目覚めよ日本、尖閣を盗み取る中国の秘密作戦が始まる
連日のように尖閣諸島周辺を威嚇航海する中国海警局の船団。7月に最長157日連続で尖閣周辺を航行し、いったん休止後、再び開始しています。それに対し日本政府は「遺憾砲」と「抗議」を繰り返すのみで、何ら現実的な対応をしていません。
この状況に対し、専門家各氏が提言をしていますが、ハドソン研究所首席研究員の日高義樹氏の著書『習近平が尖閣を占領する日』(かや書房)を一部抜粋・編集した記事を、WEBVoiceが『尖閣を盗み取る中国の秘密作戦が始まる』(8/3)と言うタイトルで掲載していますので、以下に引用します。
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西太平洋波高し。軍事的な危険が急速に高まっているなか、アメリカをはじめ世界各国が軍事パトロールを行い、偵察活動を強化しているが、著者はテレビ番組を制作していた当時、アメリカの対潜水艦警戒機E8に同乗し、尖閣列島周辺を訪れたことがある。
著者が乗った対潜水艦警戒機E8がゆっくりと飛ぶ東シナ海は当時、中国のよこしまな国際法違反行為や、日本領土の不当な占領、武力介入など予想もできない平穏な風景を見せていた。だが、この風景はいまや一変した――。
北京の秘密会議の席上で習近平が強調したこと
アメリカのCIAが集めている情報によると、中国の習近平はアメリカと日本がつくりあげている中国包囲網を破壊するための最初の武力行動として尖閣列島を占拠し、軍事基地にしようとしている。
この情報についてアメリカ政府側は、何の公式な発表も行っていないが、アメリカ海軍の消息筋によると、習近平は北京での秘密会議の席上、「台湾を攻撃する前に尖閣列島を占拠し、軍事基地にする」と述べた。
「尖閣列島を占領すれば、台湾を東側から攻撃できることになり、軍事的にきわめて有利な立場になる」
習近平はこう強調したと言われているが、この構想は東シナ海をめぐる中国の基本戦略が大きく変わったことを示している。中国はこれまで東シナ海では、アメリカや日本の動きを妨害することを基本的な戦略にしてきたが、それを「日本領土への侵略」という積極的な戦略に変えたのである。
アメリカCIAは、習近平が実際に尖閣列島に対して侵略行動を始めるのは1年ほど先だと見ているが、習近平が考えている侵略は、これまで国際社会でくり返されてきたような単純なものではなく、秘密裏に断行する建設工事など、様々な策略を凝らしたものになる見通しが強い。
歴史的に考えると、尖閣列島の占領は、習近平が西太平洋において不法な侵略を実際に開始する日になる。アジア西太平洋における新しい動きの始まりと受け取る必要がある。習近平が日本の領土である尖閣列島を武力占領すると決めた日は、まさに日本にとっては国際的にも歴史的にも屈辱の日となる。
習近平はこの沖縄本島から北へほぼ400キロ、世界の公海のなかに存在する日本の国土を「中国のものだ」と、よこしまな主張を続けてきた。しかし、これまでのところは周辺における漁業権を主張するにとどまり、軍事力をもって占領する動きは見せなかった。
しかしながら習近平は、これまでの主張を大きく変え、国際的に無法、不法としか考えられない行動を始めようとしている。
習近平の主張は、まったくいわれのないものである。歴史の古い文書から見ても、尖閣列島とその周辺の海域は日本の国土である。また国際法上も日本の領土であるという通念は確立されている。アメリカをはじめ世界各国とも、それを認めている。
こうした歴史的にも地理的にも日本の国土である尖閣列島を、習近平は武力でもって占拠し、軍事基地を建設しようとしている。尖閣を武力で占拠するという構想は無論、中国側が公にしているわけではない。
しかしながら、アメリカCIAをはじめ諜報機関が集めている情報によると、習近平は度重なる外交、内政に対する国民の不満に対応するために、何か衝撃的な動きをせざるを得なくなっている。
香港の不法収奪や、ウイグルなど中国国内少数民族の虐殺に対する国際的な非難が高まり、習近平は追い詰められている。アメリカの多くの専門家も習近平が中国の力を示すために、尖閣列島の武力占領という不法な構想を推し進めていることはまぎれもない事実であると見ている。
尖閣に中国軍の基地をつくる日は急速に近づいている
習近平の不法な日本領土に対する武力占拠がいつ始まるのか、いまのところ明確な情報はない。しかし、その時期は近づいている。習近平があらゆる不法な行動を秘密裏に積み重ねて、尖閣列島に中国軍の基地をつくる日は急速に近づいている。
アメリカ海軍の研究機関が推定している習近平の尖閣列島に対する武力侵入のシナリオは秘密作戦で、その内容はほぼ次の通りである。
