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2020年10月16日 (金)

「大阪都構想」が反対派からこれほど“毛嫌い”される理由』

Https___imgixproxyn8sjp_dsxmzo6487511012  11月1日に「大阪都構想」に対する住民投票が行われることになったようです。私は大阪市民でも府民でもないので、直接の関与も影響もありません。ただ興味がないかと言われれば、それなりに注目はします。しかしだからと言って賛成、反対どちら側に立つわけではありません。その最大の理由は「直接関係ないので」と言うことになってしまいます。

 日本の地方行政の一大転換、という見方もあるようですが、何しろその詳細が分かりません。そこで今回は、経営コンサルト企業、「有限会社いろは」の代表取締役である竹内謙礼氏が「WEB Voice」に寄稿したコラムから、その詳細を引用紹介させていただきます。タイトルは『「大阪都構想」が反対派からこれほど“毛嫌い”される理由』(10/12)です。

《政令指定都市である大阪市を廃止して4つの特別区に再編するいわゆる「大阪都構想」。大阪市と大阪府の二重行政を取り除くことで、行政の意思決定のスピードの向上、無駄な支出の削減などを目指すという構想である。

2015年には住民投票で僅差で否決も、2020年11月1日に再び住民投票が行われることでにわかに注目が集まっているが、この「都構想」の具体的な内容をしっかりと理解できている人は多くないのではなかろうか。

かつて日本維新の会の「選挙キャッチコピー」をWEB記事で大酷評した竹内謙礼氏(千葉県在住)もそんな一人だったが、仕事で「都構想」にまつわる一冊の本を読むこととなり、あることに気づいたという》

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維新の会の選挙コピーを酷評したら、意外なことが…

3年前、あるWEBニュース媒体で、選挙のキャッチコピーを添削する仕事をさせて頂いた。過去12年間の選挙をさかのぼり、ひとつひとつ添削して、好き放題書かせてもらった。

その中で、私は日本維新の会のキャッチコピーを酷評した。「長い!」「伝わりにくい!」「情報発信の経験不足!」とコテンパンに書いた。ここまで辛辣な意見を書いたら流石に怒られるのではないかと思ったが、案の定、日本維新の会の関係者から「話がしたい」という連絡が入った。

怒られると思いきや、「正直なことをいろいろ書いてくれてありがとう」と感謝の言葉を述べられた。議員の間で私の記事をコピーして読みまわしたらしく、今後の選挙の参考にさせて欲しいとまで言われた。

それまで、私は政治家に対していい印象を持っていなかった。しかし、その電話をきっかけに、少しだけ政治家に対するイメージが変わった。

大阪市が無くなって困るのは誰か

今回、2020年11月1日に日本維新の会の母体となる、大阪維新の会が推進する「大阪都構想」の住民投票が行われる。

私がキャッチコピーをコテンパンに書いた時と状況は大きく違う。2019年に行われた大阪市長と大阪知事が入れ替わるダブルクロス選挙で、知事と市長の両方が再選。

大阪維新の会は大阪府議会で過半数を占め、大阪市会でも過半数近くまで議席を獲得するほどの大勝となった。その後、新型コロナウイルス対策でも吉村知事の人気は急上昇。今、日本で最も勢いのある政党だと言っても過言ではない。

しかし、大阪都構想に対して反対する意見が多いのも事実である。大阪市がなくなると困ることがたくさんありそうだし、今の状況で誰も困っていないのなら、それをわざわざ変える必要もない。

そもそも、大阪府をひとつにする必要性が分からない。私が住む千葉県にも「千葉市」という政令都市があるが、そのことで困っている住民は誰もいないはずだ。

51gn09u6yol_sx341_bo1204203200_ そんな疑心暗鬼な思いを抱えている中、知り合いの編集者を通じて、過去に編集のお手伝いをさせていただいことのある、日本維新の会の東徹参議院議員が執筆した『やさしく解説! すっきりわかる! 大阪都構想』の原稿を一読して欲しいという依頼を受けた。

先述した政党のキャッチコピーを添削する仕事をした以降、政治関連の仕事が増えていた私は、興味半分でその原稿を読んでみることにした。

大阪の「区」と東京の「区」では根本的な違いがある

結論から先に言えば、この本を読んで「なるほど」と思える点がいくつかあった。

まず、大阪市がなくなっても、思いのほか面倒なことがない点である。住所変更等で住民が手続きすることが増えるわけでもなく、24区が4区に集約されても、従来の区役所の窓口は同じ場所に残り続けるので、特に手続きする場所が遠くなることもない。

