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2021年12月18日 (土)

老齢化が進み劣化する共産党:元党員が内情告発

20211101ds86_p  先月もこのブログで、元党員による日本共産党の裏の実態を取り上げましたが、今回はその第2弾です。

 共産党は先の総選挙で、立憲民主党を中心とする野党との選挙協力を取り決め、連合政権を目指すと意気込みましたが、結果は議席数を減らし、一敗地に塗(まみ)れたといった方がいいでしょう。

 それでも委員長の志位氏からは、まるで負け惜しみとしか思えない選挙総括が示されました。その内容と、共産党が直面する数々の問題を、元党員で現在は政治評論家の筆坂秀世氏が、JBpressに寄稿したコラムから見てみましょう。タイトルは『支配勢力を追い詰めた?勘違い選挙総括が示す共産党の劣化ぶり 20年以上も同じトップが君臨するいびつな体制』(12/14)で、以下に引用します。

 ◇

 共産党は11月27、28日の2日間にわたって中央委員会総会を開催し、志位和夫委員長による10月の衆院選の総括と、来年(2022年)の参院選挙を戦う方針を確認した。

 まず、政権交代を前面に押し出した衆院選での戦略について、志位委員長はどういう総括をしているのか。要旨は次の通りである。

・共産党は、「野党共闘で政権交代をはじめよう」と力いっぱい訴えた。都道府県・地区・候補者からのアンケートでも、政権交代への歴史的挑戦の訴えを行ったことは良かったという感想が、共通して語られている。「野党共闘で政権交代をはじめよう」という訴えは、最初のチャレンジとして歴史的意義をもつものだった。

・支配勢力――自公と補完勢力から見れば、心底恐ろしい展開となった。野党共闘によって、多くの候補者が小選挙区で敗北する危険が生まれただけではない。彼らにとって最悪の場合には、日本の歴史でも初めて、日本共産党が協力する政権が生まれることになるからだ。

・野党共闘と日本共産党が、支配勢力を攻め込み、追い詰めるなかで、相手も必死の反撃で応える──“政治対決の弁証法”の角度から、選挙結果をとらえることが重要である。

 “政治対決の弁証法”などという難しい言葉を使っているが、要はこちらが攻めれば、相手も攻め返してくるというだけことなのだ。なぜこんな難しい言葉を使うかと言えば、マルクス主義は、弁証法的唯物論という哲学的立場に立っている。弁証法という用語を使うことによってマルクス主義的な、科学的な選挙結果の分析を行っているというように装っているだけだ。

 だが、まるで自分たちが自公政権や日本維新の会を追い詰めたかのような総括のどこが科学的分析なのか。追い詰められたのは、どう考えても共産党と立憲民主党の側である。立憲民主党などは、枝野代表が辞任に追い込まれてしまった。こんなご都合主義的分析をいつまで続けるつもりか。

若い人が入ってこない共産党の現状

 共産党の現状については、次のような率直な分析もなされている。

・敗北の根本には、党の自力の問題がある。世代的継承の取り組みが前進していない。今回の総選挙は、前回総選挙時比で、党員92.2%、日刊紙88.6%、日曜版87.3%で戦った。都道府県・地区からのアンケートでも、力不足、自力の問題、世代的継承の問題が、痛切な教訓として報告されている。

 世代的継承というのは、若い人たちが共産党に入ってこない、高齢者中心の党になっている、ということだ。

 共産党は今でも建前では社会主義を目指しているはずだ。そういう革命政党に若者が入ってこないというのは、致命的な弱点である。“高齢者集団の革命政党”など、ほぼジョークの世界である。機関紙であり、党の収入の約8割を占める「しんぶん赤旗」も減り続けている。かつて公称350万部発行されていたが、昨年(2020年)の党大会では約100万部と報告されている。すでに100万部も切っていることだろう。

 だが強気な姿勢は変わらない。志位氏は、次のように選挙総括を結んでいる。

・マルクスは、かつてフランスにおける階級闘争の歴史を論じた論文(『フランスにおける階級闘争 1848年から1850年まで』、1850年)のなかで、革命は「結束した強力な反革命」を生みだすことにより、それと戦うことによって、自分の本当の成長を勝ち取りながら、前進の道を切り開くということを指摘したことがある。わが国における今日の国政をめぐる進歩と反動の闘争の弁証法は、マルクスの170年前のこの指摘と共通する特徴をもっている。

 170年前のマルクスの言葉を借りなければ、党員の落ち込んだ気持ちを盛り上げることができないとは、もはや情けないと言うしかあるまい。今の共産党に現状をひっくり返す力があれば、このマルクスの言葉も生きるかもしれない。しかし、それがなければ、ほとんど何の意味もない言葉となってしまう。

