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2021年9月22日 (水)

高市氏:憧れの女性蔡総統と安全保障など交流強化を確認

5_20210922124901  自民党総裁選候補の高市早苗氏は、英国のサッチャー元首相を理想のリーダー像だと発言していますが、台湾の蔡総統も憧れの女性だとし、対談を希望していました。そして今月20日オンライン会談を行いました。

 その内容に入る前に、高市氏が「蔡総統を憧れの女性」と話した、インタビュー記事を産経新聞から引用します。タイトルは『自民・高市氏「蔡総統は憧れの女性」「台湾協力進める」』(9/14)です。

 ◇

自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への立候補を表明している高市早苗前総務相が14日、産経新聞のインタビューに応じた。詳報は次の通り。

--外交・安全保障政策の考えは

「米国は最も信頼できるパートナーであり、日米同盟が外交の基軸だ。さまざまな情報や技術を共有していかなければ日本はとても守れない。安倍晋三前首相のように世界の真ん中で咲き誇る日本外交が実現できたら素晴らしい」

--北朝鮮による拉致問題解決への取り組みは

「衆知を結集し、あらゆるルートを使っていかなければ、北朝鮮は交渉のテーブルには着いてこないだろう。同盟国などと連携して、A案、B案、C案の中でどれが一番有効かを冷静に判断し、実行していくべきだ」

--台湾有事は集団的自衛権を行使できる存立危機事態に該当するとの意見がある

「台湾有事は日本に対する脅威であり、自衛権の発動に近い状況が出てくる可能性が高い。日米両国が共同して、日本の領土や国民を守ることでもあるという姿勢で取り組んでいくしかない」

--台湾の蔡英文総統は産経新聞のインタビューで日本に対して安保対話を呼びかけている

「蔡氏は毅然(きぜん)としていて憧れの女性であり、とても会いたい。今後も台湾との協力関係はしっかりと進めていくべきだ。ただ、永遠に同じ政権が続くわけではないので、親中政権になった場合も想定しておかなければならない」

--先の通常国会で中国当局による人権侵害を非難する国会決議が見送られた

「本当に悔しかった。日本は人権に全く興味がない国だと国際社会から思われてしまう。また、日本で働いている特定民族の方々が脅迫を受けたり、母国に残している家族が危険な目に遭っている。日本にいる方々については、日本の国内法でしっかりお守りするのが私たちの役目だ。次の臨時国会では、すぐにでも決議したい」

--慰安婦問題やいわゆる徴用工問題についての対処は

「中国や韓国は世界中に向けて不正確な情報をさまざまな手段で発信しているが、日本の『歴史外交』や情報発信は弱すぎる。歴史外交を強化するための戦略を練り、各省に適切な指示を出せる部署が内閣官房にあれば大変やりやすい」

--安定的な皇位継承策への考えは

「天皇陛下の正統性と、国民の天皇陛下に対する尊敬の念の源は、126代男系でつないでこられた皇統だ。これはお守りしたい」

--理想の女性リーダー像は英国のサッチャー元首相だと発言している

「国民から歓迎されない政策でも、信念を曲げずに一生懸命、説得を続けた。こういう姿勢が理想であり、大好きだ」

--女性に関する政策についての考えは

「女性は生涯を通じてホルモンバランスの影響を受け、女性特有のかかりやすい病気もある。女性総合診療科を増やしたい」

 ◇

 そして実現した蔡英文総統との会談の内容を、これも産経新聞の記事から引用します。タイトルは『高市氏と蔡総統の会談詳報 安全保障など交流強化を確認』(9/21)です。

 ◇

自民党総裁選に立候補している高市早苗前総務相は21日午前、20日に行った台湾の蔡英文総統とのオンライン会談の様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。両氏は安全保障を含む日台間の実務者交流を深化させていくことを確認し、高市氏は台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加を支持する考えを表明した。会談の主なやり取りは次の通り。

高市氏 「人もおりませんので、マスクを取ってご挨拶申し上げます。蔡英文主席、自由民主党衆院議員の高市早苗でございます。リモートになりますけれども主席とはぜひお話をしたくて、もうとっても楽しみにいたしておりました、今日は誠にありがとうございます」

蔡氏 「私も今日このように高市議員とリモート会議の場を借りてお会いできることを大変うれしく思います。日本のメディアの報道によると、高市議員は、機会があれば私と会いたいとおっしゃっていると聞きますが、心よりありがたく存じます。そして、台湾に関心を持ってくださる日本のすべての友人を歓迎します。新型コロナウイルス禍が終了すれば、それは本当に早く終息してほしいと願いますが、台湾と日本との間の実際の往来が、なるべく早く普通に戻ることを期待しています。その折に、高市議員にはいつでも台湾を訪問していただきたいと思っております」

