« 香港問題を大きな契機として、中国が世界から追いつめられるのか? | トップページ | 首相の健康問題、少しは日本のことを考えよ、政権批判に現を抜かす反日メディア »

2020年8月21日 (金)

国会の質的向上につながらない野党再編は、単なる数合わせとカネ目当てか

Img_9860890e13d9c04cb0ec8c93832631041447  立憲民主党と国民民主党の合流劇。大方の国民が多くを期待していない中で、またもその中に顔を突っ込んだ小沢一郎氏は、「次は我々の政権だ」と出来もしないことを宣います。いい加減空気を読めよと言いたくなりますが、言論の自由のこの世の中、あり得ないことでも発言するのもまあいいでしょう。

 以前から合流の話は出ていましたが、お互い主導権を握りたいのか、話し合いはなかなか進みませんでした。そのうち党名の事ですったもんだした挙句、国民民主は党を割って、合流派と反合流派に別れ、現在お互い多数派工作の最中です。

 このブログでも何回か取り上げましたが、国や国民の立場でしっかりした政策を立て、国会できちんと議論するための存在として、野党の役割は重要です。それが与党との間にいい意味での緊張感を生みだし、より洗練された立法府として、政府行政に対して優れた法律を供給することになるのです。

 ところが現状は批判とスキャンダル追及しかできない、三文週刊誌の記事なみのレベルで、これでは税金泥棒のそしりは免れません。そしていくら数合わせをしても、政策なき集団では税金泥棒そのものでしょう。

 この合流に関して産経新聞の記事は以下のように伝えています。タイトルは『政党再編で繰り返す「いつか見た風景」』(8/19)です。

 立憲民主党と国民民主党の合流が19日、大きく前進した。政界再編の動きは選挙が間近になると活発化する傾向があり、近年は野党を中心に離合集散が続く。合流で政権批判票をまとめ、与党に対峙(たいじ)しうる勢力を作る狙いがあるが、路線対立も絶えないためだ。結果的に「同じような顔ぶれ」による「いつか見た風景」が繰り返されている。

 「コンクリートから人へ」をスローガンに平成21年衆院選で政権を奪取した旧民主党は合流を繰り返して発展した。小選挙区比例代表並立制で衆院選が行われた8年に旧社会党と旧新党さきがけの一部が合流、15年には旧自由党と合併した。

 一方で離散も目立ち、政権末期の24年には、消費税増税をめぐる対立から小沢一郎氏らが離党し、新党「国民の生活が第一」(後の自由党)を結成した。

 旧民主党の後継政党にあたる旧民進党は29年衆院選を前に、当時代表だった前原誠司氏が小池百合子東京都知事率いる旧希望の党への合流を表明。ただ、小池氏が立場の異なる議員らの「排除」を表明したことに反発した枝野幸男氏が立憲民主党を結成した。結果的に前原氏の構想は頓挫し、立民以外の勢力の大半は国民民主党に移行した。

 野党の合流が相次ぐ背景には1つの選挙区から1人を選出する小選挙区制がある。政権交代可能な二大政党制が機能しやすい半面、資金力や組織力のある大政党に有利になり、規模の小さい複数の野党で政権批判票を奪い合う結果、共倒れのおそれがあるからだ。

 さらに、年末に合流構想や新党結成が浮上するのは、議員数に応じて政党交付金の交付額が決まる基準日が毎年1月1日であることとも関係している。

 今回の立憲民主党と国民民主党の合流は29年衆院選前の状況に戻ると捉えることもできるが、合流新党は「数合わせ」や「カネ目当て」との批判を払拭できるかが重要になる。

 今回の国民民主党の分裂に際して、やはり「政党交付金」の資金配分の争いが取りざたされています。この動きに対して玉木氏は「内ゲバなら全額国庫返納」と以下の産経新聞の記事のようにけん制しています。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は19日の記者会見で、同党が持つとされる約50億円の資金配分について「常識的な範囲で決まっていく。ともに歩んできた仲間なので、別れても円満かつ友好的にやることが大事だ」と語った。

 国民は同日の両院議員総会で解党して立憲民主党と合流する案を賛成多数で可決した。国民の資金は合流に参加する議員と不参加の議員の数に応じて分配する案が浮上しているが、玉木氏は「お金をめぐって内ゲバをするようなことがあれば、国民から見放される。そんなことするなら全額国庫に返した方がいい」と述べた。

 こうした動きも毎回繰り返されるようです。いずれにしろ合流するのはいいが単なる数合わせではなく、政界の理想の姿である二大政党制への布石となるよう願いたいものです。そのためには議員そのものが政権を担える資質、つまり経済、外交、安全保障、エネルギー、社会保障、教育などの基幹となる政策にきちんと精通し対応できるよう、猛勉強してもらわねばなりません。

