歴史から消し去る旧ソ連の大虐殺、中朝露、歴史の隠ぺい捏造は独裁国家の常とう手段か
今年初め、新型コロナウイルスの発生源中国で、その発生を確認した医師が、知り合いの医師たちに通報し、警鐘を鳴らそうとしましたが、その医師が拘束され、発生そのものを隠蔽しようとした武漢当局の行為が、その後世界中に知れ渡りました。共産主義国家中国での恐るべき隠ぺい工作でした。
中国だけではありません、ソ連も同様です。以前このブログで数回にわたり述べてきたように、第2次世界大戦の中での日本と米英中蘭の戦い、つまり大東亜戦争は、その後のアメリカにおける「ヴェノナ文書」などの極秘資料やルーズベルトの前の大統領フーバー氏の回顧録などから、単純に日本だけが暴走して起こした戦争ではない、と言うことが明らかになってきました。
むしろ当時暗躍したソ連共産党とその海外工作員コミンテルンが、世界への共産主義の拡大を目指し、ヨーロッパ各国で画策するとともに、日米中の中枢に深く入り込み、ソ連に有利になるようにヨーロッパとアジアで相互に戦わせた構図が、見えて来ています。
独ソ不可侵条約も日ソ中立条約もその一環です。ドイツはこの条約を破棄してソ連に戦いを挑み、逆に敗戦を呼び込んでしまいましたが、ソ連はドイツとの戦いを勝利すると、途端に日ソ中立条約を破棄し、終戦間近の8月9日日本に参戦し、あっという間に北方領土を占領奪取したのです。
そういう当時ソ連の共産党の暗躍が引き起こしたこの第2次世界大戦を、戦後の今日までドイツと日本を唯一の悪者に仕立てる、歴史捏造が繰り返されています。ドイツはヒットラー率いるナチスと言う国家社会主義政党が、ホロコーストと言う残虐な殺戮を行ったため、その責を否定できず悪者の烙印をなかなか消せませんが、日本は消してしかるべき部分も多いと思います。
しかしその後も、中国も南北朝鮮(こちらは併合時代が主ですが)も、日本だけが悪かったという歴史を作り上げ、それを国内で公のものとして教育しています。ソ連の後を継いだロシアも同様です。こうした共産主義国家やロシアや韓国のような疑似共産主義国家は、決して自身を悪く言いません。何故ならそれにより共産主義体制、又は独裁体制が危うくなるからです。つまり彼らの都合のいいように歴史を作ります。
そのロシアの歴史捏造の実態を、元幹部自衛官で軍事評論家の数多久遠氏がJBpressにコラムを寄稿しています。タイトルは『駐日ロシア大使館の情報発信に見える赤い闇 昔も今も「歴史の捏造」を繰り返すロシアの大罪』(9/03)で以下に引用します。
各国の大使館は、様々な役割を担っています。その中でも、近年SNSの普及により重要性を増している仕事が広報活動です。
日本との歴史的つながりが少なく知名度が低いと言わざるを得ないジョージア(グルジア)のティムラズ臨時代理大使などは、大使館の公式アカウントだけでなく、個人としても積極的に発信し、日本でのジョージアの知名度を非常に高めています。
ところが、逆に広報活動としてマイナス効果しかなさそうな発信をしている大使館も見受けられます。
代表的なのは駐日ロシア大使館です。最近のロシア大使館のツイッターやフェイスブックでの情報発信には首をかしげざるを得ません。第2次世界大戦の終盤、ソ連が、日ソ中立条約の有効期限内であるにかかわらず、樺太や北方領土などに侵攻したことは、多くの日本人が事実として知っています。それにもかかわらず、その侵攻を賞賛するツイートをするなど、日本人の神経を逆なでするような書き込みを平気で行っているのです。
ロシア大使館のフェイスブックではこんな具合です。
<1941年4月13日のソ日中立条約は、劇的な状況の変化、具体的には、軍事主義下の日本が、上記条約に反し、わが国と戦争状態にあるナチスドイツを支援したことにより発された、1945年4月5日付ソ連政府表明を根拠に破棄されています。この表明の正当性は、1948年11月4~12日に行われた東京裁判の資料ならびに国連憲章の相応する規定により、すべて確認されています。>
筆者の周りでは、これをロシアの横暴、あるいは広報活動に対する無理解(無知)と捉えている人が多いようですが、私は少々違った見方をしています。