20年以上も同じトップが君臨

 今回の選挙総括を読んでみて思うことは、志位体制の著しい劣化である。選挙総括には「支配勢力」という表現が何度も出てくる。自公体制のことだ。自公を支配勢力と呼んでいる。こんな言葉は広辞苑にも載っていない。

 いまや18歳から男女ともに選挙権がある。この国民が選んだのが自民党であり、公明党、日本維新の会なのである。この党を選んだ国民は唾棄すべき国民だとでも言うのだろうか。

 志位氏は委員長職に就いて20年以上になる。志位体制の劣化は、党内民主主義の欠落した共産党の体制がもたらしたものでもある。

 共産党の党規約第13条には、次のようにある。

・党のすべての指導機関は、党大会、それぞれの党会議および支部総会で選挙によって選出される。中央、都道府県および地区の役員に選挙される場合は、2年以上の党歴が必要である。

・選挙人は自由に候補者を推薦することができる。指導機関は、次期委員会を構成する候補者を推薦する。選挙人は、候補者の品性、能力、経歴について審査する。

・選挙は無記名投票による。表決は、候補者一人ひとりについておこなう。

 この規約を読んですぐに分かることがある。立候補の規定がないことだ。私自身も長い間、共産党に籍を置いていたが、中央委員、都道府県委員、地区委員の選挙で立候補した人を見たことがない。立候補制度がない選挙などあり得ない。

 大原則は推薦なのである。しかも、「指導機関は、次期委員会を構成する候補者を推薦する」と規定されている。党外の人には、もはや理解不能だと思うが、現在の執行部が、次の執行部の名簿を作成するということなのである。共産党の指導機関で一番上位にある中央委員会を構成する中央委員、准中央委員は200人を超えている。党大会では、この中央委員を決めるため、現在の中央委員会がその名簿を作成する。要するに、志位氏らが名簿を作成するわけだ。

 投票用紙には、この200人を超える候補者名簿が印刷されており、最高裁判事の国民審査のように、駄目と思う人に印を付けるというやり方である。だが肝心の投票する人は、志位氏や国会議員クラスなら名前などを知っているが、ほとんどは知らない人なのである。全国47都道府県から選ばれるが、その党員を全部知っている人などいない。つまり、まったく知らない人を選ぶのである。要するに選挙などと呼べる代物ではないのだ。

 これはトップの委員長を決める際も一緒である。選挙で選んだことなど一度もない。志位氏の役職は正式には「幹部会委員長」である。幹部会で決めるが、私が幹部会にいたときには、一番高齢の幹部会委員が仮議長に就き、「幹部会委員長をどうしましょうか」と発言すると、間髪入れずに「志位同志を推薦します」という声が上がり、一斉に拍手があって決まるというようなやり方だった。今もほぼ同じようなものなのである。

 しかしわが国は民主主義の国である。その国で20年以上も同じトップが君臨する政党が存在するということ自体、異常な姿である。そんな政党に民主主義や自由を語る資格はない。

地球上のどこでも証明されていない「歴史的必然」

 衆院選挙では、共産党自身も総括で述べているように、激しい共産党攻撃がなされた。しかしそれは仕方がないことである。いまだにマルクスの一言一句を金科玉条のごとく扱っている。

「資本主義から社会主義への移行は歴史的必然」という考え方が、マルクス主義の真髄だとされてきた。だが百数十年経っても、この地球上のどこでも証明されていない。歴史的必然などではなかったのだ。それどころか中国といいロシアといい、社会主義革命とその崩壊、中国共産党やソ連共産党がもたらしたものは、人類への巨大な災厄ばかりであった。言語道断の人権侵害や覇権主義も目に余るものがある。

 日本共産党がいまだにマルクス主義にしがみつき、社会主義革命をあきらめない以上、同じ批判にさらされても仕方がないことなのである。このことに気が付かないところに、現在の志位体制の著しい劣化がある。

 ◇

 筆坂氏の指摘する、日本共産党の党内選挙の実態を見ると、選挙とは名ばかりであり、推薦方式で現状幹部がそれを決める点は、あの中国の選出方式とほぼ同じだと言うことが分かります。そこに民主的な方法は全くと言っていいほどありません。つまりトップになった人物の独裁が成り立ってしまっているのです。ですから志位委員長が20年以上もトップに君臨し、その前の不破氏も宮本氏も(不破氏の前の村上氏は例外的に1年半でしたが)。

 このように、民主主義国家の中でそれを相容れない社会主義を目指すこの党が、政権を取ることなど全く許されないし、実現性もありません。立憲民主党は浅はかにもそれを忘れて選挙協力を組み、同様に敗れ去りました。もう二度と共闘を組むことなど自殺行為だと思い知ったことでしょう。

 自由で民主国家の日本では、日本共産党はこのまま社民党のように、解党に向かって行くしかないのではないでしょう。

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