首相の健康問題、少しは日本のことを考えよ、政権批判に現を抜かす反日メディア
昨日は野党再編の真の目的は何か、を問いました。その目的が、客観的に見て、より日本をよい方向に導いていくための方策として位置づけることにあれば、大いに結構なことでしょう。しかし実態はそう理想的なことではないようです。
メディアの世界もそうです。政権批判を間断なく続ける朝日新聞や毎日新聞は、果たしてその目的はどこにあるのでしょうか。と、問うまでもなく日本を保守からリベラルに誘導するため、もっとはっきり言えば反中国、反南北朝鮮から、親中朝に政治の主導を切り替えたい、その思惑が明確に出ています。
つまり日本の国力の強化より、自虐史観をもとに、近隣諸国への配慮の優先を求めているのです。更には国家権力に対しては異常な嫌悪感を抱きつつ、その国家権力を振りかざし人々の自由を押さえつけている、中国、南北朝鮮を擁護する、とんでもない矛盾を抱えていても、気付かないのです。
その朝日新聞や毎日新聞の記者が、現政権の安倍首相に執拗な追及を重ねています。産経新聞の昨日の記事から引用します。タイトルは『記者会見の「首相追及」手法に批判の声 「逃げる印象与える狙い」』です。
安倍晋三首相の記者会見などで事前に決められた時間を過ぎても質問を続けようとしたり、首相が回答後も「逃げないでください」などと投げかけたりする一部の取材方法に、有識者や新聞記者OBから批判が上がっている。「国民の知る権利」に応えるための追及は必要だが、手法を誤れば逆にメディアは国民の信を失いかねない。(大島悠亮)
新型コロナウイルス対策をめぐり、首相は6月18日の記者会見以降、記者団の質問に答える「ぶら下がり」形式の応答を11回行ったが、正式な記者会見は広島市で行った8月6日まで48日間、開かなかった。この間に感染は全国で再び拡大し、与党内でも首相が説明責任を果たすよう求める声が広がった。
国際大の信田智人教授(政治学)はこうした状況について、「首相が危機的状況だと認識していないように映る」と批判。名古屋外国語大の高瀬淳一教授(情報政治学)も「国民の関心が高い案件は無理をしてでも前に出て、説明したほうがいい」と指摘する。
一部のメディアは、首相の姿勢や世論の動きを見定めながら追及を強めた。
「臨時国会は準備ができれば早急に開いていただけるんですか!」
4日、首相が官邸を出る際、毎日新聞の野党担当記者から声が飛んだ。首相は一度立ち去ろうとした後、きびすを返し「与党とよく相談する」と答えた。
毎日記者の質問はここで終わらなかった。「すぐ開く必要があるんじゃないですか。逃げないでください!」と首相の背中に言葉を浴びせた。記者は動画投稿サイト「ユーチューブ」で、毎日記者の肩書を出した「ユーチューバー」として活動しており、「安倍総理を直撃!」と題した動画を投稿した。
6日には朝日新聞の記者が広島市内での記者会見で、会見終了を告げられた際も「なぜ正式な会見を開かないのか」と同様の質問を続けた。会見の前に、首相官邸報道室は空港に戻る移動時間を理由に「4問まで受ける」と説明していたが、首相は予定外となる朝日記者の質問に答えた。それでも朝日記者は納得せず質問を重ねようとした。
こうした取材手法には、新聞記者OBからも疑問の声が上がっている。
元朝日新聞記者で作家の長谷川煕氏は「首相をたたくのが正義と思い込み、政治活動をしている。首相を矮小(わいしょう)なものに見せかけることを目的としている」と批判的に語る。
元東京新聞論説副主幹でジャーナリストの長谷川幸洋氏も、会見終了時に質問を投げかける姿勢について「そういうタイミングで声をかけることで、国民に首相が逃げているような印象を与える狙いがあるような気さえする」と指摘した。
信田氏は首相への説明責任を求めているが、「マスコミ側も国家指導者への最低限のマナーを持つべきだ」とも語り、メディア側もモラルが問われると強調する。高瀬氏も「記者会見で誠実なやりとりがなくなりバトルゲームのような場になれば、『政治は下品なものだ』と国民が感じ、民主主義に参加しようという気がなくなる」と警鐘を鳴らした。
