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2022年1月22日 (土)

急げ、極超音速ミサイルなどの先端兵器開発。危険極まりない中朝露に囲まれた日本の安全を守れ

Hk3qy33fxbkhblkzuwltb3qfdu  政府は2022年末までに、国家安全保障戦略を改定するのに合わせ、「敵基地攻撃能力」の保有に関する検討を本格化させる、と表明しました。迎撃困難なミサイルの開発を進める中国や北朝鮮への、抑止力・対処力を強化するのが狙いです。自民党は既に提言作成に着手。他国領土に届く長射程ミサイルを含む装備を保有するかが焦点となっています。

 そうした中、北朝鮮が極超音速ミサイルの発射実験を行った、との報道が伝えられました。中国は既に先行しており、ロシアも保有するこのミサイルは、現状迎撃困難で日本も早急に対応が急がれます。

 産経新聞が北朝鮮の今回の発射実験の様子を伝えています。タイトルは『北の極超音速は迎撃困難 日本も開発で「抑止力に」』(1/15)で、以下に引用します。

 またそれに続いて、それに関連する日本の取るべき道への提言を、JBpressの記事『極超音速ミサイル、世界の開発動向を詳解 際立つ中国とロシアの開発強化、日本には技術以前の問題も』 から引用します。

 ◇

北朝鮮が12日、極超音速ミサイルの発射実験で「最終的な確証」を行ったと発表したことで、日本を取り巻く安全保障環境は一段と厳しさの度合いを増した。政府は軍事的圧力を強める中国などを念頭にさまざまなミサイル防衛(MD)強化策を進めているが、極超音速ミサイルは現在のMD網では迎撃困難とされる。迎撃の可能性を高める技術開発を行う一方で、極超音速ミサイルや高速滑空弾を保有することで抑止力強化を図る道も探っている。

北朝鮮や中国などが開発を進める極超音速滑空兵器(HGV)は通常の弾道ミサイルより低高度で変則軌道を描くため現状では追尾できない。防衛省は米国が整備を進める「衛星コンステレーション」により宇宙から追尾できる可能性に期待をかけている。

衛星コンステレーションは通常の早期警戒衛星より低い軌道に赤外線観測衛星を多数配置する構想で、防衛省は来年度予算案に研究費約3億円を計上した。米国は2年後から150基以上の衛星で試験運用する計画で、日本も数年後には実用化できると見込む。

一方、迎撃態勢については見通しが暗い。日本のMDは洋上のイージス艦に配備された迎撃ミサイルSM3と、地上で迎え撃つ地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の2段構えだが、基本的には弾道ミサイルを対象としている。

防衛省は多層的なMD網を実現するため、巡航ミサイルなど低軌道で飛来するミサイルへの対応も進めているが、HGVにも対応できるかは未知数だ。来年度予算案に計上した改良型の迎撃ミサイル「SM6」と「PAC3MSE」は開発した米国がHGVへの対処力を研究中だ。日本政府も独自開発した主に巡航ミサイル用の「03式中距離地対空誘導弾改善型」(中SAM改)で極超音速ミサイルを迎撃する可能性を探る。

先端技術を活用した迎撃技術の研究にも着手している。一つは高出力の電波を照射して電子的に敵兵器を無力化する「指向性エネルギー兵器」。もう一つは電磁力で砲弾を高速射出する「レールガン(電磁砲)」だが、いずれも研究開発段階で、有効性があるのか不透明だ。

ミサイル迎撃に限界がある中で「同種の能力を持つことで抑止力になる」(防衛省幹部)との見方も出てきた。同省は平成30年度から島嶼(とうしょ)防衛用として高速滑空弾の開発を進める。音速の5倍(マッハ5)には達しないものの、マッハ3~4の速度を実現した変則軌道弾で速度以外はHGVと同種だ。また、マッハ5以上の極超音速を実現するジェットエンジンの研究開発も同時に行っており、いずれも来年度中には試作が完成する予定になっている。(市岡豊大)

