安倍首相体調不良がもし現実になったら、誰が臨時首相に?
今回はメディアを賑わせている、安倍首相の体調不良に起因する辞任劇と、後継総裁の話を取り上げます。首相自身は2回目の検査後の記者会見で、「単なる検査であって2回目は1回目の検査結果を確認したのだ、そして今後とも職責を全うする」という、健康不安説を打ち消す言葉を残しています。
しかし様々なメディアでは、すべて憶測の世界ですが、相変わらずささやかれる健康不安説。その話題の中で辞任に言及する「週刊ポスト」の記事を引用します。まあ漫談でも聞くような姿勢でご覧いただければと思います。タイトルは『安倍首相体調悪化 二階、菅氏ら新・五人組は誰を選ぶか』(8/25)です。
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安倍晋三首相(65)は8月17日に慶応病院で検診を受け、当日のうちに退院した。1週間後の24日にも再度、検査を受けた。首相の体調悪化説に火をつけたのは8月4日発売の写真週刊誌『FLASH』の“吐血”報道だった。7月6日の首相動静に5時間の空白があり、永田町ではこの間に吐血したのではないかという情報がめぐっているという内容だ。
安倍首相は慶応病院に向かう2日前の8月15日、全国戦没者追悼式に出席した後、東京・渋谷区富ヶ谷の私邸に“盟友”の麻生太郎・副総理を招いて1時間ほど会談した。
「総理は自分に万が一のときを考えて、麻生さんに後を託した」
自民党ではそんな見方がまことしやかに伝わっている。現在、麻生氏は閣内での首相臨時代理の序列第1位であり、安倍首相に不測の事態が起きた場合、間違いなく総理の執務を代行することになっている。安倍首相が入院すれば、いわば“麻生臨時政権”になるのだ。
自民党では麻生氏への政権禅譲シナリオを阻止する動きが水面下で始まった。そのキーマンが、二階俊博・幹事長と菅義偉・官房長官だ。
「二階さんは政局観がズバ抜けている。頼りになる幹事長」(菅氏)
「菅官房長官は立派な指導者として活躍している」(二階氏)
と2人はスクラムを組み、9月に「地方創生・未来都市推進議員連盟」を旗揚げする。「『地方創生』を抜きにして日本の発展はあり得ない」と主張する菅氏の政策に賛同する菅―二階連合の新勢力結成といっていい。
注目されるのは、同議連の呼びかけ人には2人の他に、二階側近の林幹雄・幹事長代理、菅氏に近い森山裕・国対委員長をはじめ、最大派閥・細田派会長の細田博之・元幹事長、麻生派ナンバーツーの鈴木俊一・総務会長、竹下派幹部の関口昌一・自民党参院議員会長という党中枢や派閥領袖クラスの錚々たるメンバーが加わっていることだ。
二階派ベテラン議員は、「安倍総理にもしものときは、後継者を事実上決定できる顔触れが揃っている」と見る。麻生氏が安倍首相からの禅譲を狙えば、それを防ぐため二階氏、菅氏を中心に反麻生クーデターが起きるという読みだ。
念頭にあるのは、2000年4月、時の小渕恵三・首相が脳梗塞で倒れて搬送された翌日にホテルニューオータニで開かれた、いわゆる「五人組の密議」だ。当時のメンバーは青木幹雄・官房長官、森喜朗・幹事長、野中広務・幹事長代理、亀井静香・政調会長、村上正邦・参院議員会長で、会合では村上氏が森氏に「あんたが(総理を)やればいいじゃないか」と発言し、森後継の方針が決まったとされる。
後に村上氏は本誌・週刊ポストに、「あのときは、キャリアからいって森が一番と、誰しも思ったわけですよ。私はそれを代弁しただけ」(2016年9月2日号)と語ったが、当時の自民党で次期総理の最有力候補と見られていたのは小渕氏と総裁選を争った加藤紘一・元幹事長だった。
しかし、官房長官だった青木氏には最初から早大雄弁会の1年後輩で政治家となってからも付き合いが深かった森氏を後継首相に据える狙いがあったとされる。実際、会合には加藤派の党三役だった池田行彦・総務会長が参加していない。
さらに五人組は党内の反対を封じ込めるため、会合の2日後には自民党両院議員総会と両院の本会議を開いて森首相を選出し、加藤氏らが反対の声を上げた時には森内閣が発足していた。
これをモデルとするなら、安倍首相の体調に異変が起きたときに集まるのは菅官房長官、二階幹事長、林幹事長代理、鈴木総務会長、関口参院議員会長の“新・五人組”になる。会合には副総理の麻生氏や党三役ながら総裁候補である岸田文雄・政調会長、石破茂・元幹事長は呼ばれないはずだ。
では、次の総理・総裁には誰が選ばれる可能性が高いのか。先の二階派ベテラン議員はこう読む。
「二階さんは幹事長留任を強く希望している。麻生後継ではそれが望めない。岸田は論外、反安倍の石破でもまとまらないだろう。二階さんは万一のときに安倍路線と政権の骨格をそのまま引き継げるのは官房長官として、安倍総理を長年支えてきた菅さんしかいないと考えている」
反発しそうな麻生派や安倍首相の出身派閥・細田派への対策も前述の「地方創生・未来都市推進議員連盟」の呼びかけ人人脈がものをいう。
「温厚でバランス感覚ある麻生派の鈴木総務会長であれば、会合の席で『麻生さんは総理になるには高齢すぎる』(麻生氏は9月20日に80歳になる)と正論を言われたら反論できないだろう。最大派閥である細田派は分裂問題を抱えており、安倍さんが病気退陣となれば後継者問題でバラバラになりかねない状況だ。菅後継の方針が決まった後に細田会長の承諾を求めれば、派の結束を守りたい細田さんは受け入れざるを得ない。麻生派と細田派が飲めば党内から大きな反対は出ないはずだ」(同前)
そこまで読んだうえでの議連呼びかけ人の人選だとすれば、菅―二階連合が麻生氏より一枚上だ。
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下衆の勘繰り、と一笑に付すこともできないではありませんが、政治の世界は「一寸先は闇」、何があってもおかしくないと言いますから、こういう説もひょっとしたらあるのかもしれません。もちろんその前提は安倍総理の退陣にあって、本人がそれを否定しているのですから、まずあり得ないとも言えるでしょう。
ところがその前提が一気に崩れることもあります。もし安倍首相が無理をして職務続行をしているのだとしたら、本当に体調を崩すことも可能性ゼロではありません。
まあその時はその時ですが、菅さんの後継は一応無難には見えますね。ただ本人がどう思っているのか、菅さんは会見では「総理の芽は絶対ない」と断言していますから、固辞するかもしれませんし、首相と官房長官ではリーダーと参謀と言う大きな違いがあるので、適任かどうかも分かりません。
記事にあるように、小渕さんの後継は森さんに決まったわけですが、5人の重鎮がそろって決めた割には、森さんの首相時代は大した実績も残していなかったように思います(政権末期は極めて低い支持率だったと記憶しています)。日本の政界の話し合いによる人事は、適材適所ではなく、情実とカネで動く、その典型の様なので、安倍首相万が一の場合でも、やはり臨時政権は極力短期にして、しっかりと総裁選を経たのちに決定すべきでしょうね。
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