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2021年12月28日 (火)

竹島に韓国人が毎日400人以上上陸する状況を作った日本の責任

11_20211228144301  来年2月22日、また「竹島の日」がやってきます。日本固有の領土と主張しながら、戦後韓国に不法占拠されて以降今日まで、殆ど対抗手段を執ってこなかった日本政府。島根県主催の「竹島の日記念式典」に、県から閣僚の出席を求められながら、政務官しか派遣しなかったことは、政府の腰の引けた態度をまさに表わしているようです。

 尖閣には注目しながら、竹島には見て見ぬ振りをするような政府の態度。それはどこから来ているのでしょうか。この竹島問題に、韓国人でありながら韓国の政治状況に苦言を呈し続けている、コラムニストのファンドビルダー氏が、JBpressに寄稿した記事を参照します。前後編に分かれていて、今回は前編を取り上げます。『竹島に韓国人が毎日400人以上上陸する状況を作った日本の責任 暗黙の合意を破った韓国に原状回復を求めなかったツケが今に』(12/17)、以下に引用して掲載します。

 ◇

 1965年の日韓請求権協定以降、30年以上、日本と韓国は竹島に関して、事実上「未解決保留」という原則を守ってきた。実効支配しているのは韓国であり、このような「未解決保留」状態が続いているということは、実際は日本に対する「判定勝ち」であり、「竹島の完全所有」と違わない、有利な状況と見ることができる。ところが、この有利な状況を韓国自身が先に蹴飛ばした。今では毎日平均で400人以上が竹島に上陸している。この状況を覆すにはどうすればいいのか。韓国における保守派論客として知られるファンドビルダー氏の論考(前編)。

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 2021年11月24日、米政府(国務省)は、韓国の与党(ともに民主党)代表が竹島に関して米国に不満を表明したことに、こう答えた。

「米国は、リアンクル暗礁の領有権に関しては、どんな立場も取らない」

 米国は以前から、「リアンクル暗礁」という表現を使い続けている。「リアンクル」とは、1849年に竹島を発見したフランスの捕鯨船「リアンクル号」から取った名称だ。米国は、韓国式表現の「独島」という名称を拒否することで、該当地域が紛争状態にあるということを明らかにしたのだ。

 韓国の与党代表が、11月19日に米国に向かって表明した不満は、以下のような内容だった。

「第二次世界大戦後のサンフランシスコ講和会議で、米国が日本サイドに偏った立場を取ったため、独島と関連した紛争の種を蒔いた。したがって、責任は米国にある。この領有権紛争問題が武力によって展開する場合、独島は当然、米韓相互防衛条約の適用を受ける領土に含まれなければならない」

 すなわち、米国が1951年のサンフランシスコ講和会議で韓国に配慮しなかったために、今日、日本が領有権主張をすることになった。もし領有権に関連して、日韓間で武力衝突が発生するような場合、米国は米韓相互防衛条約に基づき、日本を攻撃しなければならないという話だ。このような非常識で自己中心的な韓国の主張に、米政府は本当に情けない思いをしたことだろう。

 1965年の日韓請求権協定以降、30年以上、日本と韓国は竹島に関して、事実上「未解決保留」という原則を守ってきた。「現状を維持し、互いに領有権主張をすることを許容する」という暗黙の合意であった。実効支配しているのは韓国であり、このような「未解決保留」状態が続いているということは、実際は日本に対する「判定勝ち」であり、「竹島の完全所有」と違わない、有利な状況であると見ることができる。

 ところが、こういう有利な状況を、韓国自身が先に蹴とばしてしまった。1997年に、金泳三大統領が竹島に船舶接岸施設と防波堤を建設することで、「現状維持」という暗黙的合意を破ったのだ。これを契機に、日韓間の領有権紛争は、本格的に幕を上げることになった。

竹島領有を巡り韓国に発した駐日米国大使の一言

 2006年、盧武鉉大統領は、国際水路機関(IHO)を通じて、竹島周辺海域に韓国式名称を登録しようとし、また、一般人も竹島に上陸することができるように開放した。

 以後、竹島では、あらゆる韓国芸能人の反日パフォーマンスが展開され、青少年探訪、テコンドー公演、韓服ファッションショー、囲碁大会など、各種行事が次々と開催された。実弾射撃訓錬も実施されたし、国会議員の万歳三唱の舞台にまで使用された。2012年には、当時の李明博大統領まで上陸している。

 日本はこれに反発して、各種教科書に竹島の領有権主張を掲載し、2006年からは「竹島の日」という行事を実施している。2006年に、当時のジョン・トーマス・シーファー駐日米国大使は、日韓間の領有権紛争に関して、米国務部などにこういう内容の電文を送った。

「日本は、国際法の許容範囲内で権利を行使している。しかし、韓国は非合理(irrational)に行動している。韓国が、狂ったことをしたり(do something crazy)、重大な問題を引き起こしたりする可能性が憂慮される。問題の平和的解決のために、両者は、一歩ずつ退かなければならない」

 ところが、2021年11月16日、韓国の警察庁長官が竹島に上陸した。日米韓外交次官の共同記者会見の前日のことで、日本政府の事前警告があったにもかかわらず、強行したのだ。韓国はこれで、実効支配する竹島を利用し、露骨に日本を無視し嘲笑するという意図を、はっきり示したと言える。

