反日日本人の思想の源流、コミンテルンによる日本共産党へのテーゼ
以前にもこのブログで述べた、戦前のアメリカと日本に入り込んだ、ソ連共産党が世界に共産主義を拡散しようと作り上げた国際共産党組織コミンテルン。もちろん日米以外にも、その矛先は多くの国に向けられましたが、とりわけ日本の共産主義化を狙っていたようです。
共産主義化の第一ステップはその国の弱体化です。当時の国際情勢の中で、日本の弱体化を進める最も有効な手段は、対中・対米戦に向かわせることでした。そのためアメリカのルーズベルト政権に深く入り込み、中国の国民党にも共産主義者を入り込ませ、やがて日中戦争、大東亜戦争へ向かわせます。
コミンテルンは、実はそれ以外にも日本に共産党を組織させ、日本の近代化は全くお粗末で、前近代のままだという教示を拡散することを狙っていました。その毒牙にかかったのが、当時のインテリと言われる進歩的知識人でした。
その詳細を記した書籍が、谷沢永一氏の「反日的日本人の思想」です。この書籍の中では、日本の進歩的な識者と言われる人たちがなぜ強固な反日思想を持っているのか、又左翼共産主義にかぶれているのか、を明快に解き明かしています。その概要はこうです。
詳細は省きますが、日本は明治維新以降欧米列強に植民地化されるのを阻止しようと、富国強兵、殖産興業に努めました。しかしロシアと言うアジア大陸の北に覇権国家があり、その脅威から日本を守るため、日清戦争、日露戦争を戦い、特に日露戦争はその当時の軍事大国で白人国家ロシアを、黄色人種が初めて破った戦争として歴史に残ります。
しかしこれをロシア側から見れば大変な屈辱で、またロシア革命への遠因となりました。もちろん革命後の共産主義国家ソ連のスターリンにとっても、日本は第一の報復の相手となります。共産主義革命の世界への拡散を狙った、コミンテルンの標的になったことは火を見るより明らかでしょう。
コミンテルンは日本にも共産党を組織させ、数々の画策を続けている中で、「日本における情勢と日本共産党についてのテーゼ」と題する文書を作って、日本共産党に授けました。以下谷沢氏の著書から引用します。
神のお告げ”となった運動方針書
「日本における情勢と日本共産党の任務についてのテーゼ」と題する文書をつくって、日本共産党に授けたのは国際共産党組織(コミンテルン)です。
ときに1932年4月でありましたから、以後、「三十二年テーゼ」と言いならわされるようになりました。テーゼとは、運動方針書、というほどの意味です。
この文書は、日本語訳にして1万字あまり、400字詰め原稿用紙になおすと30枚足らず、そんなに詳しく長い記述ではありません。しかし、この文書がいったん日本に伝えられるや否や、わが国における(当時の)すべての共産主義者および同調者はひとり残らず、ただちに平伏し礼拝せんばかりに丸暗記して拳々服庸しました。もちろん共産主義者でない人たちは、こんな阿呆陀羅経を頭から問題にしませんでしたけれど、一方、たとえかすかにでも共産主義に近寄っていたひとびとは、全員こぞって神から与えられた聖典のように恭しく信仰しました。
それから数えて60年(この書籍は1999年発売です)を超す今日に至るまで、わが国における左翼人であって、なおかつ「三十二年テーゼ」に多少とも批判の言辞を吐いた人はひとりもありません。たとえ一字一句でも、訂正の必要ありと申し立てた人はいないのです。それどころか、少しおかしいぞと、疑義を抱いた人もありません。
それではなぜ彼らは神から与えられた聖典のように恭しく信仰し、疑義を抱かないのでしょうか。その理由を同書から引用します。
日本の(当時の)左翼人は国際共産党組織(コミンテルン)に対して理も非もなく無批判に平伏しました。だから、そのお墨つきである「三十二年テーゼ」は天下至上の尊い賜わりものとなります。国際共産党組織はこの地上における最高貴尊の機関なのです。国際共産党組織が間違うことなど金輪際ありえません。国際共産党組織は常に正しく完全に無謬なのです。
ゆえに「三十二年テーゼ」を疑うのは神を疑うにひとしい冒涜となります。「三十二年テーゼ」は絶対的に正しいと念じて、敬虔に拝脆しなければなりません。
では、なぜ国際共産党組織は無謬なのか。それは国際共産主義運動の司令塔だからです。その司令塔に、なにゆえ絶対の服従を誓わなければならないのか。理論の筋道は、次のように組み立てられます。
① 共産主義の実現は、人類にとって最高至上なる幸福状態の達成である。
② ゆえに共産主義の闘士は、世界歴史が発展してゆく基本法則の見通しを誤りなく立てているのであるから、その世界認識は透徹していて無謬であり至当である。
③ それら闘士の先頭をゆく職業革命家は、レーニンが太鼓判を捺したように「もっともたしかな、経験に富み、鍛錬された」(邦訳『レーニン全集』5巻493頁)人たちであるから、絶対の信頼を寄せるに足る。
④ こういう職業革命家として、闘争の前衛である秀れた人たちをさらに指導する立場にある各国の代表は、これ以上のぞむべくもない最高の全智全能である。
⑤ その代表が寄り集って合議のうえ出される国際共産党組織の決定は、現代世界における最高至上の洞察であり指導理論である。
