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2021年8月13日 (金)

韓国で自動車文化が育たないのはなぜか、韓国人の特性がそこに潜む

K  今回は韓国の話題です。韓国が自動車生産ランキングで5位にランキングされている、私も初耳でした。それほど目立たない国なのですが、それも何か理由がありそうです。

 フリーの自動車コラムニスト黄旭翼氏が、JBpressに寄稿したコラム『“自動車生産大国”なのに韓国で自動車文化が育たないのはなぜか 古いものに価値を見出さず、見栄を重視する韓国人の消費特性』(8/9)にその理由を見ることができます。以下に引用して掲載します。

 ◇

 アジアで日本に続いて2番目に自動車生産を始めた韓国は、2000年代に入って、日本とともに自動車生産量でグローバルTOP5入りを果たした。

 だが、クラシックカーやチューニング、各種自動車イベントといった自動車文化の発展という面ではどうなのだろうか。 韓国メディアは、「韓国の自動車文化はアジアで日本に次ぐ」と評価するが、自動車コラムニストとして世界を巡り歩いた筆者の考えは違う。

 韓国には、日本や台湾、マレーシア、またタイのような自動車文化はない。生産量はグローバルTOP5だが、自動車文化や関連する法律はアジアで最下位に近いと考えている。

 筆者は海外の自動車関連業界の人々と一緒に仕事しているが、中でも日本の業界関係者との交流が最も多い。大手自動車メーカー、レーシングチーム、チューニングメーカー、クラシックカーの博物館、イベント主催者などだ。

 その多くが韓国の自動車文化に関心を示すが、韓国の自動車文化を紹介するのは容易ではない。韓国の自動車文化に特有の歴史や自動車に対する考え方、社会構造などを短時間で説明することは不可能に近い。

 かつて現代自動車が日本に進出して失敗したが、自動車に対する日本と韓国の見方は全くといっていいほど異なっている。一部の自動車メーカーが寡占状態にある韓国の自動車関連作業は、中国の水準にも及ばない。

 韓国の自動車文化は、体格が大きい5歳児に例えるとわかりやすいかもしれない。

 韓国の自動車メーカーは何よりもまず利益を追求するため、まともな自動車文化を育てることを疎かにしてきたといって過言ではない。生産量はグローバルTOP5だが、日本のような自動車にかける情熱や技術力競争、合理的な法律などが、韓国には存在しないのだ。

憧れの日本で受けた自動車文化の衝撃

 自動車についてしっかりと学びたいと考えた筆者は、約20年前、初めて日本を訪れた。日本のビザは2002年Fワールドカップ(W杯)開催まで取得することが難しかった。日本のビザがパスポートに記録されていたら、厳しいことで有名な米国ビザも容易に取得できると噂されたほどだった。それでも、何とかビザを取得し、憧れの日本に足を踏み入れた。

 日本に到着した筆者はあらゆる面で衝撃を受けた。多様な軽自動車に驚き、歩行者に配慮する運転手に驚いた。韓国ではクラクションが日常的に鳴っているが、日本に滞在している間、クラクションの音を聞いたのは一度だけだった。

 トヨタが運営する「メガウェブ」や「ヒストリーガレージ」、自動車関連イベントや一般人らが参加できるアトラクションにも驚愕した。マンガ『頭文字(イニシャル)D』や華麗なドリフト、トヨタの高級スポーツ車「スープラ」、ホンダの高級スポーツ車「NSX」くらいしか知らなかった筆者には衝撃の連続だった。

 中でも、最も印象的だったのは、多くの軽自動車や用途に合わせた自動車が道路を行き交う姿だった。2000cc級の中型車以上の車だらけの韓国と全く違っていた。

 レンタカーを借りた時も、左ハンドルと右ハンドルの違いはあるが、少しも気にならなかった。運転者は常に歩行者に注意を払い、歩行者が自動車を恐れることはない。その姿に衝撃を受けた。

 韓国はいまだに歩行者が自動車を避けて通らなければならない。交通渋滞が発生することが分かっていても、無理して交差点に突入する。先に行こうと強引に割り込む運転者も少なくない。状況は中国とよく似ており、韓国に来た外国人には理解できないようだ。

 韓国のメディアや専門家は、韓国に自動車や交通文化がないのは「歴史が短く“圧縮成長”した」からだと評する。だが、韓国の自動車の歴史はすでに50年を超えており、登録台数も2500万台を超えている。歴史や圧縮成長は言い訳にはならない。

 多くの原因は、日本の様な自動車学校制度がなく、米国のように簡易的試験で簡単に免許が取れてしまうため、ドライバーとしての配慮や道徳、マナーが欠如している点にある。

自動車業界を分裂させる韓国の利益団体

 韓国は日本や米国、欧州と比べて自動車団体がとても多い。日本には完成車関連やチューニング関連など10を超える団体があり、それらの団体が声を合わせて協調する姿を羨ましく思う。なぜならば、韓国の自動車関連団体は、自分たちの利益のためだけに活動するケースが多いからだ。

