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2021年10月

2021年10月31日 (日)

「バラマキ」で国民を騙す、共産党に引きずられた野党共闘を粉砕しよう。

640wri  今日は衆議院選挙の投票日です。

 この選挙で目立つ「バラマキ・減税」公約。一律10万円給付や、最低賃金1,500円への引き上げ、消費税の期限付き5%への引き下げや廃止、更には条件付き所得税の非徴収など、特に野党ですが、各党様々なバラマキ政策を訴えています。財源と言えば富裕層の金融課税などで負担を増やすことぐらいしかありません。

 自由経済の元で個人レベルで考えれば、民主主義の根幹は機会の平等であって、結果平等ではありません。しかしよく考えるとこれらの政策は結果平等を狙っているように見えます。

 弱者に目配りをしなければならないのは当然です。しかし野党の公約の本質は、結果として弱者となった人たちをとりわけ表に取り上げ、その救済を訴えているものが多いのですが、なぜもっと弱者にならないような政策に目を向けないのでしょうか。このバラマキ政策を進めていった先には、結果平等優先の社会となり、弱者にならないように努力しようとする人たちがいなくなってしまいます。

 共産主義が過去破綻していったのは、まさにこの結果平等を目指しすぎたからでしょう。ソ連のソホーズ、コルホーズ、毛沢東時代の人民公社など、共同作業で競争のない社会が次々と崩壊していったのは歴史が示しています。

 人は努力をしてもしなくても一定の報酬を得られれば、当然努力しなくなります。れいわ新選組の「何があっても心配するな。あなたには国がついている。あなたが困る前にあなたを支える公助がある。」などというスローガンは、聞こえはいいが、こんなことを言われれば誰も努力などしなくなります。

 しかもその「公助」の財源「バラマキ」の財源はどうするのでしょうか。富裕層の金融資産課税?株式等の売買所得課税?それで5%の消費税10兆円がまかなえるのでしょうか。その前に富裕層は節税対策を事前にしてしまうでしょう。

 財源を増やすには税を増やすしかありません。もっとも国民に負担感のない税の増やし方は、経済成長です。与党は今までアベノミクスやスガノミクスでトライしてきました。岸田政権も新しい資本主義で成長と分配の両方を目指すとされています。その中身はよく理解していませんが、私はこのブログでも紹介した、高市早苗氏のサナエノミクス、つまり「日本経済強靱化計画」がいいと思いますが、いずれにしても経済を成長させなければ税収は増えません。消費税では経済が細ります。

 経済成長の阻害要因になっているものを取り除くのが必要で、そこに政策を集中しなければなりません。それは少子化であり、各種規制であり、その規制を岩盤にしている既得権であるでしょう。様々な営利、非営利組織やさらにいえば大学や教育かも知れません。それらにメスを入れなければなりません。これらにどの野党も手を突っ込んでいません。ですから国民にわかりやすい、あるいは騙しやすい「バラマキ」に走るのです。

 日本の野党の左傾化はどんどん進んでいるように思います。そして究極の姿が共産党を交えた野党共闘。その目指すところの善し悪しは別にして、共産党は他の野党より格段に理念がしっかりしていて、組織力もあり、何より他国の地下からの援助が大きい。他の野党は間違いなく共産党に引っ張られると思います。

 そこへこの共産主義的な「バラマキ」合戦。もし野党が過半数を取ったら日本は大変なことになります。10年前の民主党政権の時は共産党は野党でした。しかし今回は閣外と言っても、かなりの影響力を持つでしょう。共産党は皇室を否定し、日米安保を破棄することを綱領に謳う党です。日本が破壊されます。

 共産党を加えた野党共闘に勝利をもたらさないよう、良識的な国民の投票を願ってやみません。

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2021年10月30日 (土)

自民単独過半数を維持できるか、与野党激突の衆院選

2021b   「来年のことを言うと鬼が笑う」ではないですが、あすの衆議院選挙の結果は神のみぞ知る、と言うことでしょうか。しかし新聞各社や各種メディアは、世論調査をして様々な予測を立てています。私の家にも電話調査が舞い込んできました。

 まあ蓋を開けるまでは結果は分かりませんが、各種世論調査の結果は「自民苦戦」「自民過半数を維持できるか」、と言うところでは一致しているようです。現代ビジネスに公開した、ジャーナリストでインサイドラインの編集長の歳川隆雄氏のコラムが、そのあたりの様子を伝えています。タイトルは『岸田首相、最後の訴え…自民「単独過半数割れ」で迫られる重大な「決断」』(10/30)で、以下に引用掲載します。

 ◇

大手メディアの予測を大別すると

10月31日投開票の第49回衆院選はいよいよ待った無しとなった。今回の衆院選の焦点は報道各社が報じるように、徳俵に足がかかった自民党が何とか堪えて単独過半数(233議席)を維持できるのかどうかである――。

日本経済新聞の終盤情勢調査(26~28日実施)の議席予測は、未公表だが以下の通りである。自民党:231議席(選挙区164+比例67、以下同じ)、公明党:33議席(8+25)、立憲民主党:136議席(85+51)、共産党:13議席(1+12)、日本維新の会:33議席(14+19)、国民民主党:7議席(5+2)、社民党:1議席(1+0)。自民が単独過半数に届かないというものだ。

大手メディアの予測を大別すると、NHK、読売新聞、日経新聞は「自民苦戦、立憲増」であり、朝日新聞、共同通信が「自民そこそこ、立憲伸び悩み」である。つまり、各社の調査数値と票読みが真っ二つに分かれて、分析と評価が難しい総選挙なのだ。

読売新聞(29日付朝刊)は1面トップに終盤情勢調査(26~28日実施)を基に「自民単独過半数は微妙―小選挙区4割が接戦―立民増、維新勢い保つ」の見出しを掲げたことで分かるように、自民に対し厳しい見立てを紹介している。

ここで筆者は敢えて、独自の予測値を挙げてみたい。自民236、公明31、立憲138、共産15、維新30、国民7、社民1、れいわ1―である。競馬の予想屋ではないので当たった、外れたと騒ぐつもりはないが、筆者の見立ては自民が辛うじて単独過半数割れを回避できるという読みである。

「東京首都圏で大苦戦」は事実か

それにしても自民党が「東京首都圏で大苦戦」という見立ては、以下に紹介する事実からも推量できる。

甘利明幹事長は26日以降の日程をすべてキャンセルして自分の選挙区・神奈川13区に張り付くことを余儀なくされたのだ。元東京地検特捜部検事の郷原信郎氏が主宰する『神奈川モンダイ』で「投票用紙に『甘利明』と書くべからず!この男に投票してはいけない3つの理由」などネガティブキャンペーンを大展開している。結果、「甘利、太(栄志=立憲新人候補)と接戦に」(日経新聞情勢分析の見出し)なっている。

次は岸田首相の選挙戦最終日(30日)の遊説である。まさに大苦戦中の東京22区→神奈川14区→東京23区→神奈川7区→東京5区→同6区→同1区→同3区の順に回り、そして東京・品川区の大井町駅前(りんかい線・京浜東北線・東急大井町線)で最後の訴えを行う。東京3区は、自民現職の石原宏高候補(当選4回)が立憲現職の松原仁候補(7回)と生死を賭けてデッドヒートを繰り広げている。

かくも厳しい終盤戦なのだ。万が一、自民単独過半数割れ・甘利幹事長敗北に直面すれば、岸田首相は31日深夜、重大な決断を迫られる。それは11月1~2日に英グラスゴーで開催される国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)首脳会合出席を断念することだ。

岸田氏は26日に出席を表明しており、議長であるボリス・ジョンソン英首相との首脳会談も決まっている。2日早朝に出発し僅か6時間半滞在の0泊2日の強行日程であるが、外交当局は現在もジョー・バイデン米大統領との初顔合わせの可能性を探っている。

さらに10月第3週後半から嶋田隆首相政務秘書官を中心とする官邸官僚と木原誠二官房副長官(政務)、村井英樹首相補佐官(特命担当)などが準備していた首相スピーチが宙に浮いてしまうことだけは避けたい岸田官邸は、単独過半数維持に向けて半ば祈るような気持ちだという。

明日31日午後8時に投票は締め切られて、直ちに投票箱開けが始まる。報道各社の世論調査・議席予測を俯瞰すると、「読売・日経」対「朝日・共同」の戦いとなった。どちらに軍配が上がるのか、開票後の楽しみが一つ増えた。

 ◇

 もちろん自民党がわずかに過半数を下回っても、連立を組む公明党の議席を足せば過半数は確保できます。しかしそれでは今以上に政策に公明党の意向を強く反映せざるを得ず、折角高市早苗氏を政調会長に選んだ効果も半減されるでしょう。

 ここは何としてでも単独過半数を維持するよう、最後の踏ん張りを見せて欲しいと思います。それにしても国民の多くは共産党と組んだ立憲民主を、本当に期待しているのでしょうか。甘い言葉にかすんでしまった国民の政治の目を、しっかり覚ますように、自民党は今以上に、なぜ与党が良くて野党が駄目なのかを、丁寧に説明をしていくことが肝要だと思います。

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2021年10月29日 (金)

中露艦隊が堂々と通過、国辱の「特定海域」を見直すべき時が来た

Unnamed-1_20211028161601  今月18日、中露の艦隊が津軽海峡と鹿児島の大隅海峡を通過したニュースが報じられました。昨日の民放でも取り上げられましたが、津軽海峡など「特定海域」に指定されている海峡は、たとえその全領域が国際的に認められている12海里の中にあっても、国際運行に使用される国際海峡には基線から3海里とし、一定の幅の公海の部分を特別に作ったもので、そこをこれらの艦船が通行したのです。

 この事案を受けてにわかにこの「特定海域」見直し論が浮上しています。昨日の民放に出演した香田洋二元海将は、全域を領海にすれば、その領海を通航しようとする船舶は、領海外国船舶航行法施行規則に基づき通報の義務が生じます。例えば津軽海峡など韓国が貿易の航路となっているため、毎回この処置を行わなければなりません。

 さらに問題はこの通報の内容を捏造または、最悪の場合通報義務を無視した場合、海上保安庁は、立ち入り検査および退去命令を実施しなければなりませんが、相手が艦船の場合は艦内が治外法権となっていて、実際には検査できず、また退去命令などの場合、紛争に至る場合があるので、現段階では現状維持が望ましいと言っていました。

 しかしこの意見は、従来の日本の基本的対処方針を踏襲しただけであって、今回の事例が示すように、安全保障上問題が深刻なことを考えれば、見直しも必要だと感じます。このあたりの詳細を、軍事社会学者の北村淳氏がJBpressに寄稿したコラムから見てみます。タイトルは『中露艦隊が堂々と通過、国辱の「特定海域」を見直すべき時が来た 世界的にも稀な海峡概念は米国に媚びへつらう姿勢の象徴』(10/28)で、引用して以下に掲載します。

 ◇

 日本海で合同訓練を実施していたロシア海軍と中国海軍の軍艦10隻が、2021年10月18日に津軽海峡を太平洋に抜け、西太平洋での合同艦隊訓練を実施した。

 中国やロシアの軍艦とりわけ今回のような強力な艦隊が津軽海峡を抜けると、日本の一部の政治家や反中・反露勢力から、「特定海域」の設定に対する非難の声があがる。

23_20211028161701  日本政府は津軽海峡などの5つの海峡を「領海及び接続水域に関する法律」(1977年5月2日公布、以下「領海法」)で「特定海域」に設定している。特定海域という制度が存在するがゆえに、中国やロシアの軍艦が大手を振って津軽海峡を通過し軍事的威嚇を加えているのだから、このような制度は廃止してしまえ、と領海法の不備を指摘するわけである。

 それに対して、「特定海域」制度を廃止する必要はないという声もある。日本も参加している「国連海洋法条約」(1994年11月16日発効、日本は1996年に批准し同年7月20日に日本につき発効)には「国際海峡」という規定が存在する。津軽海峡に関しては、特定海域の制度を廃止しても国際海峡に該当することになるため、中国やロシアの軍艦通過に関しては実質的相違は生じない。むしろ潜水艦の潜航通過に関しては現状の制度のほうが日本にとっては都合が良い、といった反論がなされている。

世界的にも稀な海峡概念

 しかし、問題はこのような表面的な法制度の問題に存するのではない。日本政府がそもそも「特定海域」を制定した動機と、この制度をいまだに維持している姿勢が、アメリカに阿(おもね)る卑屈な国家としての象徴的事例の1つに他ならない。要するに特定海域を存続させるかどうかは国家主権の問題として捉えるべきである。

 日本政府は領海法制定の過程においてアメリカ軍・アメリカ政府からの圧力に屈して、日本自身の主権を自ら制限して「特定海域」という世界的にも稀な海峡概念を生み出した。

 当時のアメリカ軍が保持していた対ソ連あるいは対中国先制攻撃作戦計画において、核弾頭装着弾道ミサイルを搭載したアメリカ海軍潜水艦が北太平洋から津軽海峡を抜けて日本海に展開することが想定されていた。

 もし、日本政府が領海法で採択する領海幅12海里を津軽海峡にもそのまま適用した場合、日本にとっては外国軍艦である米海軍潜水艦が津軽海峡を通過する際には海面に浮上して米国旗を掲揚しつつ航行しなければならなくなる。

 もちろんアメリカ海軍はそのような規定は無視することになるのだが、できれば合法的に津軽海峡の海中を潜航したまま通過するに越したことはない。

 また、日本政府が米海軍の核ミサイル搭載原潜の日本領海内通過を認めた場合には、野党や反米勢力などからの激しい突き上げに直面することになる。

 そこで日本政府が考え出したのが特定海域の概念である。つまり、日本の領海幅は12海里とするが、宗谷海峡、津軽海峡、対馬西水道、対馬東水道、大隅海峡に関しては3海里に制限し、海峡の中央部は日本の主権が及ばない公海とする、という規定である。

 これによって、領海法が施行された後にも津軽海峡の中央海域には公海帯が存在することになり、核ミサイルを搭載したアメリカ海軍潜水艦が潜航状態を保って津軽海峡を通過しても、領海法にも非核三原則にも抵触しない状態が確保されたのである。

激変した日本の海峡を巡る海軍情勢

 特定海域の制度が生み出された当時においては、中国海軍はアメリカ海軍から見ればガラクタの寄せ集めのようなレベルであり、海上自衛隊にも全く対抗しうる存在ではなかった。また、当時強力であったソ連海軍も、日本海からオホーツク海や太平洋に進出するのはウラジオストクを本拠地にする水上戦闘艦艇が主戦力であり、米海軍にとって強敵であったソ連潜水艦は主としてカムチャツカ半島を本拠地としていたため、日本の「特定海域」である公海帯をソ連軍艦が航行してもさしたる脅威とはならなかった。

 ところが現在、中国海洋戦力は海上自衛隊を圧倒し、アメリカ海軍にも大いなる脅威を与えるに至っている。また、一時低調になってしまったロシア海軍も復活しつつある。そして、韓国海軍の戦力強化にも目覚ましいものがある。したがって、特定海域が制度化された35年前とは、日本の海峡を巡る海軍情勢は激変しているのである。特定海域の概念は情勢の変化に対応させねばならない。

 領海法の特定海域の規定を廃止した場合、宗谷海峡と対馬西水道の場合、海峡の対岸がそれぞれロシアと韓国であるため、両国との調整が必要となる。そして、対馬西水道と大隅海峡に関してはそれぞれ代替ルートが近接しているため、国際海峡に指定させないことも可能だ。

 再び問題となるのは、津軽海峡である。津軽海峡には、日本海の公海と太平洋の公海を結ぶ代替ルートが近接していないため、特定海域の概念を廃止すると国連海洋法条約によって国際海峡に指定せざるを得なくなる。この場合、あらゆる国のあらゆる船舶に「通過通航権」が与えられるため、アメリカ潜水艦も中国潜水艦も津軽海峡を潜航したまま通航することが可能になる。

 しかしながら国際海峡沿岸国は当該海峡における航路を管制する権利も有している。そのため、日本は潜水艦や軍艦だけでなくあらゆる船舶に対して津軽海峡内での航路を設定することも可能である。

 そしてなによりも冒頭で述べたように、日本政府がアメリカの圧力に屈し、アメリカに媚びへつらうためにいまだに継続している、まさに自主防衛の気概を自ら捨て去っている象徴の1つである特定海域の概念は、アメリカの属国から独立する意志があるのならば、即刻廃止すべきであろう。

 ◇

 米海軍の核ミサイル搭載原潜の日本領海内通過は、日本の非核3原則といういわゆる自主規制に基づいて、認められないのであって、米国の核の傘に守られているといいながら、「核を持ち込ませない」という矛盾に満ちたバカなこの原則は、即刻廃止すべきでしょう。

 更には前出の香田氏も認めているように、現行憲法9条下で、外国艦船の停戦命令や紛争時の処置は困難ですが、そもそも領海を侵犯しようとする外国艦船に対し、何もできないという「国恥状況」は、是非改める必要がありそうです。まともな主権国家になるためにも、憲法9条を破棄し、しっかりした抑止力を持たなければ、今回のようなあからさまな威嚇行為を今後も許すことになります。日本人一人一人にこの国を守り抜く覚悟が試されています。

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2021年10月28日 (木)

英エコノミスト誌:中国の成長に急ブレーキをかけたトリプルショック

Img_f77f70c9b1618bc174c9471c5605fbff1699  中国は今、不動産王手の恒大集団の経営危機が取り沙汰されていますが、不動産に限らずいくつかの要因が重なって、成長に急ブレーキがかかろうとしています。共産党一党独裁による特殊な経済運営で、この経済停滞を乗り切れるのか、世界が注目していると言っていいでしょう。

 そのあたりの事情を英国エコノミストが公開した記事を、JBpressが掲載していますので以下に引用します。タイトルは『中国の成長に急ブレーキをかけたトリプルショック 石炭不足、コロナ禍、建設減速がそろい踏み』(10/27 英エコノミスト誌 10月23日号)です。

 ◇

 2006年公開のドキュメンタリー映画「Manufactured Landscapes(邦題:いま ここにある風景)」に、風景写真家のエドワード・バーティンスキー氏が撮影許可を求めるシーンがある。

 中国・北京に近い工業都市の天津で、出荷を待っている中国産の石炭の山々を撮りたいというのだ。

 案内人は怪訝な顔を見せるが、写真家の助手が「カメラのレンズと先生の目を通すと、あの山は美しく見えるんでしょう」と言って納得させる。

 この推測は完全に正しいとは言えないことが分かる。

 写真家のレンズを通してとらえられた石炭の山の連なりは黒ずんでいて、悪魔を連想させる姿をしている。必ずしも美しいわけではないが、その莫大な量には畏敬の念を覚える。

5%を下回る水準まで成長が減速

 これらの写真を眺める限り、中国でこの燃料が不足するようなことは想像しがたい。だが、ここ数カ月間、かの黒いピラミッドはそれほど大きなものではなくなっている。

 中国で発電用燃料のほぼ3分の2を占める石炭が不足していることが、過去10年で最悪の停電を招く一因になった。

 そしてその停電は経済成長に打撃をもたらしている。

 バーティンスキー氏の案内人は、空が薄暗く汚れていることの言い訳として「中国経済は非常に速いペースで発展しているんです」と語る。

 だがそれも、もう完全に正しくはない。

 中国経済は三重のショックに見舞われている。

 上記の停電だけでなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックや、不動産デベロッパーの恒大集団の資金繰り問題によって悪化した不動産業界の減速にも悩まされている。

 10月18日に発表された第3四半期の経済成長率(前年比)は4.9%で、前期より低下した。

 9月の鉱工業生産指数伸び率(前年比)もわずか3.1%にとどまり、世界金融危機の際の最低値をも下回っている。

 COVID-19の登場から1年半あまり経って、パンデミック以前には耳にすることのなかった低い成長率が公表されている格好だ。

複数の要因から生じたエネルギー不足

 エネルギー不足から順番に見ていこう。

 今回の石炭不足の原因は、構造的なものと偶発的なものとに分けられる。不運な出来事には、7月に河南省、今月には山西省でそれぞれ洪水が発生し、いくつかの炭鉱が閉鎖を余儀なくされたことが含まれる。

 加えて、中国の石炭生産のおよそ4分の1を担う内モンゴル自治区では、汚職の調査が行われ、以前であれば採炭の拡大を承認していたかもしれない当局幹部の一部が関与を問われ、身動きを取れなくなっている。

 中国第3位の石炭生産量を誇る陝西省では、習近平国家主席も出席する9月の全国運動会開催に合わせて空をきれいにするために、石炭生産を減らしていた。

 保安検査官も石炭増産に待ったをかけた。中国では昨年100件を超える産業災害が発生したために、976の鉱山に調査が入った。

 石炭不足のさらに深い理由は、中国が石炭への依存度を低下させようとしていることに求められる。石炭は、この国の二酸化炭素排出で大きな割合を占める。

 政府当局はここ数年、新しい炭鉱の開発や既存の炭鉱の拡張の承認に消極的だ。

 エネルギー・コンサルティング会社ランタウ・グループのデビッド・フィッシュマン氏によれば、炭鉱拡張が「間違った方向にバスを走らせているのは明らか」だからだ。

 供給がタイトになると、本来は価格が上昇し、顧客が節約を余儀なくされる。だが、石炭価格が急上昇しても、発電事業者はコストの上昇を顧客に転嫁できなかった。

 電力の大半を購入している送電事業者に請求できる価格は、基準価格より最大10%しか引き上げることができない。しかも、この基準価格は頻繁には変更されない。

 また、最終需要者が支払う電気料金も、同じようにあまり変更されない料金表に基づいて請求された。

 発電事業者のなかには赤字で運営することを拒み、発電をやめたところもあった。

コロナ禍に不動産ショックが追い打ち

 パンデミックも中国経済にショックをもたらした。

 7月に南京で始まったクラスターをはじめとする感染拡大を受け、地域限定の厳しいロックダウン(都市封鎖)が導入され、小売支出(特に食事の出前)と旅行が落ち込んだ。

 旅行予約サイトのフライトマスターによれば、8月の旅客機の稼働率は50%に満たず、9月に入っても3分の2にとどまっている。

 とどめは不動産セクターへのショックだった。

 中国の経済成長、雇用、レバレッジ、そして不安を常にかき立ててきたエンジンに当たるセクターだ。

 規制当局はマンションの投機需要の抑制と住宅建設業者による過大な借入の制限を試みている。金融セクターのリスクを抑えようとするこの取り組みのせいで、以前から存在していた危険の一部が正念場を迎えることになった。

 負債総額が3000億ドルに達する巨大デベロッパーの恒大集団は、9月24日にドル建て社債の利払いを見送った。他社もこれに続いた。

 そのため住宅購入者のなかには、どの不動産開発業者に対しても頭金の支払いをためらう動きが出ている。

 予約販売しているプロジェクトの物件が完成する時まで、開発業者が存続できない恐れがあるからだ。

 こうしたことを背景に、中国の9月の国内新築着工は前年同月に比べて13.5%減っている。床面積で計測される不動産販売も同程度減少した。

 セメントや鉄鋼の生産も急激に落ち込んでおり、前者の9月実績は前年同月比13%減、後者は同14.8%減となっている。

 中国の中央銀行は10月15日、不動産業界は総じて健全であり恒大集団は特異なケースだという見解を示した。

 これを聞いた人は安心するはずだったが、政策立案者は不動産セクターの苦境について相当懸念しなければ救済には動かない。

 規制当局が不安になることが、住宅建設業者とその債権者の不安を緩和するための必要条件の一つなのかもしれない。

 ほとんどの経済学者やエコノミストは、中国の経済成長率(前年比)は第4半期にさらに低下すると見込んでいる。

 バンク・オブ・アメリカは基本ケースとして2.5%の成長を予想している。中国はCOVID-19への警戒を続けるだろうし、不動産セクターの不振はさらに悪化する余地がある。

足元の石が崩れたら跳ぶしかない

 しかし、3つのショックのうち1つは、年末にかけて少なくともパンチ力が若干弱くなるはずだ。

 発電所は不動産デベロッパーとは異なり、遅まきながら当局から支援を得た。炭鉱には増産の指令が下った。

 10月19日には中国で最も重要な計画機関が、石炭価格があまりにも高い水準にとどまるなら介入すると脅しをかけ、石炭の先物価格が急落した。

 川上部門での価格介入の脅しは、川下部門の自由化に向けた大きな一歩に続く動きだった。

 中国政府は今後、発電事業者が送電事業者に原価上昇を販売価格にもっと自由に転嫁できるようにする。

 また、商工業者の顧客には料金表に書かれた料金ではなく、市場での交渉で決まった電力料金の支払いを義務づける(一般世帯や農家は対象外)。

 こうした計画は長い間検討されてきたものだ。だが、急な危機の発生によって実施を強いられた。

 前出のフィッシュマン氏は、政策立案者たちは以前、「市場原理の緩やかな導入」好んだかもしれないが、「国中の工場の明かりが消え始めたことで」状況が変わったと話している。

 中国は、川を渡る時には川底の石の状態を足で探りながら進むのを好む。

 だが、足をかけた石が崩れてしまったら、あとはもう跳ぶしかない。

 ◇

 跳ぶしかないとはどういうことかよく分かりませんが、実際のところ跳べればいいが、跳ぶ前に転ばないでしょうか。いずれにしても共産主義下における中国式自由経済は、今やどんどん計画経済化し、本来の共産主義経済に近づいているようです。そうなれば経済の自然発生的な需給調整による効率化は図れず、ますますいびつな形になっていくでしょう。中国の今はその途上にあると言ってもいいと思います。

 その結果以前にも増して当局による統制が強まり、進出している日本企業にもかなり影響が及ぶことが予測されます。統制が酷くなる前に撤退が可能な企業は、是非その時期を早めるよう望みます。はた迷惑な「中国の夢」を追うこの国の経済が減退し、その覇権の勢いが鈍ることを願ってやみません。

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2021年10月27日 (水)

「野党共闘で日本は共産化、中国の一自治区に」というリスクを真剣に考えよう

Maxresdefault-1_20211026172801  衆議院選挙は終盤に入り、自民党の苦戦が伝えられています。コロナ禍による特定の産業の疲弊と経済全体に対するダメージ、また医療体制の不備やデジタル化への遅れで、コロナ対応が後手に回った感はありました。諸外国に比較してうまく処理してきた面も多いと思いますが、菅元首相の説明不足もあって、野党の政府批判の思うつぼになっています。

 政府としてはやるべき事はやったのでしょうが、疫病対策やデジタル化は過去の不作為の付けが出てきた感じですし、説明不足は国民の不満を増長するため、これらが自民党の不信に重くのしかかってきています。

 だからと言って野党が優れた政策提言をしてきたかというと、そんなことはありません。殆ど政府批判に終始していたように思います。ですから政権交代など万が一でもあれば、日本にとって最悪の事態に陥るでしょう。元陸将補の森清勇氏が、JBpressに寄稿した記事にその危惧が記されています。タイトルは『野党共闘で日本は共産化、中国の一自治区に 天皇・皇室の存続や防衛、家族制度などを問う今回の総選挙』(10/26)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

 これまでの衆議院選挙では、政権選択に共産党はほとんど関わりなかった。

 自民党主体の政権に対抗する野党も、共産党との連携や協力では国民の支持が得られないという認識があったからである。

 共産党以外の党は、国民受けするように政策を変更することに吝かでないが、共産党は立党以来、天皇制の打倒と日米安保の廃棄・自衛隊の解消の主張で一貫してきた。

 表現や目標達成の時期的な変更はあるにしても、最終的な目標は維持したままである。

 最大野党の立憲民主党が、共産党と選挙協力して候補者の一本化を図り、政権交代を公然と打ち出してきた。

 実現の暁に、立憲君主制で自由民主主義社会が続くと思うのは軽薄で、自由も言論も制約される全体主義、共産主義社会への道をたどり、日本が日本でなくなる導火線となるのではないだろうか。

「考えられないこと」を考える

 日本の歴史そのものと言っていい天皇・皇室制度がなくなり、国際情勢、なかんずくアジア情勢が激流している中で、日米同盟が解消され、前後して自衛隊も解体されればどうなるか。

 肇国以来、日本には皇室があり天皇が存在し続けている。大部の時代で天皇は「権威」として存在し、時々の権力者が政権を担う二重構造で日本の存続と安定が図られてきた。

 蘇我や藤原などの豪族、信長や秀吉・家康などの権力者も天皇の権威に服し、官位を賜って政治を行った。

 その権威が存在しなくなれば、中国の統治と同じように、権力闘争で勝ったものが民主的な選挙などは一顧もせずに国民を盲従させる政治を行うかもしれない。

 また、尖閣諸島を虎視眈々と狙っている中国は、日米同盟が解消された瞬間に易々と同諸島を占領するだろう。

 フィリピンから米軍が撤退した結果、南シナ海の領有権を主張し始めたことが証明している。

 その上に、自衛隊の弱体化を見謀るように、沖縄どころか、日本全土を何の抵抗も受けることなく支配下に入れよう。

 中国共産党の下書きとされる一枚の地図が以前からネット上に出回っている。

 2050年頃の中国の版図とされるもので、その地図では列島全体が中国の「日本自治区」となっている。

 チベットやウイグル人の自治区と同様で、いずれは日本語の代わりに漢語が強制され、従わないものは教育施設という洗脳のための強制収容所に入れられる運命となろう。

 今日のウイグル人などの問題は他人事ではなくなる。

 こうした考えを逡巡しているうちに、何日か寝付かれない夜が続いた。政治の問題、日本の将来など、あれこれと関心事項が浮かび、今度の総選挙の位置づけの重大性を日に日に感じている。

 岸田文雄首相ばかりでなく、安倍晋三・麻生太郎氏らの元首相までが全国を必死で駆け回って選挙演説しているのは、無党派と称される人々に、未来の姿を説き、体制の選択であることを理解してもらいたいためだ。

 バラマキ発言に動かされて、「悪夢」の再来では済まない〝極悪世界″を招き寄せないとも限らない危惧からである。

自由主義世界と全体主義世界の選択

 それほど今回の選挙は重い位置付けにある。端的に言えば、これまで通リの「自由民主主義」の陣営で生きるか、中国やロシア・北朝鮮のような「共産主義」「全体主義」陣営の仲間入りの端緒を開くかという、大きな分岐点にある。

 実現可能性を抜きにした美しい選挙公約に踊らされて自公政権を倒し、後で公約は机上の空論でしかなかったと気づいても、次の選挙で政権交代させればいいという考えがありうる。

 その考えは12年前の政権交代で検証されたが、当時は交代した政権に共産党は絡まなかった。今次の選挙は〝これまで″の話とは根本的に異なる。

 かつて、「地上の楽園」の美文に踊らされて渡海した人たちは、その後、〝邯鄲の夢″でしかなかったと気付いたが、元の日本に帰国できただろうか。否である。

 共産主義や全体主義国家においては、自由意志が機能しない社会である。

 全国民参加の民主的な形を装いながら、現実は全く民主的ではないため、国民の意志が反映される仕組みにはならない。

 現在の中露朝の政権は、憲法をはじめとして、「民主的」とか「合法的」という接頭語を至る所で使うが、そこに至る前段階で党や政権に反対する国民は除外される「法的」仕組みを作っている。

 日本共産党が政権に絡まないときは確かに民主的な選挙で民意にそう政権交代が可能であり、これまでそうした政権交代ができた。

 ところが共産党が政権に絡むと、中露朝、その他の全体主義国家にみるように、立候補が絞られるなど国民を選別する仕組みが導入される。

 その結果、「民主的」かつ「合法的」な選挙を行うと、反対票はゼロか、あっても極わずかである。そもそも、文字通リの〝民主的″な選挙などあり得ないということである。

日本の芯柱と安全の担保

 日本共産党は外国製の党である。

 ソ連共産党の指導でつくられた国際共産党(コミンテルン)の日本支部として創設された。

 ソ連共産党がロシア革命を起こしてロマノフ王朝を打倒したように、コミンテルンの指令には君主制打倒があり、日本共産党は「天皇制」(共産党用語)打倒を掲げてきたし、その考えは今も変わっていない。

 今回の総選挙で野党が勝利して、立憲民主党が政権担当する主体となり、選挙協力した共産党は閣外協力でも限定的と言われる。

 しかし、それは、選挙を勝ち抜くための口実でしかないであろう。

 政権交代した暁には、日本はどんな世の中になるのだろうか。

 選挙に勝たせてもらった代償で、立民政権は共産党の影響を受けないと言いながらも、立民自身が選挙戦などを通じた過程で極左化を免れない。

 また、共産党が見返りを要求するであろうから、外部にあからさまに見えはしないが裏では共産党との政策調整が必要となるに違いない。

 そうなれば、じわじわと共産党の意志が反映されるようになる。

 そうした事項の最大が天皇と皇室制度の廃止や、日米同盟と自衛隊の廃止、さらには社会生活の維持に不可欠なエネルギー問題である。

 国民のほとんどが無関心で「存在」が自然であった天皇と皇室、自由にものが言え、好きな宗教を信じ、民主的な選挙で指導者を選べた自由民主主義を基調とするのが私たちの社会であった。