 そう言った議員の集合した野党であれば、与党議員や政府閣僚も一段レベルの高い政策や行政を必然とするようになり、おのずと政界の質が向上するはずです(と言うのは理想論で現実はそんなに甘くはないでしょうが)。

 この再編について、フジテレビ政治部大築紅葉氏が、FNNプライムオンラインに寄稿したコラム『野党再編で枝野氏「政権に一歩」小沢氏「次は我々の政権だ」 玉木氏の国民分党決断までの舞台裏』(8/15)を以下に引用掲載します。

不完全ながらも合流実現で、枝野氏の安堵と政権奪取宣言

「月が明けた頃くらいまでには新しい形でさらにパワーアップして、いよいよ政権奪取にむけて、さらなる大きな一歩を踏み出していきたい」

8月13日、立憲民主党の枝野代表は党両院議員懇談会でこのように語気を強めた。その2日前の11日に国民民主党の玉木代表が分党を表明したことで、去年12月から半年以上も続いた立憲・国民両党の合流協議にやっと道筋が見えたことを受けての発言だ。

1月に合流協議が頓挫した直後はいがみ合ったこともあった。立憲民主党から離党者も出た。そうしたことを乗り越えて、不完全ながらも長い協議をまとめ上げたことへの枝野氏自身の安堵感が漂う言葉だった。

“豪腕”小沢氏の怪気炎「次の総選挙後が我々の政権だよ」

そして同日、かつて「豪腕」「壊し屋」とも言われた国民民主党の小沢一郎氏が枝野代表と会談し、合流新党への参加を表明。「我々が自民党・安倍政権に代わって国民のための政治を実行すると言う気概で、総選挙で政権交代を考えていくし、それが国民の期待だと思う。絶対次の総選挙の後は我々の政権だよ。間違いない」と語った。

1990年代に二大政党制を追求し、小選挙区制度を導入した立役者である小沢氏の政権交代への思いは強い。小沢氏は「一緒になろうというのが最終目的じゃない。一緒になって政権をもう一度取る。それが日本の議会政治を定着させるさらに大きな歩みになる。それが最後のご奉公だ」と言い放った。「一兵卒の最後のご奉公」この言葉を小沢氏が使ったことは実は過去にも何度かあったが、78歳になった小沢氏の言葉はさらなる覚悟を感じさせるものだった。

さらに無所属の岡田元外相のグループも12日、全員が合流新党に参加する方向性を確認した。現時点では合流新党は衆参合わせ150人程度の野党第一党となると見られる。形の上では自民党に対峙する軸がようやくできあがることになりそうだ。

カギ握る連合も合流新党支援の方針

主要支持母体である連合の神津会長も12日、傘下の組織内議員に対し、新党への参加を求める方針を決めた。そして、神津会長は同日、玉木代表の示した「分党」の方針を疑問視し、玉木代表と会談した際に「わかりやすく伝えてほしい」と注文をつけた。

玉木代表の示した分党の何が「わかりにくい」のか。今回ややこしい点は、立憲民主党や国民民主党の一部、無所属議員らで合流する新党のほかに、「もう一つの新党」ができるということだ。これは現在の国民民主党が残ると言うことではない。玉木代表が合流新党には参加せず、国民民主党という同じ党名の「新党を立ち上げる」というのだから、確かにわかりにくい構図だと言える。

代表自らが新しい党を立ち上げるという前代未聞の事態だが、玉木代表がなぜ合流せずに新党を立ち上げるに至ったのか、改めて何が起こったのかを整理したい。

協議を通じ両党内に疑念「玉木代表は合流する気あるのか」

立憲・国民両党の合流協議は去年12月に本格化したが、1月には最終段階の党首会談まで行きながら折り合えず頓挫した。新党名や政策などをめぐる溝が埋まらなかったためだが、それでも協議は、今年の通常国会が閉会した頃から水面下で再開し、両党は合流へ向けた着地点を探っていた。

しかし、協議を経ていくにつれ、玉木代表から立憲民主党への要求がどんどんと増えて行き、交渉にあたっていた両党の幹事長は「もしかしたら玉木代表は合流する気がないのではないか」と疑い始めた。国民民主党内で、合意点を見いだすために協議にあたる平野幹事長と、合流への慎重姿勢を際立たせる玉木代表の間で溝が生じていくのを感じた。

そして国民民主党側の“対等合併”の求めに応じる形で、立憲民主党が「両党が解党した上で新党を結成する」という案を提示しまとまりそうになった際には、玉木代表から新たに、新党名は投票などの民主的手続きで決めるべきだという要求が突きつけられた。

これを受け、党名維持は譲れないとしていた立憲民主党側が、代表選挙と共に投票で決める案を提示し譲歩したものの、玉木代表が今度は消費税減税などの政策面での一致を求め態度を軟化させなかったことで、両党内で玉木氏への疑念がさらに広がった。