この理論を丸々信じて疑わない、まるで一種の宗教ですね。それもほとんどカルトに近い。そしてこの「三十二年テーゼ」が規定した近代日本史とはどんなものかと言うと、これがまた完全捏造の代物です。
確かに私の大学在学中に、共産主義を標榜する様々な学生組織があり、その中の日本社会主義青年同盟(社青同)解放派のリーダーが、ロシア革命を異常に礼賛している光景を見ましたが、共産主義思想が大学の教授、学生に広く拡散している様子が見て取れました。さてそれでは、問題の「三十二年テーゼ」には、一体どういうことが書き記されてあるのでしょうか。さしあたり近代日本史に関する論述としては、次のような章句が見られます。続けて引用します。
① 日本は強盗的帝国主義であり、現に帝国主義的強盗戦争をおこなっている。(「強盗」という評語が何回も何回も繰り返し出てきます)。
② 日本独占資本主義は絶対主義的な軍事的・封建的帝国主義であり、軍事的冒険主義である。(「封建的」と念を押しています)。
③ 日本の独占資本は、いまなお前資本主義的諸関係の緻密な網に絡みこまれている(「前資本主義的」と決めつけています)。
④ 日本の国内には封建制の強大な遺物、農民にたいする半封建的な搾取方法、が認められる(「封建制の強大な遺物」を指示し「半封建」と規定しています)。
⑤ 日本資本主義は、軍事的・警察的反動の状況のもとで、また国内における封建制の 遺物の基礎の上で育ってきた(繰り返し「封建制の遺物」が強調されます)。
⑥ 日本はフランスと共にソヴィエトの国に対する出征の発頭人としての役割を引きうけ、反ソヴィエト計画を持っている。
一読しただけで、いわゆる社会科学的用語における錯乱が明らかでしょう。
普通に『帝国主義論』と呼ばれているレーニンの著作は、正確な書名が『資本主義の最高の段階としての帝国主義』(全集22巻)なのです。その意味で日本は、帝国主義なんですね。
日本の左翼人は、特にいちおう学者面している気取り屋は、実は、学者の風上にもおけぬ文字どおりの偽者でした。本来、学者の学者たる面目は、自分の乏しい能力を根かぎりふりしぼって、たとえ僅かでも創意工夫を世にさしだす努力のうえに成りたちます。その根本的な目標である独創を目指さず、「三十二年テーゼ」の奴隷に甘んじた阿呆者たちによって、いわゆる進歩派の論壇がおおいに栄えました。
戦前・戦中においてすらなかなかの繁昌だったのですから、ましてや戦後は、左翼人が進歩的文化人としての装いをこらし、とんだりはねたりの大合唱となりました。その行きつくところが反目的日本人としての陰湿な論調です。日本という国を非難し、日本近代史を攻撃し、日本の国民性を貶める弾劾の論法こそ、彼らの至りついた究極の姿勢でした。繰り返しますが、そういう方向の議論は、すべて「三十二年テーゼ」の復唱であり言い換えであったのです。
コミンテルンは既述の通り、日本以外にもその魔の手を伸ばしますが、とりわけ日本を徹底的な攻撃の相手としたのは、ソ連の南下と太平洋への進出の狙いだけではなく、日露戦争への報復が大きいと思います。日本の敗戦間際の参戦や北方領土の不当な占拠、そして北方領土に住む日本人への凌辱や強姦・略奪、満州兵のシベリア抑留と強制労働、すべて報復としか思えません。
そして日本の敗戦によってGHQが占領政策を実施しますが、その施策の中での公職追放の後で復帰した、多くの敗戦利得者たる共産主義者や進歩的文化人が、この「三十二年テーゼ」を引っ提げて再登場し、過去の日本を非難し、攻撃し、弾劾し、罵倒し、侮蔑し続けて今日に至るのです。そして戦後はこの敗戦利得者に加え、GHQのプレスコードで徹底的に検閲され、一気に左翼の論調に切り替わった多くのメディアが、過去の日本だけでなく、時の政権への批判と、周辺国への謝罪要求をしつこいほど突き付けているのです。そこに日本人が日本を貶める、と言う他の国ではあまり見られない構図が出来上がっています。
(ただ一つ運命的ともいえる日本にとって良かったことは、ソ連共産党からの占領を逃れ、共産化しなかったことでしょう。これはGHQの遺した最大の日本への貢献といえるでしょう。)
日本は結局、ソ連の前身ロシアを恐れ、そのロシアの侵攻の防衛のために、日露戦争を戦い、朝鮮を併合し、満州に進出しました。そして革命を経て共産主義国家となったソ連から多くのスパイにかく乱され、前述のように日中戦争を泥沼化にし、米国のルーズベルト政権をほんろうしたコミンテルンによって、日米戦争へと突き進んだわけです。
もちろん大東亜戦争の要因はそれだけではないにしろ、反共を掲げた日本が逆にソ連共産党に完敗した戦前・戦中の歴史だといえるかもしれません。そして今その共産主義の主役が中国共産党へと交代し、再び日本に立ちふさがっています。共産主義との戦いはまだまだ続くことになるでしょう。
日韓併合の後始末というおまけもついて、戦後の日本に「謝罪に明け暮れる結果」を残した、何とも言い難いこの百年余りの歴史です。安倍元首相の遺した「戦後レジームからの脱却」をぜひとも達成したいと思いますが、そのためにもこの反日カルト集団を何とかして、日本を普通の国にして行く必要があります。
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