 今回の総選挙を通じた国民の選択によっては、この社会を根本的に変える政治が行われるようになるかもしれないのだ。

 天皇制を廃止し、日米同盟・自衛隊を解消し、原発の廃止で不安定なエネルギー事情の日常生活である。

 それどころか、人間の生きる基本である思想信条さえがチェックされ、指導者の要求に合わなければ強制的に変更をさせられる監視社会の到来である。

 閣外協力さえ受けないという立民の建前から共産党の考えは当面取り入れないとしているが、国民運動に共産党の手が伸びることは確実で、立民の政策が次第に共産党化していくことは避けられないであろう。

 立憲君主制は平等の原則に反するとしている点からも、早急な見直しが必要となることは火を見るよりも明らかだ。

皇室の混乱・自壊は共産党の願望

 内親王の婚約を機に、秋篠宮家に混乱が生じてきた。天皇家に新王が誕生しなかったために秋篠宮殿下が皇嗣となられたが、それまでは「自分は天皇になるための教育を受けていない」とたびたび強調されたと宮家関係者は語る(以下皇室に関する内容は「週刊文春」2021年10月28日号による)。

 そして「自身が次代の天皇である悠仁さまを育てることに自信がないようにお見受けします」とも関係者は語っているという。

 秋篠宮自身、皇位継承をめぐって朝日新聞で、「兄が80歳の時、私は70代半ば。それはできないです」と発言されている。

 皇位を継承するはずではなかった秋篠宮家だから、子供たちは皇族との縁の深い学習院ではなく国際基督教大学(ICU、内親王2人)やお茶の水女子大学付属中学(悠仁親王)に進学させられたという。

 自由な教育の下で育った妹の佳子内親王は、「自由がない、人権がない。早くこの生活から抜け出したい。これは姉も同じ気持ち」と語り、苦悩を吐露していたと言われる。

 姉の結婚に関しても「一個人としての希望が叶う形になって欲しい」と語っておられる。

 こうした宮家で育っておられる親王が「自身」をどう受け止められているだろうか。

 上記週刊誌は宮家の関係者の話として「情緒が不安定なご様子をたびたび見せておられた」といい、母の紀子さまに「お前」と口にされたり、職員との缶蹴りで負けると普通でない大きな声を発せられたりするなど、「暗い影を落としている」とも語っている。

 国民は、宮家のこうした雰囲気は何一つ知らされてこなかった。

 いや、昭和天皇や上皇陛下までの教育状況に肖って、一心に天皇となるための帝王学に勤しんでこられたと思いこんできた。しかし、必ずしもそうではないようだ。

 こうしたギャップを共産党はつかんでいたのではないだろうか。そして、「皇室の自壊を待つ日本共産党」(梅澤昇平論文、『Hanada』2019年6月号所収)として猫をかぶって来たに違いない。

 皇位継承問題や開かれた皇室ばかりに国民は注意を向けて、肝心の次代の天皇の教育については無関心過ぎできたのではないだろうか。

その他にも大きな問題がある

 ポリティカル・コレクトネス(PC、政治的正義)が言われ出してから、同性婚やLGBTなどが声を高めてきた。

 こうした考えを重視する政治思想を近年はアイデンティティ・ポリティックス(IP)ともいうようだ。野党の多くはPCやIPでも自民党などよりも先鋭的である。

 国家・社会を維持し発展させる基本からは、異性の結婚が不可欠な本道であり大多数で、同性愛者やLGBTは本道ではなく、また人口的には少数であろう。同性愛者やLGBTの存在を認め、蔑視を避ける施策は必要であるが、異常な強調は社会を歪め、衰退につながりかねない。

 家族制度(婚姻問題)は国家にとって重要なものである。結婚とは異性との結びつきである。

 これは子孫を残し、国家の存続と社会の発展に寄与することを前提にしている。

 憲法は「両性の合意」としており、「異性」の両人を前提にしている。しかし、同性との共同生活者も増える現実において、同性婚を認めよ・認めないのは憲法違反だという意見も多くなりつつある。

 同性婚では子供が産めないし、長期的に国家の存続が不可能である。また、生産者の減少から社会は発展するどころか衰退しか予測されない。

 また、若い時の同性婚は趣味等に生きる楽しみが大きいかもしれないが、高齢化した時の生活風景や介護はどうなるかを一顧もしていない。

 同性婚ではペットなどを共にする家族が多いかもしれない。それは社会の安寧と融和にはなり平穏な家庭生活となりうるであろうが、代を継ぐことのできない一時的なものでしかない。

 養子という、他の家族が生んだ子供の養育は有り得ようが、国家を支えるほどに多くはないし、愛情などの問題が絡むことも避けられない。

 異性の合体が結婚の本道であり、同性の共同生活に対する偏見などの差別排除は必要であるが、「結婚」と認めて本道と同じ法的保護をするには違和感がある。

 差別は許されないが、国家・社会の維持発展のためには、例えば税制などでの「差異化」は必要であろう。

 重ねて言うが、蔑視や差別は許されないが、若さを謳歌するが子供を産み育てない分、名称はともかくとして「享楽税」や「後年負担税」などで子育て家族の苦労を補完する課税で、国家の存続と社会の繁栄に貢献する仕組みとすべきであろう。

 少子高齢化が国家の維持を困難にし、社会の発展を阻害することを考慮するならば、本道の「結婚」を推奨すべきで、PCやIPを軽視や無視するかのような発言をしばしば行った前ドナルド・トランプ大統領がいまだ隠然とした力を見せ、支持する多くの国民がいるわけである。

おわりに:反対ばかりの政党に政策立案能力ありや

 一時、野党にもネクスト・キャビネットとかシャドウ・キャビネットなどと銘打った模擬内閣があった。

 時の政府をチェックし、自分たちの政府ならばこうした政策をとるという具合に、普段から政権をとった時の演習をやっていた。

 2009年に政権奪取した民主党がそうであったが、実際に政権交代を果たし国の舵取りを担うと、国家と国民が実在して机上の通りには行かず、散々な結果しか残さずに3年3か月余で終わった。

 その後遺症が震災復興や普天間基地の遅れ、原子力エネルギー問題でいまだに尾を引いている。

 その後の野党にシャドウ・キャビネットがあったとは寡聞にして知らない。

 しかも今回の選挙では野党共闘に共産党が参加している。

 長期的な目で見れば日本を日本たらしめてきた天皇・皇室の存在を許すか否か、民主主義国家に別れを告げて全体主義国家に向かうかという、国家の原点を問うもので、単なる政権選択ではない。

 過去のいかなる選挙における一票よりも〝重い″ものであると言える。

 ◇

 森氏が強調するこの危惧に対し、野党候補(共産党と選挙協力をした)に投票を予定している有権者のどの程度が、この危惧を実感しているのか。あるいは共産党と同様、天皇制を廃し、日米安保を破棄しようと思っているのかは分かりません。

 戦後日本人の多くは共産主義の恐ろしさを実感しないまま育ってきました。日本には共産党が実在し彼等が本音を語らず、選挙対策として弱者に寄り添う優しい党という仮面をつけて来たことに気付かないのです。実際は羊の皮を被ったオオカミです。

 そのことを教育してこなかったのは、共産党を非合法にしなかった日本の法制度にあります。アメリカなど多くの民主主義国は共産党を認めていません。日本はGHQの起草した憲法で「自由」を高らかに謳いすぎています。つまり共産党も存在する自由です。

 しかしその共産党が上記のように日本の国体を破滅させ、中国の属国にする目的の党(今、反中国共産党を掲げていますが、これも仮面でしょう)と言うことを、肝に銘じて欲しいと思います。日本が日中戦争から大東亜戦争に突入した要因の一つは、「共産主義から日本を守る」ためだったことを念頭に置き、共産党と協力する野党には投票しないよう願うばかりです。

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2021年10月26日 (火)

台湾進攻の「次は沖縄」、日本は果たしてどうする

22_20211025170101  中国習近平政権の台湾統一への実力行使が取り沙汰されている今、バイデン政権は前トランプ政権とは違い、やや融和的な動きを見せていることが気になります。日本も台湾有事の先には沖縄有事が予想されることを念頭に、その対応を準備しておく必要があります。

 しかし各党の安全保障分野の公約を見ると、台湾に言及したのは自民党のみ、それもTPP関連で有事の際の記述はありません。野党は立憲民主、共産党、社民党のいわゆる特定野党は、そろって沖縄の辺野古への移設中止を掲げています。共産党は持論の日米安保の廃棄を未だに謳っています。

 差し迫った中国の脅威に対し、日本のこの有様はあきれてものが言えません。一億総お花畑の現状は、事が起こらない限り目覚めないのでしょうか。中国のお膝元のこの日本を、米国が肩代わりして防衛してくれるなど無理だと気づかなければなりません。台湾防衛ですら米国にとってやっかいな重荷なのです。

 このあたりの実情を、米国のブラマ・チェラニ(インド政策研究センター教授)氏がNewsweek誌に寄稿したコラムから引用します。タイトルは『台湾進攻の「次は沖縄」...中国の野心は「ヤマアラシ」作戦で防げ』(10/19)です。

 ◇

<中国の台湾進行を防ぐには、「非対称」戦略を進めることで中国に物理的な高いコストが発生すると意識させることが必要だ>

中国の強引な拡張主義は、これまでになく危険な方向に向かっているのかもしれない。最近は記録的な数の中国軍機が台湾の「防空識別圏(ADIZ)」に進入している。台湾の吸収による「祖国統一」を目指す中国政府の本気を示す明確なメッセージだ。

中国は台湾を一貫して自国領土だったと言っているが、実際には歴史修正主義に基づく疑わしい主張だ。台湾は歴史の大半を通じ、非中国系のマレー・ポリネシア系民族の居住地だった。地理的にも台湾本島は中国大陸よりフィリピンに近い。住民の大半も現状維持を望んでいる。

だが習近平(シー・チンピン)国家主席は1950年代に毛沢東がチベットで行ったように、「祖国統一」の名の下に台湾の併合を狙っているようだ。中国が台湾に侵攻すれば、近年で最大の世界平和への脅威となる。

台湾が占領されれば、死活的に重要な地域における航行の自由が損なわれ、インド太平洋地域のパワーバランスが覆る。中国は日本列島から台湾、フィリピン、ボルネオ島へと続く「第1列島線」を突破し、近海を支配下に置ける。一方、信頼できる同盟国としてのアメリカの評価は決定的に傷つく。台湾の征服を防げない(または防ぐ気がない)のであれば、他の国もアメリカには頼れないと考えるだろう。

台湾に隣接する南端の島々を持つ日本にとって、このリスクは特に深刻だ。麻生太郎副総理兼財務相(当時)が7月に語ったように、「次は沖縄」かもしれない。アメリカに頼れない日本は再軍備から核の保有に向かう公算が大きい。韓国、フィリピン、タイなどは中国の勢力下に入りそうだ。

台湾防衛に米軍を投入すると明言せよ

それでもアメリカは、中国による台湾占領とアジアの安全保障秩序崩壊を本気で防ごうとしているようには見えない。歴代の米政権は南シナ海から香港、新疆ウイグル自治区まで、習の拡張主義的行動を何度も許してきた。バイデン米大統領が最近、中国に融和的姿勢を見せていることも、習の自信を深めているはずだ。

中国の台湾占領を阻止できる手段があるとすれば、国際社会の評価だけでなく、物理的にも高いコストが発生すると中国側に意識させることだ。だからこそ、バイデンは台湾防衛のために米軍を投入すると、習にはっきりと告げなければならない。

トランプ前大統領の退任直前に機密解除された内部文書「インド太平洋におけるアメリカの戦略的枠組み」は、台湾の「非対称」能力構築を支援するよう推奨している。一部の元米政府・軍当局者も、こうした戦略に賛同を表明した。ジェームズ・スタブリディス退役海軍大将が指摘したように、ヤマアラシの針状の毛は消化が困難なため、大型の捕食者から身を守る盾になる。同様に対艦・対空ミサイルのような兵器は、台湾侵攻を高コストで長期にわたる血みどろのゲリラ戦に変えるはずだ。

しかし米台両当局者が非対称戦略について合意したとしても、中国という龍の喉を詰まらせる「ヤマアラシ型台湾」を構築するには数年かかるだろう。侵略者に持続的なゲリラ攻撃を仕掛ける大規模な民間人部隊の育成が必要だ。

それまでの間、侵略を思いとどまらせる方法は1つしかない。戦争も辞さないと脅すことだ。アメリカは冷戦の期間中そうやって、今の台湾よりも政治的に危うい状態だった西ベルリンの自由を守り抜いた。

最悪の対応は台湾を武力で守る意思を明確に示さず、口だけで中国の台湾占領に反対することだ。罰を受けずに行動できることに慣れた習はさらに大胆になり、奇襲侵略作戦を命じかねない。そうなればインド太平洋の秩序は覆され、アメリカの世界的優位に致命的打撃を与えるだろう。

 ◇

 地政学的に中国から遠く離れたアメリカが台湾防衛に躍起となるのは、台湾が中国の軍門に下ったならば、中国の太平洋への展開が一気に可能になると共に、それゆえ超大国の座を脅かされる可能性があるからで、むしろ近隣にあって火の粉が飛んでくることが予想される日本の方が、実害が大きいことを知るべきでしょう。

 ブラマ・チェラニ氏の指摘の通り、台湾が沈めば韓国、フィリピン、タイなどが中国の勢力下に入ると共に、日本も例外とは言えないでしょう。少なくとも沖縄は完全に狙われることになるでしょう。

 それだけ台湾防衛は西側諸国、特に日本にとって死活的重要な案件です。アメリカに防衛を肩代わりしてもらうなど、甘いことを言っている場合ではありません。そのアメリカも番犬とみている日本が何もせず、寝てばかりいるようでは、いい加減愛想を尽かすのではないでしょうか。

 ブラマ・チェラニ氏はアメリカに頼れない日本は再軍備から核の保有に向かう、と述べていますが、それが可能であればもうやっているはずです。憲法9条も変えられない日本にとって、再軍備から核の保有に向かうなど、夢のような話ですが、今確実にその時期が近づいていると言えます。トランプ氏も容認したこの安全保障政策を、日本は本気になって進める必要がありそうです。

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2021年10月25日 (月)

美辞麗句を並べ立てた「バラ色」の政策に騙されるな

21_20211025103501  「バラマキ」批判をした財務次官がいます。彼の本音はきちんと財源を考慮して、現金一時支給や消費税のカットをしなければ、財政は持たない、と言う意味でしょう。それに対し「タイミングが悪い」「今の時期は国債を発行してでも経済を動かす必要がある」という反論が聞かれます。これもまたその通りでしょう。

 こうした財政論議は別にして、確かに野党の中には消費税ゼロや5%にとか、10万円の現金支給とか、最低賃金を1500円にとか、所得税をゼロなど、大盤振る舞いの「バラマキ」の大合唱。しかしその財源は決まって富裕層への一層の負担と、富裕層からどれだけ税がとれるのかも知らずに、同じような文言が並べられPhoto_20211025103601 て、実現性は極めて低いように思います。

 これらは究極のポピュリズムで、無責任な公約です。大方の知見を有した人はこんな絵空事に乗っかることはないでしょうが、そうでない人も多い。ふらふらと美辞麗句に酔わされて、一票を投じる可能性も大です。そうした人たちに是非読んでいただきたいコラムがあります。東洋学園大学客員教授で元空将の織田邦男氏が産経新聞の「正論」に寄稿したのがそれです。タイトルは『「下の句」のない公約は欺瞞だ』(10/25)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

≪選挙向けの美辞麗句では≫

「親思う 心にまさる 親心 今日のおとずれ 何と聞くらん」吉田松陰の辞世の句である。誰が何を言おうが自分が正しいと思えば行動に移し、至誠を貫き通した松陰は、江戸末期の動乱期に多くの若者に思想的影響を与えた。

「今日のおとずれ…」という「下の句」は、刑死に臨み、自分の死で、両親がどんなに悲しむかという思いが込められている。この「下の句」があって初めて松陰の人となりの全貌が明らかになる。何事も「上の句」と「下の句」が相まって完結する。選挙公約も同じである。

衆議院選挙の真っ最中だが、各党の選挙公約を見ると「下の句」がないものが多い。完結しない小説のようで、欲求不満になる。「下の句」は通常、耳に痛い。選挙になると「下の句」は避け、美辞麗句満載の人気取りに堕することが多い。

辺野古移設中止というなら「普天間の危険性は是正できない」という「下の句」を言うべきだろう。消費税率5%引き下げなら年10兆円超の代替財源という「下の句」がないと政策たりえない。原発に依存しないと主張するなら「再生エネルギーで足りない分は停電で我慢しよう」と言わねばならぬ。「新しい資本主義」の「下の句」は何か。素人にはサッパリ分からない。良いことばかりならとっくに実行しているはずだ。

現役時代、米国ニューハンプシャー州に出張した際、米軍の友人から聞いた話だ。当時、ニューハンプシャー州は、州税(消費税)を撤廃した後だった。その財源として、なんと消防署を廃止したという。「州は消費税をとらない」という「上の句」に対し、「だから火事になっても自分で消火しろ」という「下の句」を州民投票で決めた。「下の句」を詳(つまび)らかにした上での州民の選択。さすがは民主主義の国だと感動したことを覚えている。

≪「バラ色」の政策に注意を≫

日本ではどうか。もう数十年も前になる。道路建設をめぐって周辺住民の反対運動が起こった。革新知事は、学者出身らしく西欧の警句を引用して反対運動に迎合した。「一人でも反対があれば、私は橋をかけない」と。実はこの警句には「下の句」があった。「だから冬でも泳いで渡れ」という「下の句」が。彼はそれを言わなかった。「道路は作らない。だから交通渋滞が起きても我慢しろ」と言って初めて政策は完結する。結果、いまなお慢性的な交通渋滞は続いている。

自衛隊はいらない、日米同盟にも反対だと主張するなら、「侵略されれば、殺されようが、自由を奪われようが仕方ない」と言うべきだろう。「公務員は減らせ。でも公共サービスは今まで通りで低下させるな」では、まるで駄々をこねる子供ではないか。「上の句」だけのバラ色の政策などあり得ない。選挙だからこそ国民は賢くならねばならない。

国民にも「下の句」を軽んじて恥じない人がいるのは残念だ。軍事研究はしないとする学術会議に所属した学者が、軍民融合の中国に招聘(しょうへい)されて研究をしている。かつて成田闘争でバリバリの活動家だった人が、何の恥じらいもなく成田空港を利用する。組合活動で授業をサボタージュする公立中学の先生が、自分の子供は私立の学校に入れる。「公立中学は荒れているから」とあっけらかんと言い放つ。なんだか割り切れない話が多い。

≪国民が試されている≫

「下の句」をないがしろにするのは恥ずかしいことだ。かつての日本では恥は死に値した。権利の主張は控えめでも、義務は当然のこととし、責任は命を賭(と)してでも果たす武士道の国だった。西欧にはノーブレス・オブリージュという言葉がある。高い地位に伴う道徳的、精神的義務を表す言葉だ。日本では高い地位でなくても、一般の庶民が責任と義務を果たすのを当たり前のこととしてきた。

大正末期から昭和に駐日大使を務めたフランスの詩人ポール・クローデルは、こういう日本を次のように述べた。「日本は貧しい、しかし高貴だ。地上で決して滅んでほしくない民族をただ一つ挙げるとすれば、それは日本だ」と。

「自由」には「責任」が、「権利」には「義務」が付随するという当たり前のことを、戦後日本は軽んじてきた。その結果、「自由と権利」は主張するが、「責任と義務」という「下の句」を回避する無責任体質が蔓延(まんえん)するようになった。今は「自己責任」という言葉さえタブーになりつつある。「自助、共助、公助」と言った途端、「政府が『自助』を言うとは何事だ」と批判されるようになった。これでは国家はもたない。

国家はスーパーマンでもなければ、打ち出の小槌(こづち)でもない。「下の句」のない耳にやさしい選挙公約なんぞ欺瞞(ぎまん)である。我々国民は常に「その『下の句』は何だ」と厳しく問い詰める姿勢が必要だ。でなければ日本に真の民主主義は育たず、いつまでたっても自立できない。選挙では国民が試されているのだ。

 ◇

 残念ながら国民の中には左向きのメディアに洗脳され、自分を弱者と見立て、弱者に手厚い政策をするのが政治だと、勘違いしている人が多くいます。世界には今晩の飯にもありつかない何億もの人たちがいて、またいつ爆弾が落ちて命を落とさないかと、部屋の片隅でひたすら縮こまっている、数千万の戦火の中の人もいます。

 少しくらい人より収入が少ないくらいで、弱者だ貧困だと騒ぐ人は、そういう国に行って現実を見ればいいと思います。政府に文句ばかり言うのではなく、どうすればこの国が少子化から脱するか、失われた30年から脱するか、中国などから揺すり、たかりを受けなくなるか、そのことを日本人として真剣に考えて欲しい、そう思いますね。

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2021年10月24日 (日)

横田早紀江さん【めぐみへの手紙】から 放置、不作為、無関心…「国家の恥」 

Podcast_hahanoinorirs  当時13才だった横田めぐみさんが、北朝鮮に拉致されて42年が経ちました。めぐみさん以外にも、多くの日本人が拉致されて、帰還できたのはたったの5人。北朝鮮はもう拉致被害者はいないと嘯(うそぶ)いています。

 その北朝鮮の見解を信じず、政府や時にアメリカ大統領にも帰還を求め続けてきた拉致被害者の家族たち。中でも拉致被害者の象徴的存在である横田めぐみさんの母、横田早紀江さんが娘に綴った手紙が公開されました。JAPANForwardに掲載された記事から引用します。タイトルは『【めぐみへの手紙】放置、不作為、無関心…「国家の恥」残せない』(10/22)です。(なおこの文は、2021年10月2日付産経新聞【めぐみへの手紙】を転載しているということです)

めぐみちゃん、こんにちは。厳しい夏を何とか生き抜き、涼やかに、高く澄み渡るようになった空を見上げると、秋の気配を感じます。世界を覆う新型コロナウイルスの災厄の中、人と人とのつながりの大切さを改めて思います。10月5日、あなたは57歳の誕生日を迎えますね。13歳だった女の子が、どんな姿になっているのか、もう想像さえできません。お母さんも85歳のおばあちゃんになってしまいました。時は刻々と過ぎ、それでも必ず生きて抱き合えると念じて、祈り、命の炎を燃やしています。

この季節になると頭をよぎるのは、北朝鮮から羽田空港に到着した飛行機のタラップを下り、祖国の土を踏みしめた拉致被害者5人の姿です。

平成14年10月15日。蓮池薫さん、祐木子さん夫妻。地村保志さん、富貴恵さん夫妻。そして曽我ひとみさん。めぐみちゃんと同じように北朝鮮に拉致された5人が、私たちのもとに帰ってきてくれました。

救出運動では、めぐみちゃんたちとともに、被害者の顔写真も掲げました。「助けてください」。街頭で叫び続けました。写真で幸せそうな笑みを浮かべていた若者たちは年を重ね、やせて、疲れ切っていました。それでも、帰ってきてくれて本当にうれしかった。

「5人が降りた機体から、あなたも笑って飛び出してくるのではないか」

お父さんとお母さん。そして、あなたが通った新潟小学校の馬場吉衛校長先生と一緒に、ずっと、タラップを見つめていました。でも、あなたは現れず、それから19年間、時は止まったままです。

拉致被害者も、その家族も老い、病を抱え、残された時間は本当に僅かです。

拉致事件が起きて40年以上が過ぎゆく中、非道で残酷な事実は風化し、解決が遠のいていく不安を常に感じていました。放置、無関心、不作為-。これほど大事な問題がなぜ、拾い上げられないのか。理由をさまざま考えましたが、最後は日本が国家として全身全霊をそそぎ、子供たちを取り戻すしかないのです。

このままでは、日本は「国家の恥」をそそげないまま、禍根を次の世代に残してしまいます。私たち親の世代は絶対に、この国家犯罪に決着をつけなければなりません。すべての子供たちが祖国の土を踏む姿を見届ける人生でありたいと、切望しています。

普通の庶民であるわれわれは、声を上げて訴えることはできても、直接、被害者を取り戻す力はありません。今こそ優れた政治家、官僚の皆さんに力を発揮していただきたい。何よりも困難な局面にある今、国民の皆さまの一層の後押しがなければ、事は前に進みません。ふとした日常に被害者を思い、思いを声にして伝えていただきたい。心の底からそう願っています。

平成14年9月17日、史上初めての日朝首脳会談で、北朝鮮は拉致を認めて謝罪しましたが、何の証拠もなく、めぐみちゃんたちは「死亡した」と伝えてきました。9年に家族会を結成し、手を携え闘ってきた私たちにとって残酷な、押しつぶされるような瞬間でした。

日本は今、国を牽引(けんいん)する新しい政治のリーダーが決まろうとしています。被害者と私たち家族が生きて、元気なうちに抱き合えるのか。リーダーは覚悟を持ち局面を切り開いていただけるのか。不安と焦りにさいなまれながら、「今度こそ」という期待をつなげます。

今こそ、拉致事件を振り返り、いかにすれば解決するかを考えてください。

北朝鮮は一筋縄ではいかない、手ごわい相手であることは重々、承知しています。でも最後は、最高指導者に被害者全員を返す決断を求め、それこそが世界の平和を導く術だと、心の底から理解してもらわなければなりません。

私たちはこれまで、日本の首相が代わるたび顔を合わせ、即時解決への訴えを重ねてきました。お父さんも家族会代表として救出運動の最前線に立ち、全国を飛び回りました。体を病み入院しても、あなたと抱き合うため、病床で必死に命の炎を燃やしました。再会の思いを果たせず、天に召されたお父さん、多くの被害者家族、そして支援者の皆さん。託された奪還の願いを実現するまで、お母さんたちは倒れるわけにはいきません。

日本では近く、大切な選挙が行われます。政治家の皆さま。遠く離れた異国の暗闇で、救いを待つ子供たちを思ってください。命の問題である拉致事件を、党派を問わず真心から議論してください。知恵を絞り、一日も早く、解決への歩みを進めてください。

新たなリーダーには、残された時間の少なさを直視し、具体的な動きにつなげていただくことを願ってやみません。拉致問題はまさに、「正念場」です。国民の皆さまもどうか拉致事件を己のこととして感じ、それに向き合う政治のありようを凝視し、解決を後押ししてください。

19年前の9月17日。無事を信じて、自宅に置いためぐみちゃんの写真に「早く帰っておいで」と声をかけました。思いはかなわず、想像を絶する長い闘いになってしまいましたが、タラップから下りてくるあなたと、笑顔で抱擁できる日が必ずやってきます。

めぐみちゃん、あともう少し、待っていてね。お母さんは最後の力をふり絞って、闘いを続けます。

(横田早紀江)

 ◇

 切々とした文面に胸を打たれます。東日本大震災の犠牲者とその家族にも、同じ感情を持ちますが、根本的に違うのは東日本大震災は天災であって、この拉致被害は人災、それも北朝鮮という国が起こした国家的犯罪で、そしてその犯罪を未然に防げなかった日本と言う国の罪、という背景があるからです。

 戦後日本はGHQの占領統治を受け、日本国憲法第9条を押しつけられました。この9条は端的に言えば国を侵略されても戦えない、戦ってはいけない条文なのです。その後解釈によって自衛権は排除しない、自営のための組織である自衛隊(軍隊と言えないのはそういう意味です)は保持してもいい、と言うことになりました。

 しかし忘れてはならないのは1951年、占領から解放された日本が憲法改正の機会を得たのに、時の吉田茂首相がいわゆる吉田ドクトリンのもと、経済優先政策を採り、負担を強いられる防衛をアメリカに依存する政策を採ったことです。つまり9条はそのまま残されてしまいました。後日その吉田氏はあれは失敗であったと述懐していますが。そしてその後も、今日まで手つかずに残されてきたのです。

 この北朝鮮による拉致も、いわゆる国家侵略の一つです。9条の足枷の元、積極的な沿岸防衛をしてこなかったその代償でもあります。つまり9条を廃止し、しっかりとして軍備を備えていれば、北朝鮮も日本を拉致の対象国としなかった可能性があります。一歩下がって被害者を出したとしても、軍を背景にその奪還に、今より遙かに有利な交渉を進められた可能性は大きいと思います。

 尖閣も竹島も北方領土も、すべて同じ要因の元にあると言ってもいいでしょう。更には日本の外務省の外交能力がここまで低いのも、同様な要因が絡んでいるものと思われます。

 今回立憲民主党員だった生方幸夫氏が暴言を吐いたように、野党には故土井たか子氏と同様、北朝鮮の代弁者が複数います。しかし他の多くの野党議員も含め、日本の政治家は帰還を望んでいるでしょう。

 そして彼等は日本の首相が北朝鮮と有利に渡り合えるように、一丸となって日本の外交の足枷、憲法9条を変えるように努力しなければなりません。そこからこの問題の解決の発端が見えてくるのではないでしょうか。ご高齢になった横田早紀江さんに喜んでいただける日が来ることを、念じてやみません。

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2021年10月23日 (土)

岸田政権の執るべき対韓国政策:注目すべき外国人二氏の主張

180818_seirontomonokai_kentgilbert  今回は外国人二氏による韓国問題への主張を取り上げます。韓国問題はこのブログでも再三取り上げてきましたが、この二氏の主張はまさにこのブログの主張とも親和性が高いと、勝手に思っています。

 まず最初にケント・ギルバート氏の記事を取り上げます。ギルバート氏は日本人よりも日本のことをよく知り、またよく心配してくださる米国人の弁護士ですが、このブログでも氏の「日弁連の正体」という著書を取り上げ、日本の弁護士にサヨクが多い実態を紹介しました。(ブログタイトルは「弁護士になぜサヨクが多いのか」)

 今回はギルバート氏がzakzakに寄稿したコラムから引用して紹介します。タイトルは『靖国問題“たかり・反抗期国家”は相手にするな 岸田首相の「真榊」奉納を韓国が非難 文政権の出方によっては「米韓同盟」危うくなる可能性も』(10/22)です。

 ◇

 岸田文雄首相は17日、東京・九段北の靖国神社で始まった秋季例大祭に合わせて「内閣総理大臣 岸田文雄」名で「真榊」と呼ばれる供物を奉納した。安倍晋三元首相や菅義偉前首相、自民党の高市早苗政調会長らは例大祭に合わせて参拝し、英霊に尊崇の念を示していたが、政治家として当然の行為だ。

 これに対し、中国の国営通信、新華社は反対する論評をした。韓国外務省も「政府は日本の過去の侵略を美化し、戦争犯罪者を合祀(ごうし)する靖国神社に日本の責任あるリーダーらが再び供物を奉納したり参拝を繰り返したりしたことに深い失望と遺憾を表す」と非難していたが、バカげた反応と言うしかない。

 靖国神社は、明治維新で命を落とした幕末の志士や、明治以降の日本の戦争・内戦で亡くなった軍人、従軍看護婦、勤労学徒などを、身分や勲功、男女の区別なく祀(まつ)る神社である。韓国が指摘する東京裁判(極東国際軍事裁判所)で戦犯とされた人々だけのものではない。

 伝統文化に従って戦没者の慰霊と顕彰を行うことは、米国や中国、韓国でも行っている。靖国参拝を阻止しようとする中韓の言動は、内政干渉というしかない。

 米国の腹の中は「関心なし」だ。ジョー・バイデン政権は現在、国内のかじ取りに苦慮しており、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の政治的ゲームに付き合っている暇はない。ただ、韓国の出方によっては「米韓同盟」を危うくする。

 米国は、安全保障上の東アジアの連携(日米同盟や日韓同盟)を1セットだと考えている。韓国が日本に内政干渉を続けるなら「同盟国・日本が攻撃された」と受け止める。米国が見据える先には中国がいることから、韓国の連携を乱す行為は「中国への協力」ともいえるのだ。

 韓国系の人権団体などが、米国各地で慰安婦像を設置している。米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、中国が資金源になっているという調査結果を出している。韓国側が「日米同盟の弱体化」を狙って中国と連携しているとすれば、それは完全に敵対行為である。