毎日新聞社は、4日の首相に対する質問や動画投稿について、産経新聞の取材に「ご指摘の質問は毎日新聞記者としての取材活動であり、動画は業務の一環です。マナーに関するご指摘は承知しており、今後に生かしてまいります」と回答した。
朝日新聞社は、6日の記者会見で首相が逃げているような印象操作を行っているとの批判について「ご指摘のような意図はまったくありません。可能な限り質問をすることは、記者の役割だと考えます」と答えた。
この新聞2社の記者に加えて、菅官房長官の記者クラブでの会見で、執拗に食い下がりバカな質問を繰り返す、東京新聞の望月衣塑子記者。いずれも政権を批判したい、と言う新聞社の目的のためだけにルールやマナーをわきまえず、ひたすら食い下がる、所謂新聞社の犬のような存在です。
その新聞社に在籍していたが退社した、長谷川煕氏や長谷川幸洋は、退社後彼らの属していた新聞社の反政権対応に、異常さを感じて様々な発言をしています。
そして安倍首相の任期があと1年余りと迫ってきたこともあり、健康問題とも絡めてポスト安倍のささやきが、あちらこちらで聞かれるようになってきました。ここでも反日メディアの「論座」(朝日新聞社の言論サイト)では、その論調をいかんなく発揮しています。元朝日新聞記者で五月書房新社編集委員会委員長の佐藤章氏のコラムを以下に引用します。タイトルは『ポスト安倍は「麻生」か「菅」か/安倍vs二階の攻防激化 安倍内閣総辞職の可能性強まる。「佐藤栄作」越えの24日以降か』(8/21)です。
日本政界は一転、風雲急を告げる雲行きとなってきた。
私が得た情報によると、8月24日以降、安倍晋三内閣は総辞職する可能性が強くなった。後継自民党総裁の調整などでまだ波乱要因があるが、情報では安倍首相の精神的疲労が大きく、首相職を継続する意欲が相当減退しているという。
8月24日は、安倍首相の連続在任日数が大叔父の佐藤栄作元首相の2798日を超えて歴代単独トップとなる日。この日以降、このトップ記録を花道に首相を退くことになりそうだ。
逆に言えば、これほど長い期間首相を続けながら「レガシー」として語られるような功績を何一つ残すことができなかった。何とも皮肉な花道と言える。
安倍首相は「麻生内閣」、二階幹事長は「菅内閣」
私が得たこの情報は最新のものであり、まず最重要の情報を真っ先に書いておこう。安倍首相は自身の後継者として麻生太郎副総理を推しているようだ。
これに対して、二階俊博自民党幹事長と菅義偉官房長官が強い難色を示しているという。情報によれば、二階氏らは「世論に批判の強い麻生首相では選挙はボロ負けになる」として「菅首相」の意向を示しているそうだ。
安倍内閣総辞職に向けてもう一つ重要な調整課題となっているのは、肝心の総辞職の理由だ。
「体調不良」が理由ではあまりに「不名誉」と首相自身が考えているらしく、公職選挙法違反罪で起訴された河井克行前法相の任命責任を第一に考えているようだ。
風雲急を告げる情勢となったのはここ19日と20日あたりで、安倍首相が慶應大学病院を受診した17日と翌日の18日までは、安倍首相自身の「体調不良」の問題を除いては自民党周辺では波風は立っていなかった。
「首相吐血」の真偽
安倍首相の体調問題と言えば、第1次政権を投げ出した原因とされる持病の潰瘍性大腸炎が指摘される。
17日に5台の車列を組んで向かった慶應大学病院では7時間半ほど病院内に留まった。安倍首相の周辺が弁明した「追加検診」「通常の健康チェック」という言葉では説明がつかないほど長い滞在時間に、「持病が悪化したのではないか」などと様々な憶測を呼んだ。
個人の健康というセンシティブな問題について、外部から論評することは一般に適切ではない。だが、国家の最高権力者の健康問題はこの国で暮らす多くの人々の暮らしに直結する重大問題だ。まして今はコロナ禍という国家的危機にある。国会も首相の記者会見も開かれず、首相の健康状態について首相官邸から明確な説明がない現状において、首相の健康を巡る情報を分析し、考察を加えることは許されるであろう。