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以下は、矢野義昭氏がJBpressに寄稿したコラム『極超音速ミサイル、世界の開発動向を詳解 際立つ中国とロシアの開発強化、日本には技術以前の問題も』(1/21)に記載された記事からの引用です。記事の途中からで、日本の取るべき道への提言が盛り込まれています。

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(前略) このような現状を踏まえ、わが国として極超音速兵器の開発配備に向けて、以下の施策を早急にとる必要があるとみられる。

①攻撃的な極超音速兵器の早急な開発配備

 極超音速兵器への決定的な迎撃手段は見通し得る将来も開発配備は困難であろう。

 既存の迎撃ミサイルによる対処法では、機動型の場合未来位置の予測に限界があり、極超音速では警告時間が短く、対処が困難である。

 開発中の指向性エネルギー兵器についても、その成果は不透明でまだ開発に時間がかかる。

 レールガンは、砲身の腐食と連射耐久性、超遠距離目標の確認と追尾、超高速の弾丸の誘導と急加速への弾丸内蔵電子部品の開発、発射用大電力源の確保といった問題がある。

 レーザー砲には大電力源確保とレーザーエネルギーの大気中の減衰、熱による歪みなどの克服困難な問題がある。

 電磁パルス(EMP)兵器は大気中の減衰もなく有力な迎撃手段だが、敵味方の核爆発時のEMPにも耐えられるとされる核弾頭等の防護用電磁シールドを突破・無効化できなければならない。

 いずれも近距離の速度の遅い目標には対応できても、多数の極超音速目標に対し撃ち漏らしなしに対応するのは、見通し得る将来も不可能であろう。

60decfbd6d544562876063f9997fc91f  中朝ロの極超音速兵器には核弾頭搭載型もあり、撃ち漏らしは許されない。

 核弾頭の撃ち漏らしの可能性を考えると、わが国も抑止のために極超音速兵器とそれを支援するインフラおよび目標発見・誘導システムを宇宙やサイバー、電磁波領域も含めて早急に構築する必要がある。

 敵基地攻撃能力が専守防衛に反するとの見解があるが、このような見方は時代遅れの考え方である。敵基地攻撃能力が専守防衛に反するとするのは、日本が敵地に侵攻作戦を行うからという理由であろう。

 しかし、中朝ロは第1列島線上の日本に対して、射程千から千数百キロ以上の極超音速兵器により自国領域内から直接、撃墜困難な極超音速兵器で攻撃が可能になる。

 しかも、いったん発射された場合、飛翔中での迎撃は極めて困難と予想される。弾頭には核兵器が搭載されている可能性も大きく、撃ち漏らしは許されない。

 そのため日本は国土の自衛のためにも、敵本土領域内の発射プラットホームである陸海空のミサイル部隊、航空機、艦艇、それらを指揮統制する司令部、通信・レーダー施設などを制圧しなければならなくなる。

 すなわち、敵基地攻撃能力は日本の自衛のためにも不可欠になる。

 自ら敵地に侵攻するか否かによる、攻撃と防御の本質的な区別はなくなる。日本が先制奇襲攻撃を受ければ、そのとき敵は、最も安全迅速にかつ秘匿して戦闘準備が可能な敵国領域内から極超音速兵器を撃ちこんでくるであろう。

 自衛のために、それを阻止するにはわが方も同様の極超音速兵器による反撃能力を保有していなければならない。

 もしも敵基地攻撃能力を持たなければ、敵にとり安全な自国領域内から、核攻撃を含め一方的に攻撃されることになり、自衛は不可能になる。

 このような将来戦の特性は、距離が意味をなさないサイバー攻撃においても同様である。

 攻勢的サイバー戦を認めず防勢のみであれば、いずれはセキュリティシステムを破られ、一方的にわが方のサイバー空間を破壊され、あるいは情報を奪われ操作される結果になる。