 韓国は深刻な経済不況にさらされており、「反日」しか国民の目をそらす有効な手立てがないのかもしれない。だが、それは韓国の国際的信用を下げる愚策である。

 岸田首相が外相時代の2015年、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」とする日韓合意が結ばれた。合意にもとづき、元慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」が設置され、日本は10億円を拠出した。韓国側の事情で財団は解散となったが、10億円は返却されていない。

 これは「たかり」と言われても仕方ない行為である。アントニー・ブリンケン国務長官は当時、国務副長官として合意締結に深く関わったとされるため、バイデン政権が韓国側を支持する可能性はゼロに近いだろう。

 日韓電話首脳会談は15日にようやく行われた。岸田首相は、慰安婦問題や徴用工問題は解決済みとする日本の立場を示し、韓国側に適切な対応を求めたという。岸田首相の対応を高く評価したい。“たかり・反抗期国家”を相手にする必要など、まったくない。

 ◇

 中国が靖国参拝批判を続ける理由は、日中戦争中の日本軍の侵攻にその要因をたぐれば、分からないこともありませんが、完全な内政干渉である事には違いありません。香港、ウィグル問題に言及すれば、頑なに内政干渉と言う国が、完全なダブスタをやっているのです。

 しかし韓国は大東亜戦争では日本の一部でもあったし、軍人として日本軍と行動を共にした韓国人も多くいたのです。その韓国に靖国参拝をどうのこうのといわれる筋合いは全くありません。完全に国内に対する韓国政府の反日政治活動の一つと言えるでしょう。

2021080200309626wow0001view  次に、二人目に取り上げるのは、韓国人のファンドビルダー氏で、JBpressに注目すべきコラムを寄稿しています。内容は、韓国に対し岸田政権が行うべき外交政策に、まさにぴったりの主張で、タイトルは『自浄能力のない韓国に期待しても無駄、強力な輸出規制をかけよ 日本は韓国の「良き隣人」をやめ「強い隣人」になれ』(10/21)で、以下に引用します。

 ◇

 2015年の慰安婦合意と「明治日本の産業革命遺産」のユネスコ世界遺産登録に外相として対処した岸田首相。だが、慰安婦合意はその後、破棄され、ユネスコ世界遺産登録でも、朝鮮人の徵用を表す「forced to work」という言葉が公式文書に残されるとともに、朝鮮人の徵用を知らせるインフォメーションセンター設置を推進することが決められた。首相になった岸田氏は韓国とどう向き合えばいいのか──。韓国における保守派論客として知られるファンドビルダー氏の論考(後編)。

*******

 前回記事「韓国人が語る、反日全体主義集団と化した韓国とどう向き合うべきか」で、考えられる対韓カードとして、「関税引き上げ」「送金制限」「査証発給中止」「韓国産農水産物輸入制限」「韓国人不法在留者追放」を提示した。

 もっとも、送金制限カードは、主に在日韓国人の簡易送金を制限することになるため、韓国に対する効果的な圧迫にはならない。査証発給の中止も民間韓国人の往来を不便にするだけで効果的な圧迫ではない。韓国人不法在留者の追放も効果は制限的だ。韓国産農産物輸入制限カードはある程度の効力があるだろう。

 この中でかなり効果があるのは、韓国製品の関税の引き上げだ。これは、日本向け輸出品を生産する韓国企業にとって直撃弾となる。仮に韓国政府が報復すれば、今度は日本製の素材や部品、装置を輸入する以外にない韓国企業が被害を受ける。韓国政府の応酬で関税が引き上げられた日本製品を高い価格で購入することになるので、関税引き上げカードはかなりの効果がありそうだ。

 何よりも問題を「短く太く」終わらせる最も効果的な方法は、核心素材や部品、装置の対韓輸出規制だ。

 2019年に3品目(フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト)で実施した時から今まで、韓国メディアは核心素材の制裁措置が韓国素材産業の活性化と国産化を促進させたため、日本企業が売り上げ減などの被害を受けたと報道した。朝日新聞などの一部日本メディアも同じように報じている。

 しかし、これらは産業界を全く知らない反日記事に過ぎない。どの記事にも韓国が国産化した素材の歩留まりに関する内容は見当たらないからだ。

最も効果的なカードは輸出規制

 歩留まりは生産品に占める良品の比率で、歩留まり60%は、全生産品の60%が良品、40%が不良品という意味だ。生産における歩留まりは企業の収益性を左右する非常に重要な尺度で、一般に開発初期製品の歩留まりは低く、長期間にわたる試行錯誤と経験の蓄積によって高まっていく。

 したがって、韓国企業が国産化した素材は歩留まりが低いレベルにとどまっている可能性が濃厚だ。歩留まりが低ければ、製品を作るほど赤字幅が大きくなりかねないため、韓国の素材生産業が赤字を免れるには納品価格を高く設定せざるを得ない。そうなれば、サムスン電子などは日本産素材よりも、はるかに高い単価で韓国産素材を購入する困難に直面する。

 さらなる問題は品質だ。

 韓国メディアは、国産化した素材の品質に関してほとんど具体的な内容(例:純度99.99999%など)を報道しない。国産化した素材がサムスン電子などの汎用半導体工程に投入されるのか、あるいは超精密半導体工程にも投入可能かどうかは分からない。

 外国の競合企業は日本産の高品質の素材を輸入し、高度な製品を生産するが、サムスン電子など韓国企業は価格が高く、品質の安定性が確認されていない韓国産素材を購入しなければならない状況に置かれる。

 日本政府による核心素材3品目の韓国向け輸入管理強化は、国産化を掲げた韓国政府の期待にもかかわらず、韓国産業界に負担を強いたことになっている。

 韓国政府は「素材の国産化政策」を熱心に展開するが、時代錯誤な非効率政策だ。得意な分野に集中し、自信がない分野は日本製素材など最高のものを購入することで、世界と競合する製品を生産できる。「国際分業」の効果である。

 だが、韓国は日本に対抗するため、自信がない分野まで自ら作ると意気込んでいる。これは、必要ないところに税金と時間を投入するという点で、非効率でしかない。無理な国産化推進は、韓国社会を高コスト構造にし、企業の国家競争力を弱める。

 日本が輸出規制を拡大すると、韓国は持ちこたえることができなくなる。韓国の「国産化を促進する機会になった」という虚勢は、状況が切羽詰っていることを示している。

 韓国向け輸出規制を拡大する日本に韓国が対抗して「国産化政策」を推進すれば、韓国が到達する終着駅は、北朝鮮と同じような、外部の経済と断絶した、自給自足の世界しかない。

 以上が、韓国に対する制裁措置で、核心素材や部品、装置の輸出規制が最も効果的なカードだと考える理由である。

あまりに生ぬるかった過去の日本の対応

 いわば「No Pain, No Gain」だ。 韓国向け輸出規制に踏み切れば、日本素材企業の売り上げ減に加えて、サムスン電子など韓国企業の製品(半導体等)の生産に支障が出る。そうなれば、世界的に半導体価格が上昇するだろう。もちろん、日本企業も被害を受ける。しかし、副作用があったとしても、問題を早く終結させる方がはるかに有益だ。

 韓国の激しい反発に動揺する必要はない。世界貿易機関(WTO)など国際社会を利用した日本批判にも神経を使う必要はない 。自分自身を道徳的に完璧だと確信し、他者を不道徳と指摘する優越的意識に陥り、無条件に日本を批判する行為は過去から、現在、そしてこれからも存在するだろう。日本がどれだけ韓国に怒っているかを知らせることが真実を国際社会に知らせる契機になる可能性もある。

 騒乱を恐れず、原則を最後まで守り通せば、問題はすぐに終結する。核心素材や部品、装置の韓国向け輸出規制という強力な制裁は、10年余り前に慰安婦像が駐韓日本大使館の前に初めて設置された時から行うべきだった。韓国が慰安婦像を撤去するまで段階的に輸出規制品目を拡大する。そうすれば慰安婦像は撤去されただろう。

 韓国裁判所の徴用工判決も同じである。最高裁判決や日本企業の資産差し押さえと現金化など注視する必要はない。1審で国際法に違反する判決が出た時点で強力な輸出規制を行うべきだった。そうしていたなら韓国政府は相応の対処を行ったはずである。

 騒乱に怯えて消極的態度を示した日本の弱腰を看破した韓国は、関東大震災による朝鮮人虐殺や、日本統治時代に就業のためにサハリンに渡り、サハリンに抑留された朝鮮人の問題、そして数多くの朝鮮人が犠牲になった浮島丸沈没件などを持ちだし、韓国人被害者をすべて当時の日本政府のせいにして、慰安婦問題と徴用工問題の反復を試みる可能性がある。

 合法的だった旭日旗を、突然として10年ほど前から「戦犯旗」と言い出し、国際社会に向けてプロパガンダを展開する韓国人の水準を考えれば、あり得ないことではない。

福沢諭吉が「脱亜論」で見抜いた本質

 福澤諭吉(1835~1901)は、慰安婦問題や徴用工問題など、 日韓間に展開される葛藤を全く知らない人物である。しかし、100年以上も前から現在の日本人よりもはるかに正確に韓国の実体を見抜いていた。「脱亜論」「朝鮮人民のためにその国の滅亡を賀す」などといった著書を通した福澤諭吉の対韓国、対中国の見解は以下の資料の通りである。

 洗脳に陥った反日全体主義国家に期待できることは何もない。自浄能力がないからだ。日本が地球上のすべての国の「良い隣人」として存在することは望ましいが、相手が非常識な国家なら話は別だ。

 非常識な国家の「良き隣人」として存在しようとすれば、絶えず譲歩し、一方的な被害にも耐えなければならない。結果、平和は遠ざかり、葛藤だけが増えていく。日本と韓国の関係を見れば、「良き隣人」になるのではなく「強い隣人」にならなければならない。そうすれば葛藤はなくなり、平和が保たれる。

 問題を太く短く終わらせる決断が重要だ。決断が早ければ早いほど日本の名誉毀損の被害はいち早く終息し、韓国の反日全体主義にも歯止めがかかるだろう。岸田首相の決断は、日本はもちろん、韓国のためでもある。

 二度も韓国と直面した岸田総理こそ、決断の必要性を強く感じていることだろう。 日韓両国の未来のために岸田総理の決断を期待する。(了)

 ◇

 ファンドビルダー氏のこの記事は、私が思い描いている対韓対応策と見事に一致しています。韓国人にもこういう人がいるのです。そういえば元ソウル大の李栄薫氏(反日種族主義の著者)、やブロガーのシンシアリー氏もそうですし、日本に帰化した評論家の呉善花氏も、そうした韓国の伝統的反日史観に洗脳されずに、現実を捉えた人たちです。そうした人たちを親日家として強く弾圧してきた、半独裁国家韓国。岸田首相はケント・ギルバート氏やファンドビルダー氏の主張に沿って、強力に対韓政策を実施して欲しいと思います。

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2021年10月22日 (金)

高市早苗政調会長:“怒涛の選挙遊説”

Unnamed-1   衆議院選挙が19日公示され、各陣営が全国で熱戦を広げています。自民党も単独過半数を目指し、公認候補者は必死に戦っていますが、野党協力もその効果がでつつあり、結果がどう出るか予断を許しません。メディアによって、その予測には少し違いが出ているようです。

 ところで自民党の新政調会長に就いた高市早苗氏、各地を遊説し存在感を示しています。それについて夕刊フジが報じた記事を引用します。タイトルは『高市早苗政調会長“怒涛の選挙遊説” 「党内屈指の保守派」として知名度…北ミサイルにも毅然コメント 夕刊フジ記者が公示日に密着 』(10/20)で、以下に掲載します。

 ◇

 自民党の高市早苗政調会長が、衆院選(31日投開票)でも強い存在感を発揮している。総裁選で「党内屈指の保守派」として知名度を高め、全国の選挙区から応援依頼が殺到しているのだ。公示日の19日は、東京や埼玉の選挙区を駆け回り、多くの聴衆が押し寄せた。怒濤(どとう)の1日に密着した。 (報道部・松村友二)

*******

 「北朝鮮が今朝、ミサイルらしきものを(日本海に)発射しました。官邸も防衛省も大変な状況です。日本の周りに存在するリスクに、しっかりと対処しなければ、私たちの命も暮らしも守れません」

 高市氏は19日午前11時すぎ、雨のあがったJR綾瀬駅東口(東京都足立区)でマイクを握り、100人以上の聴衆に向かって、国民の生命と財産を守り抜く覚悟を訴えた。

 聴衆からは、「そうだー」「頑張れー!」などと声が飛んだ。

 高市氏は7日に、千葉県北西部を震源とする地震があり、東京23区でも震度5強の強い揺れを観測したことから、国土強靱(きょうじん)化の重要性も説明し、自らを「日本を守る高市早苗」と訴えた。

 演説後には、集まった有権者らとの肘タッチや写真撮影に応じた。

 記者が合間に意気込みを聞くと、こう語った。

 「今日から選挙戦スタートです。12日間、全国を駆け回ります。1人でも多くの同志を勝たせたい」「ただ、(応援演説で地元入りできず)自分の選挙区がすごく心配」

 高市氏は同日昼すぎ、東武スカイツリーラインの獨協大学前駅西口(埼玉県草加市)に姿を見せた。到着に気付いた聴衆の多くがカメラを向ける人気ぶりで、200人以上が演説に注目した。

 「『いの一番(に駆け付けてくれた)』って紹介されたんやけど、2番目(=この日の2カ所目)」と、コテコテの関西弁で話すと、その気さくさに会場は大盛り上がり。

 そのうえで、新型コロナウイルスの反省点として、日本のサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性を指摘し、「昨年1月時点で、マスクの7割は中国から輸入していた。注射器や人工呼吸器など(も不足した)。生活、医療、産業に必要な物資を、国内で調達できる態勢を作っていく。これが力強い日本を作る第一歩です」と訴えた。

 野党共闘について、「立憲民主党と共産党が組んだが、旧民主党政権の『内政と外交の混乱』を繰り返してはいけない」と語ると、この日一番の拍手喝采を浴びた。

 演説後には、人だかりができ、記念撮影だけでなく、即席のサイン会まで行われた。人々からは「高市さん見れたー」「写真撮れたー」といった声が聞かれた。

 その後、JR桶川駅前(埼玉県桶川市)での応援演説を挟んで、同日午後5時すぎには、東京都江戸川区で、自民党候補の出陣式に参加した。

 同区は、区域の7割以上が「海抜0メートル」のため、高市氏は防災に財源を充てる重要性を語った。

 さらに、小松菜の発祥地であることを挙げ、農林水産技術の海外展開が投資になると訴えた。

 すっかり、「選挙の顔」となった高市氏。6時間ほどで約100キロを移動した公示日だった。

 ◇

 高市早苗氏についてはこのブログでも再三取り上げていますが、経済強靱化計画と銘打って、経済成長と安全保障に力点を置き、野党がさんざん強調する分配についても、その原資を強い経済がなければ調達できない、当たり前のところに政策の原点を置いているところに強く共感します。

 新型コロナウィルス感染症という未曾有の疫病のため、デジタル化の遅れなど様々な日本の弱点が顔を出し、感染拡大を招いてしまった責任をつかれて、今回の選挙では与党はかなり守勢に立たされてしまいましたが、是非過半数を確保し、少しでも上積みがはかれるよう、頑張って欲しいと思います。

 野党はコロナの感染拡大を政府の責任にしていますが、もし野党が政権を担っていたら、もっとひどいことになっていたと思いますね。今後とも今の野党には任せられない。これははっきり言えると思います。なぜなら彼等からは「政権批判」の声しか聞かれず、一体この日本をどうしていくのか具体的な政策が見えないからです。そこには安倍元総理がかつて指摘した「悪夢」しか見えません。

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2021年10月21日 (木)

「イカゲーム」が浮き彫りにした韓国の残酷なまでの格差社会

Images-12   韓国は格差社会と言われています。その姿を反映した映画が世界的にヒットするという笑えない現実があります。2年前に公開した「パラサイト 半地下の家族」をご存じの方も多いと思います。もちろん私は断じて鑑賞していませんが、ある映画情報メディアによると内容は以下のようです。

 「キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。」

(画像は韓国最大のスラム九龍村、遠景は江南地区のビル街) 

お決まりの富豪と貧乏人を登場させ、その確執を描いたもののようですが、今年になって更にもう一つの映画「イカゲーム」と言う映画が制作され、Netflixで大ヒットしているとのことです。これもまた格差社会を浮き彫りにしている映画のようです。これについてはビジネスライターの羽田真代氏が、JBpressに記事を寄稿していますので、以下に引用掲載します。タイトルは『「イカゲーム」が浮き彫りにした韓国の残酷なまでの格差社会』(10/20)です。

 ◇

 世界的に大ヒットとなっているネットフリックスオリジナルドラマの『イカゲーム』。このドラマは、総勢456人が自らの命をかけて賞金争いをする模様を描いた韓国ドラマで、ネットフリックス史上、最も視聴者数が多い作品となるほどの人気を博している。

 韓国現地では、「米CNNが『本当に最高だ』と絶賛した」「イカゲームは投資額の約4倍もの価値を生み出した」「イカゲームが米国務省の外交電文にまで登場した」と、ニュースに取り上げられない日がない。映画『パラサイト 半地下の家族』以来のお祭り騒ぎである。

 しかし、世界からの評価を韓国は素直に喜んでいいものだろうか。

 米外交官は、「イカゲームの暗い物語の中心には、就職と結婚、そして階層を上がるために孤軍奮闘する、韓国の平凡な老若男女が感じる挫折感が描かれている。これは暗鬱な経済展望が韓国社会の悩みの中心にあるということを立証している」と指摘している(参考記事)。

 フランスの有力日刊紙であるル・モンドも、「『イカゲーム』の背景に隠れた韓国社会の暴力」という題名のオンラインニュースで、「韓国社会が抱いている残酷な現実を反映したもの。失敗すれば銃で撃たれるという事実が、韓国社会に深い響きを与えた」と分析した。

 加えて、ル・モンドは韓国の家計負債が国内総生産(GDP)の100%を上回り、2014年から2018年の間に、ソウル麻浦(マポ)大橋で自ら命を絶った800人余りの大多数が借金に窮したことが原因だったこと、また新型コロナウイルスの影響によって就職難に陥った若者が借金を返そうとオンライン賭博や仮想通貨の投資に手を出している問題についても紹介している。

 映画『パラサイト 半地下の家族』でもわかるように、韓国の貧富の格差は大きい。

ソウル市内で22万に上る「半地下」居住世帯

 2018年に統計庁が発表した調査結果を見ると、韓国の全世帯数は1983万世帯だが、このうちソウルに378万世帯が住んでおり、全国の半地下(※)居住世帯は36万(うち、ソウルが22万)世帯だと記載されている。これは、ソウル全世帯の5.8%が半地下に住んでいるということだ。世帯当たりの平均居住数は2.35人なので、ソウルの半地下に居住する人口は単純計算で86万人いることになる。

※半地下とは、半分が地下にある部屋のこと。韓国においては格差や貧困の象徴。

 筆者も、渡韓後しばらくは半地下に居住していた。

 この時は、事前に契約していた家のオーナーから入居当日に家賃の値上げを宣告され、もめたことからやむなく即日入居可能だった半地下に入居した。半地下の部屋は湿気で壁紙にはカビが生えるし、しょっちゅうゲジは入ってくるしで、住んでいて気持ちのいいものではなかった。家賃が安かったことが唯一のメリットだろう。

 そんな半地下に、本国の人々が入居しているのだから、その人たちはよっぽどカネがないのだと推察する。

 イカゲームを視聴した貧困層の韓国人からは、「このドラマを楽しめるのは生活に余裕がある人だけだ」「自分は、毎日12時間以上働いても娘と住むための持ち家が購入できない。ドラマを見ていると、自分が否定されているようで悲しかった」「20代はフルタイムの仕事に就けない。韓国生活がイカゲームそのものだ」という悲痛な声が上がっている。

 日本以上に経歴を重要視する韓国の親たちは、子供を最高の学校に通わせたいと願う。そのためには、幼少期から江南(カンナム)にある高級アパート(日本ではマンションの位置付け)に入居し、最高の教育を受けさせなければならない。

 しかし、貧困層の大部分はアパートに入居することすらままならず、半地下やオクタバン(アパートなどの屋上に別途、違法に建てられた部屋)、あるいは考試院(コシウォン/学生が勉強するために入居する2畳ほど部屋)を借りることが多い。そこにも入れない人々はスラム街に立ち並ぶ家に入居する。実際に、韓国にはまだまだスラム街居住者が多い。

韓国の今を象徴する「スプーン階級論」

 スラム街は、高級アパートが立ち並ぶ江南地区にも存在する。九龍村だ。江南のスラム街地域には小屋のようなバラックが立ち並んでおり、そこからは江南の高級アパートがよく見える。バラック住まいは年寄りから子供まで年齢層も幅広く、このバラックから学校に通う子供たちも少なくない。

 最近はバラック家の前に国産高級車やベンツが止まっているのも珍しい光景ではない。立ち退き金を払って地上げするためだ。

 江南ではないが、筆者の知人(日本人)のご主人にもバラック出身者がいる。そのご主人は、今ではIT企業の社長だ。「スプーン階級論(※)」でいう「土のスプーン」から成りあがった数少ない例だろう。

※「親の経済力で人生が決定してしまう」という意味で使われる韓国の言葉。資産や年収に応じて、「金スプーン」「銀スプーン」「銅スプーン」「土スプーン」に分かれる。「土スプーン」は最下層。

 ご両親は今もバラック住まいだが、今にも崩れそうな家に、息子にねだって買ってもらった高価な箪笥を並べて近所の人々に自慢しているそうだ。

 先述のコメントにもあったように、イカゲームは韓国生活そのものだと言える。

 カネが欲しい若者らは夢を抱いて仮想通貨に手を出し、一部勝者だけが利益を得る。敗者となった若者はより貧しい生活を強いられたり、麻浦大橋から身投げしたりと悲惨な末路を辿ることが問題視されている。

 そんな話題のイカゲームと若者の貧困を利用する政治家が現れるのだから、始末が悪い。

イカゲームをパロった選挙ポスターを作った国会議員のセンス

 許京寧(ホ・ギョンヨン)国家革命党名誉代表は、イカゲームのパロディーのような大統領選挙公約ポスターを公開した。そこには、「ゲームのルールは簡単だ。貧困に苦しむのか、1億ウォン+毎月150万ウォンを受け取るのか」「許京寧が50%以上の投票率を達成すれば、国会議員を精神教育隊に入所させて18歳以上の全ての国民に1億ウォンを支給する」と書かれている。

 韓国という国自体が「世界経済のイカゲーム」で危うい立場に立たされているというのに、国民に1億ウォンをばら撒けば韓国はゲーム脱落国家になるに違いない。

 このような国会議員がはびこっている以上、韓国情勢が改善されることはないだろう。そして、韓国人が人生のイカゲームを中断させる(ドラマでは、参加者の半数が同意すればゲームを中断させることができる)日もまだまだ先のようだ。

 ◇

 若者であれ、年配者であれ、貧しい人たちに政府批判の矛先を向けさせないように、「韓国をこのようにしたのは日本だ、悪いのは日本だ」、と反日に目を向けさせようとしているのでは、と穿ってしまいます。

 ともあれ日本で格差だ格差だ、と騒いでいる一部の特定野党の政治家やメディア人には、羽田氏同様、実際に韓国の半地下で過ごしてもらいたいものです。そうすれば日本の格差がどの程度か分かるはずです。東京に22万人もの半地下生活をしているような人はまずいないでしょうから。

 とはいうものの、日本もバブル崩壊以降失われた30年が続いていて、経済の成長も弱く、格差も広がり始めているのは現実です。ここは経済成長、所得拡大の好循環を実現するよう、一丸となって取り組んでいかなければなりません。韓国は決して対岸の火事ではないと思います。

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2021年10月20日 (水)

習近平中国:少数民族は「中華民族」帝国樹立の犠牲者

76c2a299fb6143ba95b9c52aa673d81eoriginal  中国は多くの民族からなる多民族国家ですが、習近平国家主席の目指す「中国の夢」は、「中華民族」という単独民族として描いています。今やGDPでは世界第2位となり、その強大な経済力で軍事力も増強し、最近になっていよいよ「中国の夢」実現への舵を切りました。

 しかしその中身は少数民族の弾圧と周辺国家・海域への威嚇と現状変更のもくろみで、甚だ迷惑な国家と成り至っています。目を世界に広く向ければ、食料やエネルギーの確保のため、一帯一路構想を打ち立て、融資を返済できない国からは、その投資先の独占使用権を得ようとするなど、覇権国家の様を見せつけています。

 この習近平中国の過去と現状、それと今後の狙いについて、その詳細を東大政治学研究科の平野聡氏が産経新聞に寄稿したコラムに見てみます。タイトルは『世界のモデルは日本?中華民族なる幻想』(10/8)で、以下に引用します。

 ◇

中国は公式見解で56の民族から成る国家だが、中国共産党を含むナショナリズムの歴史は、それを「中華民族」という名の「単一民族国家」としてまとめようとしてきた。

欧米諸国が新疆ウイグル自治区や香港での非人道的な弾圧を批判するのに対し、習近平国家主席は今年7月の中国共産党創建100年記念式典で「中華民族には5000年の歴史で形成した輝かしい文明がある。我々は主権を断固として守る。我々への圧力は絶対に許さない」と激しく反発した。

新疆ウイグル自治区で行われているのは、普遍的人権に照らして許されないジェノサイド(民族浄化)である。しかし、習政権にすればこれは弾圧ではなく、中国の安定を乱す者を排除して、人々の「発展の権利」を保障する「中国の人権」の挙であり、国家主権と「中華民族」の利益のためだという。

その具体的な端緒は、習主席が2014年5月に主宰した第2次新疆工作座談会で、新疆関連でしばしば起こる衝突や爆発事件を一律に「恐怖主義(テロリズム)・分裂主義・宗教極端主義」すなわち「三毒」によると規定し、徹底鎮圧する方針を立てたことによる。それが17年以後、同自治区のウイグル・カザフ族への容赦ない弾圧につながった。米国のラジオ・フリー・アジアをはじめ複数のメディアが伝えるところによると、「三毒分子」とレッテルを貼られた人々のうち、程度が甚だしいとされた者は刑罰に処され、軽いとされた者は「職業訓練センター」などと称する施設に収容され、身も心も完全に「中国化」するための中国語・愛国主義教育と強制労働を強いられている。

こうして新疆では非常に多くの人々が社会の表舞台から消され、明らかに異常な人口変動が起こっている。中国で最も権威ある統計「中国統計年鑑」によれば、自治区の総人口は17~19年にかけて2444万6700人から2523万2200人へと78万5500人も増加しているが、少数民族人口は1654万4800人から1489万9400人へ、なんと164万5400人も減少している。ウイグル・カザフ族が不自然な人口変動の犠牲となり、中国の多数派、漢民族が増えたことになる。

新疆の問題はまさに、「中華民族」ナショナリズムの歪みが起こした悲劇である。

近代的につくられた「中華民族」意識

しかし、そもそも「中華民族」は、どれほど実体ある概念なのか。いまの中国は、あたかも古代から「中華民族」団結の歴史があるように強調しているが、「中華民族」概念が生まれたのは20世紀初頭、清末の時代の話である。

それまで、かの地には「中国」「中華」という言葉はあったが、黄河中流で生まれた文明や王権の美称であり、国民意識による近代国家を示すものではなかった。清代も当初は、「中国」「中華」文明の地が、外来の騎馬民族である満洲人に支配されることへの屈辱が渦巻くばかりで、漢人も満洲人も同じ「中国」という国家の担い手、「中華民族」であるという認識はあるはずもなかった。

その意識に変化をもたらしたのは、19世紀以後の西洋列強や日本の勢力拡大である。とりわけ日清戦争の敗北は、それまで天下に冠たる文明の所在を自負していた清末のエリート層(その多くは漢人)に衝撃を与え、「中国は文明、または天下の中心であって、近代的な国家ではない」という実態を改めるよう迫った。清末を代表する知識人・梁啓超(リョウ・ケイチョウ)は「中国史叙論」を著し、過去の人々は天下の漠然とした広がりを知るばかりで、誰もが「中国」の名においてまとまる発想がなかったことを批判。そのうえで当時清に残されていた領域全体を「中国」と呼んで防衛し、その内側に住む人々に「中国」の意識を持つよう求めた。また、王朝・皇帝ごとの歴史ではなく、古今一貫した歴史ととらえることで「中国」への愛着も増すと考えた。

こうして、漢、満洲、モンゴル、チベット人や新疆のトルコ系の人々は、中国文化を受け容れて「中国人」になるよう方向づけられた。これが「中華民族」の始まりである。

モンゴルもチベットも、現代の新疆ウイグル自治区も、漢人や満洲人とは異なる文化と言語、歴史を持つ人々の地域で、清はこれらを緩やかに統治していたにすぎなかったが、清末以後の中国ナショナリズムは「中華民族」「中国」の名において、列強に対抗し追い越す近代国家を造り上げようとした。この意識が今日まで引き継がれている。

しかも、近代国家「中国」建設のモデルになったのは日本である。明治維新の中央集権で国民国家としての実を整えて近代化を進めた日本を単一民族国家ととらえ、範をとった。だからこそ、多民族国家でありながら「中華民族」の「単一民族国家」が目指された。そして「中国史」づくりに大きな影響を与えたのも日本だった。中国文明の歴史では、王朝ごとに歴史の語りが切り替わり、誰もが一貫した基準で歴史を認識することは困難だったが、日本は「漢土(から)」の歴史をひとつの流れで捉え、近代になると「東洋史」を表現していた。梁啓超は、そんな日本流の歴史認識を取り入れて「中国史」を創始した。

現代の中国は、しばしば戦前の日本のありかたを持ち出し外交で揺さぶりをかけるが、皮肉なことに、中国自身の歴史観は、日本人の歴史観に深く依存しているのである。

「中国の夢」は帝国の夢

「中国」という国家は清滅亡から100年余、少数民族の「中華民族」への同化を図り、圧迫してきた。改革開放の当初、少数民族を尊重する政策をとったこともあったが、同化と弾圧の流れは再び強まった。

いま習政権は「中国の夢」(China Dream)を前面に押し出すが、その根底にも「中華民族」の概念がある。「中国の夢」は「アメリカン・ドリーム」のように、自由な社会で個人が実現を目指す「夢」とはまったく異なる。「中華民族」が結束して圧倒的な富強を実現する「集団の夢」の中ではじめて、個人の夢も実現するという発想である。そして、列強によって奪われた「世界史の中心・主導者」としての地位を回復すべきだと叫んでいる。

彼らは、「没落しつつある米国に代わって中国が世界を導き、中国の恩恵が世界をあまねく包み込む」と本気で宣伝している。ワクチン外交はその典型例である。アフガニスタン問題で失敗した米国を嘲笑し、タリバン支援を申し出て一帯一路に組みこむことで、アフガンに安定をもたらすと説明するのも同じ意図から発している。欧米のように開かれた社会や自由・民主の価値観を強要するのではなく、中国と相手の国情を互いに尊重し、内政干渉をせず支援することで、結果的に中国の影響が広がれば良しとしている。

しかし周知の通り、無原則的な中国の援助は援助先の国を負債漬けにし、返済に窮した国から権益を得るという、帝国主義を彷彿とさせるものだ。中国のナショナリズムが弱肉強食の帝国主義を批判しながら、実のところ帝国主義ひしめく近代史の刺激により生まれ、今や自らが内外でその轍を踏んでいるのは歴史の逆説といえる。

 ◇

  日本の野党は、多様性を賞賛し、人権を擁護する立場にありながら、中国に対しては批判の声が小さいと思います。民間においても、日本弁護士連合会や各種人権団体が、日本の制度に盛んに口を出しますが、中国に対し批判声明を出したのを余り聞いたことがないように思います。

 その所為もあり、日本の一般国民の中国への警戒感はかなり弱いものがあります。衆議院選挙で重視したい政策や争点について、読売新聞の調査では外交や安全保障は60%の人が重視すると言っていますが、対中国外交に絞って調査すればどうであるかはわかりません。経済界など中国に大きく依存しているところは、むしろ中国との関係悪化を懸念しているでしょう。

 いずれにしろ今の習近平中国が、スターリン時代の強権的共産主義を目指し、毛沢東時代を彷彿とされる独裁国家を夢見ているのは間違いありません。今後の日本外交の対応戦略が試されます。国益に沿った判断を覚悟を持って下すことを望みます。

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2021年10月19日 (火)

党内で嫌われる小泉進次郎氏、要因はその「物言い」

20_20211019101801  「親の七光り」という言葉があります。会社経営や芸能の世界に多く見られますが、政治の世界もまた然りです。小泉進次郎氏、親にかの有名な小泉純一郎元総理大臣を持ち、同じ地盤を受け継いで衆議院で当選を重ね、今や自民党の若手のホープと言われるようになりました。環境大臣など閣僚も経験しています。