私はこの17日夜から18日未明にかけて、安倍首相の病院入りの真相について複数の情報を得た。それらの情報はツイッターですぐにツイートした。フリージャーナリストである私は、掴んだ情報は情報源を特定されないように細心の注意を払いながら即座に流すことにしている。
国民が知るべき情報について、自分一人が胸に秘めておく特権は私にはないからだ。そのツイートの一つは次のものだ。
また追加情報が入った。昭恵と親しい元代議士が確認したところ昭恵は一笑に伏していたとの事。「小さい頃から仮病に関しては迫真の演技をする」という父晋太郎による晋三評もあるそうだ。元代議士による有力情報。先頃流れた吐血の話もウソ情報。国民相手に観測気球多すぎる。
断っておくが、私はツイッターでは公人や著名人にはほとんど敬称を略させていただいている。字数が限られている上に、特に政界関係者に対しては国民の一人からの「つぶやき」という趣旨を貫くためだ。
だが、「一笑に伏して」は「一笑に付して」の間違いである。この点は私のミスだ。
このツイートに対する安倍首相支持層からの反響は凄まじいものがあった。しかし残念なことにと言うか驚くべきことにと言うか、386もあったリプライコメントの内容はほとんど同一だった。私がかつて在籍していた朝日新聞社への批判で、文言も寸分変わらないものが多かった。政界の司令塔筋からの指示に基づくものかもしれない。
「安倍総理が、7月6日に首相執務室で吐血した」
週刊フラッシュがこの情報を流したのが8月4日発売号。私はこの話に関しても真偽を疑う情報をすぐに掴み、ツイートした。
「極秘情報」が漏れたわけ
冷静に考えていただきたい。権力の中枢にいる政治家にとって健康問題は極めて重要な情報だ。健康問題に不安を抱える権力者に付き従っていく者は少ない。
戦後の日本政治史を見ても、第55代首相を務めた石橋湛山は軽い脳梗塞を起こしてすぐに辞任、安倍首相の祖父、岸信介が後継首相となった。第58-60代首相の池田勇人の場合は喉頭がんを本人にも告知せず側近議員が池田退陣まで隠し通したという。
安倍首相が「吐血」にいたるような極めて深刻な健康問題を抱えていた場合、「吐血した」という情報は政権中枢の限られた範囲の人間しか知ることはできない。そのような極秘情報を中枢の人間が外部に漏らすだろうか。
まず漏れるはずがない「吐血」情報が週刊誌に掲載されているということは、その情報を故意に流した人間が官邸内に存在することを意味する。週刊フラッシュの記者は、その人間が極秘情報を知る立場にいることを理解しているからこそ記事を執筆したはずだ。つまり、極秘情報を流した人間は何らかの意図を持って記者に伝えたに違いない。
その意図とは何か。
「吐血」情報を皮切りにして、安倍首相の周辺からは首相の「休みなし」の勤務状態、疲労蓄積の話が沸き上がり始めた。
中でも、最も安倍首相に近いとされる甘利明・自民党税制調査会長は8月16日のフジテレビの番組で「(安倍首相は)ちょっと休んでもらいたい」と延べ、翌17日には、こんなツイートをした。
何で次から次へと日程を入れて総理を休ませないんだ!疲れ切っているのに!」「いくら言っても聞かないんです。本人が休もうとしないんです。先生からも説得して下さい!」私と総理秘書官とのやり取りです。色々なお叱りはあります。しかし側で見る限り総理は間違いなく懸命に取り組んでいます。
安倍首相に最も近い甘利氏が首相の「疲労蓄積」を訴え、本来は秘密にしておくべき最高権力者の秘書官との「やり取り」を公然とツイートする。
その日の朝、安倍首相を乗せた専用車を中にした5台の黒塗りの車列がテレビカメラの放列の前を次々に病院内に入っていく。池田元首相の事例を引くまでもなく、ここまで自らの健康問題をさらけ出す権力者はまれだろう。
「総辞職の理由」は?