②秘密保護法とスパイ防止法の制定

 高市早苗自民党政調会長は、「中国の極超音速ミサイルは日本の技術で作られている」と指摘し、スクラムジェットエンジンや耐熱素材など戦略的な研究を行っている日本の学術機関が、中国の国防7大学の技術者を研究員として迎え入れていることを問題視し、これでは「間接的に日本が中国人民解放軍の兵器を強力化することに貢献していることになってしまっている」と述べている(https://blogos.com/article/555235/?p=2、2022年1月20日アクセス)。

 日本国内の報道では、まだ極超音速兵器開発の風洞試験を行っているとは報じられていないが、両用分野でのスクラムジェットエンジンの開発や耐熱素材の開発においては、日本は優れた技術を持っている。

 上記の米国の議会報告(略)でも明らかなように、米国は中ロのみならず、日本、豪州、印度、仏独、韓国、イスラエルなどの同盟国や友好国を含めた世界中の諸国の開発動向についても、周到な情報収集と能力分析を行っている。

 米国としては、単に各国の動向を探るだけではなく、共同開発を行うのに適した国の選別を図るとともに、中ロと独仏印の協力関係など同盟・友好国の信頼度にも警戒監視の目を向けている。

 優れた潜在的技術力を持つ日本もその対象になっていることは明白である。

 しかし、これらの緊要な技術が中国に流出したとすれば、日本の秘密保護態勢、スパイ防止などの対諜報能力が疑問視され、国際的な共同開発への参加や機微な情報の交換もできなくなる。

 防衛用のみならず両用技術を含めた日本の民間企業、他省庁の海外との機微技術の国際共同開発、情報交流にも支障をきたすことになり、日本の機微技術は世界との交流を絶たれ、軍民両分野で世界の発展から取り残されることになる。

 これはわが国の経済安全保障にとり死活的問題であり、民間企業等の情報保護も可能にする秘密保護法とスパイ防止法の制定を急がねばならない。

 そのためには、経済安全保障包括法の中に、この両用技術についての機微情報を含めた、民間企業や一般国民も保護対象とする秘密保護、スパイ防止を可能にする条項を盛り込むことも検討する必要がある。

 極超音速兵器技術はじめAI・量子技術・ロボット・バイオ・衛星・サイバー・電磁波などの領域も含めた軍民両用の機微技術情報の秘密保護とスパイ防止のための関連法制整備を早急に行い、国際的信頼を得られる水準に高めねばならない。

③極超音速技術開発のためのインフラ整備と予算の確保

 研究開発体制の整備には多額の安定的資金が不可欠である。

 米国は各軍種とDARPAがそれぞれ数億ドル以上の研究開発予算を割り当てて各種の極超音速兵器の開発を進めている。

 中ロも同様であり、むしろ米国に先行して各種の極超音速兵器を実戦配備している状況にある。

 世界各国が増設と性能向上に努めている極超音速風洞や極超音速兵器の飛行試験場などのインフラ整備についても、国を挙げた体制整備が必要である。日本国内に最先端極超音速風洞施設を増設し、計10数か所、最高速度マッハ30級の風洞施設等の整備が必要である。

 また情報保全や施設警護、ミサイル追尾・通信中継システムにおけるJAXAや民間企業などの航空宇宙・通信電子関係の協力体制の整備も必要になるであろう。

 日本の経済安全保障の一環として、自ら極超音速兵器の開発配備に、防衛省のみならず、官民学など国の総力を挙げて取り組まねばならない。

 またこの極超音速兵器などのゲームチェンジャーと呼ばれる分野の研究開発は、民間の航空宇宙、通信電子、情報など最先端産業分野への波及効果も大きく、科学技術者、サイバー人材の育成・雇用確保や先端技術力の向上、ひいては経済成長の中核にもなりうるであろう。

