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2021年7月 7日 (水)

習近平も打たない!中国製ワクチンの闇

0c10  前回は北朝鮮の医療事情を取り上げましたが、今回は中国、チャイナのワクチン事情を取り上げます。欧米とともに、世界に先駆けてワクチンを開発した中国、すでに4割以上6億人を超す国民が1回の接種を終え、2億人を超える人が接種完了となっています。

 しかし接種状況とは別に、ワクチンに関する様々な問題も発生しているようです。少し前の記事ですが、中国事情に詳しいフリージャーナリストの福島香織氏が、月刊Hanadaプラスに投稿したコラムを以下に引用します。タイトルは『習近平も打たない!中国製ワクチンの闇』(6/2)です。

生理食塩水をワクチンと偽って販売などは日常茶飯事の相次ぐ悪質な偽ワクチン事件。そして今や第三国の途上国を実験場にするワクチン外交に対しても批判が続出。中国人自身も信用しない中国製ワクチンの深すぎる闇。

ミネラルウォーターをワクチンと称して

中国製新型コロナワクチンの途上国への無償提供品が2月から続々と現地に到着し、いよいよ中国のワクチン外交がスタートしようというなか、中国では偽ワクチンが押収される事件が起きた。  

偽ワクチン、低品質ワクチンは、中国においては伝統的といってもいいくらいの社会問題だ。また、第三フェーズ臨床実験のデータの詳細が公表されておらず、その効果や信頼性に疑問を持つ声も少なくない。  

一方、WHOやGaviワクチンアライアンス、CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)が主導するワクチン共同購入による途上国への公平分配プラットフォーム、COVAXが機能するには、目下、安価で温度管理のたやすい中国製ワクチンに頼らざるを得ない状況だ。  

パンデミックを終息させることができるか否かはワクチン次第。そして、ワクチンを制する国がポストコロナの国際社会の新たな枠組みの基軸となる、という見通しもあるなか、中国のワクチンは単に医療や健康の問題以上に、政治や安全保障のテーマとしても気になるところだ。  

中国外交部は2月1日に、中国最初の対外無償援助による新型コロナワクチンがパキスタンに到着したと発表したのだが、この同日、中国公安部は、江蘇省などでニセ新型コロナワクチン販売事件摘発を発表し、中国の新型コロナワクチン外交に水を差すかっこうになった。  

新華社によれば、生理食塩水をシノファームの新型コロナワクチンと偽って、注射針とセットで、江蘇省、山東省、北京などで販売していたという。当局は3000回分の偽ワクチンを押収したほか、製造、販売にかかわった80人余りを逮捕している。  

また2月11日には、ミネラルウォーターをワクチンと称して、香港や海外に販売していたケースも摘発されたと報じられている。こちらは生理食塩水ワクチンより悪質。こんなものを打てば細菌感染などの問題が生じて命の危険もあるとして、中国当局も警告を発している。

在日中国人を通じて未承認の中国ワクチンを

いずれも同一主犯の組織犯罪で、2020年9月から生理食塩水などをワクチンと偽って販売したところ、飛ぶように売れた。それで生理食塩水が足りなくなったので、ミネラルウォーターで代用したという。  

この組織の摘発は昨年11月から始まったが、すでに5万8000回分の偽ワクチンを製造販売し、1800万元の違法利益をあげていた。  

こうした低レベルの偽ワクチンは微信などSNSを通じて売られていることが多く、包装も本物とまったく同じ、製造ナンバーももっともらしく打っているので、まず外見からは判別がつかない。  

しかも1回分498元とかなり高価だ。本物のワクチンの通常価格は200元。これは、中国が自国製造ワクチンをワクチン外交に優先利用するために国内には十分に回ってこないという「ウワサ」に踊らされて慌てて買おうとする人が多い、という背景もある。  

ちなみに、日本向けにもこうした中国製低レベル偽ワクチンがダークウェブを通じて売られる危険性について、共同通信などが情報セキュリティ企業S&J社長らの取材をもとに報じている。  

中国科学院武漢ウイルス研究所の科学者チームの組織を名乗り、「中国には他国に分けないワクチンがあるが、我々を通せば融通できる」 「ワクチンの売り上げは寄付する」などと騙り、値段はビットコインで約7000円だとか。  

また、毎日新聞が報じていたところでは、「特別ルート」で在日中国人を通じて、企業トップや政界に通じる人物たち少なくとも18人に未承認の中国製ワクチンの接種を行っていたことが判明している。この在日中国人は、共産党幹部の知り合いから、日本に中国製ワクチンが受け入れられる下地を作るために協力を依頼されたとか。  

