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2021年11月15日 (月)

野党の体たらくが招く日本の不幸:「国民のための国会に」

2021110200000029nkgendai0001view  国会の改革が叫ばれて久しくなります。なぜ改革しなければならないのか、それは国会が国家、国民のために必要で十分な質疑を行い、法律を制定し、予算を決定し、条約締結のための承認を行い、憲法改正の発議をするところなのに、その機能や権限を十分に発揮していないところにあります。

 その原因は与野党の議論が国家、国民のためという大前提を外れ、党利党略に明け暮れているところにあります。特に野党側にその責任が大きい。つまり批判のための批判しかしない野党が多くを占めていることにあります。いわゆる「健全な野党」が育っていないのです。

 今回はその点に焦点を当てます。産経新聞の政治部長の大谷次郎氏が同紙のコラムで見解を述べています。タイトルは『「健全な野党」なぜ育たない 尾を引く立共「共闘路線」の失敗』で、以下に引用して掲載します。

 ◇

日本には政権交代可能な「健全な野党」が育っていない。今回の衆院選で立憲民主党と共産党は政権奪取した際の「限定的な閣外協力」で手を結び、野党候補の一本化に突き進んだが、結果は惨敗。国民は自民党と公明党の連立与党に軍配をあげた。緊張感のある政治を生むはずの健全な野党が誕生するだろうか。永田町の勢力図がどう変化するのか目が離せない。

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相いれない相手と

立憲民主党は12日、国会内で両院議員総会を開き、10月の衆院選で議席を減らした責任をとって辞意を表明していた枝野幸男代表の辞任を正式に了承した。枝野氏は吹っ切れたような表情で、「新しい代表のもと、政権獲得に向けて一致結束してもらいたい」と述べた。

立憲民主党は今回、公示前の110議席から14議席減らし、96議席にとどまった。その大きな要因は、枝野氏が今年9月に共産党の志位和夫委員長と合意した「限定的な閣外協力」だったといえる。複数の野党候補が互いの票を奪い合うことを避けるため候補者の一本化を狙ったとはいえ、あまりに拙速だった。

共産党は「日米安全保障条約の廃棄」「米軍基地の撤退」「自衛隊の解消」を掲げており、枝野氏の「日米同盟を軸とした現実的な外交・安全保障政策」とは本来、全く相いれない。

折しも、中国とロシアの海軍艦艇が日本を周回する特異な行動に出たほか、北朝鮮が新型とみられる弾道ミサイルの発射を繰り返している。日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、立共「共闘」路線に国民が違和感を覚えたことは間違いない。

自民党幹部も一斉に批判を展開した。麻生太郎副総裁は街頭演説で「立憲民主党はいま『立憲共産党』になっている。日本のかじ取りを任せるわけにはいかない」と攻撃し、甘利明幹事長(当時)も「政府の意思決定に共産党の意思が入ってくる。日本の政治史上、一度もなかったことだ」と牽制(けんせい)した。

枝野氏は衆院選期間中、「閣外協力ではない。閣外『からの』協力だ」と共産党と一定の距離を置いたが、志位氏は「閣外協力」と言い続けた。共産党は「協力関係を発展させたい」として、来年夏の参院選に向けて共闘路線を続ける構えを見せる。

立憲民主党は枝野氏の代表辞任に伴う代表選を19日告示・30日投開票の日程で行う。新代表は共闘路線を継続するか、見直しにかじを切るのかが焦点となる。

二大政党制は遠く

「政権交代可能な二大政党制」「政策本位の政治体制」を目指した政治改革関連法が成立したのは平成6年のこと。その新しい小選挙区比例代表並立制で初めて衆院選が行われたのが、ちょうど四半世紀前の8年10月だ。以来9回の衆院選が行われている。

21年の衆院選で、当時の民主党が自民党から政権を奪取し、二大政党制が定着するかに思われた。ところが首相が約1年ごとに交代するなど迷走を続けた。政権運営は行き詰まり、「悪夢の民主党政権」とまでいわれた。

自民党が24年の衆院選で再び政権の座に就くと、安倍晋三元首相の長期政権が続く。国政選挙で勝利を重ね、自民党「1強」といわれた。

この間、野党勢力は離合集散を繰り返し「多弱」と揶揄(やゆ)されてきた。

ただ、立憲民主党は昨年9月、たもとを分かった旧国民民主党の大半の議員を取り込む形で、新たな立憲民主党を発足させる。今年4月の衆参3補選・再選挙で野党系候補が全勝した。野党勢力が結束すれば次期衆院選でも勝機が見いだせるとの空気が広まった。

