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2021年11月 1日 (月)

台湾の半導体大手TSMCを招致した真の理由は?

25 昨日の衆議院選挙の結果は、事前の予測に反して野党の選挙協力が不発で、立憲民主、共産党共に議席数を減らしたのが印象的でした。自民党も議席を減らしましたが、絶対安定多数は確保し、今後の政権運営には支障がないことになりました。

 是々非々で憲法改正にも前向きな野党、維新が躍進したのと、国民民主も現有議席を伸ばし、何でも反対の野党勢力が減退したのは、日本政治にとって朗報です。国民が賢明の選択をしたと思います。

 話は変わりますが、日本の半導体は、1980年代の世界制覇状態から現在はシェアを大きく奪われ、無残な姿に陥っています。そうした中、台湾の大手半導体メーカーTSMCを日本に招致する話が浮上し、熊本県に建設するという計画が明らかになりました。

 日本がなぜ、日本の半導体メーカーの増設ではなしにTSMCの招致にしたのか、またなぜTSMCが日本に進出しようとしたのか。そのあたりの事情を、日経BP記者を経て現在はコンサルタントと執筆活動を行っている加谷珪一氏が現代ビジネスに寄稿したコラムから紐解きます。タイトルは『経産省が、台湾の半導体大手TSMCに「日本での工場建設」を"懇願"してきたワケ 追い込まれる日本』(10/27)です。

 ◇

半導体受託生産(ファウンドリー)の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)が日本では初となる工場を熊本県に建設する計画を明らかにした。なぜ日本メーカーではなく、台湾メーカーがわざわざ日本国内に工場を建設するのだろうか。

経産省の根本的な戦略転換

TSMCは世界各国の半導体メーカーから半導体の製造を受託している。半導体産業は水平分業化が進んでおり、工場を持たずに半導体の設計に特化する企業(ファブレス企業)と、ファブレス企業から製造を請け負う企業との間で明確な役割分担が出来上がっている。画像処理やAI(人工知能)チップを手がける米エヌビディアやスマホ向け半導体を開発する米クアルコムなどは典型的なファブレス・メーカーで、自ら製造は行わない。

世界最大の半導体メーカーである米インテルは、製品の開発から製造まで一貫して行っているが、多くのメーカーが生産を外部に委託するようになっており、中でもTSMCは世界シェアの半分を占めるなど突出した存在である。米アップルのiPhoneに搭載されているチップの製造を同社が一手に引き受けるなど、ファウンドリー企業がなければ、世界の半導体産業は回らないという状況になっている。

日本の半導体産業は致命的な戦略ミスが続き、ほぼ壊滅状態となっており、製造技術という点でもすでに台湾勢に先を越されている。経済産業省は「日の丸半導体」の復活を掲げ、巨額の税金を投入して支援を続けてきたが、ほとんど効果を発揮しなかった。

日本メーカーの完全敗北という現実を前に、同省はようやく現実に気付き、半導体メーカーを復活させるのではなく、半導体メーカーに部材や製造装置などを提供する国内メーカーが存続できるよう支援するという現実的戦略に切り替えた。そこで同省が秋波を送ったのが世界最大手のTSMCである。

同省はTSMCに日本国内に製造拠点を作ってもらえるよう要請を繰り返したが、話は簡単には進まなかった。台湾は半導体産業が高度に集約しており、高い技術を必要とする最先端プロセスの工場は台湾に建設した方がよいに決まっている。日本に最先端プロセスの工場を建設すれば、台湾から日本に技術が流出する可能性もあるので、当然、TSMC側は警戒する(一昔前までは、日本が海外に進出する際、技術が流出するのではないかと懸念する声が上がっていたが、今や状況は完全に逆転した)。

一方でファウンドリー企業は、それほど高い技術を要しない旧世代のプロセスについても、製品ニーズがある限り、製造拠点を維持する必要がある。旧世代のプロセスを用いた工場を誘致するという選択肢もあるが、こうした製造拠点はコスト要求が厳しいので、日本は適地とは言えない。日本は中国や米国などと比較すると半導体の購入額が小さく、TSMCにとって大口顧客とは言えず、専用に工場を建設するインセンティブが小さいというのが現実だ。

米中対立が風向きを変えた

一時はTSMCの日本誘致は暗礁に乗り上げたと見られていたが、思わぬ神風が吹いた。コロナ危機をきっかけとした全世界的な半導体不足と米中対立による経済安全保障である。