近年、中国人資本家らが中国人医療ツーリズム受け入れ施設を確保するために、日本の病院に出資したり、あるいは買収したり、ビジネスを持ち掛けたりする動きがある。こうした中国と関係の深いクリニックを通じて、中国としては日本で中国製ワクチン支持を広めたいようだ。

国有製薬会社のワクチンでも危険

だが、こうした悪質な偽ワクチンの問題だけでなく、「中国のワクチン自体が本当に信頼できるのだろうか」という問題は、中国人自身も気にしているところだ。  

実際に、立派な国有製薬会社でつくられているワクチンですら、製造過程でデータが改竄されたり、あるいは使用期限切れのワクチンを横流しするような問題や、輸送や温度管理上劣化した低品質ワクチンを幼児に接種したりする事件が繰り返されてきた。  

比較的最近の事件として有名なのは、長春長生生物科技、武漢生物科技などが製造した三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)の劣化ワクチン65万本(長生25万本、武漢40万本)が出荷され、35万人以上の子供たちに接種されてしまった2018年の劣化ワクチン問題だ。  

これは最初、人用狂犬病予防ワクチンの製造過程でデータの改竄があったことが内部告発されて、その調査の延長で、三種混合ワクチンでも製造過程に不正があったことが判明したのだった。

失脚した「ワクチンの女王」

また、武漢生物科技のワクチンは不良反応を引き起こしたとして、被害者から二度ほど賠償請求裁判を起こされ、17・5万ドル相当の賠償金を支払ったこともある。さらには、少なくとも三度にわたり地方の疾病予防コントロールセンターの官僚たちに、ワクチン購入に対する謝礼という名の賄賂を支払っていたことも暴かれている。  

2018年に中国社会を揺るがした三種混合劣化ワクチン問題は、ワクチンの女王と呼ばれた長春長生生物科技の会長の高俊芳が汚職で失脚し、上場取り消し、破産という形で一件落着となったが、では中国のワクチン市場の構造的問題が完全に是正されたかというと、そうではない。  

三種混合ワクチン事件のもう一つの当事企業、武漢生物科技は、問題が起きたのち罰金などの行政処分を受けたが、中国の最大国有製薬企業シノファーム傘下企業とあって、ほとんどそのままの体制で生き延び、武漢生物製品研究所として、新型コロナの不活化ワクチン開発、製造に参加している。シノファームの不活化ワクチンは、主にこの企業が製造したものだ。

スキャンダルの前科

ニューヨーク・タイムズなどが、このあたりのワクチン問題について特集記事で取り上げていたので参考にして紹介すると、不活化ワクチン・コロナバックを製造しているシノバック・バイオテックも、スキャンダルの前科がある。  

2002年から2014年にかけて、医薬品認可担当の官僚に5万ドル近い賄賂を贈り、不正に医薬品認可を受けていたことが、かつて暴露された。当時の総経理は北京大学教授の尹衛東だが、処罰されることなく、現在、同企業のCEOに出世している。  

シノバックは、北京科興ホールディングスと北京大学未名生物工程集団が合資で創ったバイオハイテク企業で、尹衛東は中国バイオ研究の権威であり、国家八六三計画(中国のハイテク発展計画)バイオ領域の審査委員でもある。  

人民日報など中国国内報道によれば、中国は新型コロナ肺炎ワクチンに関する煩雑な手続きをできるだけ削減して、すべての資源を製薬企業に投じているという。その投資の規模と中国的な規制の甘さで、これら企業のワクチン開発のスピード感は米国や英国を超える勢いだ。  

だが、それが中国ワクチン業界の伝統的な傲慢さや汚職体質を悪化させるのではないか、と危ぶまれているのだ。  

中国のワクチンはおよそ16種類が研究開発中で、そのうちシノファームの不活化ワクチン、シノバックの不活化ワクチン「コロナバック」、解放軍との協力によるカンシノ・バイオロジクスのアデノウイルス5ベクターワクチン「Ad5-nCoV」の三つが、すでに国内外で接種が開始されている。  

コロナバックは2週間の間隔をあけて2回接種が必要で、ブラジルで行われた第三フェーズ臨床12000人の18歳以上の医療従事者への接種についてシノバックが公表した統計分析によれば、医療措置が必要ない軽症者を含むすべての新型コロナ感染に対する有効予防率は50・65%、医療措置が必要な感染に対する予防率が83・7%、重症化・死亡予防率は100%だったという。

