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2021年12月16日 (木)

習近平が進める「台湾海峡大橋」計画 前のめりのワケは

Xx3wy2deonlj3d6rlo6ueuti6y  中国による台湾統一の野心は、習近平政権になってからより先鋭化しています。「中国の夢」構想の、核心的利益の領土面のトップにもあげられる台湾。台湾有事はより現実的なものになりそうと思われます。「台湾有事は日本の有事」と多くの議員が認識する中、また一つそれを示唆する情報が現れました。

 産経新聞の前中国総局長、西見由章氏が同紙に掲載したコラムから、その内容を引用します。タイトルは『習近平氏が進める「台湾海峡大橋」計画 前のめりのワケは…』(12/8)で以下に掲載します。

 ◇

世紀の大プロジェクトか、こけおどしの大風呂敷か-。中国政府が幅120キロ超の台湾海峡に世界最長の海上大橋と海底トンネルを建設し、中国本土と台湾を結ぶ計画を喧伝(けんでん)している。台湾への武力侵攻を排除せず軍事的な威嚇も強める習近平指導部からの一方的な提案に、台湾側の反応は当然ながら「独りよがりだ」と冷ややかで、軍事利用への警戒感も根強い。

中国と台湾を橋やトンネルで結んで「陸続き」にする計画は、習近平国家主席が台湾対岸の福建省幹部だった1990年代から取り組んでいる自身肝いりの構想だ。2020年までの「第13次5カ年計画」に福州と台湾を鉄道で直接結ぶ構想が盛り込まれるなど、中国側の長期インフラ構想にしばしば登場してきた。

ただ台湾側では、対中傾斜を強めた国民党の馬英九政権(08~16年)ですら、世論の対中警戒感の高まりを背景に大橋計画へのゴーサインを出すことはなかった。計画の本格始動には台湾側の合意が不可欠で、膠着(こうちゃく)状態が長年続いている。

にもかかわらず中国の習指導部は、同計画への前のめりな姿勢を崩していない。想定ルートの一つで中国側の起点となる福建省福州市から、台湾に最も近い中国の島である平潭(へいたん)島までの約90キロ区間は、20年に高速道路と鉄道が開通した。中国側から海上大橋に接続する「取りつけ道路」部分がすでに完成していることになる。

今年2月には、共産党中央と中国政府が発表した35年までの全国的な交通運輸網の整備計画案に「福州から台北」に至るルートを明記。中国で台湾政策を担う国務院(政府)台湾事務弁公室の報道官は11月下旬、この整備計画に言及し、「両岸(中台)同胞のためによりよい交通運輸資源とサービスを提供できる」と早期建設をアピールした。

蔡政権に全方位の圧力

中国共産党系の環球時報(電子版)によると、数十年間に及ぶ事業構想の中で有力な案は、35年までの整備計画案に盛り込まれた北ルート(中国の福建省福州市-同省平潭島-台湾の新竹市-台北市)のほか、南ルート(福建省アモイ市-台湾の金門島-嘉義市)もある。北ルートの海域部分は約120キロ、南はその倍に及ぶが、両ルートを建設して「環状線」にすることも可能だとしている。

具体的な工法については、海上橋を基本とし、海峡の中間部分に海底トンネルを建設する構想が浮上。建設費は北ルートで4000億元(約7兆円)超という。

同紙は、建設に向けた課題について「技術面、資金面、政治」の3つがあり、政治的問題の解決が最も難しいと指摘する。これはうなずける主張だ。中国がこれまで建設した高速道路の総延長は16万キロ、高速鉄道は4万キロ弱に達しており、その経験値は侮れない。18年には香港、マカオと中国本土の珠海を世界最長の海上橋とトンネルで結ぶ「港珠澳(香港・珠海・マカオ)大橋」(全長55キロ)を完成させている。

