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2021年9月30日 (木)

自民党総裁に岸田氏、新政権の主導権は「3A」へ

10_20210930101201  昨日の自民党総裁選、大方の予想通り岸田文雄氏が勝利し、第27代総裁に選出されました。河野太郎氏は一回目の投票でも1票差ながら岸田氏に敗れ、決選投票では大差で敗れました。高市早苗氏は一回目議員票で河野氏を凌いで2位につけました。本人も多くの支持を得たことに喜びを隠せませんでした。

 岸田政権の今後の見通しについて、日経ビジネス編集委員の安藤毅氏が、日経ビジネス電子版にコメントを寄せていますので、引用して掲載します。タイトルは『自民党総裁に岸田氏、新政権の主導権は「3A」へ』(9/29)です。

 ◇

 自民党総裁選は9月29日、投開票が行われ、岸田文雄氏が決選投票で河野太郎氏を破り、第27代総裁に選出された。岸田氏は10月4日召集の臨時国会で第100代首相に指名され、同日中に新内閣を発足させる見通しだ。票固めに貢献した安倍晋三前首相、麻生太郎副総理・財務相、甘利明党税制調査会長の「3A」などが影響力を増す見通しの新政権は、程なく衆院選で国民の審判を仰ぐことになる。

 今回の総裁選は中堅・若手議員の要望を受け、多くの派閥が支持候補の一本化を見送った。議員票382票と同数の党員・党友票の計764票を巡って争われた1回目の投票では議員票でトップだった岸田文雄氏が1位となったが、過半数に届かなかった。河野太郎氏が2位に入り、高市早苗氏が3位、野田聖子氏が4位だった。

 過半数の票を獲得した候補がいなかったため、岸田氏と河野氏による決選投票に持ち込まれた。議員票と都道府県連47票の合計で争われ、1回目で高市氏に投票した議員からの支持も積み上げた岸田氏が河野氏を抑えて新総裁に選出された。

 新総裁選出後、岸田氏は「生まれ変わった自民党を国民に示し、支持を訴えていかなければならない。総裁選は終わった。ノーサイド、全員野球で自民党が一丸となって衆院選、参院選に臨んでいこう」と訴えた。

昨年の反省から「攻めの姿勢」へ

 岸田氏は外相や党政調会長などの要職を歴任し、党内第5派閥の宏池会(岸田派)を率いる。2020年9月の自民党総裁選に初めて出馬して菅義偉首相に敗れたが、石破茂元幹事長を上回り2位だった。

 昨年の総裁選では岸田氏の決断や準備作業が遅れる間に、二階俊博幹事長が当時官房長官だった菅氏への支持をいち早く表明。党内7派閥のうち5派閥が菅氏への支持を打ち出し、菅氏優勢の流れが早々と固まった経緯がある。

 党内では岸田氏について「誠実」との評がある一方、「決断力に欠ける」「おとなしい」といった見方が広がっていた。

 これまでの反省も踏まえ、岸田氏は「ラストチャンスとなりかねない」とみた今回の総裁選でいち早く出馬を表明。党の中堅・若手議員らの菅首相や二階氏への不満を吸い上げ、党役員任期を1期1年で連続3期までに制限するなど党改革案を前面に打ち出し、「政治生命をかけて新たな政治の選択肢を示す」と攻めの姿勢をアピールした。

 経済政策では「小泉改革以降の新自由主義的政策の転換」を掲げ、成長と分配による「新しい日本型の資本主義」を目指すと訴えた。

 一方で、当面の経済政策では安倍晋三政権時から続く大胆な金融緩和、機動的な財政支出、成長戦略の3本柱を維持する意向を表明。原子力発電所の再稼働や核燃料サイクル継続に前向きな姿勢を示し、敵基地攻撃能力の保有を選択肢の一つと位置づけた。

 さらに、憲法改正に積極的に取り組む姿勢を強調するなど、安倍氏を中心とする党内の保守系議員や保守層の関心が強いテーマへの配慮を示し、決選投票での幅広い議員票獲得につなげた。宏池会トップの首相就任は宮沢喜一氏以来となる。

ベテラン、参院議員は「安定重視」

 これに対し、1回目の投票で勝ち切るシナリオを描いていた河野氏は総裁選の終盤にかけて伸び悩んだ。陣営には知名度が高い石破氏や小泉進次郎環境相が参加。目前に迫る衆院選の「選挙の顔」としての役割や党改革への期待などを追い風に、党員・党友票で圧倒的な支持を集める狙いだったが、安倍氏の全面的支援を受けた高市氏が支持を広げ、その影響も受けた形だ。

 議員への支持拡大も思惑通りに進まなかった。石破氏は党内で影響力を持つ安倍氏や麻生太郎副総理・財務相との確執がある。小泉氏が安倍氏や安倍氏の出身派閥である細田派への批判的な言動を強めたことで、「決選投票になる場合、河野総裁だけは何としても阻止しようと派内が引き締まった」と安倍氏は漏らす。