SNS担当者は、相応の教養を持つエリートであり、広報活動の意義も理解しているはずです。事実、美しいロシアの風景をツイートするなど、好感の持てるツイートも見られます。それにもかかわらず、上記のように、広報としてマイナスにしかならないような内容がたびたび書き込まれます。
領土交渉において、決して譲歩しない姿勢を示すため、本国から指示を受けている可能性もあります。しかし、私は、それだけではないと見ています。
それは、そうした一連の書き込みには、一種の無邪気さ、あるいは素直さが見て取れるからです。中立条約を無視して侵攻したことに、何らのやましさも感じていないように見受けられるのです。それは、実におぞましいものの結果であるように思われます。
以下ではその理由について、ちょうど現在公開中の映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』(以下『赤い闇』、原題『Mr. Jones』、製作国:ポーランド・ウクライナ・イギリス)の紹介と併せて述べてみます。
ソ連が行った情報操作の手口
映画『赤い闇』は、実在したイギリス人ジャーナリスト、ガレス・ジョーンズの目を通して、彼の行動がなければ歴史から封殺されていたかもしれない20世紀最大の虐殺、ホロドモール(ホロコーストではありません)を描くことで、真実とそれを報道することの意義を描いた作品です。
見るべき価値のある映画ですが、残念ながら万人にオススメできるとは言えません。それは、この映画が日本人の鑑賞を想定して作られていないためです。
私(だけでなく、作家は皆そうです)が小説を書く際、描く内容について、想定読者がどの程度の知識を持っているか考慮して書きます。常識として知っているものは説明が不要ですし、知らない可能性の高いものは、説明を加えなければなりません。それと同じで、この映画は、欧米では知られていながら日本ではあまり知られていないホロドモールを描いているため、そのまま鑑賞した場合、多くの日本人にはよく理解できないであろうと思われるのです。
ホロドモールについて、20世紀最大の虐殺と書きました。それは、有名な大量虐殺であるナチスによるホロコーストよりも犠牲者の数が多いためです(ホロコーストの犠牲者は600万人以上、ホロドモールは数百万~1000万人以上とされています)。それにもかかわらず、ホロドモールは日本では驚くほど知られていません。恐らくその理由は、虐殺を行ったのがソ連だったからだろうと思われます。そのため、日本の“進歩的”マスコミの多くが、この虐殺について取り上げてこなかったのです。
また、殺害方法が直接的なものでなく、食料を奪うことによる計画的飢餓だったからということもあるでしょう。「自然発生的な飢餓である」というソ連によるプロパガンダを、いまだに報道しているケースもあります。
日本でのこうしたホロドモールに関する認知度の低さは、まさにこの映画『赤い闇』において、ソ連が狙いとした情報操作の結果そのものと言うことができます。そして、命の危険を冒してその真実を探り、報道したことが、主人公であるジャーナリスト、ガレス・ジョーンズの戦いであり、この映画のテーマにつながっています。
つまり、この映画の真のテーマは、プロパガンダや現代的な手法であるフェイクニュース、そして特殊警察などによる脅迫といった手法による情報操作と、それと戦う報道の姿勢にあるのです。
当時のソ連は、真実を探らせないよう人の往来を遮断し、金と女でマスコミを操作し、真実を報じようとする動きがあれば無関係の人物を逮捕監禁して人質とすることで報道を止めさせるという手法をとっていました。これらは、某国が今でも盛んに行っている手法そのものです。
映画『赤い闇』に興味を持ち、見に行こうかなと考えた方は、ホロドモールについてある程度簡単に調べてから鑑賞に行かれることをオススメします。また、できることなら、映画の中でモチーフとして使われていたジョージ・オーウェルによる小説『動物農場』についても、基礎知識を仕入れてから鑑賞に行かれることをお勧めします(また、一部の上映館では、既に上映が終了しているようです。上映スケジュールを確認の上、お出かけ下さい)。
“作られた”歴史を学んできたロシア人
さて、ではこの映画『赤い闇』と冒頭のロシア大使館の情報発信がどう関係するのでしょうか?