 東京モーターショーや東京オートサロンのように、日本はさまざまな自動車関連団体が一堂に会して自動車文化を醸成する。一方、韓国の団体は自分たちの利益を優先し、似たようなイベントをそれぞれが開催して市場の分裂を生み出す。これでは、市場の拡大や文化の醸成が図られることはない。

 たとえば、韓国内で選手が100人に満たないドリフト競技が、4つの団体に分かれて開催されたことがある。東京オートサロンをベンチマーキングしたソウルオートサロンも2つの団体が別々に主催した。チューニングも3つの関連団体がそれぞれの利益を求めて競っている。

 韓国で自動車文化が定着しないもう一つの要因に、韓国人の消費特性がある。韓国人は自分に必要かどうかより他人にどう見られるかを重視するため、消費者の関心が高いのは新しいモデルばかりだ。それゆえに、国内の自動車メーカーや輸入代理店が自動車文化やヘリテージに関して何か活動することはほとんどない。クラシックカーの基準も不明確で、悲しいことにクラシックカーについて何も理解していない。

 韓国においてメルセデス・ベンツのSクラスやEクラスは、アジアの中で中国に次ぐ販売数を誇る。この数字は日本より多いが、韓国人の所得水準が日本人よりも高いわけではなく、人口比で考えると異常である。家はなくとも、高級車を購入して誇示する習性を捨てられないのだ。

 自動車メーカーや輸入会社は、その消費心理を利用して多様な金融商品を出している。消費者心理が「カープア(car poor:身の丈に合わない車に乗る貧困者)」を生み出し、韓国の自動車文化に定着している。消費者心理を煽るユーチューブチャンネルもある。

純粋に自動車を楽しめない韓国

 日本のクラシックカーイベントや様々な自動車文化イベントを見て感じたことは、上の世代の責任感である。日本の場合、大半が自分たちの享受したものを次の世代に伝える責任を意識している。

 筆者はある在日韓国人と知り合ったことがきっかけで、日本のクラシックカーイベントにたびたび参加しているが、どこに行っても歓迎される。もちろん、在日韓国人の先輩、友人ということもあったが、それでも何の駆け引きもなく受け入れてもらえたのだ。十数人で訪ねたこともあるが、大歓迎で迎えてもらえた。

 筆者はその後、何度も日本各地に行き、その経験を元に、日本の自動車文化を紹介する書籍を韓国で出した。何の関係もない韓国人の自動車ジャーナリストにもかかわらず、日本に受け入れてもらえたことには感謝の言葉しかない。共通の趣味や嗜好があれば、冷え込んだ日韓関係など関係なく受け入れてもらえる日本の懐の深さに、正直、衝撃を受けた。

 反対に、韓国での自動車イベントと言えば、何かしら黒い部分がある。韓国では自動車関連を生業としていると詐欺師と同等にみられることが多いが、自動車産業という小さなコミュニティーの中で、何をすれば詐欺師という世間の認識が生まれるのだろうか。

 韓国では、純粋に自動車を楽しめないのである。

 それでも、最近になり、韓国内では1960年代のクラウンや80年代の三菱デボネアのマニアが増え始めた。60〜70年代のクラウンは、朴正煕政権下の韓国における憧れの自家用車だった、この時代には、韓国でも「いつかはクラウン」で、多くの日本の自動車が韓国内を走っていた。

 自動車文化が育たない大きな原因として、自由貿易を謳っているにもかかわらず、2000年代以前の欧米車の大半が輸入不可能になっている点も挙げられる。

 本来、文化は前の世代を見て学び形成されるが、韓国では自動車に関する歴史を巡ることができない。これは韓国で不足している部分で、自動車だけではなく、文化を重要視しない韓国の現状をいつも残念に思っている。

 学びや楽しみ、また感じる環境そのものが異なっている韓国では、 自動車はもちろん、一朝一夕に文化を創り出すことは容易ではない。

 ◇

 この記事を読むと、韓国の国民性や文化が一眸できるような気がします。おそらくその国民性や文化が、自動車産業や自動車顧客においても色濃く反映されているのでしょう。特に車選びは他人にどう見られるかで選ぶ、と言うところは象徴的です。また歩行者優先でなく車優先の文化も。

 ここ数年現代自動車の炎上事故が多発し、一方では現代自動車や韓国GMでの労働争議も頻発しています。TOP5陥落も時間の問題でしょう。また日本では「自利と利他」の統合した行動が叫ばれていますが、韓国ではこの記事が示すように「自利」のみのようです。それが散々援助を差し伸べてきた日本に対する、恩を仇で返す彼等の態度に表れているようです。ますます韓国には距離を置きたいと思うのは自然の成り行きでしょう。

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