 ただこの小泉氏、党内で抜群の信頼を得るには至っていません。むしろ眉をひそめる議員もいるようです。そのあたりの概要を、NEWSポストセブンの記事から引用します。タイトルは『小泉進次郎氏の「万歳三唱批判」に自民党関係者は「またか」の声』(10/18)です。

 衆議院が解散し、事実上選挙戦に突入した最初の週末である10月16日、応援のため兵庫県入りした小泉進次郎氏が永田町の風習に異を唱えた。衆院議長が解散を宣言した後に、本会議場で万歳三唱をする慣例を批判したのだ。

「みなさん、万歳三唱をみましたか。解散のときにみんな、万歳を言うんです。なんで言うんですか? 国民のみなさんに大声を出すのをやめましょうと言っているじゃないですか。本会議場でなぜ、大声でばんざーいって言っているんですか」(日刊スポーツ10月16日付)

 10月17日付日経新聞朝刊のコラムでは、コロナ以前から進次郎氏が「なんで万歳するんですか、わかりませんよね。だからしないんです」と疑問を呈していたことから、「惰性や前例主義の壁をどうぶち破るか」が課題だと紹介された。しかし、自民党関係者は、「いかにも進次郎氏らしい発言」だと呆れながら首を傾げた。

「進次郎氏の発言はいつもそうです。レジ袋を有料化する際にも『辞退するのが当たり前の社会にしたい』と言ってレジ袋を欲しがる人=悪のイメージを植えつけました。自分の改革に賛同する人は未来志向、反対する人は守旧派だと見せたいのでしょう。たしかに万歳三唱は合理的でないかもしれませんが、この言い方では万歳している人たちにとって、『自分らがバカみたいと言いたいのか』と不満が出てしまう。正直『またか』という感じですね」

 進次郎氏のこうした物言いが、党内での立場を悪くしているのは間違いない。河野太郎氏を担いで負けた9月の総裁選では、安倍晋三氏が実質オーナーを務める細田派を念頭に「最大派閥の方から高市(早苗)さんと岸田(文雄)さんを支持すると発言があったと聞き及んでいる。これは言い換えれば河野太郎は絶対だめだということ。そのこと1点をもってしても誰が自民党、日本を変えられる新しいリーダーかは明らかだ」と発言して党内の不興を買った。前出の自民党関係者が続ける。

「この進次郎氏の発言には、自らの考えで高市氏や岸田氏を支持していた若手議員からも『我々がすべて派閥の論理で動いていると決めつけないでほしい』と不満の声が上がりました。総裁選後、進次郎氏は冷や飯を食わされることになりましたが、党内ではあまり同情の声は聞こえません。

 対照的に、進次郞氏の盟友だった福田達夫氏は、今回の総裁選で若手議員を束ね、派閥に囚われない投票行動を呼びかける『党風一新の会』を率いました。最後は岸田氏支持を表明したものの決してその考えをメンバーに押しつけることはなかった。その言動は若手議員の信頼を得て、今や若手のリーダーは完全に進次郎氏から福田氏にシフトした印象です」

 そうした進次郎氏の言動には、父・純一郎氏からの影響が見て取れる。しかし、それは純一郎氏の過去を知らないからではないかと、ベテラン政治ジャーナリストは言う。

「たしかに純一郎氏は、『古い自民党をぶっ壊す』『郵政改革に反対するのは抵抗勢力だ』と次々に敵をつくることで支持を得ました。しかし、それは首相になって以降の話で、それ以前の純一郎氏は、異端児ではありましたが厚生大臣、郵政大臣などを歴任してしっかり実績を積み重ねていた。それだけのキャリアを重ねたからこそ、強いメッセージに説得力が生まれた。今の進次郎氏は、その下積みがないままにお父さんのイメージをうわべだけなぞっているようにしか見えません」

 冷や飯生活の今こそ、地道に実績を積み重ねる好機かもしれない。

 ◇

 確かに解散時の「万歳三唱」には多少の違和感はあります。どちらかというとやめた方がいいでしょう。ただ問題はそうではなく、進次郎氏の他の発言と併せて考えた場合のことのようです。記事中にもあるように自分の発言に賛同する人は「未来志向」、反対の橘人は「守旧派」と、決めつけたような言い方をすることに、違和感を持つ人が多いのでしょう。

 私も以前から彼の発言は「軽い」と思っていましたが、この「決めつけ」の部分が加わると、さすがに一段低い評価とならざるを得ません。もう少し自分を磨いて出直した方がいいでしょう。対照的に同じ「親の七光り」の恩恵を受けている、福田達夫氏はいわゆる「おとな」の対応をして、総務会長に抜擢されました。

 一方進次郎氏の父、小泉純一郎氏は首相時代一貫して「靖国参拝」を繰り返し、中韓の非難にも毅然と対応した実績は高く評価したいと思いますが、近年の「脱原発」の主張には、頭がおかしくなったのかと正直落胆しました。もうかなり前に政界を引退したのですから、静かな老後を過ごしてもらいたいものです。

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2021年10月18日 (月)

自衛隊元最高幹部岩田清文氏:自衛隊は便利屋でいいのか

19_20211017150501  台風であれ、地震であれ、甚大な災害時の人命の救出や災害復興におなじみの自衛隊。それも彼等の業務の一つですが、本来は他国からの侵略等の防衛が本務です。しかも今回コロナ対策にも担ぎ出されました。もしその間に他国の侵攻があったらどうするのでしょうか。

 そんなことは殆ど考えられないと、政治家も民間人も思っているから、こうしたことに頻繁に使われるのではないでしょうか。元陸上自衛隊幕僚長の岩田清文氏が、月刊hanadaプラスに寄稿した論文から、その実態を見てみます。タイトルは『自衛隊は便利屋でいいのか』(10/5)で、以下に引用して掲載します。

新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターは新たな延長期間に入り、対象年齢もが引き下げられ16歳と17歳への接種が始まった。自衛隊が運営しているだけに、接種会場はシステマティックで、見事な運営がされているという。だが、その一方で「近頃、何でもかんでも自衛隊、これでいいのか?」という危惧の声も聞かれる。自衛隊元最高幹部の問題提起!(初出:月刊『Hanada』2021年9月号)

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「何でもかんでも自衛隊だ」

6月下旬、自衛隊が運営する東京大手町の大規模接種会場で一回目のワクチン接種を終えたばかりの知人から電話があった。

「自衛隊の効率的できちっとした統制・管理に感激した。素晴らしい。しかし聞くところによると、自衛隊医官の手当は1日3000円、町のお医者さんは10数万円らしい。おかしくないかね! そもそも、自衛隊が便利屋として使われているのじゃないか。近頃、何でもかんでも自衛隊だ。僕ら国民はいいけど、自衛隊自身はこれでいいのか?」

自衛隊OBとしては声がけを有難く思うと同時に、隊員の処遇や自衛隊の存在意義まで指摘され、考えさせられる言葉であった。

筆者自身、今回の自衛隊によるワクチン接種会場の開設・運営に至る過程を垣間見ながら、国として感染症対策のあり方を見直す必要性を強く感じていた。またここ数年、豚コレラや鳥インフルエンザ対応に頻繁に駆り出される自衛隊の状況を仄聞するなか、防衛任務達成への影響も危惧していたところであった。

自衛隊によるワクチン接種が行われているこの時に、これらの点について考えてみたい。

まずは運営状況だが、自衛隊接種会場開設の目的は「感染拡大防止に寄与すること」にあり、期間は5月24日から約3カ月としている。接種対象は当初は65歳以上であったが、接種状況に鑑み、現在は18歳以上に拡大されている。

運営時間は東京・大阪ともに8時から20時。接種規模は東京が一日あたり最大約1万人、大阪が最大約5000人。これまでの接種実績は約61万人(7月8日現在時点での累積数)と聞いている。

運営人員は東京・大阪合計で、医官約90名、看護官等約200名、支援要員の自衛隊員約160名、民間看護師約220名、民間役務約490名、総計1160名体制である。

現場隊員の声

ポイントは、活動の根拠が通常の病院勤務の枠組みとなっており、東京は自衛隊中央病院の巡回健診、大阪は新規の診療所設置とされている。

災害派遣ではないため、手当支給の対象にはならないものの、勤務環境の特性が考慮され、接種業務が3000円/日、接種に関連する業務が1620円/日と一応の配慮はなされている。

では、実際に勤務している隊員はどのように思っているのであろうか。運営を担当する幹部に、自衛隊がワクチン接種をする意義を訊いてみた。

「いまは国難の時と思います。これを克服する切り札であるワクチン接種を国として後押しするため、総理大臣から自衛隊に指示が出された重要なミッションとして捉えています。私はもちろん多くの隊員が、国民の健康と命を守ることに直接的にも間接的にもかかる任務にやりがいを感じています」

もう一人の幹部は、

「陸自の我々にやれということは、国や国民の方々からの高い期待の表れと感じています。この期待に絶対に応えられるよう全力で取り組んでいます」

さらに、接種現場で勤務している隊員の意識を聞いてもらったところ、「このワクチン一本で国民一人の命を救うことができるという思いでやっている」。あるいは、「『有難う』や『整斉としているね』との言葉をいただき、ますますやる気が湧いている」など、現場はやりがいを持って臨んでいるようである。

もちろん初めての活動でもあり、準備の段階から接種業務開始当初の間は苦労もあったようだが、部外者対応に慣れている民間の看護師やスタッフの知見・経験をお借りしながら、しっかりと期待に応えているようだ。

現場の声を聞くなかで頼もしく思ったのは、手当や処遇のことに不満を漏らす者がほとんどおらず、それよりも国民の命を救いたいという一心で頑張っていることである。まさに隊員の価値観が、金銭ではなく国民の役に立ちたいという点にあり、その価値観が頑張ろうという使命感、そして接種業務を確実にやりきるという責任感にがっているものと思う。自衛隊員には、「有難う」の一言こそが一番のご褒美である。

筆者自身、「歴史を振り返った時に、『国家国民が困窮する現場には必ず自衛隊がいた』というのが自衛隊のあるべき姿だ」と思ってきたが、今回のワクチン接種はその一つと認識している。

感染症対策の構造的問題

その一方で、自衛隊は便利屋、何でも屋ではない。だからこそ、切り分けが重要である。豚コレラや鳥インフルエンザ対応はその例だと認識しているが、この点はのちほど述べることとし、先に国としての感染症対策のあり方について考えてみたい。

もちろん筆者は感染症の専門家ではないが、危機管理の観点から何らかの方向性が見出せればと思う。

病院等での「個人」に対するものを医療行為と定義される一方で、保健所を軸に疾病の予防、衛生の向上など地域住民全体の健康の保持増進を図るのが公衆衛生だ、と筆者は認識している。

この役割からすれば、保健所が地域社会における感染症対策の主な担い手であると思う。しかし保健所は平成9年頃以降、減らされ続けており、過去には800カ所を越えていたものが、いまでは半数近くの470カ所になっている(厚生労働省健康局健康課地域保健室調べ「保健所数の推移」令和3年4月1日現在)。

昨年、新型コロナ感染者の追跡調査において、保健所がパンク状態になっていたとの報道や、PCR検査が進まない状態も、この減少と関係しているのであろう。

この保健所削減の背景となったのは、平成6年の地域保健法の制定が影響している。

この法案は、市町村の役割を母子保健や老人保健および福祉といった住民の生活に根差したサービスに重点を置き、都道府県はエイズ対策や難病対策など高度で専門的な保健サービスを提供することを狙いとした。

その背景として、戦後の結核等の感染症対策などには成功したものの、その後の医療供給体制の整備、あるいは医療保険制度の充実により、人々の保健所に対する期待が大きく変わったにもかかわらず、素早く地域のニーズを捉えて対応できるような仕組みになっていないという問題点が指摘されていた。

この審議から、保健所の機能を住民の生活サービスへと重点的に変更し、感染症対策への備えは都道府県に委ねられた。

しかし、その都道府県が今回のコロナ感染対策において十分機能したかと言えば、答えは明らかであるし、国全体として統制できる枠組みについての検討がなされた形跡は見当たらない。

日本人の死因は、1950年頃は結核が第1位を占めていたが、ここ数十年は悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患などが上位を占めている。このような変化が医療そして保健の分野でも変化をもたらし、また2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、2015年のMERS(中東呼吸器症候群)の危機も対岸の火事として直視せず、結果として日本の公衆衛生体制や日本人の意識から、感染症に対する危機意識がすっぽりと抜け落ちていた。

災害は忘れた頃にやってくるというが、新型コロナ感染症は、忘れていたどころか、多くの日本人には意識すらしない状態で盲点を突かれた格好だった。

危機管理体制整備の要点

危機管理の鉄則は、最悪の状況を念頭に置きながら、そのリスクをどこまでコントロールするかである。今回のコロナ災禍を貴重な教訓として、より厳しい状況も想定し、そのための国の危機管理体制を整備することが重要である。

その一つ目が法体系だ。特に感染率・致死率の高い感染症発生時においては、いかに強力に統制するかが重要であり、有事に準じた強制力も必要となるだろう。今回、特別措置法により対処したものの、国民の行動規制はお願いベースが基本にならざるを得なかった。

真に国民の命と平和な暮らしを守るためには、時として強い統制が必要であり、現行の法体系では強制力が弱い。この観点から私権の制限についても議論が必要であり、そのためには憲法の緊急事態条項も含めた検討は避けられない。

二つ目には、100年に一度到来するかどうかの感染症有事に備え、国として戦略的・長期的視野に立ち、欠落機能がないよう必要な組織や枠組みの基礎を構築しておき、いざという時にその基礎を拡大して対処できるよう、足腰の強い体制作りに取り組む必要がある。

特に、ワクチン製造にかかわる開発・生産・承認体制は重要である。世界有数の創薬国と言われる日本が未だにワクチンの自国製造に消極的なのは、平成八年の裁判で厚生省の担当課長が罪に問われた後遺症が大きいのかもしれない。しかし何よりも、危機意識の欠如によって、国として地道に研究・開発を継続する体制を整備してこなかった結果であろう。

医師会のあり方を見直せ

一つ目の法律検討において参考になるのが、「災害対策基本法」や「有事関連法制」である。災害対策は基本的に自治体の役割であるが、大規模なものや原子力災害を含めて「国が直轄」して対応する法体系ができている。

有事についても、もちろん「国の責務」であり、国民保護や医療従事者への従事命令もでき、自治体が国の方針に従って強制力を発揮できる仕組みになっているし、平時の各種法令の特例措置もとれるようになっている。感染症に関しても、新型コロナ以上の重い感染症は、国の責務としてあらゆる措置をとる、と法律として定めておくべきである。

二つ目の組織や枠組みの検討においては災害対応が参考になる。発生周期が百年以内と短く、発生確率が50年以内90%と言われる南海トラフ地震対応においては、政府は地震防災対策推進基本計画を策定し準備を整えている。

たとえば被害見積もりに基づき、国、地方公共団体、地域住民の役割、いわゆる自助・共助・公助を定め、それぞれが連携して準備すべき事項を明確にしている。

さらに、指定行政機関および指定公共機関、並びに関係都府県・市町村地方防災会議がそれぞれの計画において推進すべき事項を具体的に示し、関係施設管理者に対しても対策を講じるよう明示している。

関係施設管理者とは、病院、劇場、百貨店や鉄道事業者、学校、社会福祉施設などであり、今回の新型コロナ対応においても規制対象となった重要な施設である。

これに倣い、感染症対策においても、将来的に国としての対策基本計画を策定し、国、自治体、公共機関、特に医療関係機関との連携のあり方を示すべきだ。

その際、国公立医療機関、民間大規模医療機関、クリニック等の役割を再検討する必要がある。併せて、医師会との連携のあり方の再検討も重要だろう。

知人の開業医に話を聞いたところ、開業医と関係病院長で構成された医師会の役割を、診療報酬費を下げさせないための圧力団体的な性格から脱皮させる必要があると語った。

たとえば国家的医療危機の状況においては、感染症等に対して知見・経験のない開業医の不安感を払拭するとともに、中規模・大規模病院と連携して医療行為が地域全体で継続できるよう緊急の教育システムや連携体制の構築をリードしていくべきだと指摘。

彼は自ら貢献したいとの意欲を示したものの、アナフィラキシーショック対応やワクチン接種にかかわるスタッフおよび待機場所の確保も考えると、一人の開業医では対応が難しい。ただ今回、時間こそ要したが、自助努力で連携体制を構築し、現在ではワクチン接種の体制を作り上げることができた。

こういった連携体制の構築や、それによる損失補までを総合的に検討してこそ医師会ではないのか、と熱く語ってくれた。

今回の危機は国民の危機であると同時に、医師会のあり方を見直す好機と捉えるべきではないだろうか。

コロナ収束に伴い、このような議論が深まることを期待したい。

自衛隊、現場部隊の悩み

話を自衛隊に戻そう。

今回、自衛隊が接種業務を担任した背景には、感染拡大を防止する切り札をワクチン接種と捉え、その打ち手が不足する状況を打開したいとの思いがあったようだ。接種規模の拡大に貢献できる要員が速やかに確保できない国難の状況において、自衛隊が寄与するのは当然である。

また、自衛隊まで動員しているという姿勢が、何とか国民の命を救いたいという政府の強い思いとして伝われば、心理的な効果も高いだろう。今回の自衛隊による接種会場開設・運営は、そのような意味でも意義があるものと思う。

一方で、自衛隊による様々な支援活動が、国防という本来任務遂行に及ぼす影響を危惧する声も聞こえてくる。

本稿を執筆しているいま現在も、熱海市における災害派遣が行われ、懸命の救助活動が続けられている。このような国民の生命にかかわる緊急を要する要請で、警察・消防のみでは実施できない状況では当然、出動すべきであるが、必ずしもそうとは言えない派遣要請に現場部隊が頭を痛めているのも実態だ。

たとえば、豚コレラや鳥インフルエンザによる殺処分等支援である。これも緊急的な対応が必要なため、速やかに人員を投入できる陸上自衛隊に頼るのは理解できるが、毎年頻繁に発生し、その都度出動していたのでは、本来任務遂行のための訓練すらできなくなる。

豚コレラの場合、影響の大きかった令和元年度が陸自全体で11回出動、一回平均117時間(延べ54日間、約1万1000名)、また令和2年度の鳥インフルエンザ対応は26回、一回平均74時間(延べ81日間、約3万名)。その影響は大きい。

東日本大震災において、陸自は約3カ月間にわたり約7万人を投入した。筆者の記憶では、この年、陸自全体で純粋な訓練に充当できたのは840時間程度であった。

豚コレラも含め、最近では様々な支援活動の影響で、それ以下の時間しか訓練に充当できていないと聞いており、いざという時に国防の任を全うできるのか心配している。

部隊では毎年、春頃から逐次訓練を積み上げ、小部隊から大部隊へとレベルを上げていく、この積み上げにより、班長、小隊長、中隊長、大隊長、連隊長等およびそれぞれの指揮官を支える幕僚を含め、実際の防衛行動において確実に任務を完遂できる人材を育てている。

近年では、戦争領域や戦争形態の大きな変化によりやるべきことが増えており、ただでさえ時間が足りない悩みがある。

国家百年の計を考える

この練度積み上げの途中段階で災害派遣等に出動した場合、その間に予定していた訓練は演習場等の混み具合もあり、思うようにはカバーできず、そのまま次の訓練段階に進まざるを得ない。

何ごとも実体験して初めて自信が持て、そのうえで後輩にも指導できるが、この「体得」すべき貴重な機会を逃すようなことが継続すれば、ボディーブローのように効いて部隊行動の練度が下がっていき、最悪の場合は任務達成が困難となる。

自衛隊は100年に1度の戦争も生起しないよう抑止力の向上に努めているが、抑止力は張り子の虎ではなく真に戦える対処力があって初めて成り立つ。その対処力の核心は、部隊の隊員の練度である。

練度は目に見えないため、隊員自身でも問題に気がつかない側面もある。現場の部隊は、頻発する豚コレラ、鳥インフルエンザ等の支援要請が自治体から発出されれば断ることはできず、派遣を優先してしまうのが実態だ。「練度が大事だから出動するな」とは誰も言えない。

農水省および各自治体に期待するのは、何とかして自治体の自助努力が進展できないものかという点だ。たとえば、地元消防団員の増員や殺処分作業に対する民間事業者の緊急的支援を獲得する施策、そしてやむを得ず自衛隊に要請する場合の作業内容の精査など、ぜひ検討が進むことを願う。

最後に、医療費の削減や小さな政府を目指した結果が今回の新型コロナ対応の問題点にがっていたとすれば、見直すことも必要であろう。

どちらも重要な施策であり、それ自体が問題であるとは思わない。本当の問題は、それらの施策が過度に進み、国の危機事態において真に必要な人・組織・体制やそれを機能させる法律を整備せず、また予算を充当してこなかったことにある。

平時は無駄のように思われることでも、国の存立、国民の命にかかわる根幹となる分野には重点投資すべきである。国家存立の足腰を地道に鍛え、いざという時に役に立つものに育んでおくべきである。まさに「国家百年の計」を忘れてはならない。

 ◇

 この記事の中で注目すべきだと思う部分の一つが「抑止力は張り子の虎ではなく真に戦える対処力があって初めて成り立つ。その対処力の核心は、部隊の隊員の練度である」です。

 国難と言えば、解釈次第で何でも国難にしてしまえるわけで、そこに出動することにより、隊員の練度を上げるための訓練に支障が出るようであれば、その最も重要な「国防力」の弱体化につながります。本当に自衛隊でなければできない任務に絞るべく、岩田氏の言うとおり、自治体の自助努力をもう一つ発揮してもらう必要がありそうです。

 同時に、高市政調会長が提言しているように、国防予算のGDP2%への上積みも進め、隊員の増強と装備の充実化を図る必要があると思います。中韓朝露の脅威に対応していくためにも。

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2021年10月17日 (日)

イチャモンとパクリの韓国、海外メディアでも叩かれる

Rectangle_large_type_2_884b705f480f523f1 岸田首相は15日、韓国の文大統領と電話会談を行いました。その中で岸田首相は文大統領に対し、「韓国最高裁のいわゆる徴用工判決や慰安婦に関する日韓合意違反などを国際法違反とし、韓国側に対応を求めた。」と報道されています。また「北朝鮮による拉致問題の解決に向けた韓国側の協力を要請した。」とも報道されています。

(画像は日本映画をパクったとされる韓国映画イカゲーム)

 それに対し文大統領は、「拉致問題に対する日本の立場は支持したが、徴用工や慰安婦問題については、韓国の従来の立場を説明した。」とあり、韓国側から歩み寄る姿勢は予想通りなかった模様です。

 こうした政治的な懸案は別にしても、韓国の日本に対する一般的な対応は、「いちゃもん」と「パクリ」で代表されると思います。この2点について日本ではなく、アメリカと中国のメディアの反応を追ってみました。

 まず「いちゃもん」ですが、Newsweekに掲載されたコラム『イチャモン韓国に、ジョークでやり返す』(10/1)を紹介します。日本人の早坂隆氏が寄稿しているようですが、以下に引用します。

<隣国同士というのは大抵ギクシャクするもの。だが、五輪でのイチャモンから「福島ヘイト」まで、日本に対する韓国の姿勢には目に余るものがある>

【楽園】

世界を創造している最中の神が天使に言った。

「日本という楽園のような国を造ってみよう。自然あふれる国土に、美しい四季、水も豊富にあり、そこに住む人々は勤勉で穏やかな性格をしている」

それを聞いた天使が言った。

「しかし、それではあまりに不公平ではありませんか? 他の国の人々から不満が出ますよ」

すると神は、「それもそうだな」とつぶやき、そしてこう言った。

「では隣を韓国にしておこう」

******

このジョークの構図は、世界中で古くから楽しまれている古典的なもの。世界各地の隣国同士で自国と隣国に当てはめられている。

例えばフランスとドイツ、アメリカとメキシコ、イランとトルコといった具合である。

モンゴルのウランバートルの酒場では「では隣をロシアにしておこう」というオチで、モンゴル人たちは爆笑していた。

私が以前に暮らしていたルーマニアでは、ハンガリーを笑うジョークに変化していた。日本人にはあまりピンとこないが、国境を接し合うルーマニアとハンガリーとの間には、トランシルバニア地方の帰属をめぐる主張の違いがあり、長年にわたってもめ続けていた。

東京五輪で韓国が「言い掛かり」

つまり、隣国同士というのは大抵ギクシャクするもの。それがごく普通の光景なのである。

日韓関係に関しても、そんな視点はあってしかるべきであろう。

とはいうものの、である。日本に対する韓国の姿勢には、さすがに目に余るものがあるのも事実。

東京五輪だけを見ても、大会前にボイコットをにおわせたことから始まり、大会中は反日的な横断幕を宿舎に掲げたり、選手村の食事にケチをつけたりと、理不尽な批判のオンパレードだった。

結局、横断幕はIOC(国際オリンピック委員会)の指摘を受けて撤去されたし、選手村への批判に同調する他国はなかったが。

旭日旗への「言い掛かり」は「平和の祭典」でも通常運転。スポーツクライミングのボルダリングで使用された人工壁の形状が「旭日旗を連想させる」としてやり玉に挙げた。

多くの日本人がこのようなイチャモンにうんざりしたのは、当然のことである。

韓国の対日姿勢に関して最も深刻な問題の1つは、福島第一原子力発電所の処理水をめぐる態度であろう。

福島の処理水は現状、韓国を含む他国の原発よりもトリチウム(放射性物質)の量が低く抑えられているとされる。にもかかわらず韓国は「汚染水」という呼称で世界中に「危険だ!」と触れ回っている。

これすなわち「日本差別」「福島ヘイト」。こういった問題には、毅然と対応していく必要がある。

それでも、お互いがお互いを汚い言葉で罵倒し合うだけでは何もよいことはない。子供じみた罵詈雑言ではなく、ジョークで鋭く風刺するくらいのテクニックは身に付けておきたいものだ。

 ◇

 ジョークで風刺しようが何をしようが、韓国の反日は千年は続くようです。神の言葉通り隣国の関係はギクシャクするものですが、韓国の場合は「目に余るものがある」と早坂さんの言うとおりです。

 次に「パクり」です。これは中国のRecord Chinaの記事です。タイトルは『日本の商品をパクる韓国は中国を批判できない?韓国議員が規定整備を訴え=ネットには反発の声「日本だって…」』(10/15)で、以下に引用します。

 ◇

2021年10月14日、韓国・ニュース1によると、食品業界で「パクリ商品」の開発が慣行化されていることに、韓国の議員から懸念の声が挙がった。

記事によると、韓国最大野党「国民の力」の安炳吉(アン・ビョンギル)議員は同日、韓国農水産食品流通公社(aT)と韓国食品産業クラスター振興院を対象とする国政監査で「パクリ商品」に言及した。

安議員は、韓国の菓子メーカー「オリオン」が2017年に発売した商品「コブクチップ」について「(オリオンは)発売当初『開発に8年かかった』と明らかにしたが、消費者の多くが見た目だけでなく味もヤマザキビスケットの商品『エアリアル』に酷似していると評価している」と指摘した。オリオンが開発を始めたとする8年前の2009年は、ヤマザキビスケットがエアリアルを発売した年だという。

一方で、安議員は「海外ではパクリ商品により韓国製品が売上減少などの被害を受けている」とも指摘。中国の菓子・飲料メーカー「達利食品」が発売したチョコパイについて、「オリオンの代表商品であるチョコパイに見た目がそっくりで、高いコストパフォーマンスと優れたマーケティング戦略でオリオンの地位を脅かしている」と説明した。

その上で安議員は「韓国政府やaT、韓国食品産業クラスター振興院だけでなく、食品業界もパクリ商品問題をあまりに軽く考えている」と指摘し、「対策が急がれる」と主張。「韓国の食品企業が製品を輸出する際、外国のパクリ商品により被害を受ける事例が持続的に発生している」とし、「『闇夜に目あり』という言葉があるように、韓国の食品が世界中で法の保護を受けられるためにはまず第一段階として韓国内の規定を整備するべきだ」と強調したという。

これに韓国のネットユーザーからは「安議員は日本のために働いているの?」「見た目はともかく、味をそのまま再現することは不可能じゃない?」「日本にだってオリジナルなものはない。全て米国や欧州のパクリでしょ」など反発の声が相次いでいる。

一方で「韓国が日本のものをパクって成長したのは誰もが知る事実。日本から導入した法律も、日本ではどんどん改正されているのに韓国は今もそのまま使っているケースが多い。認めるべきものを認めないと韓国は発展できないよ」「日本で10年暮らして韓国に帰国したとき本当に驚いた。ほとんど全て日本のまねだったから。特にテレビ番組は深刻」「韓国に中国を批判する資格はないね」などと指摘する声も寄せられている。

 ◇

 安議員や、記事の最後に紹介されている韓国人たちは、いわゆる「パクリ」は違反行為だし、韓国の恥のような感覚を持っているようですが、「青字」の部分が一般の韓国人の感覚でしょう。

 この2例のうち、後のRecord Chinaの記事は中国人の記述で、中国からも同様に思われているのですね。「韓国に中国を批判する資格はないね」と言うのが本音でしょう。しかし「中国も韓国を批判する資格はない」と思うのですが。

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2021年10月16日 (土)

歩く風評被害 山本太郎の「放射脳」

3b428554f19241cea8cf6aeebf984cfc いよいよ実質的な選挙戦に突入しました。各党それぞれ候補者擁立の準備に余念がないでしょう。立憲民主党と共産党の理念なき野党共闘の話も進んでいるようです。社民党とれいわ新選組も共闘に加わるとか。

 そのれいわ新選組、小選挙区、比例併せて23人擁立するようです(読売新聞)が、滋賀3区の選挙区では、共産党統一候補に自党の候補をぶつけて、物議を醸しています。

 実はれいわ新選組の代表山本太郎氏は、過去原発問題を中心に、様々な問題発言をしています。立憲民主党や共産党の枝野代表や志位委員長の発言もひどいですが、山本太郎氏は最悪です。その内容を月刊hanadaプラスの坂井広志氏のコラム『歩く風評被害 山本太郎の「放射脳」』(10/8公開)に見ることができます。以下に引用して掲載します。

 ◇

「水に流す」という言葉があるが、「水に流せない」こともある。2011年、「高濃度汚染地域・東京から山本太郎です。超高濃度汚染地域、福島・東北にお住まいの皆さん、こんにちは」「避難してください。未来はないです。子供たちを無理心中に引き込まないでください。大人として、子供のためにも疎開してください」と発言した山本太郎を再び、国会議員にしてもいいのか。

******

給食を食べたら被曝する

「左派ポピュリスト」と呼ばれているれいわ新選組代表の山本太郎の主張ははたしてどの程度正しいのか、あるいは理に適っているのかどうか。「山本太郎ファクトチェック」ではそのことを問い、彼の経済政策や思い描く理想的な社会は「ファンタジー」にしか見えないという結論で締めくくりました。

今回はその第2弾ということで、山本太郎が政治の道を志すきっかけとなった原発問題について「ファクトチェック」したいと思います。

山本が平成23年5月に「YouTube」(ユーチューブ)で動画配信したこのメッセージを覚えている方は、どれくらいいらっしゃいますか。

山本は平成23年3月11日の東京電力福島第一原発事故の際、散々風評をまき散らしましたが、その原形はここにあると言ってよいでしょう。

冒頭から、「高濃度汚染地域・東京から山本太郎です。超高濃度汚染地域、福島・東北にお住まいの皆さん、こんにちは」と、福島県民や東北の人たちの気持ちを逆撫でするような言い方をしています。これを聞いただけで不快になった方は多いでしょう。

そのうえでこう呼びかけています。

「避難してください。世界中に例を見ない最悪な事故です。進行中です。毎日、とんでもない濃度の汚染物質、空から降ってきています。海に垂れ流してます。この状況で生活するのはあり得ないです。がんになっているのを待っているだけです。避難してください。未来はないです。子供たちを無理心中に引き込まないでください。大人として、子供のためにも疎開してください」

実に無責任かつデリカシーのかけらもない発言です。「無理心中」という刺激的な言葉を使うあたりも、その無神経さは許し難いです。

自身のブログ「山本太郎の小中高生に読んでもらいたいコト」でも言いたい放題でした。平成25年5月8日付にはこんな記述があります。

「君が食べた朝ご飯、安全だった? 君が学校でほぼ毎日食べる給食、安全かな? 残念ながら、かなり食べ物に対して気を使わなければあなたの身体は被曝し続ける」

「東電原発からの『距離』で安心しちゃいけない。毎日の生活に大変で現状に気づけていない大人たちに教えてあげて。まずは、あなたの学校の給食や食堂にフォーカスしてみない? 君からの問題提起で、周りの友だち、大人たち、先生を本気にさせて。自分や友だち、大切に想うひとを守る為に。事故から二年。急がなきゃ。これには皆の命がかかってる。皆で病気になってどうする? 長生きしよ! そして長く人生楽しもうぜ!」

給食を食べたら被曝すると小中高生に囁くという、それは実に悪質なものでした。

歩く風評被害と呼ばれて

彼は、自らの過去の発言や発信について反省しているのでしょうか。

これは、原発ゼロの社会を目指している市民団体「たんぽぽ舎」が2019年1月に東京都内で開催した講演会での発言です。

「マスコミには関連企業からお金が落ちている。みなさんの怒りが捻じ曲げられてしまう。私なんか『歩く風評被害』という名前になってますから。『狼と踊る男』みたいな。『ダンス・ウィズ・ウルブズ』みたいな名前をいただいて、光栄なんですけれども……」

マスコミは自分たちの怒りをちゃんと伝えてくれないばかりか、自分のことを「歩く風評被害」と批判する、と言いたかったのでしょう。「狼」が風評で、「踊る男」が自分ということなのでしょうか。いずれにしても、自虐ギャグのつもりなんでしょう。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』とは、ケビン・コスナーが監督、主演などを務め、日本で平成2年に公開された米国映画です。

19世紀の米国を舞台に、インディアンと交流を深め、「狼と踊る男」と呼ばれるようになる南北戦争の英雄の姿を描いた作品。山本太郎は「狼と踊る男」というよりは「狼少年」ならぬ「狼中年」といったほうがお似合いのような気はしますが……。

この発言で会場には笑いが起きましたが、笑いを誘っている場合ではありません。思想的に、政策的に近い団体が開催した講演会とあって、会場を盛り上げるためのリップサービスだったのかもしれませんが、反省は微塵も感じられません。

2019年11月の福島県郡山市での街頭演説では、「福島県内にも『山本太郎、死ねばいいのに』と思われている方が大勢いることを知っています。『歩く風評被害』と呼ばれたこともあります。『あいつはデマをまき散らして』ということも言われました」と語っています。

「歩く風評被害」というキャッチフレーズがよほどお気に入りなのでしょうか。使用頻度は高いです。

自身をこれほど客観視できるわけですし、2021年3月で事故から丸10年を迎えるのですから、そろそろ謝罪してもいいのではないでしょうか、と言いたいところです。もっとも、「謝罪」そのものはしています。

では、何に対して謝罪しているのでしょうか。郡山市内でも語っていますが、2019年7月の福島市内での街頭演説ではより詳細に謝罪しているので、そちらの演説を見ていきましょう。事故当時のことをこう振り返っています。

「私は『逃げてくれ』と言った。『逃げてくれ』と言っても、どこに逃げるんだよって話です。新しい環境用意してくれるの? 簡単に『逃げろ』と言うけど、家族が移動する交通費しかないんだってことを、福島のある家族の方から言われた。その時に、自分がぶん殴られたような思いになった。原発問題以外に、地盤沈下した人々の生活もあることに初めて気づいた。とんでもない、世間知らずだったんですよね」

そして、こう続けます。

「そんな大きな声出してもこの現実を変えられないということに関して、責任も持たずに発言してきたことに関して深く深くおわび申し上げたいです」

そうです。無責任に「逃げろ」と呼びかけたことをわびているのです。これは、風評被害をまき散らしたことへの謝罪ではありません。

街頭演説は原発問題に続けて、消費税や社会保障、貧困などの問題に突入していくわけですが、「地盤沈下した人々の生活」という言葉を持ち出して話を転換していくその話術は、なかなか巧みです。

「逃げろ発言」への反省は、本題に入る前の所詮イントロですか、と突っ込みたくなります。

風評被害に対する謝罪はなし!