ソ連は、ホロドモールの存在を隠そうとしました。つまりウクライナで飢餓など発生しておらず、食料は行きわたっていると情報操作しました。ガレス・ジョーンズをはじめとしたジャーナリストの努力で、隠すことが不可能となると、自然発生的な飢餓だとする情報操作に切り替えています。ソ連を継承するロシアも、この方針を引き継いでいます。
そして、第2次大戦における対日参戦や北方領土の占領に関しても、当時から継続して同じことを行っています。つまり、対外的にも、対内的にも「ソ連は日ソ中立条約を破棄したため、無効である」と情報操作を行っているのです。
1945年のソ連による対日参戦から75年が経過します。現在外交の舞台に立っているロシア人のほとんどは、当時生まれてさえいなかったでしょう。彼らは、ソ連による対内的な情報操作によって“作られた”歴史を学んできたのです。彼らは「日ソ中立条約は効力を失っていた」とする“作られた”歴史を“正しい”歴史として学んできたのです。その結果、北方領土への侵攻を、誇るべき歴史として書き込んでしまっているのではないか。私は、そう考えています。
ロシアの外交官として、効果的な広報(プロパガンダ)を行うのであれば、正確な歴史を知り、その情報発信を読む日本人が、どのように感じるのか考えなければならないはずです。しかしながら、長いこと“作られた”歴史を学んで来た外交官には、それさえも難しいのかもしれません。
私がこのような認識に至ったのは、ウクライナを舞台とし、北方領土問題に関する小説『北方領土秘録 外交という名の戦場』(祥伝社)を書いた際に、あるウクライナ人に取材させてもらった時でした。その人も、北方領土問題については、ロシアの主張が正しく、日本は言いがかりをつけているだけという認識でした。ウクライナは長いあいだソ連の一部であったため、“作られた”歴史が正しいものとされていたのです。そして、現在も、ウクライナ語での北方領土問題のドキュメントが少ないため、ロシア語でそれを学んでいる結果、“作られた”歴史を、正しいものとして認識してしまっていました。
ソ連や、その継承国であるロシア、それに今も共産党による独裁が続く中国では、こうした歴史改ざんがあたり前に行われています。
それを考える契機として、映画『赤い闇』を見ることは、有意義だと思います。ただし先に述べたように、ホロドモールについては、簡単に調べてからが良いでしょう。
なお、辞任する意向を発表した安倍晋三首相は、日本の首相として初めてウクライナを訪問しています。そして、その際に、ホロドモールの犠牲者記念碑にも献花しています(左の写真)。
(*)前述の小説『北方領土秘録 外交という名の戦場』では、ホロドモールについて、もう少し詳しく触れています。また、ウクライナと日本の関係が日本とロシアの関係に影響してくることも書きましたので、本稿とあわせてぜひお読みいただければと思います。
ドイツのホロコーストより残虐な、世界最大の虐殺であった「ホロドモール」、不勉強な私は、飢饉による餓死者が膨大な数出たことは知っていましたが、「ホロドモール」と言う名称や、それが人工的な大飢饉、つまり大虐殺だったことを初めて正確に認識しました。しかし安倍首相はすでにご存じだったのですね。
日本は東京裁判で、ドイツナチスと同じような残虐な戦争をしたという理由づけのため、南京大虐殺をでっちあげられました。でもそれでも30万人。戦時下でないにしてもホロドモールの異様さが際立ちます。
それを国民にひた隠しにするロシア、そしてそのことで連想するのが、中国毛沢東施政下での大躍進政策や、文化大革命による数千万人にのぼる大虐殺です。これは外国人である我々には知られていますが、中国国民には捏造歴史によって隠ぺいされています。何しろこの殺人鬼のような人物のバカでかい肖像画が、未だに天安門広場に飾られているのです。とてつもなく異様で恐ろしさを禁じえません。
共産主義国家、同様に独裁国家では、反対勢力の粛清は普通の出来事です。しかし中ソの一般国民を巻き込んでの虐殺は、数多氏の指摘の通りホロコーストを上回るものでしょう。殆ど情報はありませんが北朝鮮でも同様な餓死者や虐殺者がかなり出ているのではないでしょうか。
韓国も含むこうした歴史を捏造する国には、領土を返せとか拉致した者を返せと言っても、無理なような気がします。こういう国には不法占拠した、不法に拉致をした(金正日が一時認めましたが)という歴史は、全くないからです。そして韓国のように、やってもいない強制連行や強制労働をでっち上げられ、不当な賠償を要求されているのが現状です。
日本は安倍首相が戦後70年談話で述べたように、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と言う言葉をかみしめ、こうした歴史を捏造する国に、真の歴史はこうだと、史実に基づき発信し続ける必要があるでしょう。
逆に今までの日本は「自虐史観」に囚われ、言いたいことも言わず、ただひたすら謝ってきました。日本人同士であれば「謝罪」すれば許そうという気になりますが、国際社会では「謝罪」は罪を認めること。確かにあの戦争で多くの人が死に、多くの施設や家が破壊されました。それに対する「謝罪」は必要です。でもサンフランシスコ講和条約、日韓基本条約、日中平和友好条約そして日ソ共同宣言等で、本来ならば「謝罪」と「賠償」は終了しているはずなのです。
しかしそれでも特に韓国は、今でもまだ慰安婦問題、徴用工問題等を引きづっています。北朝鮮は拉致被害者には口を閉ざしたままだし、ロシアは北方領土返還に絡む平和条約の締結を引き延ばしています。中国は尖閣を狙っていますし、次は沖縄に手を出す構えを見せています。
当たり前です、日本がこれらの問題に関して、歴史的論争を仕掛けるわけでもなく、GHQが仕掛け作り上げて、今では中韓ロが利用している、戦闘能力非保持の「日本弱体化憲法」を後生大事に保持し続けているのを、これらの国は見逃しません。子供は弱いものをいじめたり金を巻き上げたりします。国際社会はこうした弱肉強食の子供社会の生き写しです。
いじめられず金も巻き上げられないようにするには、強くならなければなりません。相手が金属バットで殴りかかるのに、素手で相手はできません。自分にも金属バットが必要でしょう。もちろん自分から殴れと言うのではありません。殴られないように身構えれば、相手もそうやすやすと殴ってきません。そのことにいい加減気付いてほしい、特に9条信者の皆さんに言いたいと思います。
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