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2021年6月24日 (木)

香港で「報道の自由」が終わりを告げる 中国に踏みつぶされた「蘋果日報」

Img_cfb2e80cbe0b046cad70664fc3b436071308  中国共産党がまた暴挙に出ました。中共の意を受けた香港当局の度重なる取り締まりの中、資産凍結という荒療治を受け事業継続の断念を余儀なくされる形で、蘋果日報(リンゴ日報) が昨日休刊を発表しました。

 産経新聞は共同通信の記事を引用し『リンゴ日報、100万部発行 廃刊嘆く市民、長蛇の列』というタイトルで、現地の様子を以下のように伝えています。

 ◇

 中国に批判的な論調で知られた民主派系の香港紙、蘋果日報(リンゴ日報)は24日、最後の新聞として過去最多の100万部を発行し、26年の歴史に幕を閉じた。前夜から新聞スタンドに長蛇の列をつくって購入した市民らは廃刊を惜しみ「言論の自由が失われる」と嘆いた。

 同社は23日、警察によりさらなる逮捕者が出る危険を避けるため、記者らに本社には戻らないよう通知。最低限の編集者だけを残し、深夜まで編集作業を行った。本社ビルの周囲には多くの市民が集まり「蘋果日報、頑張れ。香港人頑張れ。最後まで支持する」などとエールを送った。

 蘋果日報は、実業家だった黎智英氏が1995年に創刊。黎氏は、89年に中国が民主化運動を武力弾圧した天安門事件に衝撃を受け、メディア業界に参入。一貫して中国政府に批判的な同紙の論調をリードした。(共同)

 各国メディアもこの件に関し様々の形で伝えています。同じ産経新聞の記事から引用します。タイトルは『「香港の自由に打撃」 蘋果日報休刊で各国メディア』です。

 香港の蘋果日報(アップルデイリー)が発行停止を発表したことを受け、旧宗主国である英国でBBC放送(電子版)が23日、「香港のメディアの自由に打撃を与えた」との見方を示すなど、各国から報道の自由が失われることに対する懸念の声が相次いだ。

 BBCは蘋果日報について「香港で最も大きな『民主主義の声』の一つ」とし、「長期にわたり、中国語圏における報道の自由を照らし出す光だった」とたたえた。

 「香港と中国の指導者を批判する代表的な出版物」とし、「26年間で中国に挑戦する数少ない存在へと進化した」と強調。「香港の反体制派に広く支持されてきた」と振り返った。

 また、BBCは、香港政府が政府に反発する声を抑える新たな手段を講じる可能性が懸念されているとの見方を示した。

 発行停止の発表を受け、英紙ガーディアン(同)も「民主化運動のシンボルがなくなった」と指摘。英スカイニューズ・テレビ(同)は香港でのメディアの自由やその他の権利が失われるという「警戒感が高まっている」と強調した。

 米国のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は「中国は実質的に蘋果日報を沈黙させた」と報じるとともに、住民の「アップル・デイリーが『禁断の果実』になろうとは思わなかった」との落胆の声を紹介した。

 一方、ロシアメディアは事実関係を淡々と伝えるにとどめた。国営イタル・タス通信は23日、蘋果日報が発行停止を発表したとする記事を配信。同社の声明の一部を引用し、香港国家安全維持法(国安法)に基づく資産凍結や編集幹部の拘束などの経過も伝えた。

 政権と一定の距離を取る民営インタファクス通信をはじめ、露各紙や独立系メディアの多くは休刊を報じても事実関係のみの短い記事にとどまっている。

 ただ、蘋果日報の休刊は露メディアにとって人ごとではない。プーチン政権は現在、政権に批判的なメディアを中心に、スパイと同義語の「外国の代理人」への指定を進めている。財務状況や活動内容などが当局の厳しい監視下に置かれる外国の代理人制度は、政権による実質的な言論封殺の手段となっている。