話術が巧みとはいえ、思うようにいかないこともあるようです。街頭演説は聴衆から質問を受け付けて答えるスタイルをとっているのですが、ある男性からこんな言葉を浴びせられました。

「ようこそ福島へ。山本太郎さん、いま、ここにいるの、怖いですか。県民は真面目に物を作って、真面目に米を作って、でも米売れないんですよ。それはなぜか。風評被害があるからです。山本さんのツイッターを見れば『怖い、危ない』と危険を煽って……。だから福島は危ないところなんだ、と全国民は思ってしまうんですよ。それが政治家の役目なんですか」

これに対し、語気を強めてこう言ってのけたのです。

「たしかにそれが風評被害ならば、私は煽るべきではないと思っています。ただ、原発事故によって起こったこの福島の状況は風評ではなく、実害なんですよ。もう国会のなかでは、ほとんど原発のことも被曝のことも語られなくなってきているんですよ。私は泣き寝入りさせたくないんです。だって、これは皆さんが起こした事故じゃないんですよ」

再び、「精いっぱいのなかで『逃げてください』という話をしちゃった」と話を振り出しに戻し、持論を展開させます。

「2011(平成23)年の空間線量、特別高かったですよね。私が政府だったら、いっときであろうと全国に分散して避難をしていただいて、いったん放射線量が下がった段階でもう一度、情報を提示しますから、戻られる方、戻られない方、いろいろですよ、それぞれで。それぞれ個人で具体的に決められるような情報を提示しますって。それをやってほしかった」

ダメ押しのように、「言葉をもっと選べばよかった。もっと違うアプローチがあったんじゃないかって。いまだから思える。未熟でしたよ。いまも未熟です。粗削りです。でも私がいま、発言している国会の内容は、申し訳ないですけど風評被害ではない。実害のほうに対して逃さない。それをどうするのかってことをやっているのです」云々。

「風評ではなく実害」。この言葉もよく聞かれます。そう言われるとそんな気になってしまうかもしれませんが、よくよく考えると訳の分からないロジックです。「自分は風評をまき散らしたわけではなく、国や東電が実害を起こした」と言いたいのでしょうが、正しくは「彼がまき散らした風評が福島県民にとって実害となった」ですね。

福島市内での街頭演説では「謝らなければならないのはそれだけじゃない」と語り、「逃げてくれ」発言以外についても言及しています。それはこれです。

「これまで電力を使い続けてきた。どこから電気が来ているかなんて知らなかった。地方を踏みつけてでも大都会に電気を送るというシステムが原発だった。金で黙らせてきた。札束で黙らせてきた。不健全な形で使い続けていかなきゃならないような状況を作り出してきた」

「そんなことも知らずに、何のありがたみも感じずに電気を使い続けてきた。東京のために大変な思いをされた福島の方々に、東京都民の一人としておわびしたいです」

「原発立地地域の住民を札束で黙らせてきた」と言わんばかりです。極めて失礼な発言です。福島県民のなかには、深くプライドを傷つけられた人がいたのではないでしょうか。

結局、終わってみれば、風評被害に対する謝罪はなし。自分の言いたいことばかりを声高に叫び、誠意を見せているようでいて、その実、福島県民の自尊心をズタズタにしている。それが実態ではないでしょうか。

「原発ゼロ」も空理空論

エネルギー政策についても見ていきましょう。れいわ新選組のホームページを見ると、「エネルギーの主力は火力」と書いてあります。2019年11月の福島県郡山市での街頭演説では、もう少し詳細に語っています。

「原発で安全でいるというのはあり得ない。原発に頼らないエネルギーといえば、現実をみつめれば、火力でしばらくつなげていくしかない。当然のことです。自然エネルギーのインフラですべてを賄うのは無理だと思っています。蓄電の技術などを考えれば。しかし、火力のなかでも環境への負荷が少ない液化天然ガスとかを使う」

液化天然ガス(LNG)を使うことに異論はありません。石油に比べて中東への依存度は低いですし、燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量が少ないのも大きなメリットです。

しかし資源エネルギー庁などによると、LNGの買い手は、LNGの調達量や調達期間を柔軟に調整できないという問題があるようです。LNGを輸出するためには天然ガスを液化する施設が必要で、これに非常に多額な初期投資が必要なのです。液化施設の事業主は15年や20年などの長期契約を買い手に求めることで、多額な投資を可能にしてきたわけです。

日本のLNGの買い手である電力・ガス事業者は、平成28年4月以降の「電力・ガス市場の小売り全面自由化」で競争が激化し、調達量について柔軟に対応したいと考える傾向があります。しかし、短期間での売買は容易ではない。課題は少なくありません。

技術的な話になってしまいましたが、要は「言うは易く行うは難し」の世界なのです。自然エネルギーですべてを賄うのは、たしかに現実的ではありません。結局は、原発を含めエネルギー源を多様化させるのが現状では現実的な選択と言えます。LNGは伝家の宝刀ではないのです。

平成25年7月22日に放送された報道情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ系)で、司会の宮根誠司は参院選初当選直後の山本に「じゃあ原発を止めよう、その代わり、極端な話、江戸時代の暮らしに戻しましょう、なのか。その辺の話をちょっとしてもらわんとね」と振りました。

これに対し、「やっぱりその刷り込みが一番怖いんですよ。宮根さんが言われている言葉が」と正面から答えず、論点をずらしました。

脱原発後のエネルギー政策は、山本にとって弱点となっています。もちろん、これはれいわ新選組に限らず、「原発ゼロ」を訴えている立憲民主党も同じです。原発をゼロにしたうえでの現実的なエネルギー政策は、なかなか見当たりません。

アホでマヌケな国会質問

国会質問でも、危険を煽る姿勢は変わりません。むしろ拍車がかかっているくらいです。平成27年7月29日の参院平和安全法制特別委員会で、こんなことを質問しました。

「川内原発の稼働中の原子炉が弾道ミサイル等の直撃を受けた場合、最大でどの程度、放射性物質の放出を想定していらっしゃいますか、総理」

「弾道ミサイルが飛んできた場合、原子炉、その近くに着弾した場合、もしそれが破損した場合に、一体どのような状況になるか。漏れ出すというものに対して、計算されていないということですよね?」

煽る、煽る。そして、たどり着いた結論がこれです。

「原発にもしもの事故があったとしても、東電福島原発のような事故があったとしても、そしてそのほかにいま一番危険とされている、安倍総理、安倍内閣が声高に叫び続ける中国、北朝鮮からのミサイルの着弾が原子力施設にあったとして、被害があったとしても、要は一度被曝していただくという話ですよ。こんないい加減な話あるかよって」

いやいやいや、こんないい加減な質問あるかよっていう話です。

こうした攻撃やテロの類の話をめぐっては、ほかにも危険な想定をすることができ、その想定への政府の対応をすべてあからさまにするのは、手の内を明かすようなものです。

かくかくしかじかのリスクがあるからこそ、日米安保の強化や外交力、防衛力の強化が必要という議論を展開するならいざ知らず、極めて危険な事態を叫ぶことに終始するのは、国民を恐怖に陥らせるだけです。

「百害あって一利なし」とは、このことです。

どのレベルまで国民に公開し、理解を得るのか。基準はあるでしょうが、時の政府の判断という部分もありましょう。だからこそ、政府への「信頼」というのは極めて重要であることを付け加えておきたいと思います。

ミスリード命の山本太郎

山本は原発事故が起きた約1カ月後に、東京・高円寺で行われたデモに参加しています。このときは仕事への影響も考え、顔を隠していました。もちろん、ばれてしまうわけですが……。

それがあるとき、吹っ切れたそうです。著書『僕にもできた! 国会議員』(筑摩書房)のなかで、こう説明しています。

「全部吹っ切れたのが、年間積算線量が1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げられた時ですね。放射線従事者の規則が書いてある電離放射線障害防止規則で定められた『放射線管理区域』でも1年間で5ミリシーベルトを超えて被曝してはいけないことになっている。(中略)20ミリシーベルトと言ったら、放射線管理区域の4倍です。大人よりも放射線への感受性が高いと言われる子どもに対しても、国は20ミリに引き上げたのです」

これの是非は散々議論されました。20ミリシーベルトに緩和したことを非難する人もいれば、被曝リスクは小さいと主張する人もいました。

このあたりの評価は専門家に譲りますが、独裁国家でも共産国家でもないこの国の政府の誰が「国民は被曝してよい」と思うでしょうか。

「放射線管理区域の4倍」という、一時よく使われた「東京ドーム何個分」といったような分かりやすい表現でリスクを単純化するのは、国民をミスリードするだけです。

山本は自身の発信力を自覚していることでしょう。確信犯的な言い回しは、そろそろ戒めてもらいたいです。

消費税ゼロは客寄せパンダ

最後に、れいわ新選組とは何なのかということを考察しておこうと思います。「山本太郎ファクトチェック」で触れたとおり、山本は『ニューズウィーク日本版』(2019年11月5日号)のインタビューで、「私のなかで一丁目一番地から原発・被曝問題が外れたわけではありません」 「原発問題に関心を持ってもらうためにも、最初は入り口を広げておくんです。扉を最大限に広げておくためには、経済政策が大事ですよ」と語っています。

これは確固たる信念のようで、数々のインタビューなどで同様の趣旨のことを語っています。朝日新聞の2019年9月28日付朝刊のインタビューでは、「私自身重要な問題と思っているので、政権奪取できれば、安保法制はなくします。でも、原発でさえ争点にならなかったのが日本社会です。一方で、消費税は誰しもが毎日払っている。自分ごととして引き寄せやすい」と話しています。

月刊誌『文藝春秋』2020年2月号で、「『政界の風雲児』本気の政策論文 『消費税ゼロ』で日本は甦る」と題した論文を発表しましたが、そこに原発問題に関する言及はありません。「原発隠し論文」といえます。

彼にとって「本気」なのは「原発即時禁止」であり、経済政策がそのためのツールであるのは明らかです。そういう意味では、れいわ新選組がシングルイシュー政党に近い存在であることは間違いありません。

就職氷河期世代に焦点を合わせ、貧困問題をクローズアップさせるあたりは、他の野党に比べ、問題意識は時宜に適ったものといえますが、消費税廃止などの経済政策を一皮むけば、原発即時禁止という非現実的な政策が頭をもたげていることを忘れてはいけません。

シングルイシューを実現するために、平気な顔で「だまし討ち」を仕掛けようとするこの人物に政治家の資格があるのかどうか、甚だ疑問です。

 ◇

 政治家の資格など全くありません。なぜなら原発即廃止や消費税ゼロを実施した場合の代替エネルギーの補填や他の財源の見通しなど、きちんとした計算に基づく政策は全く持ち合わせてないからです。そうした「スローガン」だけで、国民を騙す人物は政治家の資格はありません。

 日本の国会の制度で徹底的に欠けているのは、政党間の相互質問という制度がないことです。野党は殆どが質問側。それも相手は政府であって純粋には与党ではない。ですから例えば消費税ゼロや原発ゼロと言った場合、それに反対する党、主として与党がその根拠や実現性を鋭くつくことができないわけです。結果としてそうしたことを真剣に考えない政治家が、野党に多く存在するようになるわけです。

 野党も政策の提案(消費税やエネルギーなど)をした場合、その根拠および効果と実現性を、与党が突っ込んで質問できるよう、国会質疑の制度を是非変えて欲しいと思いますね。

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2021年10月15日 (金)

嘘か誠か、二階派が菅派に衣替え?

2021051100000072kyodonews0003view  昨日衆議院が解散され、今月19日公示、31日投開票の総選挙が決定しました。自民党としては岸田新政権の信を問う選挙となります。総裁選より昨日まで、自民党の派閥はどう動いていたのか。

 その真偽は別にして、NEWSポストセブンが伝える政局の動きを、以下に引用して掲載します。タイトルは『「二階派が菅派に衣替え」の衝撃 「河野太郎氏の合流」もあるか』(10/11)です。

 ◇

 つい最近まで「自民党の最高実力者」と呼ばれて権勢をふるった二階俊博・前幹事長が、総裁選の負け戦と岸田内閣の発足で権力の座から真っ逆さまに転落した。

「次の衆院選に私が立候補するのは当たり前のことだ」──二階氏は総裁選後の10月2日、地元・和歌山で報道陣にそう語って引退を否定した。だが、二階氏の“衆院選出馬”がニュースになるほど、自民党内には依然として引退説が根強い。

「二階さんは82歳、年齢的にみても復権は難しい。選挙準備だけしておいて、総選挙直前に体調を理由に引退を表明、急遽、後継者の三男を出馬させるのではないか」(細田派幹部)との見方もあるほどだ。

 これまでポスト面で“我が世の春”を謳歌してきた二階派は、総裁選の対応で河野支持、高市支持、野田支持に割れた挙げ句、大きな亀裂が入って分裂の危機にある。二階氏が派内でも威信低下を露呈したのは、総裁選前日の同派会合だった。

「対応したくない人は(派閥を)出て行ってもらうよりしょうがないね。ちょっと愚問じゃないかな、こういうプロの世界では」

 そう語って派閥の対応一本化に強い決意を示したものの、河野支持派と高市―岸田連合支持派が反目してまとまらない。その結果、総裁選本番では“二階切り”を掲げて出馬した政敵の岸田文雄氏に二階派からもかなりの票が流れたとみられている。子分たちが勝ち馬に乗ろうと寝返ったのだ。

 岸田内閣の組閣を見ても、二階派から入閣した山口壮・環境相と小林鷹之・経済安全保障担当相はいずれも高市氏の推薦人。「決戦投票で二階派が河野太郎氏に一本化することを防いだ論功行賞」(同前)と見られている。

 二階派ベテラン議員が語る。

「二階さんを支え続けた林幹雄(前幹事長代行)さんくらいは今回の人事で処遇されてもよかったのに、入閣したのは岸田―高市連合に走った2人だけ。二階さんの意向は全く配慮されなかった」

 派閥領袖の力は子分の議員に「ポスト」を配分することで保たれる。総裁選で派内を切り崩され、ポスト配分権も失った二階氏にはもはや派閥を維持する力さえ残っていない。

 注目したいのは二階派の跡目をめぐる動きだ。党内では“負け組派閥の後継者問題など些事”と関心が薄いようだが、ことの成り行き次第では自民党に再び波乱が起きる呼び水になるかもしれない。

 二階派の有力な後継者候補の1人が武田良太氏。防災相、総務相を歴任したことで急速に力をつけ、派内で頭角を現わした。総裁選ではまず石破茂氏擁立に動き、石破氏が出馬断念すると河野支持に転じて負け組となったものの、若手に一定の支持がある。

「武田に近い若手議員たちは、派閥を草刈り場にされないために武田を総裁選に担ぎ出そうとしたが、世代交代を怖れた二階会長が野田聖子に推薦人を貸したためにうまくいかなかった。だが、その二階会長は力を失い、重鎮として支えていた最高顧問の伊吹文明(元衆院議長)さんも引退する。いまや派内はバラバラで、このままでは空中分解に向かう。二階会長が派閥を譲らないのであれば、武田は中堅若手を引き連れて派閥を割る決断をするのではないか」(同派中堅)

 注目すべきはその先、武田氏らの受け皿になるとみられているのが菅義偉・前首相のグループなのだ。

 もともと二階氏は「引退後は二階派と菅グループの無派閥議員を合流させ、菅さんに後事を託すつもりだった」(二階側近)とされる。菅氏も二階派議員を人事で厚遇し、それに呼応する姿勢を見せていたが、総裁選前に菅氏が二階氏を幹事長から降ろそうとしたことで2人の関係が悪化、合流構想はご破算になったと見られている。

 しかし、二階派の議員たちにすれば、負け組は人事で干されるうえ、派閥が空中分解すると総選挙でも支援が受けられない。菅氏の側近たちも事情は同じだ。武田氏が菅グループとの合流を目指せば、総選挙前に「菅派」旗揚げ構想が復活する可能性が高い。興味深いのは、それを引き金にもっと大きな「負け組連合」形成につながることだ。

 菅内閣の閣僚経験者が言う。

「岸田総理や安倍さん、麻生さんのやり方は党内に深い恨みを残した。一番、雪辱に燃えているのは強引に総理を引きずりおろされた菅さんだろう。菅派をつくるときは安倍―麻生に切り崩されて存続の危機にある石破派にも合流を呼びかけるだろうし、岸田人事で広報本部長に格下げされて屈辱にまみれた河野太郎や冷や飯組に転落した小泉進次郎とも連携をはかるはずだ」

 二階派分裂という小さな動きが、菅派の結成につながり、それが自民党内に「菅+小石河」という反主流派連合勢力の結成を促す。

 反主流派は議員の勢力では細田派、麻生派、岸田派の主流派には遠く及ばないが、岸田首相より国民の支持が高い河野氏、進次郎氏、石破氏らが党内で生き残る足場ができることが大きい。仮に、10月31日投開票の総選挙で岸田自民党が敗北した場合、攻守逆転する番になるからだ。

 岸田政権で「我が世の春」を謳歌している安倍氏や麻生氏が、菅派結成の動きを「しょせんは負け組互助会」と侮っていると、足を掬われかねない。

 ◇

 かなりうがった見方もある中で、菅-小石河連合ができないとも限りません。しかし菅さん以外は保守陣営から見れば、反主流派と言うより野党に近い存在のように写ります。とりあえずは数的には記事にもあるように、主流派には遠く及びませんが、何しろ国民的な人気(政策面ではない)があるのは事実です。野党の援護射撃に走らせないように注意しながら、つかず離れずで、対応した方がいいでしょう。

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2021年10月14日 (木)

朝日:韓国のごり押しのユネスコ決議に同調する売国新聞

Images-11_20211014103701 「軍艦島」に関する不当なユネスコの決議について、このブログでも以前に取り上げましたが、韓国側のごり押しと共に、その背景には朝日新聞がユネスコと同じ論調で非難する事実がありました。証拠も明らかでないのに、飽くなき反日攻撃を続ける朝日。そこには日本の新聞という片鱗もなく、第3国の影が色濃く映っています。

 産業遺産情報センター長の加藤康子氏がJAPANForwardに寄稿したコラムに、その詳細が語られています。タイトルは『産業遺産情報センターと朝日新聞10/11で以下に引用します。

 ◇

「展示改めよ」への疑問

長崎市の端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)を含む世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」について、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は7月22日、戦時徴用された朝鮮人労働者に関する「産業遺産情報センター」の説明が不十分だとして「強い遺憾」を盛り込んだ決議を採択した。決議に付されたユネスコとイコモス(国際記念物遺跡会議)の合同調査報告書は、日本政府が東京都新宿区に開設した「産業遺産情報センター」の端島炭坑の展示に対し、「犠牲者を記憶にとどめる」措置としては「より暗い側面」を含め「多様な証言」を提示するよう求めている。

決議に呼応し、7月27日の朝日新聞に「産業革命遺産 約束守り、展示改めよ」という社説が掲載された。「必要なのは、情報センターのあり方を改めることだ。犠牲者の記憶の展示と情報発信を確立するよう、幅広い専門家の意見を仰がねばならない。どの遺産であれ、多くの歴史には陰と陽の両面があり、その史実全体を認めてこそ世界共有の財産になりうる。日本政府は決議を謙虚に受け入れ、ユネスコとの約束を果たすべきだ」との主張である。

朝日新聞の言及する「史実」とは何を意味するものなのだろうか。私は平成27年に「明治日本の産業革命遺産」が登録されてから、端島については元島民たちと共に、一次情報や証言を集め、戦時中の端島の暮らしや労働について真正面から向き合ってきた。社説をみた端島元島民から「到底受け入れられない。なかったことを有ったことにするのか」と抗議のメールや電話が相次いだ。

だが朝日のこのような論調は今に始まったものではない。産業遺産情報センターが開館して以来、一貫して端島の展示に不満を表明してきた。昨年7月には社説で情報センターの端島元島民の証言の展示内容が問題であると言及し、「朝鮮半島出身者の労務動員に暴力を伴うケースがあったことや、過酷な労働を強いたことは、当時の政府の公文書などで判明しており、日本の裁判でも被害事実は認められている」と論評した。

ユネスコと朝日の論調同じ

このような史実は実際に端島にあったのだろうか? 端島元島民たちが政府に確認したところ、結局そのような公文書はみつからなかった。さらに元島民は弁護士を通じ、三菱マテリアルに「終戦までの端島及び端島以外の『三菱』経営の炭鉱現場に関し、【1】朝鮮半島出身者に対する(ア)暴力や虐待(イ)差別的な扱い(ウ)過酷な強制労働並びに労務動員に暴力を伴うケースのいずれかが認定された裁判例が存在するのか」と問い合わせた。同社からは「弊社が国内裁判で被告になっている事例はございません」との回答を得ている。つまるところ端島に関しては、朝日の主張するような、朝鮮半島出身者が、奴隷労働を強いられたと証明するような裁判事例も政府の公文書も存在しない。

では何を根拠に、公文書や裁判事例に言及したのであろうか。朝日に問い合わせたところ次のような回答(昨年8月)を得た。それによると「この記述は、当時の徴用工の労働現場一般についての言及で、端島に特定して記述したものではありません。日本国内で上記のようなケースがあったことを示す公文書などがあることは公知の事実です」とのことである。

残念ながら、今回のユネスコの決議と朝日新聞の社説の論調は同じである。「あっただろう」ということを前提に、「端島の犠牲者を記憶にとどめるための適切な措置」として、「暗い側面」の展示を要求した。だが立ち止まってよく考えてほしい。ユネスコも朝日もここでいうところの犠牲者をどのように特定するのだろうか。

センターの「あり方」は一貫

犠牲者という言葉を使うのであれば、その犠牲者とは誰かを定義し、その存在を立証する必要がある。立証するには被害の実態を明らかにする証拠が必要で、その被害を裏付ける史料や複数の証言も重要である。犠牲者がいるということは、そこに加害者がいるわけである。公文書も裁判例もないなかで弱者に寄り添う正義感から罪のない元島民に汚名をきせ、冤罪(えんざい)をつくることはしてはならない。

情報センターでは今後、端島の炭鉱事故について、確実な事故の記録があるものを、その時の記事や当事者の手記などを紹介していきたいが、あったかどうかも立証できない、あやふやな情報で島民の人権を侵害することはできない。証拠もないのに一般論を端島にあてはめるような安易な発想は間違いである。

歴史の解釈は「政治」や「運動」によるものではなく、一次史料や証言を基本としなければならない。歴史においては思想や正義の押しつけは危険である。歴史には百人の研究者がいたら、百人の解釈がある。情報センターの役割は正確な一次史料や証言を提供することであり、解釈は個々の研究者に委ねるべきだと思っている。情報センターがその「あり方」を改めることはない。

 ◇

 この一件だけでも、朝日新聞が「韓国」およびその韓国に踊らされた「ユネスコ」の代弁者である事が、一目瞭然でしょう。もちろん韓国だけでなく日本に敵対する国の代弁者でもあり続けています。そこには明確に反日・売国の社是にも似た論調が跋扈するわけです。

 このように反日を続ける記事を書き続ける新聞は、購読者を洗脳し日本を貶める勢力の司令塔とも言うべき役割を示しているのです。今朝の読売新聞に「新聞が信頼できると回答した人が75%というアンケート結果」が記載されていましたが、もしそうであれば、事実が明確でもなくまた事実に反する記事でも、言い切ってしまえば購読者の4分の3は信じることになります。恐ろしいことです。このような犯罪にも似た新聞は即刻廃刊してもらいたいと強く思います。

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2021年10月13日 (水)

中国、パンデミックの陰で行ってきた数々の攻撃

17  モンゴル、ウイグル等の少数民族居住地域への蛮行・新植民地政策、香港の中国化への新たな取り組み、さらに台湾統一への展開や東シナ海、南シナ海への海洋侵略等々、習近平中国は「中国の夢」実現のため、戦狼外交、覇権主義をますますあらわにしています。AIIBの設立や一帯一路も夢実現のために組み込まれた構想でしょう。

 こうした中国の強権政治は、新型コロナウイルスで世界が混乱しているさなかに、ますます加速化しているようです。その詳細について、元アメリカ国家安全保障担当大統領補佐官のH・R・マクマスター氏が寄稿した記事を、日経ビジネスに記載しているので以下に引用します。タイトルは『パンデミックであらわになった中国共産党の真の狙い』(10/11)です。

 ◇

 新型コロナウイルスが世界中で感染拡大する中で、中国は国内外で様々な強硬手段をとってきたが、民主主義諸国には、中国共産党に対する二つの誤解があったため、それらを防ぐことができなかった。中国共産党の真の狙いは何なのか。習近平国家主席の本当の姿は? そして、日本、アメリカなどは中国に対してどのような姿勢で臨むべきなのか。

 トランプ政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務め、歴史的な対中政策の転換を主導したH・R・マクマスター氏の著作『戦場としての世界 自由世界を守るための闘い』から一部抜粋して紹介する。

*******

パンデミックの陰で行われた数々の攻撃

 中国を起源とするグローバルなパンデミックは中国共産党との競争を激化させた。そして、パンデミックの期間中に中国共産党がとった行動から指導者たちの意図が明らかになった。国内では排他的な権力を拡大・強化し、対外的には他の国々を犠牲にしてでも「民族的復興」を遂げることである。

 ところが、中国共産党との競争の本質についてアメリカなどの側に二つの誤解が残っていたため、中国共産党がそれらを隠れ蓑(みの)に、抱き込み、強要、隠蔽の工作を進めることを許してしまった。いずれの誤解も中国共産党は自らの野心を追求するために自らの意思で行動しているのではなく、もっぱら外部の動きに反応しているだけだという、ナルシシストのような慢心に根差している。

 第一の誤解は、中国の攻撃性は米中間の緊張の産物だというものである。この誤解が想定している中国共産党には自発性がない。何ら強い願望を持たず、アメリカに合わせて振る舞っている。しかし、パンデミックの間の中国共産党の行動をざっと点検しただけでも、アメリカが中国共産党の攻撃性の原因ではないことが分かるだろう。

 中国共産党は新型コロナウイルスによる感染症が発生した際に情報を抑え込み、世界に警鐘を鳴らそうとしていた医師やジャーナリストたちを迫害し、世界保健機関(WHO)の権威をないがしろにした。WHOからは台湾を排除した。中国共産党はいわゆる「戦狼(せんろう)外交」で追い打ちをかけ、パンデミックに対する自国の責任を曖昧にし、自国の対応を他国よりも優れて寛大だと言い張った。

 中国共産党はことわざにある「1人を殺し、大勢の見せしめにする(殺一儆百)」ことも実行した。オーストラリアが新型コロナウイルスの起源に関する調査を提案すると、同国を経済的に痛めつけた。また、中国のハッカーたちは日本の200以上の機関を含む世界中の研究施設に大規模なサイバー攻撃を仕掛けた。

 中国共産党はパンデミックの陰でテクノロジーを駆使した警察国家づくりを推進し、香港への弾圧を拡大し、新疆ウイグル自治区ではウイグル族に対するゆっくりとしたジェノサイド(民族大量虐殺)を継続した。中国共産党はより多くの外国からの特派員たちを追放し、諸権利の擁護を訴えるより多くの活動家たちを投獄した。

 人民解放軍(PLA)はパンデミックの間、大忙しだった。ヒマラヤの辺境でインド兵を撲殺し、日本の尖閣諸島と台湾を軍用機と軍艦で威嚇し、南シナ海で船舶に体当たりした。また、中国は戦略的な海域をめぐり根拠のない支配権を主張しているが、これを受け入れないものには発砲すると脅迫した。菅義偉首相(当時)とジョー・バイデン大統領が中国の高圧的な姿勢に抵抗する国々を支援すると誓うと、中国政府は東シナ海での領有権の主張を強化するため尖閣諸島に関する地形調査を公表した。

 これらの無数の攻撃的な行動の原因がアメリカにあるとは考えにくい。それにもかかわらず、インド太平洋の諸国、そしてその先の地域の一部の指導者たちからは、「我々にワシントンと北京のどちらかを選ぶように強要しないでほしい」という声が繰り返される。しかし、すべての指導者たちは厳然たる事実に目覚めなければならない。目の前にあるのは、主権の維持か隷属かという選択肢である。

 第二の誤解は、中国との競争は危険に満ちていて、突き進むのは無責任でさえあるというものだ。「トゥキディデスの罠(わな)」が存在するからだという。台頭する国(中国)と現状維持の国(アメリカ)の間では紛争が起きる可能性があることを示す言葉である。

 中国共産党の指導者たちが「トゥキディデスの罠」のたとえを好むのは、受け身で協調に応じるか、それとも戦争かという誤った板挟みの構図を作り出すからである。しかし、透明性のある競争こそが不要に事態をエスカレートさせることを防ぐ最良の方策である。それは中国との協力を妨げず、むしろ可能にする。

 これら二つの誤解を正すことは、中国共産党が自由で民主的な社会の弱点とみなすものを競争上の優位性に変えるためにも不可欠である。そして、中国の巧みな抱き込み、強要、隠蔽の工作から防衛するために必要な集団行動への道を拓くためにも欠かせない。

習近平国家主席に対する誤解

 それでも、一部の人々はこれらの誤解にこだわり続けるだろう。短期的な利益や有利な投資のリターンを求めて中国に向かう根拠となるからだ。世界の投資家たちは中国共産党が民間への介入を強めても、それに臆することなく資金を中国企業の株式などに投じている。

 2021年には、海外から中国への新規の直接投資の金額が、アメリカへのそれを抜いて世界トップとなったことが明らかになった。間違ってウラジーミル・レーニンのものとされている言い回しに「資本家たちは自分たちの首を吊(つる)すのに使うロープまで売るだろう」というものがある。資本主義がライバルに手を貸し、自滅へと向かう姿を中国共産党の指導者たちは思い浮かべたのではないか。

 自由世界の多くのビジネス・リーダーや政治指導者たちは、自ら進んで騙(だま)されている。彼らが注意を向けているのは習近平国家主席が話していることであり、彼と中国共産党が実際に行っていることではない。

 人道主義者の習は、国境を越えて協力し合うグローバル・ガバナンスと法の支配の美徳を称揚するが、中国は国際機関から力を奪い、人間の自由を抑圧し、ウイグル族に対するジェノサイドを行っている。

 環境保護主義者の習は、2060年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすると宣言する。ところが、中国は国民のおよそ80%を安全とされるレベルをはるかに超える環境汚染にさらし、南シナ海では軍事拠点となる人工島を造成するために生態系を破壊し、世界各地で毎年多数の石炭火力発電所を建設している。

 自由貿易主義者の習は、スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラムで貿易・投資の自由化について語るが、中国は借り手を苦しめる略奪的な融資や強制労働、国庫から企業への補助金、産業スパイなどに関与している。

 ロマンティックな習は、国際的な「運命共同体」を構想するが、中国はその高圧的な軍事・経済活動に影響されやすい国々を着々と隷従させている。習の発言は真実とは正反対である。それを受け入れることは、中国共産党の壮大な野望である国際秩序の新しいルールを作り、自分たちの協力者を「吊す」ことを手助けするに等しい。

日米などの指導者は中国に三つの「ノー」を!