 竹島に関連して、韓国がこのような病的な反日を展開する裏側には、日本側の責任もかなりある。その間、日本は、「良き隣人」になろうと努力していたが、これは大失敗であった。韓国が正常な国家ではなく、反日共和国という事実を、日本がまったくわかっていないからだった。

実は竹島問題の転換点だった安倍政権の誕生

 2012年8月10日、李明博大統領が竹島に上陸した時、日本政府は激怒した。駐韓日本大使は召喚され、8月17日、日本政府は、竹島領有権問題を国際司法裁判所(ICJ)の判決で解決しようと、韓国側に提案した。1954年、1962年に続く、3度目の提案だった。

 韓国は、日本側の提案をすぐに拒絶した。すると日本は、8月30日、単独で竹島問題をICJに提訴すると明らかにした。

 国際司法裁判所への訴訟が成立するためには、両者の賛成がなければならない。韓国が応じなければ、裁判は成立しない。それでも、単独提訴にともなう効果は無視できない。

 単独提訴によって、日本は竹島問題を平和的に解決しようと努力しているのに、韓国はこのような努力を度々拒否するという点を国際社会にアピールすることができる。単独提訴でICJに訴状が受理されれば、日本側の主張が込められた莫大な分量の訴状資料が、ICJホームページに公的に掲示される。日本の領有権主張が、権威あるICJを通じて発信されるのだ。

 当時、日本はICJ単独提訴のための訴状の作成作業に突入し、10月13日に作業完了し、提訴時期を待つばかりになった。韓国政府は、このような日本側の単独提訴の動きに強く反発し、日本の単独提訴を防ぐために奔走した。

 それでも日本側は単独提訴の意を最後まで曲げなかったし、韓国はより一層強く反発した。最終的に出てきたのは米国だ。11月17日、オバマ政権は、「日本がICJに単独提訴すれば、韓国内の反日感情が高まって、米日韓協力に悪影響があるだろう」と、日本側を説得した。これによって当時の野田政権は停滞し、おりしも日本は総選挙の時期を迎えた。

 そして、安倍政権が圧勝し、新政権は「これまでICJでの単独提訴を準備してきたが、韓国政府との外交関係を考慮し、これを留保することに決定した」と明らかにした。さらに、「自民党総裁選公約で、2月22日の『竹島の日』行事を政府主催の行事として格上げするとしたが、韓国との外交関係を考慮し、これもまた留保することにした」と発表した。

 以後、島根県などから日本政府に向けて、「ICJ単独提訴推進せよ!」という要求があったが、日本政府は韓国に配慮して提訴しなかった。

韓国人にすり込まれた悪しき学習効果

 2016年8月15日に、韓国の「国会独島訪問団」所属の与野党議員10人が、竹島に上陸して、万歳三唱を叫んだ。韓国の与野党は、普段はことあるごとに対立するが、病的な反日に対しては、こういう形で一心同体となる。反日共和国だからこそできることだ。

 今回、韓国の警察庁長官が、日本の事前警告にもかかわらず、竹島に上陸したのは、韓国人に根を下ろしている「良き隣人日本」という学習効果のせいだ。

 日本は、竹島問題が浮上するたびに「ICJ提訴」等を検討したが、最終的にはしっぽを巻く姿を見せている。経済制裁などの実質的な報復は、一度もなかった。つまるところ、韓国人は多くの経験によって、いくら竹島を利用して日本を嘲笑し蔑視しても、日本は結局しっぽを巻くという確信を持つようになったのだ。

「現状を維持し、互いに領有権主張をすることを許容する」という暗黙的合意を破って、韓国が、1997年、竹島に接岸施設と防波堤を建設するという「現状破壊行動」を起こした時、日本は断固反対して、韓国が即時「原状回復」(接岸施設、防波堤建設中断および撤去)させなければならなかった。

 だが当時、日本はそのようにしなかった。韓国政府の強い反発と、韓国人の猛烈な反日騒乱などを憂慮して、適当にお茶を濁したのだ。ところが、騒乱を恐れれば、その後には耐えられないほどの大乱を体験することになる。1997年、韓国の接岸施設と防波堤建設という最初の「現状破壊行動」に対してまともに対処できなかった結果、今日、日本は大乱に直面した。

 ◇

 本当に情けない日本外交の姿が浮き彫りになっています。かつて事実上主権を奪われた併合時代の韓国が、今になって竹島を舞台に日本の主権を奪ってほくそ笑んでいるようにも見えます。この弱腰外交の由来は、もちろんGHQにより徹底的にたたき込まれた自虐史観と、それに伴う弱体化政策の象徴的姿である、戦力保持を禁じ戦えなくしてしまった憲法9条によるものでしょう。軍事力背景なき外交は「遺憾、遺憾」の口先外交にしか過ぎません。

 かつての併合先の韓国への自虐対応、そして二度と刃向かえないようにされた米国への忖度が、堂々と米国に要求する韓国に対し、オバマ政権からちょっとアドバイスされると、すぐに引き下がってしまう日本という構図に、見事に現れています。

 このコラムは後編に続きますが、何しろ「反日共和国」である韓国とは、「良き隣人」などという考え方をかなぐり捨てて、それこそ「国益優先のおとなの対応」を見せつける必要があります。あの安倍元首相もこの「良き隣人」に埋没してしまったようですから、岸田政権はよほど心して対応しなければならないでしょう。

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