安倍首相は河井元法相夫妻の選挙法違反事件をはじめ、たび重なる事件や不祥事などで追い詰められていた。加えてコロナウイルス対策にほとんど熱意を見せず、日本列島はウイルスの第2波に飲み込まれつつある。どういう対策を打つべきなのか、その方向性さえ掴めていないようだ。
そしてコロナ・パンデミックのために10月には東京オリンピック・パラリンピックの中止が本決まりとなる公算が強い。そうなれば、来年9月の総裁任期切れまで政権浮揚のチャンスはなく、解散総選挙の機会はない。
さらに11月の大統領選を控える米国では、安倍首相の盟友トランプ氏が苦境に立たされ、民主党副大統領候補に指名されたハリス氏の人気により、バイデン候補の勝利がより一層有力となった。安倍首相にとっては、外交面でも高い壁が築かれつつある。
一方、野党側は立憲民主党と国民民主党が合併して自民党に対抗する核ができつつある。追い詰められた安倍首相の周辺が考えついたのが、安倍首相の「体調不良」と、それをおして健気に解散総選挙に挑戦するというシナリオだったのではないか。政界の常識に反し、通常なら考えられないシナリオだが、そこまで追い詰められていたとも言える。
ただ、考えてみてほしい。ウイルスの第2波に見舞われつつある日本で、対策の方向性さえままならぬなかで、解散総選挙をめぐる虚実ないまぜの情報が跋扈する異様さ、否、無責任さ。だが、これらはすべて、首相の健康問題という国家の重大事態について、首相自身や首相官邸が明確な説明を避けていることに起因するものであろう。
これでコロナ第三波を乗り越えられるのか
先にも記したが、安倍首相は後継者として麻生副総理を熱望しているという。河井元法相夫妻の選挙違反事件では通常の10倍に当たる1億5000万円を河井案里参院議員に交付し、「桜を見る会」でも安倍首相側に公職選挙法違反や政治資金規正法違反の疑いが指摘されている。
自民党有力者の中で安倍首相が最も親しい麻生副総理以外の議員が後継首相となった場合、刑事捜査の手が安倍首相側に伸びてこないという保証はない。情報によれば、後継首相の人選は、最終的には安倍首相と二階幹事長との間の調整にかかっている。
しかし、この調整では、現在最も急を要する政治課題であるコロナウイルス対策などについて、後継者選択の基準になっているという情報はまったく耳に入ってこない。
麻生後継首相となった場合、この冬に予測されるコロナウイルスの第3波襲来の波を乗り越えられるか、非常に危惧される。
このコラム、いきなり『これほど長い期間首相を続けながら「レガシー」として語られるような功績を何一つ残すことができなかった』と、筆者の独断と偏見でスタートしています。
安保法制や特定秘密保護法は、左側の人間には功績ではなく蛮行に映るのでしょう。また民主党政権の負の遺産、異常な円高、深刻なデフレ、それに起因する低迷する株価の回復も、また大きく毀損された対米関係の劇的な回復も、眼中には全くないのかもしれません。
そして「内閣総辞職」を前提に、様々な憶測記事を連発しています。そこには日本を強くしたい、よい国にしたいという考えがみじんも感じられません。そうしたいと願っていた首相の政策や成果を、根底から否定しているからです。
それに総辞職したとして、後継の首相を総裁選挙なしに首相や幹事長の使命で簡単に決めることができるのか、その辺りも論理の飛躍があるのでは、と思いますね。臨時的な代理首相であれば可能でしょうが。
一方同様な内容で、ポスト安倍を論じているコラムがあります。ビジネス系ウェブメディアのJBpressに、政治評論家の紀尾井啓孟氏が寄稿したコラム『政局は重大局面、安倍政権はいつまでもつのか すでにマスコミは「辞意表明」に備え臨戦態勢へ』(8/22)で以下に引用掲載します。
安倍晋三首相は8月24日、大叔父の佐藤栄作元首相(在任1964~72年)を超える。首相連続在職日数2799日を達成し、歴代単独1位となる。第1次政権時代を合わせた通算在職日数では、すでに桂太郎を超えて憲政史上最長記録を更新している。安倍首相としては、8月24日が大きな節目となるのは当然で、本来であれば高揚感や祝賀ムードがあってもおかしくない。