 中国は、その指導者たちが世界に押しつけたパンデミックによって引き起こされた景気後退からいち早く抜け出した。日本、アメリカをはじめとする民主主義の国々が自由で開かれたインド太平洋というビジョンを実現するためには、各国間でより幅広い経済・科学分野の協力が欠かせないことは明らかだろう。

 ただし、民主主義の国々にまず求められるのは、政治、ビジネス、金融のリーダーたちが中国共産党を助け、後押しすることを止めるという一致した決意である。日米などの指導者たちは「三つのノー」で合意できるだろう。

1)中国共産党に機微技術が渡ってしまうような貿易・投資の関係を結ばない。

2)中国共産党が人間の自由を抑圧し、技術で固めた警察国家を完成させることに手を貸すような投資はしない。

3)短期的な利益と引き換えに、企業の長期的な存続を危うくするような知的財産の移転はしない。

 基本的に企業と株主は中国共産党との競争で何が問われているかを認識し、長期的な倫理上の要請、社会の期待と信頼に沿った決定を行うべきである。

 新型コロナウイルスのパンデミックによって露呈したことはほかにもある。日本、アメリカ、その他の国々が、中国のサプライチェーンに対して危ういほどに依存度を高めていたことだ。競争を怠った上に、慎重さを欠いて効率を優先してきたからだ。この教訓を踏まえて、蓄電池、レアアース、半導体といった他の重要なサプライチェーンでは見直しが実行された。しかし、慢心はまだ残り、競争の激しい他の分野での対応が遅れている。

 中国はグローバルな物流、データの標準化、デジタル通貨の流通、そして電子決済で圧倒的な影響力を追い求めている。日米間の協力の優先項目には、イノベーションの障壁の除去、研究開発の拡大、サプライチェーンの復元力(レジリエンシー)の改善、そしてデータやインターネットのプライバシーに関する国際基準の設定を含めなければならない。

 パンデミックは中国との経済的な競争だけでなく、軍事的な競争も加速させた。人民解放軍は台湾や南シナ海、東シナ海の国々の主権を脅かしている。我々に求められるのは、強力な軍隊を前方に配置して、同盟相手の国々を安心させることである。そして、中国やロシアが守りを固めて我々の接近を拒否すると宣言したがっている空間に我々が入り込み、競争する空間に変えることである。

 習と中国共産党の指導部は、自分たちがインド太平洋の全域で優位性を確立し、日本を孤立させ、アメリカに対して世界規模で挑戦できる、つかの間のチャンスが今、訪れていると考えているだろう。それゆえ、日本の力強い自衛隊と日米同盟を揺るぎないものにする強固なパートナーシップを示して、中国共産党・人民解放軍の指導者たちに武力を用いてインド太平洋に排他的な優位性を確立することはできないと分からせることが不可欠である。

 そして、日米にインドとオーストラリアが加わったクアッドの枠組みは、安倍晋三首相(当時)が2007年にインド議会で演説した際に提示したインド洋と太平洋の「ダイナミックな結合」というビジョンを推進するものとしてとりわけ期待される。安倍首相はこの演説からおよそ10年後、目指す先を次のように形容した。「太平洋とインド洋、アジアとアフリカの交わりを、力や威圧とは無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場として育て豊かにする」(2016年8月、ケニアで開かれた第6回アフリカ開発会議での基調演説)。

 クアッドをはじめとする域内各国は、この目標の達成のために日本と足並みをそろえるべきである。

 ◇

 幸か不幸か、軍事力を背景とした外交を行えない日本は、現状、自由と法の支配を基盤とした外交で、世界に発信することが唯一の道です。一部の軍事大国以外、世界には数多くの力を背景にできない国が存在し、そう言った国々からは日本の指導力を求められているのです。

 残念ながら現時点では、まだ発信力は弱いと言わざるを得ません。その要因はしっかりした外交戦略がない、また人材もいないと言うこともあるからだと思います。外務省だけにその課題を任せるのではなく、与党と全省庁一丸となって対外戦略を練り上げる必要があります。

 もちろん、外交力には最終的に経済力やとりわけ軍事力(抑止力)も背景としては重要です。その点も踏まえて、今後の対外外交を戦略的に進めていかねばならないと思います。西側に存在する巨大でやっかいな独裁国家の覇権に巻き込まれないために。

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2021年10月12日 (火)

高市早苗氏の政治理念、「日本の未来のために」

C53badf1  高市早苗自民党政調会長の政治家としての「基本理念」が、氏のHP(ホームページ)に記載されています。これを今回引用して掲載させていただくと共に、おなじくHPに掲載されている「政治姿勢」も引用させていただきます。

 実はブログの最後に申し上げていますが、このブログの求めるものと殆どの部分で合致した内容で、期待を込めて掲載させていただきました。

 ◇

高市早苗が掲げる6つの理念。

1、「大切なものを守り抜ける国」を創る

 高市早苗が守り抜きたいものは、「国民の生命と財産」「国土と資源」「国家の主権(独立統治権)と名誉」です。それは、国の究極の使命でもあると考えています。

 集中豪雨や地震の被害を軽減する為の防災対策の促進、急増しているサイバー攻撃への防御体制の構築、領土・領空・領海・資源の保全体制の強化、紛争勃発時における在外邦人の迅速な救出、北朝鮮による拉致被害者の帰国実現、国内外におけるテロや凶悪犯罪への対策強化など、取り組むべき多くの課題が存在します。

 引き続き、河川氾濫や土砂災害の防止対策、耐震化、公共インフラの老朽化対策に力を入れるとともに、「送電・通信網の強靭化」に取り組みます。

 また、内閣が「社会全体のデジタル化」を促進する中で、皆様の大切な金融資産や個人情報や生命を守り抜く為に、特に「金融」「クレジット」「医療」「航空」「自動走行車」の分野におけるサイバーセキュリティ対策に、更に力を入れます。

 安全性を高める「量子暗号通信技術」の研究開発を推進し、「高度な情報セキュリティ人材の育成」に注力します。

 これからも、消防・警察・防衛・海上保安・入国管理の体制強化を応援します。

 高市早苗は、「世界最高水準の安全を担保すること」を目標に、引き続き、「リスクの最小化」に資する制度設計に取り組んでまいります。

 また、国家の名誉を守る為の法制度整備(議員立法)への挑戦も続けます。

2、「今を生きる日本人と次世代への責任」を果たす

 高市早苗は、今を生きる日本人と次世代への責任を果たす為に、時代のニーズに応えられる「新しい日本国憲法」の制定を目指しています。

3、全世代の安心感に繋がる「強靭な経済」を創る

 「雇用と所得の安定」こそが、生活の安心の大前提です。そして、「全世代の安心感」が、日本の活力を生みます。

 例えば、「医療・福祉・教育・生活支援サービスの現場で活躍する方々の処遇改善と体制強化」や、「待機児童の解消」「病児保育の拡充」「多子世帯への支援充実」に向けた取組を進めることは、「全世代の安心感」と「消費マインドの改善」に繋がります。

 雇用や社会保障制度の安定性と継続性を確保する為には、「強靭な経済」が必要です。

 最先端のイノベーションと人材力の強化による「付加価値生産性の向上」に努め、持続的成長と豊かな地方経済への道を拓きます。

 テレワーク・遠隔医療・遠隔教育・自動走行などを支える5Gや光ファイバの全国展開を急ぐことはもとより、産学官におけるAIの活用による生産性向上や高付加価値の財・サービスの創出、中小企業のデジタル化やRPA・自動化ロボット導入支援の強化、6Gの研究開発と国際標準化の推進、イノベーションを阻害する規制や慣行の早急な見直しに取り組みます。

 地方においては、「テレワーク拠点の整備」や「空き家・公営住宅の活用」を進め、地方移住を希望する人材や大都市圏企業の受入環境を整えるとともに、「地域住民の皆様が、ライフステージごとの生活スタイルに応じて、地域で柔軟な働き方ができる場所」を増やすことに力を注いでいます。

 高市早苗は、「絶え間なくイノベーションが起き、日本列島の隅々まで活発な経済活動が行き渡る国」を目指しています。

4、「機会平等」を保障する制度設計に変える

 国の制度設計については、「行き過ぎた結果平等」を廃し、「機会平等」を保障するべきだと考えています。

 「ジェラシーに立脚した法制度」が増え過ぎると、優れた人材も企業も育ちません。

 むしろ、「リスクをとって努力した者が報われる環境作り」「出る杭を伸ばす発想への転換」こそが、可処分所得を増やし、人材流出や産業空洞化を防ぐ鍵だと確信します。

 高市早苗は、特に税制や人材育成策などの再設計に挑戦します。

5、「自立と勤勉の倫理」が重んじられる「公正な社会」を創る

 「AS A TAXPAYER…(納税者として)」と呟くことが多くなりました。

 支え合いの制度である社会保障は、勤勉に働いて税金や社会保険料を負担してこられた多くの国民の皆様のご努力によって成り立っています。

 一部の方が「自分さえ得をすればいい」「今さえ良ければいい」という考え方で行動されることによって、社会コストは増大し、頑張って義務を果たしておられる個人や企業のモチベーションが下がり、経済は縮小してしまいます。国民全体にとって必要な社会保障の財源が不足する結果になりかねません。

 経済成長により雇用と所得を増やすこと、セーフティーネット機能を確保することを前提に、「過度の依存心を煽る政策」を廃するとともに、「福祉制度の不正利用」を防止します。

 将来を見据えて、「給付と負担のバランス」についても、責任をもって率直な議論を行うべき時期が到来しています。

 高市早苗は、日本人の矜持である「自立と勤勉の倫理」を取り戻し、法制度の内容や執行の「公正性」を担保し、「正直者が報われる社会」を構築する為に闘います。

6、国家の基本である「教育」を立て直す

 教育は、国家の基本です。

 家庭と学校がそれぞれの責任を担い、毅然と教えるべきことを教え、しっかりとした躾を行うことによって、日本が直面する課題の多くが解決に向かうと確信しています。

 第1次安倍内閣が60年ぶりに「教育基本法」の改正を断行したことは、当時の答弁担当閣僚の1人だった高市早苗にとっても大きな喜びでした。

 教育の目標として、「道徳心」「自主及び自律の精神」を培うとともに「勤労を重んずる」「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参加し、その発展に寄与する」「生命を尊び、自然を大切にし」「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」態度を養うことを記しました。「家庭教育」の規定も新設しました。

 教育基本法改正を受けて、関連法の改正や学習指導要領の改訂も実施されましたが、教科書記述内容や教育現場での取組みへの反映は不十分です。

 高市早苗は、「改正教育基本法」の崇高な理念が完全に実行される日まで、教育改革への挑戦を続けます。先ずは、基礎学力と体力の向上とともに、公徳心・生命観・勤労観・国や郷土を愛する心を育みます。

 更に、時代の要請に応えられる人材育成に、力を入れます。

 現在の「プログラミング教育」に加えて「AI教育」の必修化を目指し、「情報リテラシー教育(情報セキュリティ・情報モラルを含む)」の推進に取り組みます。都道府県立大学、高専、農業・工業・商業高校などにおける「デジタル対応力」を強化します。

 日本の国際社会におけるプレゼンスを高める為に、国際機関で活躍できる人材の育成にも、注力します。

 若年層や就職氷河期世代の方々の所得向上の為に、「リカレント教育」を強化し、「ジョブ型正社員」へと選択肢を増やします。

 また、幅広い世代を対象に、地域における「防災教育」「防犯教育」「領土教育」「情報リテラシー教育」「食育」「スポーツ」「文化芸術活動」を応援します。

 

政治姿勢

1. 議員立法にこだわり抜く

 高市早苗の強みは、議員立法です。

 日本が直面する可能性があるリスクについて、誰よりも早く情報収集と分析を行い、「備えとしての法整備」を進めるべく、多くの法律案を起草・提出し続けてきた実績には、自信と誇りを持っています。

 しかし、立法作業の過程では、幾度も現行憲法の制約による限界に直面しました。「新たな日本国憲法」の制定を目指すとともに、これからも議員立法活動に力を尽くします。

2. 信念を貫き、ポピュリズムに抗する

 基本的に、任期中は、直前の選挙でお示しした自民党の「政権公約」や候補者として「選挙公報」に記した公約に、忠実に行動します。

 しかし、国会では、日々多くの政策判断を求められます。「政権公約」の記載事項以外に関する判断については、国民の皆様から負託を受けた者として、お示しした基本理念に照らして、信念を貫かせていただきます。

 一時的な世論の動向とは違った行動をすることもあるかと存じますが、何事についても可能な限り多くの情報を集め、様々な立場の方からご意見を伺い、多角的な視点を失わずに、国家国民の利益を最大化する為に正しい判断ができるように、努めてまいります。

 「次の選挙よりも、次の時代を考える」と、心に決めています。

 ◇

 国家主権の維持と安全保障の根幹をなす、「憲法の見直し」と「経済の強靱化」、それと共に、「機会平等」「自立の重要性」それを推進する「教育の立て直し」など、将来世代も含めた、国と国民あり方をしっかりと見据えた理念だと思います。

 高市氏は自他共に「保守」を代表する政治家とは思いますが、彼女の言うとおり「右翼」ではなく「真ん中」だと私も思います。「右翼」というのは左派系のメディアや野党勢力、リベラル疑似共産主義陣営が喧伝しているだけで、日本を少しでも他国依存の国から脱し、日本の西側に存在する、日本を敵国と見なす中韓朝露各国の様々な圧力に屈しないよう、欧米諸国のような、経済力に見合った普通の国を目指すだけなのです。

 この基本理念や政治姿勢を元に、同じ考えの仲間を増やし、次の総理を是非目指していただきたいと思います。

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2021年10月11日 (月)

桂春蝶氏:高市早苗氏が政調会長ではつまらない、岸田氏の人事

Images-10_20211010205701  岸田政権が発足し、所信表明演説も終わって、世の中は一気に総選挙モードになりました。相変わらず野党は政権批判のオンパレードですが、かといって彼等の政策は何なのか殆ど見えてきません。こんな状況ですから政権交代はまずないでしょう。

 ところで岸田政権の目玉は、内閣よりも党にあり、甘利幹事長と高市総務会長がその両翼を担っていると考えて間違いないでしょう。

 その高市氏、早速政調会長の立場として、『矢野財務次官が、新型コロナウイルス禍を受けた経済対策論争を「バラマキ合戦のような政策論」などと表現したことに対し、「大変失礼な言い方だ」と不快感を示したとNHKの番組で述べ、「基礎的な財政収支にこだわって本当に困っている方を助けない。これほどばかげた話は無い」と強調しました。』(読売新聞)。

 この高市氏の政調会長への登用に対し、落語家の桂春蝶氏がzakzakに、次のようなタイトルで記事を寄せています。『岸田氏の落ち着いた人事、高市氏が政調会長ではつまらない 阪神の野村・星野監督に相当』(10/5)で、以下に引用して掲載します。

 自民党総裁選は岸田文雄氏が勝利し、4日、第100代首相に選出されます。ただ、人事にしろ何か落ち着いていて面白みがない。高市早苗氏を政調会長というのもつまらない。官房長官や外相、防衛相にしたら良かったのに。

 自民党はなぜ、岸田総裁を含めて、このような布陣で次期衆院選に臨もうとしたのか? それは野党が情けなさすぎて、弱すぎて、「これでも十分に勝てる」と考えているからでしょう。

 例えば、プロ野球セ・リーグ。私は阪神タイガースのファンですが、最近の阪神はホームで広島に3連敗するなど調子がよくありません。でも、まだ優勝の可能性があるのは、ヤクルトと巨人がよく負けるからです。阪神が負けても、ヤクルトがDeNAに連敗してホッとしている。そんな状況と、いまの自民党は似ていませんか?

 「まあ周りも壊滅的やしな。現状維持で何となーく行こう。そのうち選手の調子も上がるやろ…」

 これと同じ状況で時間が稼げるのは、自民、公明与党以外が弱すぎるからだと思います。

 でも、本当にこのままでいいのか? 私はそうは思いません。阪神で例え話を続けますが、自民党の「岸田総裁」という決定は、1980年代後半から90年代暗黒期の阪神に似ていて、なあなあ感覚で生え抜きの監督を続けていたころと同じ臭いがします。

 阪神が今日、毎年でもAクラス入りできるようになったのは間違いなく、外様の野村克也さんと星野仙一さんを監督に招聘(しょうへい)したからです。あの人事は、虎のすべてを変えたと言っていいでしょう。選手やフロント、オーナー、親会社の価値観を激変させました。あれがなかったら、いまだに万年最下位だったと思います。

 さて、自民党内でいま、その勢いがある政治家は高市氏しかいません。この人の「毅然(きぜん)とした態度、話し方」は、どこから来るのだろうと思います。

 実は、関西の大学出身の首相は過去2人(=京都大学卒業の池田勇人氏と、神戸大学中退の宇野宗佑氏)しかいないそうです。それ以外は、東京系だとか。奈良出身で神戸大学卒業の高市氏は、初めから「群れられない環境」のなか、強くたくましく育ってきたのではないでしょうか?

 岸田氏は「私の特技は、人の話をしっかり聞くこと」という。では、中国や韓国の言うことも、しっかり聞くのでしょうか?

 高市氏は、中韓に厳しく対峙(たいじ)する姿勢です。靖国神社参拝も「どの国でも、国策に殉じられた方に敬意を表し、感謝の気持ちを捧げている。これを外交問題にしてはならない」と語ります。ここを強く主張できるのは素晴らしいことです。

 阪神における「野村監督」「星野監督」という存在の再来、自民党に置き換えると、それは高市早苗氏だと思うのです。

 ◇

 岸田総裁選出の自民党は、80年代から90年代のなあなあ感覚で生え抜きの監督を続けていた阪神と同じ臭いがする、というたとえは、岸田首相には少し耳が痛いでしょうが、その後、野村監督や星野監督を据えて強くなった、その存在と同じように、自民党を安定した強い政党に維持する役割が高市早苗氏にある、と桂春蝶氏は言っているのです。

 私も同感で、腰の引けた、あるいは優等生然とした自民党役員、閣僚の多い中で、持論を曲げず国益最優先で政策や行動を進める高市氏に、おおいに期待を寄せています。また省益ファーストの省庁にもどんどんもの申していただきたい。そして次の総理に向けて頑張っていただきたいと強く思いますね。

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2021年10月10日 (日)

学問が何かを知らない韓国人、詳しいのは日本統治時代だけ

15_20211010102901  韓国では捏造した歴史の教育が行われている、と、このブログで何度か取り上げました。ただ実態は、それは日本に関してのものだけで、いわゆる世界史というものの授業は殆ど行われていない。つまり日本に関してだけ、特別に教え込んでいるようです。   

 そのあたりの事情を韓国在住のライター立花志音氏が、JBpressに投稿しています。タイトルは『息子の授業を知って驚いた、世界史をろくに学ばない韓国人の若者 詳しいのは日本統治時代だけ、学問を知らない人が量産される恐怖』(10/10)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

 日本統治時代を含め、自国の歴史教育には時間を割く韓国だが、自国以外の世界の歴史については驚くほど時間を割かない。韓国人が自分たちの見たい歴史、信じる歴史だけを真実と捉え、それ以外の不都合なものを排除しようとする背景には、こういった貧弱な歴史教育が横たわっているのではないだろうか。韓国で中学2年生の息子を育てる立花志音氏の論考──。

*******

 100代目の内閣総理大臣に岸田文雄氏が就任した。2015年に韓国との間で慰安婦合意を締結した当時の外務大臣である。この合意は、米国のオバマ政権からの圧力を受けた両国が歩み寄って成し遂げられたものだ。当時、米政権でこの問題を担当したのが当時のバイデン副大統領である。

 バイデン副大統領は2013年12月に日本と韓国を訪れ、当時の安倍首相と朴槿恵大統領に首脳会談に臨むように圧力をかけた。そのバイデン氏が米大統領に就任したこともあり、韓国メディアは今後の米日韓の関係に注目しているが、あくまでもメディアの話であって、一般の韓国人は米国に対する関心が薄れているように感じる。

 そう思うようになったきっかけは、息子がケネディ大統領を知らなかったという衝撃の事実による。

 夏休みにYouTubeを見ていた息子が、宇宙人は実際にいて米国のトップシークレットだったという都市伝説を持ってきた。「これは本当なのか」と聞いてきたので、「ケネディ関連の動画を調べてみてはどうか」と答えたら「ケネディって何?」と言われたのである。

 びっくりして「学校で何を勉強しているのか」と聞くと、「自分は世界史を習っていないから知らない、友達もみんなそうだ」と言うのである。いやいや、ケネディは世界史ではなく一般教養だろう。教科書に出てくる内容以前に、一般常識じゃないの?

 あまりにもショックだったので、この事件をきっかけに韓国の子供たちの世界史学習事情を調べることにした。

韓国の中学生が世界史を学ぶ時間は20時間

 筆者が子供の頃、初めてケネディ大統領に触れたのは小学校の図書室にある子供用偉人伝である。ヘレンケラー、エジソン、野口英世など世界の偉人が描かれており、当時はみんなが読んでいた。

 ところが、韓国の子供用偉人伝にはケネディはいないのだ。我が家の本棚をはじめ、大手出版社5社の児童用偉人伝全集を調べたが、ケネディを扱っている出版社はなかった。代わりに存在したのは、宮崎駿とビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズであった。

 時代の移り変わりと言えばそれまでかもしれない。筆者が子供の頃はケネディ暗殺事件は全世界の関心ごとだった。

 テキサス州ダラスでケネディ夫妻が乗った車が襲撃されたVTR、容疑者とされたオズワルドが銃を持った写真、オズワルドが移送中に射殺された直後の写真は度々テレビで放映されていた。当時は誰もが知っていた「少し昔の大事件」が、今の子供たちには「遠い昔の世界史の内容」なのである。

 その世界史さえも韓国の学生たちはろくに勉強していない。息子に聞いたところによると、韓国の中学生が世界史を学ぶ時間は2年生の後期に、たったの週に2時間、およそ32時間である。文系の高校では2年次の1年間、週に2時間。たったそれだけの時間である。その一方、日本統治時代に関しては6年生からしっかりと教え込む。

 学校授業の中心は英語と数学で、英語ができずに諦めた学生を英放者、数学ができずに諦めた学生を数放者と呼ぶ。

韓国人は学問が何かを知らない

 元々韓国人は、学問が何かを知らない。大学教授さえも然り。論文の盗作問題は後を絶たず、学問が何かを知らない人たちが学位を持ち、教壇に立っているため不可解な出来事が度々起こる。

 例えば、去年までスター講師と呼ばれていたソル・ミンソク氏は去年末までテレビのバラエティ番組で歴史をわかりやすく講義していたが、修士論文の盗用問題ですべての番組を降板した。大学院の修士課程は歴史教育を専攻したというものの、学部は演劇科卒業である。

 その修士論文に盗用があったというのだから、歴史学者としても教育学者としても大いに問題があるだろう。ただ、演劇科卒なだけあって、講義をしていた時の顔の表情は迫力満点で視聴者の心を鷲掴みにした。

 今年5月には、慰安婦問題を公娼制度の延長から分析したハーバード大のマークラムザイヤー教授の論文を巡って騒動が起こった。その学術論文に対して、ハーバード大の韓国人留学生たちが抗議を始め、それが韓国人団体や政界へと広がり、挙句の果てには論文の撤回や教授の辞職の要求にまで至ったのだ。

 学問は自由だ。出された学術論文に反対したければ、反論する論文を書けばいいだけの話である。ところが、韓国人にとっては自分たちが見たい歴史と信じたい歴史だけが真実であり、それに不都合なものは徹底的に排除しなければならず、それが正義なのだと錯覚している。

日本の亡霊を解放できない韓国人

 韓国では「歴史を忘れた民族に未来はない」と教えている、多くの韓国人はその言葉が日本に当てはまるものだと信じているのだが、実際に歴史を学んでいない民族はどこの民族なのだろうか。

 2年前の不買運動の時は「独立運動はできなかったが不買運動はしよう」と叫ばれた。この国のこじつけ的なキャッチフレーズにはいつも驚かされる。一体いつの時代の話を持ち出しているのだろうか。

 日本が敗戦によって韓国から撤退してから既に70年の時間が経過している。日本統治時代に建設された旧朝鮮総督府の庁舎は1995年に当時の金泳三(キム・ヨンサム)大統領によって爆破された。

 にもかかわらず、ソウルの真ん中には今も伊藤博文(博文寺跡)が椅子に座っているのかと思ってしまうほどに、 韓国人たちは自らを日本の亡霊から解放できずに執着し続ける。

 聖書の世界で、イエスは「死人のことは死人に任せておけばよい」と言われた。過去のことは歴史学者に任せて私たちは未来を切り開く人材を育てなければならないのではないか。「そのための学問である」と韓国に在住するとより強く感じてしまうのは筆者だけであろうか。

 ◇

 学問が何かを知らない韓国人が、「歴史を忘れた民族に未来はない」と言うことほど、滑稽なものはありません。しかもその歴史は自国に都合のいいように改竄され、捏造されたものです。

 もともと日本の統治時代を実際経験した人は、もはやほぼゼロに等しいでしょう。つまり歴史の資料にしか真実はないのです。韓国でも一部の大学教授が資料に基づいた歴史認識を展開していますが、韓国の学会はその教授に集中砲火を浴びせています。立花氏の記事の内容そのものと同じく、そうした資料を元にせず、自分たちが作り上げた歴史に背くという理由だけで。

 学問を知らない韓国に、学問を持って反論するのは無駄かも知れません。旭日旗の誤解を解くために、外務省が韓国語で反論動画を配信していますが、彼等はそれに対し学術的な反論ではなく、ただ単に感情的に「サイトを遮断すべきだ」「戦犯旗をなぜ旭日旗というんだ」「こんな国、地震と火山で沈んでしまえ」「日本のゴミ野郎どもがやりそうなことだ」という意見が相次いで寄せられているそうです。まるで未開の野蛮国家そのもののようです。付き合いきれませんね。

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2021年10月 9日 (土)

立憲民主党、変わらぬ無責任野党の実態

14_20211009094701  このブログでは「責任野党の登場」を願う記事を、複数回取り上げました。「責任野党」とは、私個人の考えですが、与党に互して、国と国民の視点に立って堂々と政策論を戦わせ、日本の将来に向けてよりよい政策と法制度を最終的には練り上げるための一方の勢力、つまり野党であっても責任のある政党のことを言います。

 しかし今の野党はどうでしょう。何かにつけて発言するとなれば、まずは政府与党の批判、それも過去のカビの生えたようなスキャンダル追求や、数字の裏付けのない景気政策やコロナ対応への批判。それ以外に、これから日本の重要課題について、どう対処していくと言った、国を代表する議員としての見解など殆どありません。

 8日の岸田新首相の所信表明演説への、枝野立憲民主党代表への見解は、『所信表明は「菅直人氏への抱きつき」』『所信表明は具体策なく「スカスカ」』(いずれも産経新聞より)と言っていますが、果たして自分たちはどうなのでしょう。

 それに関して、産経新聞の政治部次長の水内茂幸氏が、「政治月旦」というコラムで、記事を寄せていますので、以下に引用します。タイトルは『「枝野降ろし」起きない不思議 立民こそ「変えよう。」よ!!』(10/8)です。

 ◇

来月と思われていた衆院選が迫っている。盛り上がった自民党総裁選の陰で、野党は焦りを募らせているのではないか。自民党は活発な政策論争の末に誕生した岸田文雄首相が初陣となる政権選択選挙に臨むが、政党支持率が一桁台に低迷する立憲民主党からは、死に物狂いで政権を奪おうという情熱が感じられない。枝野幸男代表と福山哲郎幹事長には、現実的な政策で与党に挑んでほしいところだが期待薄。中途半端にみえるのは記者だけだろうか。

「菅義偉(すが・よしひで)前首相を無理やり引きずりおろした皆さんはこれでよかったんでしょうかね。やはり自民党は変わらない、変われない」

枝野氏は総裁選が終わった後の4日の党会合で、臨時国会は所信表明演説と代表質問にとどめて予算委員会などは開かず、月内に衆院選の投開票まで終えようとする岸田首相の姿勢を批判した。

枝野氏には、今回の自民の政局劇を今一度、冷静に検証することを勧めたい。自民は変わらなかったのか。世論の支持を失った菅氏が総裁選出馬さえ断念し、4人の候補が活発な政策論争を繰り広げた。その末に選ばれたのが岸田首相だ。

総裁選に見た民主主義の原点

総裁選では、河野太郎広報本部長が全額税を財源とする最低保障年金制度の導入を掲げ、岸田首相や高市早苗政調会長が「大幅な消費税増税につながる」などと疑問をぶつけた。河野氏が訴えた核燃料サイクルの停止に関しても、岸田首相は「止めればプルトニウムが積み上がり、外交問題にも発展しかねない」と批判した。討論会では互いの弱点を突くやり取りが予想以上に目立った。主張の曖昧さは、議員票や党員・党友票の動向にも影響した。

むろん、敵陣営から支持議員を引きはがす力ずくの戦いも見られたが、方向性の違う政見を競い合い、勝者を決めていく過程には、民主主義の原点を見る思いもした。だからこそ、総裁選告示後の自民の政党支持率は、前月比で10ポイント高い43・5%まで上昇したのだろう(9月18、19両日、産経新聞社とFNNの合同世論調査)。

他方、野党第一党の立民はどうか。同じ9月の調査で支持率は6・9%。自民の6分の1以下だ。年明け以降をみても、立民の支持率が一番高かったのは1月の8・9%だった。

新型コロナウイルス対策で批判を浴びた菅内閣の支持率が急落したにもかかわらず、立民は国民の不満を自らの血肉に取り込むことができなかった。立民の議員はこのまま衆院選に突入することに危機感を覚えないのだろうか。党内で「枝野降ろし」が起きないことが不思議でならない。

衆院選前にテレビ報道などが総裁選一色になる様子をみて、立民の安住淳国対委員長は「懸念がある。場合によってはBPO(放送倫理・番組向上機構)への対応を考えていかなければならない」などと強弁した。だが、立民こそ、メディアが取り上げたくなるようなニュースを生み出してほしいのだ。

本気で日本を背負う気概あるか

なぜ、立民に注目が集まらないのか。埋没感が漂うことについて、メディアのせいばかりにされても困る。答えの一端は、立民が「政権発足後、初閣議で直ちに閣議決定する事項」として先月発表した7項目に隠れている。

