込まれ、結果としてコロナの再流行が起きるのではないか、という点です。

 この数日間地方自治体の首長からは、「なぜ、こんな時期にやるんだ」と不満の声が上がってきました。それでも安倍政権も、それを支持する与党関係者も、Go Toキャンペーンを予定通り実施する意義を強調するばかりでしたが、さすがに感染拡大を無視できなくなり、7月16日夕方に「東京除外」を発表しました。しかし、それでも政府はキャンペーンを続行させる姿勢です。

 なぜ政府は、Go Toキャンペーンをこれほどまでに推し進めるのでしょうか。そこには3つの止むを得ない理由が存在します。

 1つめの理由は、アフターコロナの大不況の中で、旅行業界が壊滅的な打撃を受けるのがはっきりしていることです。

 前回の大不況であるリーマンショックの際に、特に大きな打撃を受けた業界がいくつかありました。自動車、耐久消費財、旅行、飲食、イベントといった顔触れです。これには理由があって、これらの商品は所得弾力性が大きいのです。

 所得弾力性とは、大学の経済学で習う専門用語なのですが、簡単に言えば「不況で収入が減ったときに、その何倍で売り上げが減るか」を示す数値です。たとえば自動車は、短期の所得弾力性が5倍くらいあると言われますが、リーマンショックでアメリカのGDPが年率6%ペースで減少した当時、北米の自動車販売については短期的に、その5倍の30%もの売り上げ減が発生しました。

 同様に旅行は、長期の所得弾力性が3倍くらいある不況に弱い商品なので、新型コロナで収入が激減した人が増加している現状では、今年から来年にかけて旅行を手控える国民が増えることは、まず間違いない状況です。

 こうして、これから打撃を受ける業界が特定されている中で、自動車や大型家電のような耐久消費財については、打撃を受けるのが主に大企業なので、銀行のクレジットライン(信用供与枠)を維持させることが経済対策になります。

 一方で、旅行、飲食、イベントなどは、零細ないし中小企業が対象となることが圧倒的に多いので、これらの企業が大量倒産しないように、国として何らかの政策が必要というわけです。

旅行需要は創り出すことができる

価格弾力性が高い不要不急の商品

 そこで、1.7兆円の予算が立てられたのがGo Toキャンペーンなのです。具体的にGo Toキャンペーンには、「Go To Travelキャンペーン」「Go To Eatキャンペーン」「Go To Eventキャンペーン」「Go To商店街キャンペーン」が設定されていて、はじめの3つはまさにコロナで大打撃を受ける3業界をカバーしているわけです。

 しかしそうだとしても、1.7兆円をばらまくことで旅館やホテル、土産物店などの観光地の産業が潤うのでしょうか。ここで第二の理由が関係してきます。実は、旅行需要はつくり出すことができるのです。

 経済学の弾力性にはもう1つ、「価格弾力性」というものがあります。これは価格が下がったときに、どれだけ需要が増えるかを示す指標です。たとえば、食品のような生活必需品の価格弾力性は1よりも低く、たとえ価格が半額になったとしても需要は倍にはなりません。それはそうでしょう。人間の胃袋のキャパシティには限度がありますから。

 しかし旅行のように、ある意味で不要不急の商品は、価格弾力性が3程度と大きい傾向があります。Go Toキャンペーンのように半額を国が支援するとなれば、旅行需要の拡大効果はその3倍効いてくる。その前提がわかっているので、大規模なキャンペーンが計画されたわけです。

 実際、地方の観光地は今、壊滅的な状況にある会社が多いのが実情です。そもそも訪日外国人によるインバウンド需要がほぼゼロになったうえに、県外からの観光客も激減しています。旅館や観光施設、土産物屋はそれでも休業するわけにいかず、一方で営業する以上は、従業員への給与、光熱費、銀行への返済までお金は出ていくばかりです。