 さらに、ベテラン議員、参院議員の間で、河野氏の唱えるエネルギー政策や年金制度改革、政権担当能力などを不安視する空気が広がったことも河野陣営には誤算だった。来年夏の参院選を見据える参院議員からは「来夏まで安定的な政権運営を続けることが何より大事だ」として、岸田氏の安定感に期待する流れが強まった。

 また、菅首相の退陣表明と総裁選効果で自民党の政党支持率が上昇し、「とにかく衆院選の顔として人気が高い河野氏を選ぶしかない、との切迫感が薄れたことも議員心理に影響した」と細田派の中堅議員は指摘する。ただ、党員票でトップだった河野氏が敗れたことには「世論との乖離(かいり)」といった批判が広がる可能性がある。

 一方、無派閥ながらかつて所属した細田派や保守系議員、保守層から一定の支持を集めて善戦した高市氏は今後の活動への足場を固めた。安倍氏は高市氏について、「保守派のクイーンになるね」と評しており、岸田政権でも人事で優遇される可能性がある。

 低支持率にあえいでいた菅首相の退陣表明で構図が一変した今回の総裁選。4氏が立候補したことで討論会やテレビ出演の機会が増え、自民党の認知度や新総裁への期待が高まり、自民党の政党支持率の持ち直しにつながったことは間違いない。日本大学の岩井奉信講師は「政権維持に向けた自民党の生存本能が発揮された」と評する。

 総裁選の実態は「総裁選という名を借りた権力闘争」(麻生氏)だ。2度目の挑戦で勝利をたぐり寄せた岸田氏が最大の勝者だが、今回の総裁選で鮮明になったのが安倍氏の衰えぬ政治的影響力だ。

11_20210930101801 高市氏支援で示した安倍氏の政治力

 安倍氏は当初、菅首相の再選を支持していた。だが、首相の総裁選不出馬表明を受け、自らの長期政権で進めた保守路線を維持し、河野氏や石破氏の勝利を阻止する狙いから、細田派に隠然たる影響力を持つ森喜朗元首相との間で高市氏を支援することで一致。

 推薦人集めに始まり、細田派の大半の議員や他派閥の議員にも自ら対面や電話で高市氏への支援を要請するなど、全面的に高市氏の支持拡大を後押しした。

 28日には安倍氏の意向を踏まえ、岸田、高市両陣営の間で、どちらが2位になっても決選投票で協力することで合意していた。高市氏を支援した安倍氏に近い議員が語る。

 「高市さんの得票は事実上、安倍さんの政治力の反映。高市さんの善戦で総裁選が盛り上がり、自民党が活性化した。議員票で岸田さんに大いに恩を売ることにも成功した。岸田政権でも改憲への注力など安倍路線の基本は維持される。細田派で主要ポストも取ることができれば、万々歳だ」

 岸田氏は早急に党運営の要となる幹事長などの党役員人事を固め、主要閣僚の人選を進める。総裁選での貢献度合いに加え、政権基盤の安定を考慮し、最大派閥の細田派を実質的に差配する安倍氏、第2派閥の麻生派を率いる麻生氏への配慮を重視する見通しだ。

 また、岸田氏は半導体や医療品などの戦略物資を確保し、重要技術の海外流出を防ぐ経済安全保障にも注力する構え。麻生派に所属し、今回の総裁選で岸田氏を支持した甘利明党税制調査会長が熱心に取り組む分野だけに、党内では安倍氏、麻生氏、甘利氏のいわゆる「3A」の影響力が高まるとの見方が広がっている。

 総裁選で「国民の声に耳を澄まし、納得感のある丁寧な説明が重要だ」と繰り返した岸田氏。新型コロナウイルスの感染防止と経済社会活動の両立へ対策を加速させ、菅政権の課題とされた発信力や説明力を高めるのが喫緊の課題だ。看板に掲げた党改革や経済対策、「新しい日本型資本主義」の絵姿を迅速に示すことも求められる。間近に迫る衆院選、来夏の参院選という2大ハードルを控え、新政権はすぐに実行力を試されることになる。

 ◇

 いずれにしても、皇室やエネルギー、対中外交、年金政策に不安要素の大きかった河野氏が敗れたことは何よりでした。高市氏の善戦も期待通りでした。このコラムにあるように、3Aが今後の自民党への影響力を維持していくでしょうが、岸田新総裁が強い日本、物言う日本に政策を導いていくことを期待します。

 河野氏も石破氏のような反主流派にするのではなく、しかるべき待遇を処することも必要かも知れません。そして何より高市氏を主要なポストで厚遇していただければと思います。あすの日本のために。

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