 実際、良質な調査報道で知られる電子新聞「メドゥーザ」は4月に外国の代理人に指定され、多くのスポンサー企業が撤退。経営が悪化し、存続が危ぶまれている。5月に指定された電子メディア「Vタイムズ」は今月、広告収入減少を理由に活動停止を発表した。(ロンドン 板東和正、モスクワ 小野田雄一)

 さすがに欧米とは距離を置く、やや親中姿勢のロシアメディアの論調は異なりますが、対岸の火事では済まされないという懸念も示されています。

 ここでこの件に関し詳細を述べている、元産経新聞特派員で現フリージャーナリストの福島香氏のコラムを取り上げます。タイトルは『今日、香港で「報道の自由」が終わりを告げる 中国に踏みつぶされた「蘋果日報」』(6/24 JBpress)で以下に引用掲載します。

 かつて報道天国と呼ばれた香港で、1つの時代をつくったメディア「蘋果日報(ひんかにっぽう)」(Apple Daily、リンゴ日報)が6月24日の紙面をもって、その26年の歴史に終止符を打つ。それは香港の報道の自由の終焉を意味する。香港で特派員生活のスタートを切った私としては、なんともつらく悲しい弔いの気持ちでこの原稿を書いている。

 香港の取材現場で一番出会うことが多かったのは蘋果日報の記者であった。困ったときに手を差し伸べてくれたのも蘋果日報の記者が多かった。李怡はじめ、私の尊敬するジャーナリストやコラムニストたちの連載もたくさんあった。

 その一方で、いわゆるグレーゾーンのぎりぎりの取材、タブーへの挑戦、一部の読者たちからみれば鼻白むような芸能ネタやプライバシー侵害を疑われるような過激で下品な記事も多く、ゴシップ報道、イエロージャーナリズムの代名詞として、メディアの中では低く扱われることもあった。

 だが、習近平政権になり、香港メディアへの弾圧が本格化して以降、蘋果日報ほど果敢であった新聞を私はほかに知らない。

 2014年の雨傘運動のとき、「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」も「明報」も中国当局に過剰に忖度して、香港の経済や観光、市民生活に悪影響を及ぼす懸念を報じていた。それに対して蘋果日報だけが、公道を占拠する若者たちの思いを代弁して報じていた。このとき、香港のコンビニで一番早く売り切れていたのは蘋果日報だった。反送中デモの報道も、主要紙がデモ参加者を“暴徒”と非難する報道を行っている中で、蘋果日報はデモ参加者の主張を正確に伝える紙面づくりに徹していた。

 ゴシップ、イエロージャーナリズム、けっこうではないか。それは権威と相対する大衆の視線に身を置き、大衆の知りたいという欲望に忠実であるということだ。ある意味、ジャーナリズムの本質ではないか。

徹底したアンチ共産党の黎智英

 香港中文大学メディア民意調査センターの調べでは、2013年以降、香港市民からの信頼度を唯一高めた新聞は蘋果日報だ。2019年時点で、蘋果日報の信頼度は明報に匹敵している。明報は1959年創刊、あの知る人ぞ知る武侠小説家、金庸らが創刊した伝統ある新聞で、文化大革命を批判的に報じ、香港の左派紙と激しい論争を行ったことでも知られる。

 2002年4月、私は九龍嘉道の豪邸を訪れ、蘋果日報を発行するネクスト・デジタルの創業者である黎智英(れい・ちえい、ジミー・ライ)にインタビューした。

 黎智英は自伝『我是黎智英』にサインしながら、自分は徹底したアンチ共産党だ、と語っていた。12歳で中国・広東省から香港に単身でやって来た黎智英は、コツコツ働いて貯めた金を株で増やし、アパレルブランド「ジョルダーノ」を創業。天安門事件に対する怒りのメッセージをプリントしたTシャツを大ヒットさせるなど事業は成功を収め、その資金を投じてメディア業に参入した。彼には、最初から香港の自由を共産党の魔の手から守ろうという強い意思があった。だが、それでも祖国中国への愛着はあったようで、中国の広東省で蘋果日報をいつか売るのだと夢を語っていた。「中国は変わる」とも言っていた。

