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2021年8月16日 (月)

新型コロナ「武漢流出説」を、日本のマスコミが「報道できない」情けない理由

2021081235175154cnn0001view  今回は新型コロナウイルスの話題です。その起源が中国武漢であることはほぼ間違いないようですが、このブログでも取り上げているように、最近ますます「武漢ウイルス研究所」流出説が、信憑性を帯びた形でクローズアップされてきています。

 しかしこの件に関し、日本のマスコミは今ひとつ報道が鈍い。と言うより殆どニュース扱いしていません。その要因をジャーナリストの長谷川幸洋氏が現代にコラムを寄稿しています。タイトルは『新型コロナ「武漢流出説」を、日本のマスコミが「報道できない」情けない理由 英語を読めず、聞けず、話せない』(8/13)で、以下に引用します。

 ◇

「ウイルス起源問題」でまた進展が

新型コロナウイルスの起源に関する米議会下院・共和党の報告書を紹介した先週のコラムは幸い、多くの読者を得た。情けないのは、日本のマスコミだ。私が見た限り、この話は朝日新聞と産経新聞が小さく報じただけだった。なぜ、こうなるのか。

8月1日に発表された報告書は、多くの状況証拠を基に「ウイルスは中国の武漢ウイルス研究所から誤って流出した」と結論付けた。研究所からの流出説は散発的に唱えられていたが、全体像を包括的にまとめたのは、これが初めてだ。

その後、CNNが8月6日、驚くべき特ダネを報じた。「米情報機関は武漢ウイルス研究所のデータベース情報を入手し、解析を始めた」というのだ。データベースの情報は、流出説を裏付ける「決定的な証拠」になる可能性がある。

共和党の報告書でも「研究所のデータベースが2019年9月12日の午前2時から3時の間に突然、シャットダウンされた」という事実が、流出説を裏付ける重要な根拠の1つになっている。中国にとって、データベースが最高機密であるのは間違いない。

ウイルス起源をめぐる調査や報道は、ジョー・バイデン米大統領が情報機関に指示した報告の提出期限である8月24日を控えて、活発になっている。共和党には、大統領が中途半端な結論を出さないように、独自報告書の発表で牽制する意図があるのは当然だ。CNNに重大情報をリークした関係者も、同じ思惑があったのではないか。おそらく、まだ続くだろう。

日本のマスコミはほとんど報じていない

世界で430万人の死者と2億人を超す感染者を出した新型コロナの起源問題は、今後の米中関係だけでなく、世界と中国の関係に大きな影響を及ぼす。にもかかわらず、日本のマスコミの冷淡さを、どう理解したらいいのか。

私がネットでチェックした限り、共和党の報告書を報じたのは、朝日新聞と産経新聞だけだった。その扱いは、と言えば、朝日新聞が8月3日付夕刊の第2社会面2段、産経新聞も8月4日付け朝刊5面3段である。ゴミネタとは言わないまでも、ほとんど「申し訳に近い程度」の扱いだ。テレビの報道は見つからなかった。

CNNの特ダネに至っては、共同通信がキャリーした記事を、中日新聞が掲載したくらいである。なぜ、こうなるのか。

単に「ニュース価値がないから」では、まったくない。こんな「世紀の大問題」について、追及しようとしないのは、マスコミの取材体制と「記者たちの決定的な能力不足」が真の原因である。彼らの大多数は「英語を読めず、聞けず、話せない」のだ。

「報道しない」ではなく「できない」

日本のマスコミがこの話を報じるとしたら、どんなプロセスを辿るのか。

共和党の報告書もCNN記事も、記者が最初にそれを知るのは、報告書や記事そのものからではない。ロイターやAP、AFPといった国際的通信社が流す記事を通じて、第1報をキャッチする。そのために、各社は高い加盟料を支払っている。

日本の新聞やテレビはどこも、本社と海外支局にロイターなどと連動したコンピュータを備えている。かつては、ティッカーと呼ばれる専用端末もあった。文字通り24時間、ティクタクと音を出しながら、ロール紙を吐き出すところから、この名が付いた。いまは音は出さないが、24時間体制は同じである。

本社の外報部記者や海外支局の特派員は毎日、コンピュータをにらんで「これは」と思う記事を見つけ、必要に応じて、その情報を基に自分の記事を仕立てる。その際「ロイターが情報源」などと記す必要はない。自分の名前で記事を発信できる。いわば、ロイターやAPは原材料だ。

今回のケースでも、ワシントン特派員にとって、まずは通信社電が最初の情報源になる。ワシントンに複数の特派員を置いている社であれば、政治あるいは科学、国際問題担当の特派員がカバーする。