コロナ危機の発生でテレワークが普及したことで、全世界的にパソコンなどの需要が急拡大した。加えて、コロナ後の社会ではビジネスのIT化が急激に進むとの予想から、各国企業がIT投資を加速。その結果、全世界的に半導体が極度の品薄になるという異常事態が発生した。

しかも米国は安全保障の観点から、米国内に半導体工場を積極的に建設するようTSMCに要請を行っている。現時点において、全世界における半導体製造の約7割が台湾で行われており、台湾海峡で有事が発生した際には、半導体のサプライチェーンに深刻な影響が及ぶのは確実である。

米国はリスク分散を図る必要があり、一連の事情に配慮したTSMCは米国アリゾナ州に最先端プロセスの工場建設を決めた。経済産業省はこうした動きをうまく利用し、TSMCに対して日本進出を再度要請。とうとうTSMC側が了承し、今回の発表となった。

もっとも米国とは異なり、日本はTSMCにとって大口顧客ではないため、日本側からの一方的な「お願い」にならざるを得ない。同社が日本に建設するのは、回路線幅が22ナノメートルと28ナノメートルの製造ラインで、一世代前の古い技術である。加えて日本政府は、TSMCに対してかなりの支援を行うとみられ、岸田政権は2021年度補正予算に同社への支援を念頭に数千億円の予算を確保する。

今回の工場建設には政府が支援すると同時に、ソニーやデンソーも出資することが決まっている。新工場はソニーの半導体製造拠点の近くに建設される予定で、新工場で製造された半導体はソニーやデンソーなど国内メーカーが購入すると思われる。TSMCにしてみれば、巨額の建設資金について支援を受けることができ、古い技術であることから日本に技術が流出する心配がなく、しかも製品を買ってくれる相手が最初から決まっているという破格の好条件といってよいだろう。

日本の現実を考えると妥当な選択

今回の工場誘致については、日本の半導体産業の復活にはつながらない、投入する税金の割に効果が少ない、といった批判の声も上がっている。確かに外国メーカーに多額の資金を税金から供与するというのは、あまりにもお人好し過ぎるとの意見が出るのはやむを得ない。だが、今回の決断はギリギリ妥当なものであると筆者は考えている。

国内では半導体産業の復活を願う声がいまだに存在しているが、現実問題としてそれは不可能である。高付加価値な半導体の設計では圧倒的に欧米企業が強く、チップの製造においては台湾勢や韓国勢が突出している。日本メーカーはどちらの分野においても太刀打ちできる状況ではなく、日本はこの現実を受け入れる必要がある。

国内に工場を誘致して雇用を生み出し、そこで製造される製品を国内企業が利用するというのは、典型的な発展途上国の産業政策であり、こうしたやり方について快く思わない人もいるだろう。だが、国際競争力を著しく失った今の日本の半導体産業にとって、もはや残された選択肢は少ない。

ワクチンの確保でもそうだったが、日本は世界に対して完全に買い負け状態となっており、国内では多くの製品が手に入りにくい状況となっている。カーナビやプリンターはずっと品切れが続いているし、自動車も一部のモデルでは納車が半年待ちである。このままでは日本は常にモノ不足に悩まされる国に成り下がってしまうだろう。

労働者の賃金という点でもメリットが大きい。本来であれば、サービス産業の付加価値を上げ、平均賃金を引き上げる必要があるが、それには時間がかかる。現時点では製造業とサービス業には大きな賃金差があり、地方にとって工場が建設されることは、賃金が大きく上昇することを意味している。

半導体の工場に部材や検査装置を納入するメーカーにとっても朗報となる。同じ縁の下の力持ちといっても、東京エレクトロンなどトップメーカーは、半導体がどこで製造されようが製品を輸出できる。だが中堅以下のメーカーの場合、国内に工場がなければビジネスを継続できないというケースが出てくる可能性が高い。とりあえず外資で古いプロセスとはいえ、国内に工場が存続することはそれなりの時間稼ぎになる。

もっとも、こうした戦略はあくまでも暫定的な措置であり、これで日本の産業が本格的に復活するわけではない。日本は国内消費市場を活用した内需拡大で成長すべきであり、半導体企業の誘致は、それまでの現実解であるとの割り切りが必要だ。

 ◇

 記事中TSMCの誘致は「典型的な発展途上国の産業政策」とありますが、いつまでも先進国の奢りを持っていては、ワクチン同様、第2、第3の半導体産業が生まれるでしょう。

 政治の焦点に分配政策や格差是正も必要でしょうが、こうした産業の疲弊をおさえ、再興し、また新しい産業の育成を真剣になって進めなければ、明日の日本はますます危うくなっていくでしょう。日本経済の強靱化が待ったなしです。

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