習近平による尖閣列島侵略は、これまで一般には考えられなかった形になる。最初に実戦部隊を送り込み上陸させて、軍事占領するという単純な形はとらないと見られる。中国側の軍事行動はまず、アメリカの監視衛星をはじめスパイ探知網をめくらますことから始まる。
アメリカのスパイ探知衛星や情報収集衛星は、世界でもっとも優れており、アメリカ国家安全保障局の指揮系統下に置かれて、地球上のあらゆる行動を追跡している。
しかしながら、その責任者たちの話を総合すると、アメリカのスパイ探査衛星や情報衛星は、いかに優れているとはいえ完全なものではない。しばしば厚い雲によってその性能が阻害され、地球上の動きを十分に探知することが難しいと言われている。
歴代のアメリカ大統領のなかでもクリントン大統領はこうしたアメリカのスパイ探知作戦に関心を持ち、その能力を強化する政策をとったが、クリントン政権下で監視衛星体制の総責任者であり、私の友人でもあったアメリカ陸軍のオドム中将がこう言ったことがある。
「アメリカの電子工学は日ごとに改良され、その能力を強化している。しかしながら、自然の力には及ばず、雲の厚い悪天候が長く続くと、その探知能力は著しく阻害されてしまう」
こうした状況のもとで習近平はアメリカ側の衛星監視網をくぐり抜けて、尖閣列島を不法武力占拠するための基地をつくろうとしている。東シナ海では、6月から夏の終わりにかけてしばしば台風が訪れ、習近平に不法行動を実行する絶好の機会を与えることになる。
そうした自然状況を利用するだけでなく中国側は、一方的な漁業権の主張のもと、尖閣列島周辺に送りこんでいる数千に上る漁船団を悪用しようとしている。日本をはじめ世界の人々は、連日のように尖閣列島に押しかける中国の漁船団について聞くことに飽き飽きしていると同時に、寛大にもなってしまっている。
習近平はこうした人々の慣れに乗じて漁船団を使い、軍事建設のための機材や機械を尖閣列島に運びこもうと考えている。アメリカ海軍の首脳は私にこう言っている。
「基地をつくるためのコンクリートや鉄筋、さらに多くの機材は漁船によって簡単に尖閣列島に運び込むことができる。日本もアメリカもそして世界のあらゆる国際機関も尖閣列島に、中国を監視、監督するための機関を置いているわけではない。漁船を使って建築資材や建築のための機械を送り込むことは、きわめてたやすいことだ」
ビルの建築現場でも見られるように、巨大なクレーンをはじめ大きな機械は、小さな部品から成り立っており、分解して運べば、1トンに満たない小さな漁船でも簡単に運ぶことが可能である。
一方、中国は「海防軍」と呼ばれる日本の海上保安庁に似た海上警備のための組織とその艦艇を、尖閣列島周辺に常駐させており、その海防艦の通信技能やテレコミュニケーションの能力を使おうと考えている。中国側には、尖閣列島における基地づくりや、岩山をくり抜く作業を容易に手助けする科学的な手段が十分にあるわけだ。
習近平が考えている尖閣列島に対する基地づくりは、すべて秘密主義のもとに行われる不法行動であり、国際社会ではまったく認められないものである。しかし、そうした基地づくりによって結果的に、日本の国土を軍事的に占領してしまおうとしている。
習近平の攻勢はきわめて組織的に、秩序立って行われている。これは日本政府がはっきりとした対応策をとっていないからだ。
尖閣列島が日本のものであるのは、これまでも述べてきたように紛れもない事実であり、習近平としても否定しようがない。したがって、実力で奪い取ろうとしているのである。
習近平の実力を行使しての不法行為に対抗するためには、実力行使が必要となる。だが、この重要な点を、日本と日本政府は明確に認識していない。不法に実力をふるい、無法行為を働く者に対抗するには実力行使しかないという事実を、長いあいだの平和主義に毒された日本の人々は理解できなくなっている。
◇
艦船の威嚇航行は接続水域から領海へと次第に侵略性を増し、その頻度も待機時間も増大させ、虎視眈々と不法奪取の機会を狙う中国。それに対する日本側の無策。こういう状況を考えれば、日高氏の見解も説得力を増してきます。
今や経済力、軍事力ともに日本を大きく突き放して優位に立つ中国に、今後どうやって対抗していくのか、日本に明確なプランはまだないようです。怖いのは日本国民にその懸念が認識されていないこと。まさに戦後の平和ぼけが隣国の野望の一番の手助けとなっているようです。政府共々、この迫り来る脅威に早く気がつき、具体的現実的な対応を考える必要があります。目覚めよ日本!!
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