予防率50・4%と大幅修正

1月はじめには中間予防率は78%と発表されていた。ただ、その1週間後、治験を行った側のブラジル当局が予防率50・4%と大幅に修正する数字を公表し、コロナバックに対する信頼性が一気に落ちる事態になった。  

ブラジル側は治験中に死者が出て、治験自体を一時延期したことがあった。結局、976万人以上の感染者を出しているブラジル当局は中国ワクチンへの不平や不信を言いながらも、1月下旬からコロナバックを、英国のアストラゼネカのアデノウイルスワクチン・コビシールドともに緊急使用を承認、接種が始まっている。800万回分のうち600万回分がコロナバックだ。  

コロナバックの予防率が50・4%だとすると、WHOが定義するワクチンの基準50%の予防率からみて、ぎりぎりワクチンとして認められる品質レベル。  

だが、ファイザーやモデルナなどのmRNAワクチンは、保管温度がマイナス70度からマイナス20度と不活化ワクチンやアデノウイルスベクターワクチンよりよっぽど取り扱いが難しく、また振動にも弱いとされるので、アフリカや東南アジア方面に流通させることは土台無理なのだ。なによりも値段も高価で、世界中の先進国で争奪戦になっている。  

なので、途上国に配布するならば、たとえ予防率が50%ちょっとでも、値段、供給量の面からみてコロナバックが手ごろ、ということになる。  

ちなみにシノファームの不活化ワクチンは、アラブ首長国連邦における第三フェーズ治験の昨年12月に発表された中間報告で、中間予防率86%と公表されている。ペルーでは、シノファームワクチンでやはり深刻な副作用が報告され、一度治験を中断している。  

中国はこの二種の安価で扱いやすい量産できるワクチンをもって、一帯一路沿線国を中心にワクチン外交を展開しようと考えている。

中国の“属国”ですら拒否

中国は2月以降、パキスタンを皮切りに、チリ、ブルネイ、ネパール、フィリピン、スリランカ、モンゴル、パレスチナ、ベラルーシ、シエラレオネ、ジンバブエなど10カ国以上で無償ワクチン支援を進め、次々に中国製ワクチン接種が開始される。さらに38カ国が中国にワクチン支援を求めており、少なくとも50カ国以上の国家が中国製ワクチンを頼りにしているという。  

また、COVAXを通じて中国製ワクチンを世界各国に提供する姿勢を強調している。治験に参加し、中国製ワクチン開発に協力した国としてはアラブ首長国連邦、モロッコ、インドネシア、トルコ、ブラジル、チリなどがある。  

こうしてみると、世界の途上国のほとんどが中国製ワクチンに依存しつつある。  

だがいまのところ、このワクチン外交がすばらしく成功しているかというと、そうではないようだ。 たとえば、シンガポールのシンクタンク・ヨセフ・イサック研究所がASEAN10カ国の研究者、官僚、ビジネスマンら1000人あまりに対して行った調査によれば、回答者の44%が「このパンデミックにおいてASEAN地域に対する中国の支援は日本や欧米を越えている」と認めているにもかかわらず、「米国と中国とどちらを信頼するか」という質問には61%が米国を選択した。  

また、63%の回答者が「中国は信用できず、中国の世界に対する貢献を拒絶する」と答えている。この対中不信の割合は、2019年の同様の調査より高い。  

中国の“属国”とまで言われるほど経済的に中国依存が進んでいるカンボジアのフン・セン首相ですら、昨年末に中国製ワクチンについて不信感を丸出しにして、「WHOが承認しないワクチンは購入しない」と言い、WHOの承認をまだ得ていない中国ワクチンについて、「カンボジアはゴミ箱じゃないし、ワクチン試験場でもない」と直言していた。  

中国が東南アジアにワクチンを強引に売りつけようとしていることへの不信感の表れだ、と当時大きく報じられた。  

結局、2月10日になって、カンボジアもシノファームの不活化ワクチンの接種が軍部主導で始まったが、フン・センの当時の発言は、東南アジア諸国首脳の本音だったかもしれない。

中国人自身もワクチン外交に微妙な反応

英国の市場調査会社YouGovが17カ国1万9000人を対象に、異なる12カ国が開発したワクチンに対する印象評価を調査したところ、中国はイランについで下から2番目。下から3番目はインド、下から4番目はロシアだ。トップ評価は上からドイツ、カナダ、英国だった。  