大阪市が今まで請け負っていた仕事を、特別区の4区が引き継ぐだけの話なので、行政サービスや地域のお祭りが無くなるわけでもないし、生活保護のサービスが劣化したり、高齢者向けのサービスが消滅したりすることもない。当然、税金が上がったり、行政のサービスの利用料が上がったりすることもない。

「何にも変わらないなら、今のままでいいじゃないか」

そう思ったが、読み進めてみるとそうでもないらしい。現在、大阪は24区に分かれているが、この制度では東京23区のように、各区が予算を決めたり、条例を決めたりする権限がない。しかも、区長も選挙で決められないため、独自の政策を打ち出すこともできない。

つまり、今の大阪市は240万人の住民を、大阪市長一人で面倒を見ている形になっているのである。これでは流石に行政のフットワークが鈍くなってしまう。その問題を解消するために、4つに区分けして、できるだけきめ細かいサービスにしようというのが、今回の大阪都構想の本質部分なのである。

今まで、大阪市を大阪府が吸収してしまうと、おおざっぱな行政になるため、住民には不利益が多いと思っていた。しかし、「機能しない24区」よりも、「機能する4区」に切り替えたほうが、確かに住民に対してのサービスはきめ細かいものになりそうである。

もうひとつ、都構想の合点がいったことは、「政令都市」という考え方そのものが、今の時代にあっていないという点だった。

東京にも、実は戦時中まで35区の「東京市」というものが存在しており、二重行政がたびたび問題になっていた。それを1943年に東条英機が強引に統合して、今の「東京都」が誕生した。つまり、都構想の問題は、すでに戦時中の東京で行われた改革案だったのである。

しかし、終戦後の1947年に地方自治法が成立し、人口50万人の大都市を府県から独立させる「特別市」の制度が制定されることになる。

戦後の政府としては、大きな都市にはもっと力をつけてもらい、府県が口を出せないような権限を与えて、都市開発を急加速させたい思惑があった。特別市の候補にあがったのが、大阪市、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市の5大都市。

しかし、地域内の中核都市が管轄外になることに府県は猛反発。特に対立が激しかったのが大阪市と大阪府だったのだ。

その後、問題になった特別市は施行されないまま、1956年に代替「政令指定都市制度」が創設された。事実上、特別市が認められる形となり、大阪市と大阪府は対立構造を引きずったまま、今の行政の形になってしまったのである。

当時はまだ高度成長期ということもあり、大阪市と大阪府が別々にインフラ整備や産業振興を行い、お互いが切磋琢磨し合うことで、独自に成長を続けるメリットがあった。しかし、経済が停滞し、人口が減少していく中では、逆に無駄な部分が露呈してしまい、大阪の経済を停滞させている要因になってしまった。

このような歪みが大阪だけ露骨に出てしまったのは、おそらく政令都市にするには大阪市の人口が多すぎてしまったからではないだろうか。

他の都道府県の政令都市のように街の規模が小さければ、きめ細かい行政サービスを提供することができたが、日本第二の都市である大阪の規模では、そのような細かいフットワークを効かせるには人口が大きすぎてしまったように思える。

事実、戦中に一つにまとめられた「東京都」は、23区の特別区に切り替えたことで、フットワークの軽さを生かして都市として急成長した。対して、大阪は鉄道同士の乗り入れが悪かったり、高速道路の繋がりが悪かったり、都市として未熟な面が目につく街となった。

「それが大阪やねん」

そう言って今までは冗談にすることができたが、それらの不便さの要因は、二重行政が抱える決定力の遅さと、大阪府と大阪市が生み出す軋轢に要因があるのではないかと思えてしまう。

なお、現在は松井市長と吉村知事が同じ政党ということもあり、連携しながら大阪の行政改革が行われている。しかし、選挙と市長と知事が別の政党になってしまうと、再び二重行政のしがらみに大阪は悩まされることになる。

本書の巻末の三者鼎談のインタビュー内で、吉村知事が、同じ政党で市と府が連携を取って行政改革を行ったとしても、「本当にしんどい」と嘆いているコメントには、市と府の連携の難しさが垣間見れる。