 ここで需要喚起をするための支援がなければ、来年にかけて旅館やホテル、観光事業者の倒産や閉店が相次ぐことになります。Go Toキャンペーンは政府にとって、最重要政策だということになるのでしょう。

どんなに異論が出ても

タイミングは今しかない理由

 しかしそれでも、「なぜ、このタイミングなのか」というのが、地方自治体の首長が抱える懸念です。そこに第三の理由として、タイミングが今しかないということが挙げられます。

 ここから先の話は、あくまで筆者の分析に基づく予測です。要するに、ここで一時的にコロナ感染の拡大を危惧してキャンペーン開始のタイミングを待ったとしても、新型コロナの感染者数が首都圏で再び収束する可能性は低いのです。

 5月25日に全国的に経済が再開した後、6月中旬に東京で新型コロナのクラスターが再発生したのが、いわゆる夜の街でした。この段階であれば、クラスターが判明していることから、封じ込めは可能だったのかもしれません。ただ、夜の街での感染は、濃厚接触者が名乗り出にくいということもあり、結果的には都内で感染は再び広まっていきました。

 足もとのデータを確認すると、7月14日の東京都の新規感染者143人のうち、夜の街関連は24人、新宿エリアの感染は14人といずれも少数です。圧倒的に多いのは感染経路不明者で、東京ではすでに、どこで誰が感染しているのかを把握することが不可能な状況に陥っています。

 これは、アメリカでコロナが収束しなかったときの状況に似ています。今の日本はクラスター対策だけでなく外出自粛策も行えない状況で、感染の状況を注視している状態なので、新規感染者数が減少傾向に向かう要素がないことになります。だとしたら、「新型コロナが落ち着くまでしばらく様子を見よう」という条件を認めてしまうと、このまま感染者数が減らないまま、夏の旅行需要期が過ぎてしまうことになります。

「冬が来る前に……」

政府が決して口にできない本音

 そして、政府が口にすることは決してないと思いますが、現在の再流行では重症率が低く、死者数は4月頃と比較して極めて小さい状況にあるのが現実です。しかし冬に入れば、再び死者数が増加するでしょう(これは、ブラジルなど南半球の現状からの推論です)。逆に言えば、冬がくる前にGo Toキャンペーンを終了させなければいけないわけです。

 ここまでの3つの理由を考慮すれば、Go Toキャンペーンをそれでも止めるわけにはいかないということになるわけです。東京都を除外してでもまだキャンペーンを貫く意義は、私ではなく政権が繰り返し口にしていることからも、明らかではありますが――。

 なるほど、「なぜやるのか」というのと、「なぜ今なのか」と言う答えが述べられているように思えます。「都会」の飲食業をはじめとする様々な業種や、交通機関は、自粛が解放されればそれなりに人が動き需要が出てきますが、「地方」の観光地にしてみれば、そこまで人が動かずその恩恵にあずかりにくいと言うことは言えるでしょう。ですから瀕死の業界をすくうためにも、やむを得ず実施するしかないのでしょうか。

 そして全国一斉を取り下げ、最も感染者が多い東京をその対象から除くのが、精いっぱいの感染拡大対策へのメッセージと言うことなんでしょうね。

 国土交通省は観光地の各業種に対し、感染対策の徹底を呼び掛けています。もちろんキャンペーンを利用する人も、しっかりとした感染対策が必要でしょう。そしてあえてこの時期に実施するからには、このキャンペーンによって、新型コロナウイルスが明らかに拡大したら、政府は結果責任ですから、その責任をしっかり取ることが必要でしょう。(どんな責任の取り方があるかは分かりませんが)

 ただこのキャンペーンの実施の有無に関わらず、第2波の大波がそこに迫ってきています。その波を無策でやり過ごすのは、決して許されないと思います。第1波の時はこの感染者数で、7都府県にすでに緊急事態宣言を出していました。感染者の年齢層の違いや医療機関の余裕度など、その時期とは違いはあるでしょうが、政府の早急な対策が急がれますね。

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