一方、「政治的問題」は深刻だ。習指導部は昨年以降、台湾の防空識別圏に大量の軍用機を進入させるなど、中国側の統一要求に応じない民主進歩党の蔡英文政権に全方位の圧力を強めている。その傍らで中台間の人や物の往来を爆発的に増加させる大橋計画を早急に進めようとしているのだから、まるで左手に刃物を持ったまま右手で握手を求めるようなものだ。

中台間の交通網の整備を通じて中国が経済的な影響力を強め、軍事侵攻にも利用しようとしているのではないかと台湾側が警戒するのも無理はない。台湾で対中国政策を主管する大陸委員会は「中国共産党の独りよがりな台湾統一に向けた宣伝は、絶対多数の台湾民衆から賛同を得られない」と計画を切り捨てた。

中国側がいま、「大橋建設計画」をアピールする狙いはなにか。東京外国語大の小笠原欣幸(よしゆき)教授は「台湾に対する揺さぶり工作という面もあるが、それ以上に中国国内と国際社会に向けて、習氏による台湾統一が着々と進んでいるという偽の雰囲気をつくりだそうとする〝苦肉の策〟ではないか」と分析する。

中国世論と現実のギャップ

習氏は19年1月の演説で、「一国二制度」による統一を台湾側に呼びかけた。しかし、香港でのデモ拡大に対する当局の弾圧を目の当たりにした台湾人の間には「今日の香港は明日の台湾」との危機感が広がり、20年1月の総統選では中国と距離をとる蔡英文氏が再選した。習氏の統一案に台湾人は明確な「ノー」を示した。

「習氏の台湾政策は全く進んでいないのに、中国国内では『今ほど統一に近づいたときはない』と壮大な宣伝をしてきた。来年秋の共産党大会までに、そのギャップをなんとか埋めようとしているのが現在の中国政府だ」と小笠原教授は指摘する。大橋計画のアピールもその戦略の一環というわけだ。

♪あの列車に乗って台湾に行こう あの35年に あの歌の阿里山を見よう-。

中国では11月以降、動画投稿サイトで「2035年、台湾に行こう」という歌が拡散した。大橋計画をアピールする意図は明らかだ。台湾の国防安全研究院は「中国共産党が話題になることを狙ってつくりだした、(口コミの拡散を利用した)バイラル・マーケティングによる宣伝作戦」と分析している。

中国のネット上では「35年に中台を結ぶ鉄道が完成するということは、遅くとも25年には統一が実現するというシグナルだ」などと一方的な期待感を膨らませる声もある。世論の期待と現実のギャップは広がるばかりで、危険な兆候だ。

「北京五輪が終了した後の来年3、4月ぐらいに、大きい動きがあるのではないか」。小笠原教授は中国による武力侵攻の可能性には否定的だが、軍事的な威嚇や経済的な圧力などの先鋭な動きをみせると予想している。

 ◇

 「台湾海峡大橋」の実現には、中台の統一が前提にあり、それを狙っての宣伝工作と分かっていても、台湾にとっては放置できない案件でしょう。日本にとっても台湾有事が現実のものとなれば、対岸の火事では済まされないことは自明の理です。

 この計画を外から阻止することはできません。武力を使うことが必須となるからですし、そんなことは日米とも不可能です。ですから台湾の抵抗を支援することしかありません。中国が先に武力行使に出れば、日米を主力とする多国籍軍を組織し、その対抗のために台湾防衛に回ることになるでしょうが、双方共に多大な損害が発生するので、そうはならない確率は高いと思われます。

 ただ中国の台湾への、武力以外での攻撃と圧力は続くことは間違いないでしょう。それに台湾が耐えられるか、そのための支援をどうしていくかが、日米および他の支援国の必須の課題です。

 ところで日韓の間にも「日韓トンネル」構想がありますが、巨額の投資資金が必要な割には、日本のためには効果の少ないこの構想は破棄すべきでしょう。特に今や敵性国家となった韓国と、道路でつなぐことは安全保障上の脅威を増すことにもなります。台湾海峡大橋とは違った意味で、構想を破棄すべきでしょう。

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