 その時は私も、いずれ中国が国際社会の普遍的価値観を共有する日がきて、報道の自由は香港から広東省へ、そして北京へと広がっていくのだという期待をもったものだ。

 今、収監中の黎智英はあの時の夢をどんな思いで振り返っているだろう。

資産を凍結し、幹部5人を逮捕

 そんな蘋果日報について、どんなことが起こったのかきちんと伝えておきたい。

 6月17日、香港警察は500人を動員し、ネクスト・デジタル本部と蘋果日報社へのガサ入れ(家宅捜査)を行い、取材資料など44枚のディスクなどを押収。また、「外国あるいは国家安全保障を脅かす外部勢力と共謀した」として、「香港版国家安全維持法」(国安法)違反の名目で幹部5人をそれぞれ自宅で逮捕した。逮捕されたのは、蘋果日報の羅偉光編集局長、陳沛敏副社長、張志偉ディレクター、ネクスト・デジタルの張剣虹CEO、周達権COOである。同時にネクスト・デジタルの資産230万ドル(1800万香港ドル)を凍結した。

 蘋果日報はこの翌日6月18日、通常の発行部数の5倍に当たる50万部の新聞を発行。1面トップは、香港警察にガサ入れされ、自社幹部が5人逮捕されたニュースだった。蘋果日報を愛する市民は、18日未明、まだ暗いうちから新聞スタンドの前に並び、刷り上がったばかりの新聞が運び込まれる様子を見守っていた。応援のつもりで、何十部も買ってゆく市民の姿もあった。

 最後の発行となる6月24日付蘋果日報は100万部が刷られるらしい。私の香港の友人たちは、夜が明ける前からスタンド前に行って、まだインクの湿った新聞を買うのだろう。私の分も買ってもらうように頼んだ。

 黎智英は5月28日に無認可集会組織、参与などの罪で禁固14か月の判決を受け、それ以前に受けた判決も加えると累計20カ月の禁固刑で収監中だ。さらに、「国外勢力と結託して国家安全に危害を加えようとした」とされ、国安法違反で起訴されている。黎智英の保有する資産も、5月14日に国安法違反を理由に凍結された。この個人資産にはネクスト・デジタル株の71%が含まれている。

 これを受けて、台湾で発行している蘋果日報は5月17日をもって停刊していた。この流れから、香港の蘋果日報の停刊、そしてネクスト・デジタルそのものの廃業は時間の問題だとみられていた。そして、とどめを刺したのが6月17日のガサ入れ、ということになる。ちなみに、黎智英とネクスト・デジタル幹部のどのような行為が具体的に国安法違反に当たるのかは、つまびらかにされていない。

資産凍結は「国家安全に危害を加えた」から

 ネクスト・デジタルは社員・従業員たちに対して、6月21日から即日離職を選択できる旨を通達していた。役員会では、李家超保安局長あてに手紙を出し、従業員への給与の支払いなどを行うため、ネクスト・デジタルグループの企業口座の凍結を25日前に解除するよう求めた。

 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、6月22日の行政会議前の記者会見で、蘋果日報が国家安全に危害を加え続けるのを防ぐために資産を凍結したこと、国際慣例に倣った措置であること、を説明し、資産凍結を解除するかどうかについては回答を拒否した。

 また「報道の仕事は国家安全に危害を加えるものであってはならない。メディアは政府を批判してもいいが、国家安全に危害を加えることはできない。記者はそこをわきまえるべきだ」と強調。「(蘋果日報は)国家安全に危害を与える行為に関わった」「メディアの責任者は報道の自由を隠れ蓑にすべきではない」「今回の事件で、国家安全危害予防の概念を可視化したことの意味は大きい」とも述べた。さらに外国政府に対し、「香港が国安法を、メディアや言論の自由を弾圧する道具にしている」という非難をしないよう釘を刺した。

 香港の新興メディア「香港01」によれば、蘋果日報の多くの記者、社員が6月21日に離職を決定したという。今回、国安法違反で逮捕された蘋果日報のニュースプラットフォーム・ディレクターの張志偉はすでに辞職している。