①補正予算の編成(新型コロナ緊急対策・少なくとも30兆円)②新型コロナ対策司令塔の設置③来年度予算編成の見直し④日本学術会議人事で任命拒否された6人の任命⑤スリランカ人ウィシュマさん死亡事案における監視カメラ映像ならびに関係資料の公開⑥「赤木ファイル」関連文書の開示⑦森友・加計・「桜」問題真相解明チームの設置―を挙げた。要するに、自民党政権のスキャンダルや疑惑追及に絡む案件が過半数を占める。

これらを軽視していいとは思わないが、政権の初動時なら、より優先して示さなければならない政策があるのではないか。本気で日本を背負う気概が感じられないのだ。

発表した衆院選公約にも、2030(令和12)年度の温室効果ガス排出量の新たな国別削減目標を、13年度比で「55%以上」削減する目標を掲げるなど実現性を疑うものが多い。菅政権が示した「46%」削減目標ですら、経済産業省は「実現可能性に乏しい」と猛反発した。政策はバナナのたたき売りではない。

さらに「平和を守るための現実的外交」と銘打ち、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を中止し、「沖縄における基地の在り方を見直すための交渉を開始する」と表明した点も疑問だ。中国が尖閣諸島(同県石垣市)への軍事的挑発を強める中、在沖米軍の抑止力の重要性はより高まっている。辺野古移設を中止後、代替基地を国外や県外に建設するのか、抑止力を維持する他の手段を考えるのか。立民は往時の旧民主党政権のときと同様、明確に答えない。

そもそも、立民は「限定的な閣外協力」を行うと合意した共産党とともに、集団的自衛権の限定的行使を容認した安全保障関連法の「違憲部分」を廃止する構えを捨てない。すでに自衛隊は覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、米軍だけでなくオーストラリア軍とも、安保関連法が認める相互協力を行うことで合意している。軍拡を続ける中国に抑止力を効率的に働かせるため、米豪と協調できる環境整備をいかに進めるかというときに、立民などの主張は周回遅れの感が否めない。

現実的に政権交代可能だと思える野党の存在は必要だ。「自民一強」を許す状況が長引くことで、政治全体の緊張感が緩むことは避けられない。衆院選のキャッチコピー「変えよう。」とは、立民が自らにこそつける薬だ。

 ◇

 もはや政権を狙うには、あまりにも質的に劣り、能力に欠け、覚悟に欠けた姿が、浮き彫りになっています。もし彼等が政権を担った場合、初閣議で閣議決定する7項目というのは、これが選挙民から国政を託された議員が、本当に日本の重要課題を解決していこうとしている姿か、完全に血迷っているとしか思えません。他党批判とスキャンダル追求が第一に来るなど、小学生レベルの政策立案能力です。

 そうはいっても共産主義にかぶれた、一定数の選挙民はいます。彼等の洗脳能力は侮れない。また洗脳されやすい国民も多くいます。ですから与党が何か失言などした場合、世論を一気に与党批判に持っていく可能性は大いにあります。その片棒を担ぐのが左派系新聞や、テレビなどのメディアです。得意の与党批判の大合唱が起こるとも限りません。与党も心してかかることが望まれます。

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2021年10月 8日 (金)

日本メディアの異常さ、『日本の常識は世界の非常識』

Large_pn2021100401001583ci0003  このブログではメディアによる報道の偏向ぶりや、特にテレビの番組の劣化の実態を取り上げてきました。今回はメディア、特に記者会見における日本の異常さ(海外と比較して)について取り上げたいと思います。

 内閣官房参与で、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏が、産経新聞に寄稿したコラムからその概要を見てみます。タイトルは『日本の常識は世界の非常識』(10/7)で、以下に引用して掲載します。

「メディア・フレンズィ」という英語がある。直訳は「報道の熱狂」、その典型例が最近の内政報道だ。メディアは、自民党総裁選の行方や新政権の人事には一喜一憂していた。一方で、野党の動きはあまり報じない。その間に、新型コロナウイルスは東京の新規感染者数が大幅に減少し、ワクチン接種率も米国を超えた。9月3日の菅義偉前首相の総裁選不出馬決定から10月4日の岸田文雄内閣発足まで1カ月の「熱狂」は一体何だったのか。

双日総研の吉崎達彦氏は菅政権が「この1年で達成した仕事量は膨大なもの」とし、具体的成果として①ワクチン接種体制構築②東京オリパラ開催③2050年カーボンニュートラル宣言④デジタル庁創設⑤一連の外交成果⑥福島第1原発処理水問題⑦携帯料金値下げ⑧最低賃金引き上げ⑨不妊治療保険適用⑩国民投票法、種苗法、重要土地取引規制法など積み残し法案の処理―を挙げた。概(おおむ)ねフェアな分析だと思うが、こうした報道が日本メディアにあまりないのは何故(なぜ)だろう。

岸田新政権についても同様だ。内閣が本格始動する前から「発信力不足」などと疑問を呈する向きもあるが、そもそも彼らの言う「発信力」とは何なのか。耳に心地よい外連味(けれんみ)ある言説で偏った内容を伝えることなのか。筆者にはよく分からない。政治が最大多数に最大幸福をもたらす手段ならば、その内容は複雑だ。それを単純化して歯切れ良く伝えても、それは真の「発信力」ではないだろう。

「日本の常識は世界の非常識」とは故竹村健一氏の言葉だが、残念ながら、この名言は日本のジャーナリズムにも当てはまる。そのことを痛感させられたのが、最近内閣記者会が行った「首相記者会見」に関する申し入れだ。

報道関係者によれば記者会側の要望は①質問を各社1問で再質問なしと制限せず、②常任幹事社以外の加盟社などもより多く参加させ、③司会進行は内閣広報官ではなく幹事社にさせよ、ということらしいが、一部に時間制限なく質問を切り上げないよう求める意見もあったという。これが日本のジャーナリズムの「常識」だとすれば、筆者には違和感がある。

筆者の知る限り、主要国で、選挙により選ばれた首脳レベルの要人が1日に2回も定例記者会見に応じている例は日本(官房長官会見)しかない。

ある調査によれば、G7諸国で行われる首脳レベルの記者会見は概ね短時間。例えば、英国の記者会見は平均5分程度、仏独伊加各国やEUでも会見はせいぜい30分、ぶら下がり取材を認めない国も少なくない。米国では、トランプ政権とバイデン政権で対応が異なるが、いずれにせよ、日本のように首相記者会見に1時間程度、ぶら下がり取材にもある程度の時間を割いている国は他にない、と言ってよいだろう。

しかも、欧米諸国での記者会見のやりとりは日本での「常識」とは大違い。各種記者会見の記録を読んでも、政府側には当然「ノーコメントの権利」があり、記者側も既に出た質問を延々と繰り返す例はあまりない。

勿論(もちろん)、民主主義国の国民には「知る権利」がある。しかし、それは必ずしも「記者会見で質問する記者が無制限に質問を続ける権利」を意味しない。さらに、開かれた民主主義諸国の政府にも「コメントしない」権利は認められている。これが民主主義制度の下での記者会見の「常識」だろう。既に国際的に見ても傑出した記者会見の機会を享受している日本のメディアは、質問の「量」だけでなく、「質」にもこだわってほしいものだ。

 ◇

 「質」のもっとも重要な基本は、「客観性」と「将来性」だと私は思っています。ですから初めから「疑惑は深まった」などという一方的な思いで、過去のスキャンダル(それも一応不起訴結果の出ている)などを追及する目的で、嬉々として質問することなど、決して国や国民のためになるとは思いません。

 しかしどうかするとそういう質問に偏っています。野党と同じレベルです。それに宮家氏の言うとおり、質問者に様々な成果があっても殆ど無視します。これでは「客観性」や「公平性」に完全に反します。もちろんメディアの会社理念があるのは分かりますが、少なくとも政府閣僚への質問は、「客観性」と「将来性」第一だと思いますね。

 将来性を問えないのは、メディア人の不勉強もあると思います。過去のことは結果が出ているし情報も豊富にあるので、質問テーマにしやすいのでしょうが、将来にわたっての課題はあまり具体的な情報がありません。もう少ししっかり勉強しなければ、適切な質問などできないでしょう。ジャーナリズムの基本に返って一から勉強し直せ、と言いたいですね。

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2021年10月 7日 (木)

ノーベル賞の真鍋氏 「恐竜の時代に近づく気象、忍び寄る危機」

Img_cfa1b06c731730b463911f57839ff1912184  今年のノーベル物理学賞に真鍋淑郎氏が選出されました。アメリカ国籍を取得していますがれっきとした日本人です。気象学分野での受賞も初めてで非常に喜ばしいことと思います。

 真壁氏の偉業と共に、氏の研究が明らかにした地球温暖化の影響、氏の対談記事から追ってみます。日経ビジネスが報じた対談記事、タイトルは『ノーベル賞の真鍋氏 「恐竜の時代に近づく気象、忍び寄る危機」』(10/6)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

スウェーデン王立科学アカデミーは10月5日、2021年のノーベル物理学賞を米プリンストン大学の真鍋淑郎・上席研究員らに授与することを発表した。日本から米国に渡った気象学者の真鍋氏は、大気の振る舞いをコンピューター上で再現する気候モデルを開発し、CO2が倍増すると 約3.5℃気温が上がると試算した。「日経ESG」の前身となる「日経エコロジー」は数回にわたり真鍋氏に取材している。ここでは2000年に実施した、3800字に及ぶ日経エコロジー単独インタビューを紹介する。(肩書など2000年当時の記述をそのまま掲載する 聞き手/深尾典男(日経エコロジー編集長・当時)

*******

― 米国では、地球温暖化現象そのものに対する疑念があったと思いますが?

真鍋 温暖化が起こっていることについては、米国でも議論の余地はありません。現在の気温の上昇は、世界的な観測結果から明らかです。過去600年くらいの地表面の温度変化を分析すると、1900年ころから急速に上昇しているのがわかります。これまでに0.7℃くらい気温が上がっているでしょうか。この100年間のような温度上昇は一度もありませんでした。温暖化が起こっているということについては、否定する見解は米国でもほとんど姿を消しつつあります。

― CO2など温室効果ガスとの因果関係も認められつつあるのでしょうか。

真鍋 地球温暖化とCO2などの温室効果ガスとの関連もほぼ間違いありません。CO2をはじめとする温室効果ガスは大気中には0.1%もない微量成分なんです。ところが、この温室効果ガスがなかったら、地球の平均気温は零下17℃くらいになるといわれています。いまの平均気温が15℃くらいですから、温室効果ガスが30℃以上気温を引き上げています。それくらい効果が大きい。

 大陸の氷床に閉じ込められた気泡などから分析すると、CO2はだいたい1800年くらいから増えていることがわかります。産業革命の時期と一致しています。気温上昇との間には時間差がありますが、これは気温がCO2の濃度に単純に比例するわけではないためです。身近なところで、東京都の場合は、100年前と比べて気温が3℃ほど上がっていると思いますが、そのうちの半分以上は都市化が原因だと思います。外国の町に比べると、はるかに緑が少ないですし、アスファルトですっかり固められていますから。

21世紀後半には気温が2℃以上上昇、局地的には7℃以上上がるケースも

― これまでの研究で、温暖化は今後、どんな形で進むと考えられますか。

真鍋 中生代、恐竜が生きていたころですが、この時代は、いまと比べてずっと気温が高かったと考えられています。理由は、やはり大気中のCO2が多かったことにあります。そのころは大陸移動が速かったために、風化作用によって石灰岩に取り込まれていたCO2が、火山活動によって再び大気中に出てくるわけです。そのためにCO2濃度が高かった。それが2000万年くらい前になって、大陸移動のスピードが落ちたんですね。同時に風化作用のスピードが上がり、大気中のCO2が減少した。いまは、地球の長い歴史からいうと、寒い時期にいるわけです。ところが人間の活動で、CO2濃度が急激に増加している。われわれのシミュレーションでは、21世紀の後半には、海洋の気温でほぼ2~3℃上昇すると見ています。ところが陸域では3~5℃も上昇する。北極海ではさらに高く、7℃近く上がる。そうすると北極海の氷は、いまの6割くらいになるだろうといわれています。今後300年くらいで地球の平均気温は8℃、北極海周辺では16℃も上がるのではないかというシミュレーション結果もあります。

― 北極海での昇温の激しさなど、温暖化の影響には地域差がありそうですね。

真鍋 いろいろなシミュレーションを行っていますが、高緯度地域の影響が大きくなります。ロシアやカナダでは他のところに比べて、気温がドンと上がる。しかも冬に大きく上がるわけです。そうすると、作物の生育期間が延びますし、生産性も上がる可能性が高い。永久凍土が解け始めるという難しい問題もありますが、ロシアやカナダでは悪いことばかりでなく、温暖化がプラスに働く面もありそうです。これに対して、南の島では水没の危険が出てきます。地球全体で見るとマイナスだと思いますが、場所によってはプラスになる可能性もあり、利害が錯綜(さくそう)するわけです。

― 影響の出方に差があるとなると、国際調整は難しくなります。

真鍋 温暖化の場合は、オゾン層の破壊と違って、それが必ずしも有害であるということがはっきり言えない。ここが国際的な協力が簡単には行かない一つの理由になっていると思います。しかも、温暖化のメカニズムは複雑です。たとえば、石炭を燃やすと酸性雨の原因となる二酸化硫黄(SO2)が発生します。ところが、このSO2は対流圏の下部にたなびいて、太陽の光を反射します。つまり温暖化効果を緩和する可能性もあるわけです。ですから、温暖化だけではなく環境問題全体として考えないといけないでしょう。

最終的に決めるのは人間の意思、自然を守るか、生活を守るかが問われる

― 最大のCO2排出国、米国(当時)の対応が十分でないと温暖化対策は進みません。

真鍋 米国に30年以上も住んでいますから、米国人の考え方というのも理解できます。米国が温暖化問題に淡泊なのは、発展途上国との間に不公平感を感じるからです。たとえば、北米自由貿易協定(NAFTA)のもとに、米国と国境を接するメキシコ側に、新しい工場がどんどん建ちました。メキシコは大気に対する規制が米国に比べてはるかにルーズです。賃金の安いメキシコ人の雇用が増え、米国人の雇用が減る。しかも、国境を接する工場から有害物質がどんどん出される。大気だけではなく水質汚染もひどい。米国人は自分たちが犠牲になっているという意識なんです。もちろん発展途上国の側にも言い分があります。

― 温暖化が進むとして、気温上昇によってどのような変化が現れそうですか?

真鍋 これは実は難しい問題です。台風なんか増えそうな気もしますが、必ずしもそうとは言いきれないんですね。かえって台風が弱くなるという結果も出ています。気温が上がると海洋などからの蒸発量は増えますから、いわゆる熱帯低気圧は、いまよりも増えて、雨はたくさん降ります。だから洪水なんかは増えますね。最近、日本では梅雨の末期の集中豪雨が、以前よりも強く出ているような気がするんですが、温暖化の影響だという証拠はいまのところ見つかっていません。

 ほぼ確実に言えるのは、21世紀の終わりには、地球全体の平均で7~8%降水量が増えます。ここで問題になるのは、雨の降りやすい地域に、いまよりももっと大量の雨が降る可能性が高いということです。場所によっては雨が大量に降る地域が出てくる。絶対量にしたら、ずっと増えるわけです。いまでも洪水で困っているガンジス川やコンゴ川の流域、アマゾン川流域なんかに大量の水が集まるわけです。

― 気象が変わるということは、農業や食料問題などにも影響があるということですね。

真鍋 土壌水分量が大きく変わります。われわれのシミュレーションでは、中低緯度の半乾燥地帯、いま穀倉地帯と呼ばれているところで、特に夏の間、土壌の乾燥が進むという結果が出ています。たとえば、中国の北東部なんかでは10~20%土壌水分が減少するわけです。土壌水分量の変化の影響を極力抑えるためには、治水や灌漑(かんがい)といったウオーター・マネジメントが重要な問題になってきます。ただ、これをあまり強調しすぎると、ばらまき行政の口実にされかねないですね。

― こうした温暖化についての研究成果は、気候変動枠組条約締約国会議(COP)などの国際会議の土台になるわけですね。

真鍋 科学的な議論抜きに温暖化対策は検討できないと思います。そのうえで、温暖化が本当であることはほぼ確定しているとして、問題はそれにどのように対応するかです。温暖化を防ぐためには、どのくらい掛かるのか、たとえば自動車の燃料を全部エタノールに変えるとすれば、どのくらい掛かるのかとか。対応策を実行に移した場合に、われわれが払う犠牲はどうかということを考えなければいけません。

― 先ほどのお話のように、地域によって受ける影響に差があるとすれば、国際合意は簡単ではないですね。

真鍋 温暖化がものすごく進んだときに、われわれのまわりの自然も大きく変わると思います。トラだとかゾウだとかライオンだとか。あるいは身の回りの植物も、いま知っているものが、かなりなくなってしまう。こういうことを容認するかどうかでしょう。CO2の発生をなんとしてでも阻止して、いまある自然を守ろうと考える人もいるでしょうし、自分の生活、収入が大事だとする人もいるかもしれない。極端なことを言えば、南の島が沈むなら、海の上に人工の島を造ればいいじゃないかという意見だってあるでしょう。こうなってくると、マーケットメカニズムで決められるものじゃありませんし、最終的には政治判断せざるを得ないのではないでしょうか。

― 温暖化防止のためには、影響がどうなるのか、しかも長期のスパンで考えないといけない。

真鍋 温暖化問題というのは、自分の生きている間はまだ大したことにならないだろうと、思っているのではないでしょうか。自分が死んだ後のことまで心配できる余裕を持っている人がどのくらいいるか――。現在、痛みを感じるようなことであれば、本気の度合いも違うのでしょうけれども。

 僕はCO2の収支の専門家ではありませんけれども、たとえば、いまのCO2濃度の2倍に抑えようとすると、ものすごい努力をしなければならない。しかも、いろいろな国際会議は開かれるけれども、結局、その深刻さは各国では理解されない。

 僕の印象としては、温暖化というのは、どんどん進んでいくんじゃないかと思います。

 ◇

 このインタビュー記事が書かれた時点では、カーボンニュートラルの推進者の、アル・ゴア元アメリカ副大統領が出演した映画「不都合な真実」もまだ上演されていませんし、地球温暖化対策に批判的な対応で、「パリ協定」から離脱したトランプ前大統領も出現していません。

 ただ大方の人がなんとなく予測しているように、地球温暖化は進んでいるのは間違いないと思われます。それが真鍋氏の言うように自然界に大きな影響を与えるにしても、進展が緩慢なため今すぐ大騒ぎをする人も少ないのも事実です。

 しかし毎年のように発生する、各地で反乱する大洪水や夏場に地域によっては40度超えを繰り返す高温現象、また海外で発生する大規模な洪水や山火事など、被害が拡大するにつけ、次第に人々の口から気候は「変わってきた」という言葉が多く発せられてきています。2000年時点より中国やインドの排出するCO2は大幅に多くなっている背景もあります。

 ただ個人でいくら頑張ってみたところで、その進行は抑えきれないジレンマもあり、真鍋氏の言われるとおり、残念ながら温暖化はどんどん進んでいくのでしょう。現実に2000年時点より気象変動はより激しくなっている事からもそれは実証されています。今後政治がどう対応するか、われわれの生きている時代にその方向性が確実になるかは見通せません。

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2021年10月 6日 (水)

韓国経済を直撃する「中国・恒大ショック」の本当の怖さ、日本もしっかり対応を

Img_c7c9df081bf4ad631080232bf6e0f4999199  中国の不動産大手恒大の経営危機がもたらした影響は、米国を初めとする世界の株式市場にショックを与えました。その後同社の当面の借入金利の返済が可能となったことで、現在は小康状態を保っていますが、この問題の根は深く予断は許せません。中国の不動産バブルの崩壊が予測され、景気の先行きに大きな影が差しているからです。

 この問題の影響は、とりわけ中国経済への依存度の高い韓国が大きいようです。そのあたりの事情を法政大学大学院教授の真壁昭夫氏がPRESIDENT Onlineに寄稿していますので、以下に引用します。タイトルは『マンション下落、半導体不足…韓国経済を直撃する「中国・恒大ショック」の本当の怖さ 日本経済も悪影響は避けられない』(10/4)です。

 ◇

中国への依存度が高い韓国にも悪影響が

足許、中国経済の減速が鮮明化している。国家統計局が発表した9月の製造業PMI(購買担当者景況感指数)は、景気の強弱の境目である50を下回った。中国経済減速の主な要因に新型コロナウイルスの感染再拡大の懸念がある。それに加えて、中国恒大集団(エバーグランデ)の債務問題などの影響も大きい。当面、中国経済の減速はさらに加速する恐れがある。

足許の世界経済を見ると、感染再拡大によって主要国経済の回復ペースが弱まっている。その上に中国経済のさらなる減速が加わるインパクトは大きい。わが国をはじめ欧米諸国にもマイナスの影響が波及することは避けられない。中国への依存度の高い代表例の一つが韓国だ。

今後、中国経済の減速がさらに鮮明となれば、輸出を中心に韓国経済の回復ペースは弱まるだろう。輸出の減少は韓国のGDP成長率の低下要因だ。文在寅政権にとっても、重要な下押し材料になるはずだ。

感染再拡大、アリババへの締め付け、エバーグランデ…

中国経済の減速懸念が、これまでに増して強まっている。

8月の住宅価格、小売り、工業生産、固定資産投資などの主要指標は前月から悪化した。春先以降の景気減速のトレンドが、ここにきて一段と鮮明化した格好だ。その要因の一つとして、新型コロナウイルスの感染再拡大のインパクトは大きい。感染再拡大によって中国では経済活動に欠かせない動線が絞られた。その結果、8月の飲食店売り上げは前年同月の実績を下回った。感染再拡大によって、港湾施設や鉄道などの物流も停滞している。

感染再拡大に加えて、中国共産党政権がアリババなどIT先端企業への締め付けを強化し、株価が下落したことも景気にマイナスだ。中国本土では個人による株式取引の割合が大きい。株価の下落は負の資産効果を高め消費者心理を圧迫するだろう。夏場の豪雨も中国経済を下押しした。

さらには、大手不動産デベロッパーのエバーグランデの債務問題が深刻化したことも、景気減速の鮮明化を加速している要因だ。同社の今後の展開は、共産党政権の意思決定にかかっている。基本的に共産党政権は、エバーグランデが経営破綻に陥り無秩序なデフォルトが発生することは防ごうとするだろう。しかし、今後、同社をめぐる展開には不透明要素も多い。

世界経済に影響を与える2つのパターン

エバーグランデの問題が世界経済に与える影響を考えるとき、まず同社の米ドル建て社債の返済について見ておく必要がある。米ドル建て社債の発行残高は195億ドル(約2兆円)だ。その影響の波及経路は、直接的、間接的に分けられる。

直接的な影響は、米ドル建て社債がデフォルトし、それを保有する投資家が損失を被るパターンだ。この場合、楽観はできないが、主要国の金融機関のリスク管理体制等を考えると損失をそれなりに吸収することは可能だろう。

一方、デフォルトの間接的な経路を通じた影響は、世界経済にかなりの負の影響を与えるはずだ。デフォルトが発生すれば、エバーグランデの取引先や他の不動産業者の業況や、中国経済を支えてきた不動産市況が悪化して景気の減速が加速化するだろう。世界第2位の規模を誇る中国経済の一段の減速は、主要国の輸出の減少などの経路を通って世界経済全体にマイナスになることは間違いない。

8月まで好調だった韓国経済は減速する恐れ

中国経済の減速に大きく影響される国の一つが韓国だ。

韓国経済の成長の源泉に位置付けられる輸出に関して、対中輸出(香港含む)は全体の約32%を占める。基本的に、中国の消費、生産、投資が増加基調で推移する場合、韓国では中国向けを中心に輸出が伸び、景気は回復する。その逆もまた真なりだ。8月まで、韓国の輸出は地域別には中国や米国向けが伸び、品目別には半導体や石油化学製品などが増加した。それが韓国の景気回復を支え8月には利上げも実施された。

ただ、今後、中国経済の減速スピードによって、輸出を中心に韓国の経済にはマイナスの影響が波及し、回復ペースが追加的に鈍化する恐れがある。8月のように中国の消費などの減少基調が強まれば、対中輸出の増加ペースは弱まるだろう。感染の再拡大によって中国から韓国への旅行需要の回復に時間がかかることも経済成長にマイナスだ。

また、足許の中国では石炭不足を背景に電力の不足が深刻化している。電力不足によって中国では生産活動が停止、あるいは制限され始めている。中国での生産活動がさらに鈍化すれば、韓国が中国に輸出してきた石油化学製品や機械などへの需要は落ち込むだろう。

マンション下落、飲食、半導体不足…中国以外のリスクも

それに加えて、もし、エバーグランデのデフォルトが発生すれば、中国経済の減速の勢いは一段と強まるはずだ。その展開が現実のものとなれば、韓国の輸出だけでなく、消費、企業の設備投資にもかなりのマイナスの影響が波及するだろう。中国不動産市況の悪化はソウル周辺のマンション市況を悪化させ、韓国家計の債務リスクが高まる展開も想定される。

9月上旬以降、韓国総合株価指数(KOSPI)の上値は重い。その背景には、エバーグランデのデフォルトリスクの高まりなどによって中国経済の減退が加速し、対中依存度の高い韓国経済に負の影響が及ぶという主要投資家の懸念がある。

韓国は中国以外の景気下振れリスクにも直面している。感染再拡大による動線寸断によって、韓国の飲食、宿泊、交通などの景況感は下押しされやすい。それに半導体不足の影響が加わり、自動車の生産が減少している。

日本経済にとっても他人事ではない

中国経済のさらなる減速リスクは、わが国経済にとって他人事ではない。

昨年5月ごろから、わが国の工作機械受注は、主に中国の需要に支えられて増加した。感染再拡大によって動線が寸断され飲食、宿泊、交通などサービス業の業況が強く下押しされる状況下、それは不安定ながらも緩やかな景気持ち直しを支えた要素の一つだ。見方を変えれば、わが国の経済は自力で回復することが難しい。なぜなら、わが国には世界の需要を獲得できるアップルのiPhoneのような完成品が見当たらない。

そのため、主要投資家は日本株を世界の景気敏感株とみなしている。その意味は、世界経済が良くなれば、それが支えとなってわが国の経済が上向くということだ。今後、中国経済の減速の加速化が鮮明となれば、わが国の自動車、工作機械、半導体部材などへの需要は低下するだろう。

経済と社会の両面で閉塞感が高まってしまう

中国経済以外にも、わが国経済を取り巻く不確定要素は多い。まず、さらなる感染再拡大のリスクがある。例えば韓国ではワクチンの接種が急速に進んでいるにもかかわらず、新規感染者が増加している。ウイルス変異も含め、わが国でも再び感染が再拡大し動線が絞られて経済に下押し圧力がかかる展開は否定できない。

早ければ11月にFRBがテーパリングを開始し、2022年には利上げを実施する可能性も浮上した。目先、米金利には上昇圧力がかかりやすい。それは、中国など新興国からの資金流出圧力を高め、世界経済の成長下振れ懸念は増す可能性がある。世界的な供給制約の深刻化などによりわが国の物価上昇圧力も増すだろう。

今後、政府に求められることは、世界の主要投資家が日本経済の中長期的な成長を期待できる成長戦略を立案し、しっかりと実行することだ。具体的には、企業の生産性向上、および素材や機械分野で米中の双方から必要とされる企業を増やさなければならない。そのためには、労働市場などの規制改革が欠かせない。それが難しければ、中国経済の減速などによってわが国の株価は調整し、経済と社会の両面で閉塞感が高まる恐れがある。

 ◇

 既にこのブログでも中国の電力事情は紹介しました。加えて不動産バブル崩壊懸念やコロナ禍の影響など、中国経済への負の影響が増す中、中国に過度に依存している国の経済的なリスクは大きいでしょう。韓国のみならず日本もその依存度は高く、このブログでも再三指摘しているように、依存脱却へ向けて急ぐ必要があります。

 幸い岸田新政権においては、経済安全保障政策がスタートし甘利幹事長や小林担当大臣に、その手腕をおおいに発揮して、中国への依存度を引き下げていただきたいと思います。高市政調会長の政策手腕にも期待します。

 また真壁氏の指摘通り、日本独自の成長戦略、特に岸田政権が提唱する科学技術に立脚した、新しいイノベーション戦略のもと、世界市場に競争力を持った新製品を開発していく必要があります。それが中国依存から脱却するための大きな柱となるよう、強力に推進することを願います。

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2021年10月 5日 (火)

岸田政権への韓国メディアの反応 「決めつけ」と「我田引水」は変わらず

Image_20211004160001  久々に、韓国出身で日本に帰化を予定しているブロガーで作家のシンシアリー氏に登場願い、岸田内閣誕生に関しての韓国の反応をのぞいてみたいと思います。ブログタイトルは二つあります。まず一つ目は『韓国マスコミ、岸田自民の党役員・内閣を「極右ばかりだ」・・しかし、韓国の言う「極右じゃない人」はどれぐらいいるのだろう』(10/3)で、以下に引用させていただきます。

 ◇

韓国側のマスコミでは、極右戦隊キシダガーな記事が相次いでいます。似たような趣旨の記事・社説を何度も紹介してきましたが、毎日のようにかなりの数が出ているから無視するわけにもいかないし、今日はまとめ(っぽい)記事を一つ紹介します。以下、ハンギョレ新聞です。<<~>>が引用部分になります。

<<4日、首相に就任する岸田文雄新自民党総裁を支える党と内閣の要職に極右性向の人が前進配置される。政府のスポークスマンである官房長官には、安倍元首相の影響力が強い細田派の松野博一 前文部科学相が起用される。彼は2012年に米国ニュージャージー州地元紙の慰安婦意見広告に安倍当時自民党総裁などと一緒に名前をあげた、右翼性向だ。この広告には、慰安婦動員過程の強制性と軍の介入を認めた河野談話を否定する内容が盛り込まれた。2014年にも毎日新聞が実施したアンケート調査で「村山・河野談話は見直しなければならない」という立場を明らかにした。彼文部科学相であった2017年、日本政府は、小・中学校の社会科で「竹島は、日本固有の領土」という内容を教えるように義務化する学習指導要領を確定した・・

・・自民党政務調査会長に安倍元首相の全面的な支援で総裁選挙に出馬した高市早苗元総務相起用された。「首相になっても靖国神社を参拝する」、「韓国と中国が歴史問題について不正確な情報を出している」・・・・など、日本の加害責任を否定する認識を遠慮なく明らかにする極右性向政治家である。安倍の側近である復審」に通じる萩生田光一文部科学相も経済産業相に席を移し大臣に残ると、NHK放送が報じた。彼は2013年、安倍総裁の特別補佐を務め河野談話について「すでに談話の役割が終わったと思うので、無力化させる必要がある」と話した。また、現職閣僚の身分で、昨年と今年の2年連続で靖国神社を参拝した・・

・・党のナンバー2である幹事長は予想通り甘利明税制調査会長に決定した。アマリ幹事長は麻生派所属で、安倍元首相と近い仲だ。幹事長は総裁を補佐し資金管理と候補公式推薦権など強大な影響力を行使することができる。安倍政権の時、2019年9月から外相を務めた茂木敏充外相が留任する。茂木外相は1月に赴任したカン・チャンイル駐日韓国大使と、まだ会ってもいない。韓日外交ラインに変化を模索することは容易でない状況である。安倍元首相の弟で、昨年菅義偉政権の時に立脚した岸信夫防衛相も留任が決定した・・>>

こうして読んでいると、『極右でない人って、自民にどれぐらいいるのか?』な気がします。2008年には、竹島関連で福田総理を「極右」とする主張もありました。そして、もう一つ、私の心が曇っているだけかもしれませんが、韓国側の記事が何から何まで『日本が、韓国を意識してわざとこんな人事をした うわあぁぁ』なニュアンスです。それは、違うでしょう。もちろん、派閥という勢力の間での『駆け引き』もあるでしょうけど、全体で見ると、与党側からして『有能な』人を選んだだけのことです。

比べることすらバカバカしい気もしますが、韓国という国ができた5千年前(1948年)もそうでした。当時、数少ない『有能な人』が政府の要職になれました。社会主義者もいたし反日主義者もいて自爆ばかりだったけど、数少ない『有能な人たち』が、大学を作り、文学を育成し、戦争で北朝鮮と戦いました。後になって、彼らを『親日派だ』と叩く人たちが現れました。それはそうでしょう。併合時代に『熱心に』生きて、合法的に出世した人たちですから。『親日・反日、親韓・反韓』という基準でしかモノゴトを見ないから、彼らが親日派にしか見えなかったわけです。