しかし、残念ながら現在の永田町にはそういう空気はない。安倍首相の“体調不安説”を軸とした一大政局が展開されているのが現実だ。メディアの中には早期の「辞意表明」や「内閣総辞職」があるとみて臨戦態勢に入っている社もある。
およそ2時間20分、徹底管理された首相の「労働時間」
“体調不安説”が一気に広まったのは、8月4日発売の週刊誌「FLASH」が原因である。同誌は「安倍首相が7月6日に吐血した」とする記事を掲載し、体調の悪さをことさら強調した。従来であれば「信ぴょう性に欠ける」と無視されがちだが、今回はそうはならなかった。火のないところに煙は立たない――。各種マスコミも同様の感触を得ていたのか、永田町の住人もマスコミにつられるような形で急にソワソワし始めた。
8月16日夜には「首相が緊急入院する」との噂が永田町を駆け巡った。実際、翌17日には主治医のいる慶応大学病院に向かい、検査を受けた。病院滞在時間は約7時間半。18日は都内の自宅で静養、19日から公務に復帰した。同日発売の「週刊新潮」が安倍首相の病状に関して詳細な記事を掲載したのもタイミングが悪く、“体調不安説”はもはや既成事実であるかのように喧伝されている。
実際はどうか。
安倍首相の体調に何らかの異変が生じているのは事実だろう。例えば、安倍首相が官邸で閣僚や側近、省庁幹部らと面会していた時間をみると、違和感を覚えざるを得ない。時事通信社の「首相動静」を基に8月19日~21日の面会時間を計算してみる。
19日は約2時間18分。
20日は約2時間21分。
21日は約2時間19分。
寸分違わないレベルで厳密に時間管理がなされている。午後1時過ぎに私邸を出発し、午後6時前に官邸を出て、そのまま私邸に戻るというパターンも3日間全く同じだ。「労働時間」を徹底管理することで体調へのダメージを極力を避け、疲労がたまらないようにしていると読めなくもない。
総裁選に向けた準備運動は2カ月前から
国会閉幕直後の6月19日、安倍首相、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、甘利明自民党税制調査会長の4者会談が行われた。政権の屋台骨を支えてきた面々である。4者会談は実に3年ぶり。前回の会談後には衆院解散があったことは記憶に新しく、永田町とメディアの政局モードを煽るにはもってこいのイベントだった。出席者の1人によると、一番盛り上がった話題は「コロナ下で視聴している動画配信番組は何か」だった。ネットフリックス、アマゾン・プライムビデオなどの人気番組、さらには「任侠・Vシネマ」の話題も出たという。
「政権の最高幹部が集まってそんな話をしているのか?」と思ってしまうが、政治家はあえて雑談に終始し、本論に入らなかったりする。この夜、安倍首相以外の3人は何かしらのメッセージを受け取った可能性がある。それは「ポスト安倍」政局をスタートさせてもよい、という安倍首相からの合図だったと筆者はみる。後継総裁レースに関与したいという最高権力者の欲望がちらつく。体調に関してはこの時点では、まだ深刻ではなかったはずだ。
与党内政局を主導するのは、二階俊博自民党幹事長である。二階氏と安倍首相は6月24日と7月22日に会食している。7月22日はソフトバンクホークスの王貞治会長や俳優の杉良太郎氏も同席しているので、きな臭い話はなかったかもしれない。
二階氏は「安倍首相に呼ばれて面会すること」がほとんどない。安倍首相と会うタイミングは二階氏が決めている、というのだ。二階氏ならではの「間合い」の取り方で、その権勢ぶりがうかがえる。9月8日になれば、二階氏は政治の師にあたる田中角栄元首相を抜き、幹事長の在任日数が歴代1位となる。安倍首相との2回の会食を通じ、二階氏も当然ながら何かしらのシグナルをキャッチしただろう。
安倍首相が岸田文雄政調会長と会談したのは7月30日である。憶測でしかないが、体調に不安が生じ始めていた時期かもしれない。岸田氏は、安倍首相の意中の後継者といわれている。この夜以降、岸田氏の発信や露出の回数が多くなったことは見逃せない。