 またネクスト・デジタル制作のテレビ報道番組「9時半蘋果新聞報道」は、6月21日夜が最後の放送となった。ニュースキャスタ―の謝馨怡は視聴者に向かって「とても残念なお知らせです。今晩が最後の放送になります」と伝えた。蘋果日報の財金ネットは22日未明、サイト上で「これをもって更新を停止します」と伝えた。

 香港記者協会は21日、香港政府に対して「労働者の最も基本的な権利は汗を流して食い扶持を稼ぐことだ。香港政府は、この企業の社員・従業員の給与を保障しなければならない」との声明を出した。警察による幹部たちの取り調べが数百人の社員、従業員の権益に影響を与えるべきではない、と強調し、「国際金融センターである香港で、上場企業の数百人の社員・従業員への給与が未払いになることは容認できない」と述べるとともに、香港の企業やメディアに対して、蘋果日報の社員・従業員に仕事を提供できる場合は協会に連絡をとるよう、呼びかけた。

「数十年前の台湾よりもひどい」

 今回の蘋果日報停刊の一番の理由は、国安法により黎智英の個人資産とネクスト・デジタルの企業資産の両方が凍結され、運営資金が尽きたからだ。

 黎智英自身は刑務所に入っても戦い続ける、とかつて発言しており、現場の記者たちも闘志を失っていなかった。だが、人は食わずには生きていけない。こういう形でメディアの息の根が止められると、香港の他のメディアも香港市民も誰も抵抗できなくなってしまう。

 もし、抵抗手段があるとするならば、米国を中心とした国際社会が、蘋果日報の資産凍結を行った銀行に対してSWIFT(国際銀行間通信協会)ネットワークの使用を禁じるといった制裁措置をとるなどの力技しかない。

 だが、まがりなりにも国際金融センターである香港で金融デカップリング(切り離し)制裁に踏み込むと、西側国際社会が受ける痛手も大きい。米国企業を含め多くの国際企業が香港に資産を置いている。もし、蘋果日報やネクスト・デジタルを擁護したり、資金の補填や移転などに加担すれば、その企業や、その企業の幹部も資産凍結の目に合うかもしれない。

 多くのメディア関係者たちが、今の香港を台湾の戒厳令時代に例えるようになった。

 台湾華人である民主書院董事会主席の曾建元は米メディア「ボイス・オブ・アメリカ」に対し、「今の香港は数十年前の台湾よりもひどい」と語っている。「台湾の戒厳令時代は、報道の検閲は事後検閲だった。政府は新聞社に自己検閲させて、違反すれば罰金を課した。新聞社の資産を凍結して、経営させないようにして潰すのは、人民の財産権を侵害するに等しい。財産は憲法で保障される基本的権利だ。たとえ凍結するにしても、司法の判決があって初めて凍結が可能となるものなのに」と。

 今回の蘋果日報潰しは、香港メディアに対する大がかりな恫喝であった。他のメディアはもう抵抗する気力もないだろう。

 私たちにできるのは、香港がかつて報道天国といわれた時代があったということを忘れないことだ。そして、もう一度、報道の自由がいかにかけがえのないものなのかを真剣に考えてほしい。報道の自由の死が中国から日本や台湾、周辺国家に広がるのをどうやって食い止めるかを考えなければ、蘋果日報の死は報われない。

 ◇

 政府批判をするデモを暴力で鎮圧するとともに、国家安全維持法という強力な治安維持法を使って、国家の安全に危害を加えたと、でっち上げて取り締まる、完全な強権政治です。自己の方針に従わないものは完全に排除する、これが共産主義者の典型的なやり方です。

 この「報道の自由」への蹂躙を、日本のメディアはどう受け止めているのでしょうか。朝日新聞や毎日新聞、東京新聞など政府批判の急先鋒の新聞は、日本での「報道の自由」のありがたさをかみしめているでしょうか。むしろそれを自分たちの特権のように扱って、角度をつけ、捏造までして報道するその様を、この香港メディアの実態から少しは反省してほしいものです。

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