 そのために必要な予算を長期安定的に確保する必要がある。

 中長期的に毎年数百億円以上の研究開発予算を長期安定的に確保する必要がある。今年予定されている中期防衛力整備計画での予算の優先確保措置が必要である。

 その際には、防衛関連予算の配分については、陸海空の別にこだわることなく、統合レベルでの予算として確保しなければならない。

 また、研究開発の効率化のため、開発計画は他省庁と民間の関連計画も含め、国全体として目標を明確にし、相互に調整され整合したものにする必要がある。

 そのためには防衛上の一貫した運用構想が明示されなければならない。研究開発当初から統合レベルでの相互運用性、国土戦を前提とする統合運用構想の確立が重要になる。

 特に、効率化と運用上の柔軟性を確保するため、開発される極超音速兵器は、潜水艦の垂直発射管を含めた陸海空の各種の発射母体から発射可能で、潜在敵のミサイル防衛網を突破し目標に到達し破壊できる能力を持たなければならない。

 弾道ミサイルと組み合わせ、少なくとも1000キロ以上、最大6000キロ程度の射程をもつ極超音速兵器が必要となろう。

④国際協力の推進

 グローバルな課題である、航空宇宙・サイバー・情報通信などの領域での国際間の協力と前述したように国際水準の秘密保全に関する国内法制の整備を急がねばならない。

 また射場については、国内での確保には限界がある。

 米国すら豪州の施設を利用しており、日本国内での最先端風洞実験設備の増設とともに、豪州などとの平時ACSAを通じた施設借用などの施策も検討すべきであろう。

 ただし、その際のデーター漏洩には注意が必要である。

 米国としては中ロに対する遅れを速やかに取り戻すためには、連邦累積財政赤字が30兆ドル近くに達しようとする中、他国との共同開発を必要としていることは明らかである。

 AUKUSでは米国は英豪との共同研究開発、豪州の基地や施設の利用についても協力に合意している。日本もAUKUSに準じて、米英豪等との共同開発と豪州、米国の飛行試験場の利用を進める必要があるとみられる。

⑤人材育成と日本学術会議改革

 人材育成と研究開発は大学などの高等教育機関と研究機関の役割であり、それを担っているのは学界である。

 その学術界の頂点に立つ組織が「日本学術会議」であり、年間約10億円の国家予算が投じられており会員は特別職国家公務員である。

 それにもかかわらず、一部の会員が中国の世界的なヘッドハンティング組織である「千人計画」に参加し、あるいは前述したように人民解放軍の国防七大学と共同研究を行うと言ったことがこれまで放任されてきた。

 他方で日本学術会議は創設直後の1950年以来、軍事目的のための科学研究を行わない旨の声明をたびたび発しており、防衛用装備品の研究開発に各大学の研究室や研究者が参画するのを阻害している。

 このような日本の安全保障上の死活的国益を損なう行為を行ってきた日本学術会議は、民営化するなどの改革を断行し、軍民融合を加速させている中国やそれに対抗して大学、研究機関、関係省庁の総力を挙げて軍事研究開発に取り組もうとしている米国に倣い、わが国でも、学界を含む国を挙げた研究開発体制を整備する必要がある。

 ◇

 このブログで再三指摘しているように、日本の周辺には中朝露という核保有国が存在し、かつすべて極超音速ミサイルやサイバー兵器を保有し、極めて危険な領域に位置しているのに、未だに「専守防衛」とか「非核3原則」などと言う、数十年も前の古い防衛思想から脱却できていません。

 ようやく「国家安全保障戦略」を改定にあわせ、この化石に似た防衛思想から脱却しようとしているのは評価できますが、同時に自衛隊の最大の足枷になっている「憲法9条」の改定も急がねばなりません。矢野義昭氏の提唱する、「秘密保護法」と「スパイ防止法」の制定や「日本学術会議」の抜本的改革も必要でしょう。

 そして何よりも、急変する日本周辺の安全保障環境の実態を、国民に周知させねばなりません。未だにGHQの押しつけた憲法や自虐史観にどっぷりつかって、戦力保持なき平和という夢想をむさぼっている、一定数の日本人はいます。彼等の考えに寄り添えば、早晩日本の主権はなくなってしまうでしょう。そうした人はこの際無視して、日本の危機を受け止める人を増やし、日本の抑止力を高める施策を、政府は早急に打ち出すことを願います。

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