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2021年8月23日 (月)

医師の提言:日本をコロナで殺さないために

10_20210822151101  新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収まらず、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の発出範囲も拡大の一方です。全国自治会ではロックダウンを求める声も出始めました。

 そうした中、医師で作家の木村盛世氏は月刊Hanadaプラス誌上で、『日本をコロナで殺さないために』(8/19)と言うコラムを寄稿しました。以下に引用して掲載します。

分科会・日本医師会のゼロコロナポリシーは絵に描いた餅

日々の新規感染者数(正しくはPCR陽性者数)報道が、昨年と変わらずに続いている。感染者数が増えたとはいえ、死亡者数は極めて少なく、両者の数字はG7でトップクラスである。その日本のコロナ対策が評価されないのは極めて重大な問題である。

まず大きな問題点は、政府と分科会・医師会の思想が根本的に異なっているため歯車が嚙みあっていなかった事が挙げられる。

以下に述べることは、昨年の新型コロナウイルス感染症流行初期に大木隆生東京慈恵会医科大学教授の「大木提言」に集約されている。(新型コロナクライシスに対する大木提言)

政府は安倍前首相時代からウィズコロナポリシーを貫いてきた。医療体制を強化し、不幸にして感染して重症化した患者には病院で必要な治療が受けられる安心感を国民に与え、かつ経済活動、社会活動を両立させることに主眼を置いてきたのである。

他方、分科会・日本医師会主導の考え方はゼロコロナポリシーである。すなわち、コロナを「死の病」と煽り、緊急事態宣言を連発し、コロナの封じ込めを第一優先に掲げる(ゼロコロナ)。

したがって、新型コロナを「指定感染症の第1類ないし2類相当」というSARS(感染者数世界で累計8000人、死亡率11%)、MERS(感染者数世界で累計3500人、死亡率35%)、エボラ出血熱(感染者数世界で累計3万人、死亡率50%)相当の扱いにしておいた方が好都合であり、医療体制を強化する必要がない。

開業医・日本医師会はそもそもコロナに関わりたくないので保健所と病院任せに尽きる。医療機関はコロナ患者を受け入れることによって、赤字になるところが多い。また、一度でも院内感染が起これば、濃厚接触者たる医療従事者が休まなければならず、さらなる追い討ちがかけられる。もし院内感染が起こればマスコミに袋叩きにされ、他の患者が診察に来なくなる恐れもある。すなわち新型コロナウイルスは、医療機関にとって「関わりたくない病気」なのだ。開業医はコロナ患者を診たくないのである。

しかも分科会のメンバーは感染症専門医が中枢に陣取っており、彼らは医療のオペレーションに関しては全くの無知であるため、医療体制の強化には手がつけられなかった。

日本では、以上の全く異なる思想に基づく2つの考えを足して2で割るような政策が目立った。極めて残念でならない。

分科会に代表されるゼロコロナポリシーは、強い私権制限を行使している台湾、ニュージーランド、ベトナムですら成功しておらず、ワクチン接種率も感染率も低いこれら国は新型コロナ感染拡大から1.5年たった今でもまったく出口が見えていない。集団免疫獲得においては最も立ち遅れており、優等生どころか周回遅れである。感染力が強く、既に世界で2億人もの患者が出ている新型コロナウイルス感染症において、ゼロコロナポリシーは絵に描いた餅にすぎない。これらの国はずっと鎖国を続けざるを得ない上に度々クラスターに悩まされている。

現実的かつ唯一の活路「ウィズコロナ路線」

今こそ、現実的かつ唯一の活路であるウィズコロナ路線を明確にすべきである。その際は、医療体制を強化し、医療オールジャパン体制をとる必要がある。そのための財政支援は実はこの1.5年でかなり成されている。

もう一つは、感染症法の1類ないし2類相当という医療の足かせを撤廃する事である。この足かせのために、例えば東京都にある10万床の内、6000(6%)床しかコロナ用に確保できないし、都内にある病院650の内75病院(11%)しかコロナを受け入れていないし、都内にある2500のICU・準ICUのうち、390(うち251床を使用)しかコロナ用に確保できていない。

このように医療オールジャパン体制からほど遠い状態にあるのは1)感染症法の1類ないし2類相当という足かせ、2)日本医師会・開業医がコロナに関わりたくないと逃げ回っている、3)現場をわかっていない分科会が学者目線で視野狭窄的にゼロリスク・ゼロコロナを追及している、からである。

第二の分科会と5類指定変更へ

今、政府がすべきはウィズコロナポリシーのチームを作る事である。このチームのメンバーには感染症専門医は必要ない。救急医療、災害医療の専門である医師らが中心となる、第二の分科会と呼べるものだ。

感染症法の5類指定にして、どこでも誰でも扱える病気にすることで、患者はインフルエンザ、高血圧、糖尿病の治療の時と同様に、調子が悪かったら都内にある12700の開業医・かかりつけ医に診てもらう。彼らは今までほとんど新型コロナウイルス診療に当たっていない。対応といっても専らPCR検査対応をしている例が多い。通院でもデキサメタゾン、消炎鎮痛剤、必要であれば有効性の示された治療薬を使い、早期に対応することによって重症化をできる限り予防する。

もし、重症化の兆候があったら、保健所経由ではなく、開業医が長年構築してきた病診ネットワークを駆使して、病院に患者を入院させる。病院は現在都内で71/650病院しか新型コロナ対応に参画していないが、5類なら650の大多数の病院が貢献できる。そして、重症化したら、ICU(集中治療室)のある病院に紹介してもらう。

なお、都内にあるICUを備えた病院でコロナ重症化患者を引き受けているのは現在3割程度だが、こうした体制がとれれば都内にある2500のICUの仮に半分として1250のICUが有効活用できる。ちなみにロンドンで感染爆発した際はロンドン市内のICUの98%にあたる810のICUベッドをコロナ用にすることで医療崩壊を回避した。

医師は私利私欲を捨て国民のために尽くしてほしい

医師免許は国家最大の資格である。

医師法17条「医師でなければ、医業をなしてはならない」にあぐらを欠かず、19条「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」をよく読み、私利私欲を捨てて、国民のために尽くすべき。

ドクターとは医師免許を持ったものに与えられた称号であることを、忘れてはならない。

 ◇

 医者でも感染症の専門でもない私には、今の政府専門分科会の言い分が正しいのか、木村氏のこの提言が正しいのかよく分かりません。ただ世界一の病床数を持ちながら、医療逼迫や医療崩壊などと叫んでいる医師会や関係者には、確かに違和感を持ちます。

 インフルエンザと同様の5類にして、何処の病院でも受診できるとなれば、確かに便利になるでしょうけれど、院内感染対策や患者の取り扱いなど、慣れていない医者に対しては不安は隠せませんね。インフルエンザでも毎年1万人が死亡している(他の疾患との合併症を含む)ことから、それと同じ扱いでいいという人も居るようですが。

 しかしここへ来てデルタ株が猛威を振るい、ラムダ株も現れて、今までの常識が覆されてきているのも事実です。いずれにしても今の新型コロナ対策や医療体制が、このままでいいと言うことはなく、政府も医師会も、抜本的に考え方を変えて対応してもらわなければと、強く思いますね。

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