高市氏 「ありがとうございます。蔡主席は私の憧れの方でございますので、あのように申し上げました。また、コロナ禍におきましては先日、たくさんの医療機器をご寄付いただきまして誠にありがとうございました。また、昨年のマスク200万枚余りや防護服といったお助けも頂戴いたしまして、本当に私どもはありがたく思いました。そして東日本大震災の折には、また、災害が日本で起こる度に台湾の皆さまから多くの義援金を頂戴いたしております。本当にありがたく思っております」

蔡氏 「この機会を借りて哀心より感謝の気持ちを申し上げたいと思います。台湾におけるコロナ禍が最も深刻な時期に日本は躊躇せず台湾を支援、ワクチンを供与してくれました。5回にわたって合計390万回分のワクチンを提供してくれました。この大いなる厚情にわれわれ台湾人は深く感動し、それを忘れることはありません。ありがとうございます。本日は、このようにリモート会議が成就しましたので、せっかくの機会を借りまして、台日関係について、また地域の戦略的秩序、そして平和と安定を維持するための努力について意見交換をしたいと思います。私は台湾と日本が助け合うことは、非常に重要な絆になると考えます。しかしながら、われわれは戦略的秩序が急速に変化する時代に生きています。これはすべての国およびその指導者たちにとって非常に厳しい挑戦であります。日本には台湾および地域内のすべての国々と一緒に、平和と安定を追及することを期待しています。高市議員にはこの地域の戦略情勢についての考え方をうかがいたい」

高市氏 「蔡主席のおっしゃることに全く同感でございます。世界の、また同志国における多くのリーダーたち、そして人々は自由・民主主義、人権、法の支配といった基本的価値観を共有し、それを行動に移そうとしています。とりわけ、日本と台湾との関係について申し上げれば、われわれの間には実務交流が盛んです。この実務交流とは、多くの分野を多元的に考えて交流することであり、平和的地域秩序の安定を支える安全保障関係も含まれると考えます。私は日本と台湾との関係がそのようなものでありたい、ということを切に願っております。安全保障というのは国防ばかりではなくて、経済安全保障にも焦点を当てたいと考えております。同志国における需給の安定的確保に資する生産対応と消費構造を世界規模で再構築していく必要性を感じております。それはTSMC(台湾積体電路製造)の生産拠点の移設のみならず、あらゆる産業において、日本と台湾が手を携えて先導していくことだと考えております」

蔡氏 「まさにおっしゃる通りですね。台湾と日本がサプライチェーンをめぐる協力を深めること、この点に関して私は大いに期待しています。もう一つ、日本が地域内において重要な役割を果たせるのは経済統合についてです。米国がTPPの協議から離脱した後、日本がTPP協議をまとめる重責を担ったことにとても感心させられました。台湾は先進的な経済体であり、ハイテク産業のサプライチェーンにおいても重要な役割を持っています。また、民主的なガバナンスに基づいて形成された透明性の高い市場メカニズムを有しています。台湾はTPPのように高い水準にあるマルチラテラルな貿易協定に加盟するための十分な能力を持っています。高市議員および日本の友人たちには、TPPのようなさまざまな自由貿易協定に台湾が加入できるように、積極的に支援してほしいと思っています」

高市氏 「TPP参加の前提となる諸問題を解決することも含めて、日本は参加を支持し、それに向けてできる限りの支援をしたいと思っております。また、TPPの参加ばかりではなく、以前より取り組んでいるWHA(世界保健総会)、ICAO(国際民間航空機関)、ICPO(国際刑事警察機構)といった、国際舞台・国際社会における台湾のご活躍を推進し続けて行くつもりでございます」

蔡氏 「ありがとうございます。本日は大変忙しい中、このような意見交換ができたことをうれしく思います。高市議員とは今後とも引き続き連絡を取り合い、意見交換をし、そして遠くない将来には実際に会えることを期待しています。最後に高市議員がますます活躍されますよう、心よりお祈り申し上げます」

高市氏 「ありがとうございます。蔡英文主席こそ、分刻みのスケジュールでいらっしゃる中、こうして対談をしていただき、本当にありがとうございました。これからもぜひ、緊密に連絡を取り合えるチャンスを賜れたらと思っております。ともにリードしていけるように、私も頑張りますので主席のますますのご活躍をお祈り申し上げます。ありがとうございました」

 ◇

 台湾有事の際には、日本も確実にその影響を受けるでしょう。その備えはしっかりしておく必要があります。今や日本単独で中国と対峙するのは、困難になりつつあります。米国、台湾とその連携を揺るぎないものにしなければなりません。

 そういう意味で台湾の総統との関係をしっかり築いておくことは重要でしょう。高市氏は蔡総統を憧れの相手と共に、戦略的パートナーとして絆を深めていって欲しいと思います。そして是非総裁選に勝利して、日米台の強固な安全保障トライアングルを築き上げて欲しいと思います。

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