 ◇

 新聞記事のあと、シンシアリー氏がコメントを寄せていますが、全くその通りだと思いますね。日本政府の要人が皆極右だとすれば、韓国政府やメディアは何なのでしょう。日本政府は高市政調会長が言うように、真ん中だと言うのが正しいと思います。

 それでは二つ目のタイトル『韓国紙「岸田総理は、輸出規制という『蛮行』を撤回し『大和解』の準備を」』(10/4)をのぞいてみましょう。以下に引用します。

 ◇

「韓国基準」ではありますが、日本と韓国で右翼寄りとされる読売新聞と朝鮮日報が、日韓関係に関する記事を載せました。似たようなテーマではありますが、比べてみるといろいろと『日韓比較論』的な何かがあったので、合わせて紹介したいと思います。まず、朝鮮日報からの『次期大統領、岸田総理と大和解を推進せよ』からです。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・日本では、岸田が首相に就任し、韓国は来年3月新しい大統領を選出する。半年ほど残った文在寅政府内での韓日関係の改善は、事実上不可能である。今では岸田政権と韓国の次期政権が必ず成し遂げなければならない韓日大和解を念頭に置いた事前作業が必要になる時だ。すでに出遅れた感は強いが、文大統領は1月、韓米日3カ国の協力を重視するバイデン米大統領就任に合わせて「慰安婦合意が公式合意だったという点を認めている」と述べた。謝罪はしなかったが、一歩遅れて慰安婦合意を認め、自分の判断に重大な問題があったことを告白したのだ。

反日の重要な素材として活用いた慰安婦合意について文大統領が再評価したからには、来年の大統領選挙に出た候補が躊躇する理由はない。中国とはますます遠ざかり、北朝鮮の挑発が知能化する状況で、日韓両国が互いに手を離してはいけないという事実を、過去4年間、嫌なほど分かったではないか。大統領候補は、岸田政権発足を契機に韓日関係全般にわたる地雷を除去し対話に出ると公約してほしい。岸田政権も、半導体部品の輸出規制(※対韓輸出管理厳格化)という蛮行を撤回する準備をしながら、来年韓国の大統領選挙の後に備えなければならない>>

日本側の記事でもたまにこういのを見かけますが、『だから、なにが言いたいんだよ』としか思えません。なにより、韓国は『慰安婦合意の履行』をまったく行っていません。口だけで「公式合意だ」と言ったからって、それがどうしたと言うのでしょうか。日本には現状を『蛮行』としながら撤回せよと言い、文在寅政府には『すでに認めると言った』以外は何もありません。この理屈だけだと、韓国はもうやることやったから、今度は日本が応えろ、という主張にしかなりません。読んでいると、『仲良くするのが一番ではないか、な?な?そうだろう?だからお前が負けてくれよ』と、大して親しくもない相手からしつこく言われている、そんな気分になってしまいます。

次、読売新聞の記事です(日本語記事)。読売新聞は、問題の中心を「両国関係の法的基盤」の問題として見ており、だからこそその基盤を損ねた文在寅氏が最後まで責任を持つべきで、補償が必要なら韓国政府が行うべきである、と指摘しています。

<<・・そもそも、最高裁判決には重大な問題がある。日韓間の請求権問題の「完全かつ最終的な解決」を定めた1965年の請求権・経済協力協定に反する決定で、両国関係の法的基盤を損なった。元徴用工らの主張を優先する「被害者中心主義」を唱え、司法の反日的な風潮を 煽った文在寅大統領の責任は大きい・・・・いまだに具体的な解決策は提示していない。元徴用工への補償が必要だと考えるならば、韓国政府が行うのが筋である。日本企業に損害が及ばないようにする解決策を、文政権が立案し、実行するしかあるまい。文氏の残り任期は約7か月だ。日韓関係の重荷となる負の遺産を次期政権に残してはならない。退任まで、収拾に向けて最善を尽くしてもらいたい>>

強いて言うなら、『他のことを言う前に、まず国家間の条約を守れ』です。それは『な?な?』ではなく、『法的基盤』の問題である、と。それはそうでしょう。この期に及んで大和解がどうとか言われても、日本からすると、『責任をともに背負うべきだ』以外の何事でもありません。

 ◇

 この二つのタイトルから、韓国メディアの性格がよく分かります。一つは「決めつけ」。自民党員や内閣を「極右」と決めつけるいつもの言い方。もう一つは「我田引水」。自身(韓国)が正しくて、他(日本)は間違っている。自分に都合のいいように解釈する、こういう論調。

 もう何年も前から一つも改善されずに、10年一日のごとく同じ事の繰り返しです。今回もまた同じでした。そういえば日本の野党、立憲民主にも同じような癖がありますね。自身が何も変わっていないのに、岸田内閣は何も変わっていないと、繰り返していました。政権与党の批判しかせずに、有効な政策を打ち出せていないところなど、何も変わっていない。人のことを言う前に自身が変われば、と思いますね。

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2021年10月 4日 (月)

中国軍が日本に仕掛けている心理戦 ー「諦めさせる」こと

Images-8_20211004093601  岸田新政権が今日スタートの予定です。前回取り上げたように甘利幹事長の経済安全保障政策、中国を念頭に置いたものですが、その中国は虎視眈々と日本の領土、尖閣諸島を狙いに来ています。その先は沖縄を狙いに来るのでしょうか。

 その中国の人民解放軍の戦略はどういうものか。ジャーナリストの吉田典史氏が、JBpressに寄稿したコラム『狙いは「諦めさせる」こと、中国軍が日本に仕掛けている心理戦 元海将・伊藤俊幸氏が語る中国海軍の実態と戦略』(9/30)にその概要を見ることができます。以下に引用して掲載します。

 日本のメディアは、尖閣諸島(沖縄県)周辺に出没する中国船の動きを連日報じている。確かに日本の安全保障にとって重大な問題ではあるのだが、尖閣にだけ目を奪われていると中国海軍の実態が把握できない。実は中国海軍の空母や潜水艦は太平洋で活発に動いている。その動向を40年以上にわたり観察してきた元海上自衛隊海将、金沢工業大学虎ノ門大学院教授の伊藤俊幸氏に、中国の狙いと、日本はどのような対応が可能なのかを聞いた。(吉田 典史:ジャーナリスト)

 *******

中国の空母は重大な脅威なのか?

──伊藤さんは「中国海軍が太平洋での動きを活発化させている」と以前からよく指摘されていましたね。

伊藤俊幸氏(以下、敬称略) 私が潜水艦部隊にいた1996年、中国海軍艦艇が初めてアメリカのハワイ沖まで航行しました。中国海軍はこの時期にはすでに活動地域を太平洋に広げ始めていたのです。

 1970年代までの中国海軍は、北は青島から、南は海南東までの自国の沿岸防衛しかできませんでした。その後、中国海軍の父と呼ばれる劉華清元上将は、旧ソ連から、ランドパワー(大陸勢力)における海上防衛について学び、第1列島線(日本の南西諸島から台湾を隔てて南シナ海まで)、第2列島線(日本の小笠原諸島からニューギニアまで)の概念を作り出しました。これはオホーツク海を聖域としていた旧ソ連海軍の考え方を踏襲し、第1列島線内を聖域化するため、第2列島線までの間でアメリカ海軍を阻止するという考え方です。

──太平洋では、中国の空母の動きも顕著です。

伊藤 海軍が空母を保有するのは、それがないと艦隊防空ができないからです。艦隊には、少なくとも2つの弱点があります。1つは、戦闘機などの空からの攻撃。もう1つは、潜水艦からの海中からの攻撃。私も艦長だった1998年、ハワイでのリムパック(RIMPAC)演習(環太平洋合同演習)で米国などの艦艇を15隻沈めましたが、「鉄の棺桶」といえるほど艦隊は脆弱なのです。

 空からの攻撃を防ぐためにイージス艦を配備するのですが、艦隊を守るためにはまだ不十分です。空母艦載機で、より離れたところで敵を排除する必要があります。ですから、現在の中国空母が海自にとって重大な脅威であるとは言えません。原子力推進機関がなく、十数機しか艦載機が搭載できない空母は、航空自衛隊の戦闘機と海自潜水艦で確実に沈めることができるからです。

 ただし、今後10年以内に中国の空母は少なくとも4隻以上になります。これは、日本の真南、つまり、第1列島線と第2列島線の間に、1隻の空母を含む中国艦隊が常駐するようになることを意味します。現在、南シナ海などに常駐し、訓練や他国に寄港などしているのがアメリカ海軍と海自です。その逆バージョンを中国海軍がしてくることになる、と考える必要があります。

 第2次世界大戦末期(1944年)、サイパンが陥落したことで米軍による日本への空襲が本格化しました。中国海軍の空母が常時いることになるであろう海域は、日本からサイパンまでの距離の約半分の場所です。ここで頻繁に訓練をすることになるのです。

 海自と空自は、この動きを警戒・監視する必要があります。長い滑走路のある空自の基地は太平洋側にないため、狭い基地からでも垂直離発着できるF35Bが必要となります。海上での警戒監視中に本土まで戻る余裕がないことも考えられます。そこで必要になるのが、海上基地です。海自護衛艦「いずも型」2隻の空母への改修は、空自戦闘機をどう運用するかとの視点から設計されたものなのです。海自の艦隊防空用の空母を造るのは、おそらく20年ほど後になるでしょう。

──アメリカのような攻撃型の空母を保有しないのですか?

伊藤 イギリスもフランスも中国も、あくまで艦隊防空用の空母なのです。アメリカの空母は80機以上の航空機を搭載していますが、そのようなことができる空母をアメリカ以外の国は持っていません。他の国に対するパワープロジェクション(戦力投射)能力を持っている空母はアメリカだけです。皆さんはアメリカの空母の映像しか見てないから、それしかイメージできないのかもしれませんが、その認識は間違っています。一部の専門家は「海自が攻撃型空母を保有する」「これを機に攻撃できる態勢をつくれ」と語ります。第2次世界大戦の頃の意識のままなのです。

中国が仕掛ける“切り崩し”工作

──尖閣諸島の現状はどう見ていますか?

伊藤 国連憲章では侵略戦争は当然禁じられていますし、加盟国の武力行使が許されるのは、「武力制裁」および武力制裁発動までの自衛権行使の場合だけです。

 中国政府は尖閣諸島を自分たちの領土と主張していますので、例えば「自国内で起きた問題を解決するための治安維持」などとして尖閣に軍隊を送ってくることが考えられます。

 海自や海上保安庁は前々から、その対応を検討してきました。今年(2021年)2月、内閣官房や海保などの担当者が、自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、「外国公船が尖閣諸島への上陸を強行すれば“凶悪犯罪”と認定して、警察官職務執行法第7条に基づき警察権を行使する」「相手を制圧するために武器を使う『危害射撃』を行う可能性がある」ことを説明しました。

「海自を尖閣に送れ」といった世論がありますが、私は現時点で海自が出ていくことは好ましくないと考えています。海外からみると「世界第2位の実力を持つ海軍」が前面に出ることになり、その姿は世界から見て衝撃的に映るでしょう。

 海保でも手に負えない場合、自衛隊に下される命令は「防衛出動」になります。その際は海保や警察からスイッチし、自衛隊が敵の排除のために行動をとります。中国が海保に手荒なことをしないのは、そばにいる海自や空自を警戒しているからだと思います。海自の哨戒機は尖閣諸島周辺を飛んでいるでしょうし、潜水艦も潜っているかもしれません。

──元自衛官などが、「尖閣諸島で軍事衝突があった場合、沖縄や九州も巻き込まれる戦争になる」と指摘しています。

伊藤 尖閣諸島については前述のように手を出してくる可能性はあり得ますが、そこからさらに日本本土を攻撃をした場合、国連の安保理決議にもとづき、中国に対して武力制裁が行われるでしょう。中国への国際世論は相当に厳しいものになるはずです。日米安保のもと、米軍も自衛隊とともに戦うでしょう。

 自衛隊の出動に関しては、2003年成立の武力攻撃事態等対処法(「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」)により、自衛隊が防衛出動する法的な根拠が明確になっています。皆さんがイメージしている専守防衛とは異なり、憲法の範囲で襲ってくる敵を排除できる国になっているのです。

 中国はこのあたりを心得ていますから、日本と本格的な戦争はしたくない。むしろ、台湾への工作と同じく、日本国内で様々な工作をして切り崩そうとしてくるでしょう。政治家をはじめ多くの日本人が「中国に対抗しても無理だ」と諦めるような心理になることを目標にするのです。そのために尖閣諸島周辺に連日、公船を出没させているのだろうし、太平洋にも進出しているのだと私はみています。日本の内部から崩れるように仕掛けてきていることにこそ、警戒すべきでしょう。

 ◇

 日本の防衛省も中国のこの動きを念頭に、対抗戦略を考えてはいると思いますが、何しろ日本には「憲法9条」があります。防衛省や自衛隊の考える国防戦略に沿った防衛策も、その9条障壁のために自由に実施に移せないでしょう。まずはしっかりした防衛策を打ち立てるためには、「9条改正」を視野に入れる必要があります。

 更に、中国との攻防の最前線「尖閣」は、残念ながら中国側の主張「中国の領土」を、完全には打ち消せていません。いわゆる「棚上げ論」を容認してしまった付けが、今も棘のように刺さってしまっています。ですから政府も尖閣への日本人の上陸を認めていないのでしょう。中国に「領土侵犯」の口実を与えるからです。

 この問題の解決は、「尖閣は日本固有の領土」だと言うことを、国際社会に認めさせるしかありません。しかし南シナ海でのフィリピンとの抗争で、国際司法裁判所の「フィリピン勝訴」の決定を、「紙くず」と強弁した中国です。一筋縄ではいかないでしょう。もし岸田新政権がこの偉業を成し遂げれば、一躍時の人になれるでしょうが、可能性は極めて小さい。残念ながら現状維持が今のところ精一杯のような気がします。

 今できることの第一は「憲法9条」を改正し、普通の国・日本を取り戻すしかないように思います。そこから尖閣や竹島、拉致問題、北方領土解決の道が開けていくのではないでしょうか。

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2021年10月 3日 (日)

甘利幹事長人事が持つ外交安全保障上の意味

Y  岸田総裁の下で、甘利幹事長、高市政調会長が誕生しました。親中派の二階氏から中国に距離を置く甘利氏への転換は、今後の対中政策を占う上で重要です。高市政調会長の存在も大きいでしょう。

 この幹事長人事が持つ意味を、Newsweek誌がアメリカからの見方で解説したコラム『甘利幹事長人事が持つ外交安全保障上の意味』(10/1)を公開していますので、以下に引用します。

<幹事長の席に誰が座るのかは、日本政府の対外政策・国内政策の全てに影響を与えることになる>

岸田文雄新総裁・新総理が誕生し、党役員人事及び組閣が進んでいる。今回の人事で日本の行く末を左右する最も重要な人事は自民党幹事長だ。

自民党幹事長は党公認権や政党助成金の扱いに関して絶大な権限を持つ。したがって、幹事長の席に誰が座るのかは、日本政府の対外政策・国内政策の全てに影響を与えることになる。

親中派として揶揄されてきた二階氏

日本の財界が自民党を支持していることは自明だ。そして、自民党幹事長が財界の意向を踏まえた意識決定を行うことは当然のことと言える。巨大な中国市場で鎬(しのぎ)を削っている日本企業が反中姿勢を取ることは考え難く、米中対立が激化していく中、自民党幹事長は中国との適度な協力関係を維持する困難な仕事が求められてきた。

2016年から幹事長ポストは二階俊博議員によって長期間独占されてきた。二階氏は自民党幹事長に求められる役割をこなしてきた人物であり、それ故に同氏は親中派として揶揄される立場に置かれていたと言えるだろう。ただし、安倍政権時代のように官邸の保守色が強い場合、二階氏による党運営が対中政策でバランスを取ることは必然であったように思う。

甘利新幹事長、日本の未来を変える出来事となる可能性

岸田総理の誕生によって、この幹事長ポストが二階氏から甘利明氏に受け渡されることになった。これは単なる権力の入れ替えというだけでなく、日中関係などに多大な影響をもたらすことになり、日本の未来を変える出来事となる可能性がある。

岸田総理は必ずしも対中姿勢で強い姿勢を取ってきた人物とは言えない。総裁選挙中に、岸田総理は中国の人権問題に対して強気の姿勢を示す発言をしていたが、言葉に真実味を帯びさせるだけの政治的の裏付けは十分ではない。

一方、甘利幹事長は自民党における経済安全保障の第一人者である。同氏は自民党で経済安全保障政策を主導する「ルール形成戦略議員連盟」会長として、対中サプライチェーンの見直しなどを積極的に打ち出してきた人物だ。同連盟は2017年に設立されて以来、感情的な反中議論ではなく、対中国を念頭に貿易・投資に関する法案策定や国際機関人事での競争力強化などを打ち出し、冷静かつ理知的に日本が国際社会でリーダーシップを発揮する動きを推し進めている。

甘利幹事長の誕生は経済安全保障議論を急速に加速させる可能性があり、日本が同盟国・友好国に対して同分野で主導権を発揮する動きが活発化になるだろう。財界の意向を考慮しつつも、安全保障上の観点から現実的な政策が党から打ち出されていくものと思う。

今後は党側からの経済安全保障の政策提言の重みが増す

また、対中世論を喚起するため、保守強硬派からの支持が厚い高市早苗氏が政調会長ポストについたことから、自民党内の対中融和を求める声が大きく後退することは自明だ。この面でも党内に対中強硬政策を止める要素は減少していくことになる。

したがって、安倍・菅政権時代と異なり、岸田政権では日米同盟を基軸とすることは当然として、官邸は中国をある程度安心させながら、党が対中強硬策を主導する形に転換する形となると筆者は予測している。

そして、安倍・菅時代は日本の安全保障政策の方向性を見極めるためには主に官邸の動きを追うことが重要であった。外交安全保障上の重要な方針のフレームワークは官邸側から打ち出されてきたが、今後は党側からの経済安全保障の政策提言の重みが増す形となるだろう。

我々は頭のスイッチを切り替えて、日本の外交安全保障政策の政策形成過程の枠組みを捉え直す必要がある。今回の幹事長人事が意味する外交安全保障上の変化のシグナルを敏感に感じ取ることは、日本の未来を考える上で極めて重要なことだ。

 ◇

 今まで中国重視で動いてきた財界を、思いとどまらせる効果を甘利氏、高市氏に期待すると同時に、最近とみに経済停滞の色が濃くなった中国から、企業の他国への転換や国内への回帰を促すことも期待したいと思います。安全保障上、サプライチェーンの見直しと経済依存度の縮小は、日本にとって重要な課題です。お二方に大いに期待したいと思います。

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2021年10月 2日 (土)

シンパからも見放される、共産党頼りの無策の枝野立民 

13_20211002102401  岸田政権誕生が間近に迫る中、野党第一党の立憲民主党の「批判だけの政党の性格」は変わらないようです。自身が変わらないのを棚に上げておいて、岸田新総裁の選出後、報道陣に枝野代表は「自民党は変わらない。変われないということを示した新総裁の選出だった」と指摘。岸田氏には「安倍晋三、菅義偉両政権と何がどう違うのかを説明いただくことがまず最初だ」と語り、10月4日召集の臨時国会で予算委員会を開くよう求めたようです。

 さらに続けて「国民生活を疲弊させ、結果的に経済を低迷させてきた『アベノミクス』を否定するのか、肯定するのかを明確に示すことが必要だ」とも強調したとメディアは報じています。『アベノミクス』が「国民生活を疲弊させ、結果的に経済を低迷させてきた」と決めつけたその理由も、またその数字も示していません。もちろん示せないのでしょう。要するに批判のための批判と言うだけですから。

 今朝の産経新聞の「産経抄」に「言い得て妙」の記事が掲載されていますので、以下に引用します。

 ◇

「賽(さい)は投げられた」。共和制の古代ローマの将軍、カエサルはこう言ってルビコン川を渡り、イタリア半島制圧を目指す。さいころの目が吉凶どちらと出ようが、もう後戻りはできない行動に出た際に使う有名な言葉である。立憲民主党の枝野幸男代表は今、カエサルの心境だろうか。

▼とうとう立憲民主党は、次期衆院選で政権交代を実現した場合に、共産党から限定的な閣外協力を受けることで合意した。政府は共産党について「破壊活動防止法に規定する暴力主義的破壊活動を行った疑いがあり、暴力革命の方針に変更はない」との公式見解を示しており、タブーに踏み込んだ形である。

▼カエサルはローマを落とし、やがて終身独裁官に就く。賭けに勝ったといえるが、その死後、ローマは帝政へ移行していく。そういえば共産党の志位和夫委員長は平成12年の委員長就任以来、21年間も選挙を経ずにトップの座を維持している。

▼枝野氏は自身の立場を「保守でありリベラル」と定義しているが、共産主義にも抵抗がないらしい。あるいは本気で政権を獲(と)りにいく気はないので、共産党の選挙支援で一定議席が確保できさえすれば、政権交代後どうなるかは真剣に考えなくていいということか。

▼「立憲民主党。残念ながら私の中では終了です」。民主党政権で官房副長官、総括副幹事長などを務めた松井孝治慶大教授は自身のツイッターで、こんな「決別宣言」をつづっていた。枝野氏の決断は、立憲民主党にいちるの望みを託していたシンパの失望も招いた・

▼「賽を投げる」に似た響きの慣用句に、「さじを投げる」がある。「医者が病人を見放す」「見込みがなく手を引く」という意味だが、有権者の気分はカエサルよりも後者の方か。

 ◇

 政府批判を続けても、国民には何も伝わらないでしょう。今までも立党時のご祝儀支持率10%超えは達成できず、5-6%を行ったり来たり、それはしっかりした国家観を示す政策がないからにつきます。ですから共産党にすがり、それだけが議席を伸ばすチャンスだと、タブーに手を突っ込んでしまうのでしょう。

 次の首相になる予定の岸田新総裁に、せめてお祝いの言葉を贈り、「ともに日本をよくするために力を合わせて、国政を進めましょう」、と言う大人の対応は、太陽が西から昇るように、絶対無理なのでしょう。子供の喧嘩のような批判しかできないのですから。

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2021年10月 1日 (金)

習近平の「信念」が起こした大停電 経済活動、地域住民の生活が大混乱

12_20211001092201  日本を含めて世界中で今、脱炭素の動きが加速していますが、化石エネルギーに頼らない世界が本当に近い将来やってくるのでしょうか。中国も習近平国家主席が、カーボンニュートラルの宣言していますが、最近の石炭の価格高騰とオーストラリアからの石炭禁輸で、各地で停電が頻発しているようです。

 今朝の民放でも取り上げられたこの問題、ジャーナリストの福島香織氏が、JBpressに寄稿したコラムから、その詳細を見ていきたいと思います。タイトルは『住民にとってはたまらない!習近平の「信念」が起こした大停電 予告のない電力供給停止で経済活動、地域住民の生活が大混乱』(9/30)で、以下に引用して掲載します。

 ◇

 9月下旬、中国の東北3省の多くの都市で相次いで大規模な停電が発生した。23日、瀋陽の公道では信号が消えたため渋滞が起こり、マンション、ビルではエレベータが止まり、断水し、食事が作れなかったりトイレが流せない状況が起きた。停電時間は短くて5時間、長い場合は十数時間に及び、断水は2日に及ぶところもあった。携帯電話が充電できず電子決済ができなかったり、親戚と連絡が取れない状況も起きた。パソコンが使えないから仕事もできない。学校は休校。一部商店ではロウソクで営業するありさまとなった。

 予告なしの突然の電力供給停止であったため、一部工場や家屋では、石炭火力を使った装置や暖房の排気のための換気システムが止まり、一酸化炭素中毒などの事故も発生した。たとえば9月24日、遼寧澎輝鋳業有限公司では、停電で排気システムが止まり、鋳造用の高炉から発生するガスによる一酸化炭素中毒で工員23人が遼陽市内の病院に運び込まれた。

突然の大停電が経済活動、市民生活を直撃

 この停電について地域住民は地方当局から一切説明を受けていなかった。

 9月26日、吉林市新北水務有限公司(水道会社)は微信のオフィシャルアカウントで、次のような公告を出した。

「国家電力網公司(ステート・グリッド)の要請に応じ、東北電力管理局と吉林省エネルギー局は電力使用の優先順位にあわせて、不定期、不定時に非計画、非通知の電力供給停止、電力使用制限を実施します。この措置により2022年3月まで、停電や断水などが常態化します」

 この通知をみて、地元の企業や住民たちが真っ青になって飲料水やロウソクを買い占めに走ったのは言うまでもない。

 さすがに、この公告は地元の不安を引き起こしたとして上層部から厳しい叱責があったようで、新北水務公司は27日に再度SNSを通じて公告を出し、次のように釈明した。

「臨時停電によって供水地域のユーザーに対して臨時断水が引き起こされるとの懸念から、弊社アカウントはユーザーの皆様に適時に水の備蓄を準備してもらうよう(26日のSNSで)注意を促しました。ですが、この通知には不適切な言葉遣いと不正確な内容があり、ユーザーの皆様に誤解を生んでしまいました。深く責任を感じ、厳粛に対応し、会社の規則に厳格に則って関連の責任者を処遇します」

 こうした電気・水道企業の慌てぶり、混乱ぶりが示すように、今回の東北大規模停電は尋常ではない事件だった。

 中国で計画停電、電力使用制限措置は珍しいことではない。雨季の大洪水や冬季の大雪害による送電網の寸断、乾期の水不足によるダム湖枯れの水力発電不足、あるいは国家的大規模イベントの開催に合わせて空気のきれいな青空を演出するために火力発電所の稼働時間を制限したりして電力が逼迫することもあった。だが、今回の大規模な予告なしの電力使用制限、停電の背景は、もっと複雑にいろんな問題が絡み合っている。

 まず、これまでの電力使用制限措置は、主に工業用電力に対して計画的に行われてきた。だが今回の東北停電は計画的でなく、地域住民の生活にも混乱をもたらした。東北はすでに冬が始まっており、この調子で民生用電力にも影響が及び続けるようであれば、これから零下十数度から数十度の極寒地域での人々の生活安全すら脅かされかねない。

 なぜ、このような広範囲にして突然の電力供給制限が今秋、中国で起きたのだろうか。

背景に石炭火力発電の電力不足

 多くの人たちが想像したのは、習近平政権が導入している「エネルギー消費双制御」(総エネルギー消費制御、エネルギー消費強度制御)政策によるものではないか、ということだった。

 実のところ電力供給制限はメディアで騒がれている東北3省(吉林、遼寧、黒竜江)だけでなく全国範囲で散発している。特に9月中旬以降、全国の多くの省で電力使用制限措置を取らざるを得ない状況に陥っていた。中でも、江蘇、雲南、浙江などの省の電力使用制限は、中央の「2030年カーボンピークアウト・2060年カーボンニュートラル」政策における温暖化ガス排出削減目標を達成するために、地方政府が企業に対して電力使用制限を要請したものだった。

 一方、広東省、湖南省、安徽省などの電力使用制限措置は、電力逼迫が主な原因だった。昨年(2020年)から顕著になっている石炭の高騰により、発電企業は赤字削減のために発電量を圧縮した。電気料金は政府により低価格で抑えられているため、原料の石炭が高騰すれば、電力企業は発電所を稼働させるほど赤字になる。しかも、習近平の政策では温暖化ガス削減目標が掲げられているのだ。この結果、電力会社の発電量は、新型コロナ流行から脱して生産量、輸出量が回復してきた企業・工場の電力需要を下回ってしまい、こうした地域は産業の優先順位に従って工場ごとに稼働時間を割り振ったり計画停電を実施する措置がとられた。

 だが、東北地域の大停電は、政府による「エネルギー消費双制御」政策とは関係なく、計画停電でもないという。

 遼寧省でも実のところ7月以降、広東省などと同じように電力逼迫は起きており、9月10日から計画停電措置が導入され、プライオリティの高い産業から優先的に電力が割り振られるようになっていた。だが、そうした逼迫状況に加えて、9月23~25日の気候変化のせいで風力発電量が急落した。この地域の送電網は一般に50ヘルツで稼働している。49.8ヘルツ以上が安全閾値で、これより低くなると電力系統の安定維持のために出力抑制や負荷(需要)遮断が行われる。遼寧では急激な電力不足による周波数低下が起きたため、この安全措置が取られたのだった。同様の停電はたとえば2019年8月9日に英国で発生している。

 遼寧では今年1~8月、社会用電力使用量が前年同期比で9.47%増え、電力負荷が過去最高になっていた。これは新型コロナ禍から社会・経済活動が急激に回復したことにもよるものだ。

 同時に習近平政権の打ち出すカーボンニュートラル目標、温暖化ガス排出制限目標に従って火力発電所の稼働が次々と停止されていった。それを風力など再生可能エネルギーが補う格好になっていたという。2020年末の段階で、東北3省の電力供給バランスは、火力発電が63%、風力発電が18%、太陽光8%、水力7%、原子力4%。だが、中国「財経」誌によれば、遼寧の火力発電出力は設備容量の半分ほどにとどめられていたという。このため、発電量が気候の変化で急減する風力発電に頼る部分が大きくなったことが、周波数低下リレーによる負荷遮断を引き起こした要因といえる。

 直接的な原因は、風力発電量の急落だが、その背景には石炭火力発電の電力不足がある。

 石炭火力発電の電力不足は、カーボンニュートラル政策のための発電所の稼働停止と、全国的な石炭不足、石炭価格の高騰による電力企業の発電量圧縮が原因である。

 石炭が高騰している理由は、カーボンニュートラル政策を掲げたことから石炭採掘への投資が大きく落ち、石炭生産量の伸びが減速中であることに加え、習近平の戦狼外交が招いたオーストラリアとの関係悪化により、オーストラリアからの石炭購入を昨年以来取りやめていることが挙げられる。石炭価格は環渤海石炭価格指数によれば、昨年1月に1トン当たり550元前後だったのが、今年9月には750元前後に高騰。中国の石炭の備蓄量は昨年1月の段階では2億2000万トン近くあったのが、今は1億2000万トンを切りそうな状況となっている。

 業界内の事情通が財経誌に語ったところによれば、東北地域で1990年代以降、こうした大規模な電力使用制限措置が取られたことはなかったという。そもそも東北の電力需要は沿海部ほど高くなく、長らく電力不足とは無縁であった。東北送電網はむしろ、河北や山東へ電力輸出をしていたくらいなのだ。このため、東北地元政府が電力不足による電力使用制限の対応に慣れておらず、また送電網の電力制御の経験も不足していたことが、今回の混乱に一層の拍車をかけたという。

 とりあえず、東北3省からの省外への電力輸出はすでに一時停止している。このため山東、華北地域の電力供給も逼迫してくるとみられている。

習近平の譲れない政治目標

 こうした背景をみると、今回の東北大停電の問題は一時的なものではなく、かなり長引く問題ではないかと思われる。そもそもなぜ電力が逼迫しているかというと、すべて習近平の政策がもたらしたものだ。たぶん、それは最初から分かっていたことである。

 おそらく習近平としては、経済成長を犠牲にしても譲れない政治目標がいくつもあるのだろう。2030年までのカーボンピークアウト、2060年までのカーボンニュートラル実現もその1つだ。不動産バブルの圧縮も、インターネットプラットフォームや教育、文化、エンタメ産業のコントロール強化も、結果的には成長産業の目をつぶし、民営企業家を委縮させ、GDPにはマイナスの影響を及ぼすだろう。だが、自らが考える理想の中国、共同富裕社会への道、そして自らの政治権力集中のためならば、経済や人民の暮しを犠牲にすることに躊躇しないのが、習近平の性格なのだろう。

 目下、程度の差はあれ、電力使用制限措置が取られているのは20省に拡大している。人民にとっても企業にとっても厳しい冬になりそうだ。そんな中で、北京冬季五輪が国威発揚とばかり華々しく豪華に開催される。それが習近平の理想とする共同富裕社会らしい。

 ◇

 こうした中国の最近の動向から、日本もこれを対岸の火事とせず、火力発電所の縮小を再生可能エネルギーだけに頼ることなく、原子力発電を有効に使用していく必要があると思います。幸い新総裁の岸田氏は原発再稼働に前向きなので、できるだけ速やかに再稼働を進めると共に、将来的にも安全性の高い原発の新設を計画して欲しいと思います。

 またこの停電に限らず、習近平氏の政治目標が、その多くは経済を停滞する方向なのは、歓迎すべきでしょう。中国の覇権主義や戦狼外交は、経済発展があってこそ成り立ったわけですから、今後経済力が弱まればその動きにも歯止めがかかってきます。そして日本企業もできるだけ早く中国の束縛から解き放たれるよう、中国からの撤退や縮小を進めて欲しいと思います。

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