立憲民主党は今回、全選挙区の7割以上にあたる213選挙区で共産党などと野党候補を一本化した。135選挙区で事実上の与野党一騎打ちの構図に持ち込むと、「政権交代を実現する」「政権選択の選挙だ」と息巻いた。

しかし、やはり拙速だったようだ。政策本位でなければ国民の目には単なる数合わせに映る。立憲民主党は支援団体である日本労働組合総連合会(連合)からも距離を置かれた。政権担当能力に疑問符がつくのは当然だ。立共共闘のつまずきは野党第一党の立場さえ揺るがしかねない。

疑似政権交代論

政権を担える「健全な野党」が存在しなければ、今後も自民党と公明党の連立政権が続くことになる。自民党内の「二大派閥体制」を持論とする麻生氏はかつて、こう語っていた。

「学生時代、二大政党が政権交代することが民主主義の最も正しい姿だと学んだ。だが、自民党の中で大きな政策集団(派閥)が切磋琢磨(せっさたくま)する形の方が、よほど政治が安定し、きちんとした政策ができる」

自民党の伝統派閥・宏池会の流れをくむ岸田派(宏池会=42人)と麻生派(志公会=53人)、谷垣グループ(有隣会)が再結集すれば、最大派閥の安倍派(清和政策研究会=93人)と勢力が拮(きっ)抗(こう)する2つの大きな派閥ができる。両派から交互に総裁を出し、党内で疑似政権交代を繰り返すことで政治は安定するという発想だ。

麻生氏は野党の凋落(ちょうらく)を受け、「自民党の二大派閥体制に収斂(しゅうれん)していくだろう。焦る必要はない」と周囲に語っている。今後も政権担当能力のある野党勢力は出てこない、と言わんばかりだ。安倍派は、約9年ぶりに細田派に戻った安倍氏が派閥会長に就任し、衣替えした。二大派閥体制の動きが進む可能性がある。

先の衆院選で、長期政権の「緩み」が指摘される自民党への批判・不満票が流れた先は、「共産アレルギー」も手伝って、立共「共闘」路線と一線を画した日本維新の会だった。「対立より解決」を掲げた国民民主党でもあった。

日本維新の会の松井一郎代表は今月6日、初当選した議員らを前に「41議席をとったから自分が国を動かすなんていうと、それはウソ八百だ。動かす力なんかない。衆院選で約束したことを一つ一つ確実にやることだ」と党内の引き締めを図った。

国民民主党の玉木雄一郎代表も4日の記者会見で「あらゆる政党と、ときには与党とも一致できるところは賛成する。マスコミの前でパフォーマンス的にやることは避けたい」と述べ、政策本位で判断していく考えを強調した。

両党は連携して国会対応などを行うことを確認したが、健全な野党として展望が描けているわけではない。自公連立政権に批判的な立場をとり続けたら立憲民主党などと同じだと見られてしまう。逆に自公政権に近寄り過ぎれば、からめ捕られかねない。第三極としての立ち位置は難しい。

これから立憲民主党が再び野党勢力を糾合する核になるか。第三極が存在感を示し、さらに勢力を拡大させるのか。

いずれにせよ、政権担当能力を備えた健全な野党が誕生するには時間がかかりそうで、自民党内の派閥による疑似政権交代が続く可能性が高い。

 ◇

 二大政党を目指すならば、アメリカやイギリスのような、両方の政党共に政権を担うことのできる、しっかりした理念や現実的な実行力を持たなければならないでしょう。残念ながら今の野党の何処も、外交や経済、安全保障や社会保障などのすべてにおいて、国を動かしていく力は持ち合わしていません。

 ですから結果として、何とか数を増やしたいがために、野合を重ねたり、与党を批判することでしか、存在感を示せないのだと思います。「健全な野党」を生むためにも、国会の機能の原点に返り、国や国民のため十分議論のできる国会議員作りをすることから始めるしかありません。国会議員の質が向上しない限り、「健全な野党」も二大政党制も空論に終わってしまうでしょう。

 また、二大政党制が日本の政治風土に合っているのかも、議論の対象になると思います。国会の制度改革をしっかりすれば、批判やスキャンダル追及だけの質疑はなくせますし、国益や国民の利益に沿わない、無駄な議論もなくせるでしょう。そうなれば多党の中での健全国会も成り立つと思います。要は議員一人一人の質の向上にかかっていますし、それはすなわち、議員を選ぶ側の国民一人一人の真剣な政治参画意識につながっているものだと思います。

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