国民民主党内では、疑心暗鬼の空気が漂い、若手議員には本当に合流できるのかという不安が募った。ベテラン議員は、玉木代表が立憲民主党を離党した山尾氏とのYouTube動画を配信していることに、「合流協議を進めている矢先にけんかを売っているのか」と違和感を吐露した。

しびれを切らした国民民主党の合流推進派

そして、国民民主党内の合流推進派による署名活動が始まったのだ。合流を望む議員は過半数に上り、「総会で過半数が合流推進と見せつけられる前に、玉木代表に合流を決断してほしい」との声が聞かれた。

こうした末に、11日の執行役員会で玉木代表が、国民民主党を分党し合流推進派の議員が立憲と新党を結成する一方、自らは合流せず合流反対派と共に新たな「国民民主党」を立ち上げる意向を表明した。

玉木代表は翌12日、BSフジのプライムニュースに出演し、執行役員会では6対3で合流に反対の意見が多く、「あのまま議決されていたら否決になっていた」と語った。しかし、党内では実際には過半数が合流に前向きだったのは明らかで、「玉木代表はあの段階で分党に振り切らざるを得なかった」(国民民主。中堅議員)と、追い詰められた上での決断だったと分析する議員もいる。

ちなみに、玉木代表が「分党」を表明した直後に、泉政調会長は執行役員会で分党を了承していないとの認識を示しており、19日の国民民主党の両院議員総会などで分党の手続きがスムーズに進むのかは、未だに定かではない。

枝野氏ら合流新党と玉木氏…それぞれが得たものは

今回の玉木代表の行動については、党内の多数が合流新党に参加する中で、代表自らが合流せずに新党を作るということに「船長が逃げ出した形だ」(国民民主・中堅議員)などと冷ややかな声が聞かれる。一方で、「合流新党では政策理念の一致が必要」という筋は通したと評価する声も多い。

玉木氏が立ち上げる新党には、すでに山尾志桜里氏らが参加を表明している。また、態度を保留している議員の多くは連合傘下の組織の動向を注視してから決める方針だが、組織の動向次第では玉木代表の立ち上げる新党に参加する議員も出てくるかもしれない。

一方、立憲民主党との合流新党側も、少しでも多くの議員の参加を得たい考えで、今後、態度未定の議員の争奪戦が起きることになりそうだ。

今回の合流劇を通じ、立憲民主党側としては、自民党に対抗するための「より大きな固まり」を作ることには成功したが、玉木氏らの離脱により国会内での共同会派の勢力よりは、人数を減らすことになるという面もある。一方の玉木氏らにとっては、少数勢力に転落することになるが、政策本位で与党を含む他党と様々な連携をしやすくなる自由度を得たという面もありそうだ。

この合流協議は、野党内に新たな分裂と禍根を残す結果となったかもしれないが、野党にどんな役割を期待し、政権を託すに値する勢力であるかどうかを判断・選択するのは主権者である国民だ。2つの新しい党がどこに向かうかは今後の展開次第だが、コロナ禍で苦しむ国民に寄り添うと共に、国民が日本の政治により期待できるような道筋を切り開いてほしいと願う。

 結局19日の両議院議員総会で、国民民主党の分党が決定しましたが、立憲民主党の立ち位置がかなり左寄りな事に、玉木氏など、より中道の人たちが二の足を踏んだというのが、現実なのではないかと思います。

 日本は欧米の民主主義国家と比べて、かなり左寄りで親共産主義の人たちがいます(いわゆるデュープス)。ですから保守、革新と言う色分けではなく、保守、中道、革新(本当は容共)の3つに分かれてしまうのでは、と思います。

 そして中道の票が今は与党にも多く流れ、国民民主や維新にはその残りが辛うじてとどまる構図ではないでしょうか。ですから中道の受け皿である、国民民主の残りの議員は、維新と組んで中道の票の掘り起こしをし、国会でのキャスティングボードを握る位置づけを狙っているのかもしれません。

 本当ならば民主主義国家日本は容共左派陣営を切り捨て、アメリカのように自由保守と中道民主の二大政党群で構成されるのが望ましいとは思いますが。

 いずれにしても、冒頭述べたように各議員が切磋琢磨して、国会を難題山積みの今の日本の、真の解決機関となって欲しいと思います(その前に国会制度改革が必要でしょうが)。

(よろしければ下記バナーの応援クリックをお願いします。)


保守ランキング

(お手数ですがこちらもポチッとクリックをお願いします)

にほんブログ村 政治ブログ 保守へ
にほんブログ村

 

« 香港問題を大きな契機として、中国が世界から追いつめられるのか? | トップページ | 首相の健康問題、少しは日本のことを考えよ、政権批判に現を抜かす反日メディア »

政治」カテゴリの記事

2023年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト
無料ブログはココログ