何よりもカネを信じ、すぐ買い占めに走る「中国人」の心理
今回は中国の国民性を取り上げます。中国人と言っても14億人もいるわけですから、中国人は皆こうです、と言う断定的なことは言えないでしょう。日本人だって同じです。
ところで一般的に、中国人の国民性というと「拝金主義」と口汚く言う人がいますが、あながち間違ってはいないようです。Newsweek誌に載った風刺コラムに、その一片を見ることができます。タイトルは『何よりもカネを信じ、すぐ買い占めに走る「中国人」の心理』(11/16)で、以下に引用します。
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<台湾で「買い占めが起きている」と中国メディアが報じると、中国で買い占めが起きた。その心理の根本にあるものとは?>
中国のCCTV(中国中央電視台)ネット版は10月31日、「42.6%の台湾民衆が台湾海峡での戦争を恐れ、一部は買い占めを始めた」という記事を報じた。根拠がない内容で、台湾人は平気で暮らしていたが、何と逆の事態が起きた。中国国内で買い占め騒動が発生したのだ。
きっかけは商務省が11月1日に出した「日常生活における緊急事態に対応するため、各家庭は一定の生活必需品を貯蔵すべき」という通知だ。これは中国人に台湾との戦争を連想させ、後に政府は例年同じ通知を出していると弁解したが、なかには300キロのコメを買い占めた人もいた。
中国人はなぜ買い占めに走るのか。かつて深刻な物資不足の時代を経験しているからだけではない。政府の朝令暮改、政策決定の不透明さ、情報公開不足に根本的な原因がある。中国人はデマを信じやすく不安になりがちで、ちょっとしたことでも慌てて食料や生活必需品を買い占めようとする。
高官が国民の投票でなく、上層部の「関係」によって決められることも政府不信の原因だろう。高官たちは自分より上の権力者の顔色をうかがいがちだ。
ミャンマー国境に接する雲南省瑞麗市は、中央政府の「新型コロナウイルスの感染ゼロ」目標を徹底するため、今年だけで5回もロックダウン(都市封鎖)した。工場や会社は休業となり、ほとんどの人はこの1年間無収入で政府から補助金ももらえない。一方でローンは支払わなければならず、「瑞麗の人々を助けて!」という投稿もネットに出現した。だが市長ら地元官僚は中央からの責任追及を恐れ「生活は安定しており、よそからの援助は必要ない」と、市民の窮状を断固否定した。
中国では、庶民の訴えが簡単に無視される。だから彼らはあれこれ知恵を絞ってカネを儲け、十分な量の食料や生活必需品をそばに置いて初めて安心できる。買い占めだけが唯一、自分と家族を守ってくれる手段なのである。
「中国共産党は中国人民の幸福を図ることを自らの使命としている」と、習近平(シー・チンピン)主席は昨年の重要講話の中で発言した。台湾統一も彼の使命だが、こんな「幸福」なら台湾人は断固お断りだろう。
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日本でもオイルショックや緊急事態宣言下で、トイレットペーパーなどの買い占めが起こりました。しかし「デマ」を元にした買い占めは殆どないでしょう。あの「イソジンでコロナが抑えられる」と吉村知事が発言して、買いまくりが起こった件も、完全なデマとは言えないでしょう。
それより中国人の「拝金主義」は、どうも共産党政府が信じられない、ということから来ているようです。我々外の人間から見ると、共産党が信じられないのは至極当たり前に思いますが、情報を完全に統制している中国においても、国民はうすうす気づいているのですね。共産党員自身も自国を信用できなくて、幹部になるほどアメリカなどに資産を移していることから、信じていないことが窺えます。
そんな国民の不信感の中で、習近平氏は来年三期目の国家主席につくようですが、その任期5年のうちに、中国の崩壊が始まるかも知れません。神のみぞ知る、でしょうが。
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