他にも本書では、「大阪都構想をなぜやらなくてはいけないのか?」という疑問に、東参議院議員が丁寧に答える形で書き記されている。

一番読み応えがあったのが、第五章の「大阪都構想はどうして誤解を招くのか?」のところだ。都構想の反対派の過激な行動に苦慮する話が書かれているのだが、そのような反対派の意見を強くしてしまった要因のひとつとして、東参議院議員は「維新の会は誤解を招きやすい政党である」と、本書で素直に認めているのである。

しかも、「大いに反省するべき点」だと書いた上で、「大阪都構想は、維新の会が好きとか嫌いとかという感情から、一度切り離して考えて欲しい」と述べており、純粋に行政の改革案として、大阪都構想を見て欲しいという強い思いが伝わってくる。

この文章を読んだ時、3年前に政党のキャッチコピーを辛辣に評価した際、日本維新の会の関係者に「正直なことをいろいろ書いてくれてありがとう」と言われた時のことを思い出してしまった。

考えてみれば、都構想が実現すれば、最も職を失うのが、議席数で過半数近くを占める大阪維新の会の議員たちである。大阪市の松井市長に限っては自分の職がなくなる可能性があるのにも関わらず、大阪市をなくそうとしているのだから、自分で自分の首を切りに行っているようなものである。

そこまで覚悟を決めて都構想を実現しようとしているのだから、「じゃあ、やってみろよ」と、彼らの思うようにやらせてみたい気にもなってしまう。

「千葉県民のお前が言うんじゃない!」とお叱りの言葉を受けるかもしれないが、どこに向かって進もうとしているのかさっぱり分からないタレント知事の元で暮らす県民にとっては、少しだけ大阪が羨ましく思えてしまうのが本音である。

本書は大阪市に住む人たちが読むべき本かもしれないが、他の都道府県の人が読んでも「自分の住んでいる街は大丈夫だろうか」と、真剣に行政のことを考えるきっかけになる良書と言える。

読後に大阪に対して軽いジェラシーが湧いてしまい、大阪という街が好きになってしまう副作用もあるが、その点もふくめて、ぜひみなさんに読んでいただきたい行政が学べる異色の一冊である。

 ◇

 このコラムニスト竹内謙礼氏は千葉県の人で、あの現知事には少し不満を持っている人のようです。その面からか、大阪が少しうらやましく思えてしまうと仰っておられますが、千葉県と千葉市の関係は簡単に人口だけ見ても628万人中97万人(県人口の15%強)ですから、大阪の882万人中269万人(府人口の30%強)と、様子が違います。千葉には無縁の話かもしれません。

 しかし竹内氏が大阪は日本第二の都市だと仰っていますが、第二の都市は横浜で、372万人もいます。県の人口は920万人ですから、横浜は県人口の40%強を占め、大阪より二重行政の問題があるのかもしれません。横浜以外にも人口148万人の川崎市、72万人の相模原市を抱え、その3政令指定市で県人口の64%強を占めているのです。こんな都道府県は他にないでしょうし、本当に二重行政の問題はないのでしょうか。

 いずれにせよ、もし大阪都構想が可決され、その意図するところの行政改革が走り出せば、メリット、デメリットが実態として炙り出されてくるので、興味のあるところです。竹内氏のコラムにもあるように、「議員自身が自己の身を切ることができる」か、どうかが、この行政改革のポイントでしょうね。大阪維新の会のような、そのことを一つの目的とした政党でなければ難しいようにも思えますが。

 私自身も国、都道府県、政令指定都市、市町村という現在の行政区分が最適かどうかは分かりません。ただ一つ言えることは大阪のような特殊な場所でない限り、それを推進すべき主体が議員であるという実態から見れば、その自己保身を無視し行政改革にまい進することなど、あり得ないような、絶望的な気持になります。

 菅首相の改革マインドをもって、国が主導してやる道も模索されますが、国と地方の問題はやはり一線を引かねばなりません。最後の手段は、毒をもって毒を制する、財政支援団体に陥ることにより、行革を法の下で指示命令するしか方法がないとすれば、寂しい限りです。しかし今のままの人口減少と、福祉を始めとする行政要求が過大化すれば、それも現実になるかもしれません。

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