6月19日以降、自民党内では有力者たちが会合、会談、会食を繰り返し、総裁選に向けた準備運動をあからさまに行っていた。まさに政局号砲といえる。
「麻生臨時代理」説の怪
“体調不安説”を震源とする騒動は、この2カ月間の蓄積があったからこそ、拡散・拡大している。「ポスト安倍」レースで主導権を握るつもりだった安倍首相にとっても、計算違いの現実が待っていたといえなくもない。
8月20日夜、首相官邸裏のホテル内にある日本料理店に二階氏と菅氏が顔をそろえた。マスコミの取材で明らかになっているだけで、6月17日の国会閉会後、両氏が会食するのは3回目である。党の最高実力者と、政権を実質的に取り仕切るナンバー2の接触はやはり不気味に映る。
今週に入り、「麻生首相臨時代理で当面をしのぎ、来年本格的な総裁選を実施する」という噂が流れ始めた。これは「二階―菅」ラインに対抗した情報とみられる。そもそも、安倍首相に万が一のことがあっても、総裁選は必ず行われる。新総裁選出までの間、麻生氏が首相臨時代理になることは想定されるが、麻生氏が再び首相になるためには総裁選で勝利しなければならない。党員投票なし、いわゆる両院議員総会で議員票中心に総裁を決めるにしても、総裁選に出馬しなければ次期首相にはなれない。総裁選はただでさえ乱立が予想されている。「麻生臨時代理」説は、熾烈な情報戦に入った証拠だ。
無視できない安保・外交情勢
安倍首相が強い使命感、責任感を持っている政治家であることを改めて強調したい。米中関係は悪化の一途をたどっており、軍事的にも一触即発の危機にある。日本は中国に弱みを見せるわけにはいかない。安倍首相は外交・安全保障政策の観点から、自身の体調をめぐる報道に神経をとがらせているだろう。
来月、日印の安保関係を深化させる日印のオンライン首脳会談が予定されている。インドのモディ首相と安倍首相の固い絆は特筆に値する。トランプ米大統領が再選する公算も大きくなってきた。トランプ氏と円滑にコミュニケーションを図れる安倍首相は、国際社会で指導力を発揮できる。
安倍首相は2015年9月14日、安保法制を審議していた参院の特別委員会で、北澤俊美元防衛相(当時民主党)から「名立たる政治家の中に生をうけて、何を原点として、誰を目標として政治の道に入られたのか」との質問を受けた。
安倍首相はこう答えている。
「政治家になろう、職業として政治家を選ぼうということについては、言わば私においては、父親(安倍晋太郎元外相)も、祖父も現職の総理大臣、幼少の頃からそうであったということでありまして、子供は親の背を見て育つということもあるわけでございますが、父のようになりたいと考えるものでございます」
「そこで、しかし、父ががんの手術をした後、余命もう2年であったのでございますが、命を削る思いをしてロシアに赴き、当時のゴルバチョフ大統領と会談を行い、英知をもって平和条約の締結に向けて四島の問題を解決していくという言質を引き出したのでございまして、まさに命を削りながらもしっかりと国民のために奉仕をする仕事であると、こう認識を持ちながら、私も国民のためにそうした仕事を全うしたいと、こう思いを致したところでございます」
空前絶後の超長期政権を樹立した政治家ならではの気迫を感じる。
だが、政界一寸先は闇。安倍政権が重大局面を迎えている。
首相が任期中に辞任する可能性については、同様の見方を示していますが、少なくとも「論座」に見られたような、安倍首相の功績ゼロと言う極端な見方はなく、むしろ「安倍首相が強い使命感、責任感を持っている政治家であることを改めて強調したい」と言う文言からもわかるように、その資質を評価し、また外交や安全保障面での実績評価もしています。
これが普通の見方でしょう。初めから意図的な結論ありきでストーリーは後付けの、紋切り型の反政権論調は、いい加減見直したらどうでしょうか。そうでなければ今の野党同様、サヨク志向のメディアは衰退していくに違いありません。なぜなら日本にとっての存在価値がないからです。
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