政治担当のワシントン特派員がどんな記者か、と言えば、ワシントン赴任前は永田町を担当していた政治記者だ。ソツなく仕事をこなし、社内に敵も作らず、淡々と永田町を歩いていた記者が、めでたく上り詰めた栄光の座が「ワシントン特派員」なのだ。

英語ができる記者も中にはいるが、多くは純ドメ(スティック)の浪花節タイプである。そうでなければ、永田町の世界を生き抜いていけない。英語など、ひけらかそうものなら、敵を作るだけで、なんの得にもならない。

そんな彼らがワシントンに赴任すると、ひたすらコンピュータ画面の通信社電をにらみ続ける毎日になる。自分で読むなら、まだいい。英語ができない特派員は全部、支局の助手任せにして、記事を書くのも「助手の日本語が頼り」というケースも少なくない。

自ら「取材先に出かけて話を聞く」のは、めったにない。あったとしても、せいぜい月に1度あれば、多いほうだろう。彼らの守備範囲は全米である。いちいち取材に出かけていたら、その間に発生するかも知れない重大ニュースに対応できなくなる。

主要な米メディアに追従するばかり

そんな事情で、朝日や産経が報じた共和党報告書の記事も、私には、通信社電を基にしたように見えた。報告書本体に盛り込まれている細かい情報が、まったく含まれていなかったからだ。

いったい、報告書の全文を読んだ日本の特派員はいるのだろうか。残念ながら、疑わしい。日本の新聞には、いまだに報告書の全容を報じた記事がない。それは、ニューヨークタイムズやワシントンポストといった米国の主要紙が、大きく報じていないからでもある。

ニューヨークタイムズやワシントンポストといった主流紙は、いまや「ジョー・バイデン政権の応援団」と化している。したがって、共和党に冷たいのは当然だ。そんな米マスコミの構図に「英語ができない特派員」という事情も加わって、そのまま日本のマスコミに反映している。だから、報告書は無視されたのだ。

そもそも、ウイルス起源問題は、中国の言いなりで信用を失った世界保健機関(WHO)を含めて、ほとんどすべてが英語情報である。真相を追及しようと思えば、独自にネットを検索しまくって、情報を集めるしかないが、日本の新聞社にそんな記者がいるとは思えない。

省庁と同じ「縦割り主義」の弊害

記者たちはそれぞれ、カバーする担当分野が決まっている。基本的には政治部も社会部も、霞が関の役所に準じて取材分野が割り振られている。「ネット担当」とか「ウイルス起源担当」のようなポジションはないのだ。

霞が関の官僚はどうか、と言えば、厚生労働省は国内対応に手一杯で、とても余裕がなさそうに見える。外務省は仮に情報を集めていたとしても、大きな外交問題にならない限り、当分は「知らん顔」だろう。新型コロナ問題は、彼らの本来業務ではないからだ。

かくて、日本の新聞は、起源問題について全体像を示す記事がないままになっている。だが、ネット上では、英語情報を中心に、それなりに拡散している。私の記事もその1つになった、とすれば、ありがたい。

日本の新聞はいまや、世界の情勢から完全に取り残されている。部数が激減している最大の理由は、肝心な情報を読者に伝えていないからだ。空白が続くウイルス起源報道は、その象徴である。これが、どうやら「最後のダメ押し」になるのではないか。少なくとも、私は価値ある情報を求めて、いまさら日本の新聞を読むつもりはない。

以上は、新聞の問題だ。だが、「日本最大のシンクタンク」でもある霞が関も似たような状態だとしたら、日本が陥ってしまった情報落差は、とてつもなく深い。かつての「ジャパン・アズ・ナンバーワン」はどこへやら。はるか彼方に消え去ってしまったようだ。

 ◇

 このコラムはウイルス起源の問題より、日本のメディア、とりわけ新聞の情報取得の問題を取り上げているようです。更には官僚の情報の取り扱いにも。

 私も海外赴任経験があり、多少の英語の読み書きはできますが、こと大量で専門的な英文情報を目の前にすると、とても手に負えません。ですから新聞社の海外特派員は、最低限英語の読み書きや会話の能力は、身につけていなければ役立たずだと言うことでしょう。

 そうでないのに特派員にしている日本の新聞社は、そもそも海外の情報を本当に重要視しているのか疑わしいと言えますね。ガラパゴス化は携帯電話の世界だけではないようです。そして結果的には読み手としての情報価値を失い、やがて捨てられてゆく運命にあるのかも知れません。ますゴミとして。

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