中国製ワクチンにプラス評価をつけた国は、中国自身(+83)のほかはメキシコ(+16)、インドネシア(+5)だけだ。中国製ワクチンに一番評価が厳しい国は、デンマーク(-53)、オーストラリア(-46)。  

香港も、なまじっか中国のワクチン禍事件をよく知っているだけに、中国ワクチンへの信頼性は低い。YouGovの調査では(-20)。香港大学の民意調査では、「香港人にワクチン接種を受けたいか」 「どのワクチンを受けたいか」というアンケートで、「ワクチン接種自体を受けたい」という回答は46%、「どのワクチンを受けたいか」という選択肢では、ファイザー・ビオンテックのワクチンが56%、アストラゼネカが35%、コロナバックは29%と一番低かった。ちなみにYouGovの調査では、日本はワクチン開発国としても、評価者側にも含まれていない。  

中国人自身も、中国共産党政府によるこのワクチン外交に微妙な反応を示している。  

武漢の感染者遺族でもある張海はラジオフリーアジア(RFA)のインタビューに答えて、「中国政府が国内で十分にワクチン保障ができていないのに、海外に無償援助でワクチンを送るなんて全く理解できない」と訴えている。 「ワクチンを外国に援助する余裕があるのなら、中国の経済に投入すべきではないか? なぜ自国民の待遇を改善しないのか? 外国援助に大枚を払い、私たち、感染者遺族や被害者は完全に無視している」

一般に、世界的範囲でワクチンを生産できる国は、まず自国民接種を優先し、次に第三国に販売、最後はCOVAXに提供する。それが、民主国家の常識的な判断だ。  

だが中国は、最初にWHOの安全審査も迂回して、パキスタンやチリのような途上国に対し、中国製ワクチンの「無償援助」を行う。これは、中国の野望である中華秩序で支配する新たな国際社会の枠組みに向けた布石のワクチン外交だとみられている。  

習近平政権の認識は、いまの時代が100年に一度の変局の時であり、これまでの米国一極世界が終わり、新たな国際社会の枠組みが再構築される時代だというものだ。そして新型コロナパンデミックが終わったポストコロナ時代こそ、中国が基軸となる新しい世界が広がる、というのがいわゆる「中華民族の偉大なる復興という中国の夢」という習近平のスローガンなのだ。

第三国を実験場にしている

米国の疫学専門家のジェニファー・ボウエイはRFAに対し、こうコメントしている。 「WHOの審査要求は合理的であり、正しく、中国にとってもよい。中国のワクチンは、このようにWHOに品質の保証をしてもらえば、安全だと世界にみてもらえるだろう。しかし、中国が個別の国と一対一の契約によって提供しているものは、(ワクチンの品質を保証するうえで)中国にとっても、その国家にとっても一定のリスクがある」  

ボウエイの指摘によれば、2010年から2011年にかけて、中国がアフリカに大量の抗マラリヤ薬の援助を行ったことがあったが、その時も偽薬問題が発生した。中国はSRA(WHOの厳格な監督管理機構、Stringent Regulatory Authority)に加盟しておらず、第三国が品質を保証するシステムがないことが、一つの背景となっている。  

中国のワクチンは第三フェーズ臨床数のデータが正式に公表されておらず、WHOもまだ品質証明を出していない。なのに、すでに50カ国以上にワクチン支援を約束していることは、くしくもカンボジアの首相が批判したように、第三国の途上国を実験場にしていると見られても仕方ないだろう。

実際、シノファームは1月のはじめにワクチンの副作用について73種類をあげ、中国国内の専門家も臨床データが公表されるまでは、18~59歳の原則健康な人が同意をへて受けるべきだ、と接種に慎重な姿勢を見せているのだから。

 ◇

 少し前の情報を元にしていますが、いずれにしても中国政府のやり方には問題がありそうですし、それでなくてもその品質にはかなり疑問がわいてきます。はっきり言ってまだまだ先進国のレベルには到達していないと言えるでしょう。

 その品質の問題の負い目を隠すように、すでに手なずけた形のWHOを通じてこの記事の書かれた後の5月7日シノファームのワクチン、6月1日にはシノバックのワクチンの緊急使用を認めさせました。日本はこれらのワクチンを使用していませんが、今後とも使用しないことが健康被害を起こさないために必要だと痛感します。

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